風変わりなフランス出身のジャズロックバンド「FUGU」の「Harmonia Maudit」
Musician●FUGU
Title●Harmonia Maudit(2000年)
■Musea Recordから購入
フランスのジャズロック系バンド「FUGU」(フグ)によるおそらく唯一のアルバムです。2000年リリース。マニアックなプログレやジャスロックばかり扱っているフランスのレーベル「Mesea」から入手しました。この「Mesea」は大変奇特なレコード会社で、日本の「美狂乱」や「Mr.Sirius」まで扱うという知る人ぞ知るプログレの殿堂的なショップです。
某サイトで「ギターがHoldsworthy」という情報を聞きつけて入手したのですが、「FUGU」というわけがわからないバンド名からしてすでに怪しい感じが漂っています。さぞかし奇怪な音楽が聴けるだろうと恐る恐る聴いてみると、これが意外と(?)真っ当なジャズロック&プログレサウンド。冒頭はUKやBrufordあたりを彷彿とさせるシンフォ系サウンド。所々でラテン音楽的なBrufordに変身するあたりはフランス出身だからでしょうか。お目当てのHoldsworthyなギタリストはPhilippe Trosiという人ですが、Holdsworthほど速いパッセージを披露することはなく、ゆったりと悠然と構えています。確かに随所でHoldsworthyらしさを表に出してきますね。
冒頭の曲調からしてかなり好みのサウンドなのですが、途中から妙なラテン調の曲になったり、ひたすらアコースティックになったりとどうも芸風が一定しません。どうも強力にプッシュできない理由はまさにそれで、一貫性のなさがB級(C級?)バンドたらしめているのではないかと思います。
正体不明のバンド名といい、奇天烈なジャケットデザインといい、とても不思議な感じを醸し出しているバンドですが、果たしていまも活動しているのでしょうか。放置しておくとそのまま消滅しそうな予感がするのでご紹介します。
●Musicians
Philippe Trosi / guitar
Thierry Masse / keyboards
Lilian Bencini / bass
Fred Pasqua / drums
●Numbers
1. La Walkyrie Quand On Ouverture
2. Sinistre
3. Hommage Au Mage
4. From Barletta
5. X-Fly
6. Papyrus
7. A M'on's Domicile
8. Ectoplasmes
9. La Walkyrie Quand On Final
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コメント
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そうそう ホールズワース系と言えば
平井庸一(Gt)の「パスコアール・プロジェクト」が熱いです。
一回だけアバクロ奏法のレッスンを受けたのですが…
ホールズワース・モデルギターCARVIN / HF2(トレモロアーム付き、ホローボディー)+ Noah'sark DISTORTION B(新型、メサブギ系歪みペダル)+Roland Cube80アンプというセッティングにて、ピット・イン等でヌメヌメとしたレガート奏法をパスコアールの曲にのって披露しています。
残念ながら既存CDでは、トリスターノ系クールジャズ作品しかないのですが…
近い将来、和製ホールズワース・サウンドのCDを期待できるかもしれません。
今は、↓Youtubeでしかみられませんが、高いの完成度の演奏だと思います。
http://d.hatena.ne.jp/l7-songib/20131231/1357576229
ではでは
投稿: betta_taro | 2013年2月26日 (火) 10時58分
betta taroさま
コメント&情報ありがとうございます。
平井庸一という人はお初ですが、動画を見るかぎりなかなかの
お方ですね。
CDがリリースされることを熱望します!
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年3月 3日 (日) 11時40分