謎の日系人ギタリストMiles Okazakiの「Figurations」
Musician●Miles Okazaki(guitar)
Title●Figurations(2012年)
■Amazonより購入
当欄が大変お世話になっていますbetta_taroさまご推奨盤を入手してみました。謎の日系人Miles Okazakiのライブ音源「Figurations」です。迂闊にも初めて知ったプレイヤーですが、どうやらディスクユニオンの2012年9月期推奨盤に推されていたようです。2011年6月4日、NYCはThe Jazz Galleryでのライブ音源。Miles Okazakiの詳しい来歴は現在調査中ですが、それにしても大胆不適な命名ですね。密林をみる限り、4枚ほどリーダー作がリリースされています。参加メンバーはMiguel Zenon(sax)、Thomas Morgan(bass)、Dan Weiss(drums)という構成。元々はスティーブ・コールマングループに在籍していた「M-BASEチルドレン」で、NYCで活躍する「裏街道派」で、ということは「ブルックリン派」とも一脈通じることになります。
で、早速耳を傾けるとまさに期待通りの「裏街道系のコンテンポラリー系」。Miles Okazakiのプレイスタイルはこの音源だけではなかなか掴みきれないのですが、「M-BASEチルドレン」の名に恥じない予定調和を徹底的に排除するタイプです。特に#1「Dozens」でのリズム隊とバッキングを合わせながら途中から凄まじいソロを繰り出す展開には正直驚かされました。#2「Rain」でのあまりに流麗なギターソロも息を呑むほどの美しさです。現代派ジャズというフォーマットをとりながらも、インプロビゼーションの応酬の中でソロパートとリズム隊とが時に凄まじい化学反応を起こす。うまく言葉で表現できずに大変にもどかしい思いですが、あまり類例をみない異形のプレイヤーであることは間違いないようですね。これは要聴き込み物件です。ちなみにジャケットデザインもOkazakiさんによるものです。
●Musicinas
Miles Okazaaki / guitar
Miguel Zenon / sax
Thomas Morgan bass
Dan Weiss / drums
●Numbers
1. Dozens
2. Rain
3. Wheel
4. Bass Solo
5. Figurations
6. Mandala
7. Loom
8. Corazon
« 若手革新派鍵盤楽器奏者Aaron Parksの「Invisible Cinema」 | トップページ | ドイツ人トランペット奏者Uli Beckerhoffの「Private Life」 »
「ジャズギター」カテゴリの記事
- David Gilmore / Transitions(2017年)(2017.04.08)
- Kurt Rosenwinkel / Caipi(2017年)(2017.04.02)
- Wolfgang Muthspiel,Mick Goodrick / Live At The Jazz Standard(2010年)(2016.08.06)
- John Abercrombie / Within A Song(2012年)(2016.07.03)
- Albert Vila / The Unquiet Sky(2014年)(2016.06.25)
コメント
« 若手革新派鍵盤楽器奏者Aaron Parksの「Invisible Cinema」 | トップページ | ドイツ人トランペット奏者Uli Beckerhoffの「Private Life」 »
奇天烈音楽士さん あけましておめでとうございます。
前作 "Generations" で出会い、ピンっとこないところもあり
ほぼ放置状態だったのですが、本作を聴いて、その執着癖とも
言えるような変質性が妙に気になっていました。
まだ、解析不能の部分もあるなどブログUPしてませんでしたが、
この機会に当方もUP試みてみます。
ということで、今年も宜しくお願いいたします。
投稿: J works | 2013年1月 4日 (金) 15時46分
J worksさま
明けましておめでとうございます。
今年も当欄をご贔屓にお願いいたします。
若干怖いもの見たさで聴いてみた次第ですが、
まだ十分に腑に落ち切れていない部分も多いのは確かです。
要聴き込み案件がまたしても登場した感です。
聴けば聴くほど違った発見があるということで、
スルメイカ音源とでも命名しようかと思っています。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年1月 4日 (金) 20時33分
いつものごとく脱線しますが…
最近したの音源にはまってます(^ ^;
Rudresh Mahanthappa - Gamak (2013) … M-BaseとFuze(ハモロデ系)の邂逅?
Hannes Riepler - The Brave (2012) … 隠れブルックリン派ギタリスト。渋い!
Mouse on the Keys - Machinic Phylum[EP](2012) … Pf Trioですが凄い音圧です(X X)
ではでは
投稿: betta taro | 2013年1月 9日 (水) 21時20分
betta taroさま
コメントありがとうございます。
情報、感謝であります♪
恥ずかしながらお三方とも存じ上げないのですが、
漁盤リストへ入れさせていただきます。
(コメントの件、どうかお気遣いなく…)
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年1月10日 (木) 21時23分
あたたかなお言葉ありがとうございます。
上にあげた3枚は小粒ですが
下の2枚は、2011年の いーぐる後藤さん の年末聴講会でもリストにあがった、M-Base系の聴き応え満点の強力作品です。
上がSaxがリーダ、下のがGuitarがリーダの作品ですが、作風は非常に似ています。
Rez Abbasi’s Invocation - Suno Suno (2011) ←私は後藤さんが選盤したこちらの方が好みです
Rudresh Mahanthappa - Samdhi (2011) ←後藤さんは自身の選盤よりこれの方が良いとコメントされていました。
もし本当に Rudresh Mahanthappa をご存知なければ(失念されているだけで、そんなはずはないと思っていますが…)この2作品は試聴する価値大だと思います。
ではでは
投稿: betta taro | 2013年1月12日 (土) 22時32分
betta taroさま
コメントありがとうございます。
お返事遅くなりました。
ご推奨の盤のうち、Hannes Riepler「The Brave」を入手いたしました。
確かに渋いですね♪
ほぼ連日のように聴いていますが、まだ正体をつかみかねています。
いずれ、レポートさせていただきますね。
情報、多謝であります!
投稿: 奇天烈音楽士 | 2013年1月24日 (木) 23時37分