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2013年1月

2013年1月27日 (日)

Attila Zollerの「Overcome」を聴き直す

R0012120
Musician●Attila Zoller(guitar)
Title●Overcome(1986年)
■ディスクユニオンで購入


今は亡きハンガリー出身のジャズギタリストAttila Zoller(アッティラ・ゾラー)が1986年に行われた「The Leverkusen Jazz Festival」に参加したときのライブ音源です。メンバーはKirk Lightsey(piano)、Michael Formanek(bass)、Daniel Humair(drums)という構成。はじめの4曲がライブで、後半2曲は1979年にスタジオ録音されたギターソロです。どういうわけか「Enjaレーベル」からリリースされているのが興味深いところです。そういえば1970年代以降、Enjaから何作かリリースされています。

この作品で聴かれる音はどうやって表現したらいいのか、いまだに適切な言葉がみつかりません。バックのフォーマットは確かにジャズでも、響き渡るフレーズは宇宙的な魅力を放っています。コンテンポラリー系などという軟弱な表現を拒否するあまりに個性的でオリジナリティーあふれるプレイの数々はまさに「オンリーワン的」な孤高の極みにまで達しています。

いきなりタイトル曲の「Overcome」では極端にリバーブを効かせたZollerのギターソロが縦横無尽に暴れまわりますが、これが実にスペーシーな魅力に満ちたもの。壮絶といってもいい過激なプレイを聴く限り、後にも先にも類似するプレイヤーは見当たりません。Zollerというと1960年代で聴かれたフリー寄りのプレイが大変印象に残っているのですが、この作品ではそうした前衛的な要素をさらに磨き上げ、まったくオリジナルなものへと昇華させています。なんともたとえようもない魅力を放つ作品ですが、ギター好きの方には自信をもってお勧めします。

●Musicians
Attila Zoller / guitar
Kirk Lightsey / piano
Michael Formanek / bass
Daniel Humair / drums

●Numbers
1.  Overcome
2.  Starry Night
3.  Lullabye
4.  Lev Blues
5.  Keserges For Albert
6.  Don Alabard

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2013年1月26日 (土)

Adam RogersのCriss Cross第3弾「Apparations」

R0011973
Musician●Adam Rogers(guitar)
Title●Apparations(2004年)
■ディスクユニオンで購入


ここにきてAdam Rogersネタを連発していますが、そろそろ「Criss Cross」に対して真剣に向き合おうと思い始めてまして、まずはお気に入りのRogersを手始めに聴き直しているからなのです。改めまして「ブルックリン派」を代表するコンテンポラリー系ギタリストAdam Rogers(アダム・ロジャーズ)によるCriss Cross第3弾です。2004年リリース。参加メンバーはChris Potter(tenor sax)、Edward Simon(piano)、Scott Colley(bass)、Clarence Penn(drums)というお馴染みの面子です。

元々はジャズロックユニット「Lost Tribe」あたりから頭角を現しただけにどちらかというとロック寄りのギタリストがジャズに転向するとどんな感じに変貌を遂げるのか。その一例を端的に示しているのがこのAdam Rogersです。この作品でもCriss Crossとしては異例の全曲オリジナルで勝負に挑んでいます。相変わらずコードによるアドリブは一切と言っていいほどやらず、短音でガンガンと攻めてくるからギター好きにとってはたまりません。古くはJim Hallあたりの影響下にあるのですが、わかりやすく言えばPat MartinoとPat Methenyの中間に位置する感じでしょうか。とてつもなく速いフレーズをいとも容易く弾きこなしてしまう超絶技巧には相変わらず溜息が出てしまいます。前2作と比較するとやや内省的な印象を受けますが、これがまたジャズのメーンストリームに背を向けた「裏街道派」の面目躍如とも言えるのではないでしょうか。


●Musicians
Adam Rogers / giutar
Chris Potter tenor sax
Edward Simon / piano
Scott Colley / bass
Clarence Penn / drums

●Numbers
1.   Labyrinth 
2.   Tyranny Of Fixed Numbers 
3.   Persephone 
4.   Continuance 
5.   The Maya 
6.   Apparitions 
7.   Amphora 
8.   Moment In Time

R0011974


2013年1月25日 (金)

Softs敬老会(?)Soft Works「Abracadabra」

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Musician●Soft Works
Title●Abracadabra(2003年)
■Amazonより購入


Allan Holdsworth関連音源の連投です。これもどちらかというと敬遠物件ですね。2002年になってSoft Machineの元メンバーによって突如「再結成」された「Soft Works」による音源です。Elton Dean(sax,fender-hdes,piano)とHugh Hopper(bass)の2人が先導となって期間限定的に再結成をモクロんだのですが、これはおそらく著作権にからむ権利保持が裏側にあったのではないでしょうか。この企画に乗ったのが、Allan HoldsworthとJohn Marshall(drums)ということになりますが、驚くことにこの4人が「Soft Machine」に同時に在籍したことがないということ。言ってみれば「初顔合わせ」に近いユニットだったわけです。しかも、中期から後期Softsの中心人物であるKarl Jenkinsをはずしてプロジェクトを進めてしまったため、版権の一部を持つKarl Jenkinsから「Soft Machine」の名称を使用することを拒否されてしまったというトホホ企画になってしまいました。急遽、代替案としてひねり出された「Soft Ware」は同名のバンドがあったためこれも使用不可。おまけにレコーディング中にHoldsworthの機材が壊れてしまい、Holdsworthだけが一人だけスタジオにこもってオーバーダビングしたりと、不手際ばかりが目立つというまさにお騒がせ的な登場になってしまいました。

さらに始末が悪いことに、この4人によって録音された全11曲は、権利の関係でアメリカ、ヨーロッパ、そして日本を含むアジアの3つのテリトリー別に制作され、収録曲、曲順、ジャケットデザインがそれぞれ異なっています。穿った見方をすれば、はじめからマニアの購買欲、収集欲を刺激するようなあざとい商売と言わざるを得ません。アルバム発表までのゴタゴタも、マニアの飢餓感をいたずらに煽るための戦略だったのではと邪推を働かせたくなります。とは言っても、アジア向けとアメリカ向けの2枚を購入してしまった私は結局は術中にすっかりはめられているわけですが。

いきなり不手際ばかり目立つ「再結成」だったわけですが、音のほうはそれなりにまとまっているのではないかと思います。ここで「Soft Machine」的な音を求めるのは無理筋というもので、時代に即しているとも思えません。しかしながら、「初顔合わせ」の4人が大騒ぎして集まったわりに「この程度かよ」という失望感は否めません。結局、「Soft Works」はこのアルバム1枚をリリースし、何回かのライブを行った後、「発展的に解散」します。Holdsworthはお約束通り脱退し、後釜に座ったのがJohn Etheridgeというデジャヴ的横滑り人事。バンド名を「Soft Machine Legacy」と改めてライブ活動を行います。しかし、Elton Deanが2006年に死去、Hugh Hopperも2009年に死去してしまいます。結果としては晩節を汚してしまった…というのが正直な感想です。

当時、Karl Jenkinsをして「ケチな奴」と評する人もいましたが、結果がこうなることは彼なりに予測していたのではないでしょうか。ならば、「Soft Machine」のブランドイメージを守り抜きたいと願う彼の考え方は実にまともであり、仮に目先の金に目が眩んで名称使用を許してしまったら、それこそ本当に晩節を汚すことになったと思います。


こちらはオーディエンスショットですが50分以上に及ぶライブ映像です。

●Musicians
Elton Dean / sax,fender-hdes,piano
Hugh Hopper / bass
Allan Holdsworth / guitar
John Marshall / drums

●Numbers
1.  Seven Formerly 
2.  First Trane 
3.  Elsewhere 
4.  K Licks 
5.  Baker's Treat 
6.  Willie's Knee 
7.  Abracadabra 
8.  Madame Vintage

R0012151



2013年1月20日 (日)

Allan Holdsworthが参加!Level 42「Guaranteed」

R0012144
Musician●Level 42
Title●Guaranteed(1991年)
■Amazonより購入


ボーカル入りのジャズフュージョンバンド「Level 42」が1991年にリリースした「Guaranteed」です。Allan Holdsworthファンにとっては先刻ご承知のゲスト参加音源なのですが、なぜかあまり食指が伸びないまま放置しておりました。数年前までは結構入手困難だったのですが、気がついたらボーナストラックをしこたまぶち込んで「2 CD仕様」として再発売されていました。というわけでここは年貢の納めどき(?)と割り切って購入に至りました。何でいままで向き合ってこなかったのかというと、理由は至極単純で、バンドとしてあまり好きなタイプではないからなのです。曲はちょっと明るすぎるし、ボーカルそのものにあまり興味がないからということなのです(ファンの方々、暴言ご容赦を…)。オリジナルは1991年リリースということですから、Holdsworth自身のキャリアに当てはめると「Secrets」(1989年)から「Wardenclyffe Tower」(1992年)にかけての録音ということになるのでしょうね。

肝心のHoldsworthは計5曲に参加(CD 1)しています。この時期のゲスト参加としては異例の多さになるのではないでしょうか。たいていが1曲、多くても2曲というのが相場でしたから。というわけでHoldsworth参加曲のみを…

#4  Seven Years
曲中盤にチラリと音を聴かせて「おや?」と思わせておいて終盤から本格参加しています。短い尺ながら何とも物憂げなソロが素晴らしい!

#8  A Kinder Eye
こちらではイントロから本格参加してくれています。誰が聴いてもHoldsworthとわかるソロから始まります。曲中盤からはボーカルのバックにウネウネを披露する出血大サービスぶりで泣かせてくれます。終盤からは弾きまくりの嵐で大盛り上がり!あれま、食わず嫌いでいままで敬遠していた自分が悔やまれます。

#9  She Can't Help Herself
ミドルテンポのカントリーっぽい曲調に若干の不安を覚えながら聴いていると中盤で短いソロが。終盤になって再登場し、曲のクライマックスを盛り上げています。

#10  If You Were Mine
こちらでは冒頭から参加。この曲、聴き覚えがあるのですがクレジットを見たらGary Husbandの名前が。何かの既視(聴)現象なのでしょうか。Holdsworthはバックでこそこそと弾いているのはわかるのですが、曲終盤になって「こら、こら、ワシにも思う存分弾かせんかい!」とばかりにいきなり大噴火。ためて、ためての一気呵成のソロ連発に悶絶とします。

#12  With A Little Love
「bonus track」ということはオリジナル盤では未収録だったのでしょうか。デュランデュランを思い出すような曲調の中、Holdsworthが中盤で短いソロを披露。やがて曲調がThe Policeみたいな感じに変化して「あれ?」と思っていると最後にKenny Gっぽくなって終わってしまいます。もしかしたら曲自体がボツだったのかもしれませんね。




●Numbers
[CD 1]
1.  Guaranteed
2.  Overtime
3.  Her Big Day
4.  Seven Years
5.  Set Me Up
6.  The Ape
7.  My Father's Shoes
8.  A Kinder Eye
9.  She Can't Help Herself
10. If You Were Mine
11. Lasso The Moon (bonus Track)
12. With A Little Love (bonus Track)

[CD 2]
1.  Guaranteed(single edit)
2.  All She Wants
3.  Guaranteed(The New Avengers Mix)
4.  Guaranteed(Wheel Spin Warrior Mix)
5.  Overtime(edit)
6.  At This Great Distance
7.  Overtime(The `Lorimer' Mix)
8.  Overtime(The Hen Pecked Horns Mix)
9.  Overtime(The King Mix Radio Version)
10. Overtime(live)
11. Guaranteed(live)
12. If You Were Mine(live)
13. My Father's Shoes(single version)
14. As Years Go By
15. Her Big Day(live)
16. The Sun Goes Down (Living It Up)(live)

R0012145



2013年1月19日 (土)

Danny Gottliebのリーダー作「Brooklyn Blues」

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Musician●Danny Gottlieb(drums)
Title●Brooklyn Blues(1991年)
■Amazonより購入


Pat Methenyのバンドで活躍した売れっ子ドラマーDanny Gottlieb(ダニー・ゴットリーブ)による3枚目のリーダー作です。1991年リリース。大手のアトランティックから離れ、「Big World」というレーベルから。当欄の趣向から普通ならばスルー物件に当てはまってしまいそうなのですが、ゲストミュージシャンを見たらそうもいきません。John Abercrombie(guitar)、Jeremy Steig(flute)、Gil Goldstein(keyboards)、Chip Jackson(drums)という面子。当然、目当てはJohn AbercrombieとGil Goldsteinです。

音のほうはお酒が似合いそうな「NYCの夜のジャズ」という感じで、まぁ大変にお洒落な感じです。前2作がわりとはっちゃけた感じだったので、この音源から漂う渋さは実に対照的ですね。それにしてもAbercrombieのウネウネギターは相変わらずの存在感で、下手をすると凡庸に陥りがちのこの音源の魅力を最大限に引き上げてくれています。

●Musicians
Danny Gottlieb / drums
John Abercrombie / guitar
Jeremy Steig / flute
Gil Goldstein / keyboards
Chip Jackson / drums

●Numbers
1.  Melancholee
2.  Diana
3.  I Believe To My Soul
4.  Freedom
5.  Gloria's Step
6.  Fertility
7.  Seventh Sign
8.  Inspiration
9.  Brooklyn Blues

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2013年1月18日 (金)

日本を代表するプログレバンド「Pageant」1st「螺鈿幻想」

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Musician●Pageant
Title●螺鈿幻想(1986年)
■ディスクユニオンで購入


関西を中心に活動していた日本を代表するプログレバンド「Pageant」(ページェント)による記念すべき1st「螺鈿幻想」(らでんげんそう)です。1986年リリース。バンドは90年代に入って解散してしまったのでいまとなっては彼らの生の姿に触れることはかないませんが、強烈な個性と独自の音楽観は他のバンドにはないオリジナリティーにあふれていて、間違いなく80年代を代表する存在だったと思います。メンバーは中嶋一晃(guitar,vocal)、永井博子(vocal,keyboards)、宮武“シリウス”和広(flute,guitar)、長嶋伸行(bass)、引頭英明(drums)。

このバンドは創設者でありリーダーである中嶋一晃を中心に語られることが多いようですが、個人的にはボーカル兼鍵盤楽器奏者の永井博子(後に大木理紗さんと改名)の卓越した歌唱力に惹かれながら聴いています。一言で言ってしまえば「変幻自在のボーカル」ということなのですが、時には童女のように、時には天使のように、特にはアマゾネス(死語ですね…)のように思わせる歌唱力にはただただ驚かされます。曲調はひたすらダークでどこか怪奇的であり、それでいて大正ロマンを思わせる嘆美的な要素を感じさせます。一般的な嗜好とはほど遠い音楽であることは間違いありませんが、「日本のプログレなんて」と思われている方。ぜひ、聴いてみてください。認識ががらりと変わるはずです。

唯一、「セルロイドの空」で中嶋さんがボーカルをとっていますが、声質が「美狂乱」の須磨さんにどこか似ています。決して下手というわけではないのですが、できればボーカルは永井一本で通してほしかったなぁというのが偽らざる感想です。

●Musicians
中嶋一晃 / guitar,vocal
永井博子 / vocal,keyboards
宮武“シリウス”和広 / flute,guitar
長嶋伸行 / bass
引頭英明 / drums

●Numbers
1.  螺鈿幻想
2.  ヴェクサシオン
3.  木霊(こだま)
4.  人形地獄
5.  夜笑う
6.  セルロイドの空
7.  エピローグ

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2013年1月14日 (月)

Adam Rogersの初リーダー作「Art Of The Invisible」

R0011993
Musician●Adam Rogers(guitar)
Title●Art Of The Invisible(2001年)
■ディスクユニオンで購入


いまや「ブルックリン派」の重鎮となった感がするコンテンポラリー系ギタリストAdam Rogers(アダム・ロジャース)がCriss Cross移籍後にリリースした初リーダー作です。2001年12月、ブルックリンで録音されています。メンバーはEdward Simon(piano)、Scott Colley(bass)、Clarence Penn(drums)。Scott Colleyはジャズロックユニット「Lost Tribe」時代からの盟友ですね。

Criss Crossというと必ずと言っていいほどスタンダードのカバー曲が入ってくるのですが、Jerome Kern作#1「Long Ago And Far Away」以外はすべてがRogersオリジナル曲というのが異例と異例です。それだけ、Rogersの作曲能力が評価されているということなのでしょう。音の傾向としては典型的なコンテンポラリー系ギターですが、いわゆる「ブルックリン派」に共通する独特の浮遊感と音と音の隙間を這い回るヌエのようなギターソロはすでに完成の域に達しています。一聴すると決して派手ではないのですが、聴き込んでいくたびに新しい発見を得ることができます。それにしても派手なプレイで鳴らした「Lost Tribe」時代のRogersを知る人間にとっては、驚くべき転身であることは確かです。

個人的にはTerri Lyne CarringtonがACTからリリースしたリーダー作「Structure」でも客演した#3「The Invisible」がお勧めです。とてつもない高密度のギターソロをこれまた凄まじいスピードで軽やかに弾きこなすテクニックには唖然呆然です。ピアノのEdward Simonの好サポートも光り輝いています。

●Musicians
Adam Rogers / guitar
Edward Simon / piano
Scott Colley / bass
Clarence Penn / drums

●Numbers
1.  Long Ago And Far Away 
2.  Absalom 
3.  Bobo 
4.  The Aleph 
5.  The Invisible 
6.  Cathedral 
7.  Book Of Sand 
8.  In Broad Daylight 
9.  The Unvanquished

R0011994


2013年1月13日 (日)

これでHoldsworth関連音源コンプリート(?)Pazの「Love in Peace」

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Musician●Paz
Title●Love in Peace(Amour em Paz)(1991年)
■Amazon Germanyより購入


稀代のテクニカル系ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)関連の音源を蒐集し始めて、かれこれ30数年(笑)。その流浪の音楽遍歴もあって入手が極めて困難な音源が多いことは周知の事実です。リーダー作こそ、ほぼ問題なく入手できる有難い時代になりましたが、スポット参加的なゲスト出演にまで手を伸ばし始めるとまさに病膏肓。知らず知らずのうちに、ハマってしまうことになるのです。まぁ、このあたりがコレクター魂を刺激してやまないことも事実なのですが。

ひと昔前まで、Holdsworth参加音源の中で最も入手困難とされたのが、「Soma」(1986年)でした。オリジナルプレス盤は相変わらず○万円という驚愕の価格でトレーディングされているようですが、数年前に韓国産と思われる「レプリカ盤」が闇で流通し始め、またiTunesでの配信がスタートしたこともあって、希少価値が一挙に下落してしまいました。で、「激レア物件」として急遽浮上してきたのが、今回ご紹介する「Paz」というユニット(?)の「Love in Peace」と米のマルチプレイヤーJon St.Jamesのリーダー作1st2ndです。後者については、アナログ盤のみということもあって一見すると敷居が高いのですが、本気で入手しようと思えば何とかなります(笑)。最近では、アナログ盤から起こしたCD-Rをオマケとして付けてくれる良心的な個人トレーダーもいるようです。激レア盤としてあえて付け加えればロシアのプログレバンド「Gorky Park」の「Stare」(1996年)でしょうか。

問題は言わずもがなで前者の「Love in Peace」です。この盤はHoldsworthのオフィシャルサイトがオープンするに及んで、初めてその存在が知られたのではないかと思われます。しかしながら、Holdsworth本人は「ワシは作品と認めていない」と言い張っていますが(笑)。でも、そんなことを言われるとへそ曲がりの当欄としては「どんなものなのか?」と強烈な興味を抱いてしまうことは自明の理です。そんなわけで、しゃかりきになって探すこと、探すこと!国内はもちろん無理だろうということで、海外のサイトをあちこちと探し回ること幾年か。いくら便利なネットがあるといっても、「見つからないものは見つからない」のです。そもそも「Paz」というユニット自体が正体不明なので、手がかりすら掴めません。半ば諦めかけていたのですが、昨年末、「独逸密林マーケットプライス」を何気なく回遊していたところ、あっけなく発見。無事、捕獲成功というわけです。どうせ「大メジャー密林」はそんなマイナー物件など扱っていないだろうという勝手な先入観もありましたが、それにしてドイツとは!唯一の不安が中古物件にありがちの「海外への発送はできましぇん<m(__)m>」アラートでしたが、杞憂に終わりました。

で、届いたのがこの物件です。なぜか佐川急便経由で到着。ドイツの佐川急便に持ち込んだのでしょうか。ひと昔前までは想像できなかったですね。便利な世の中になったものですね。

この「Paz」というユニット、ネットなどを見ても案の定、情報は皆無に等しいのですが、どうやらイギリス出身のグループでブラジル音楽をベースとしたフュージョンバンドのようです。この盤は70年代後半から80年代にかけて各所で行われたライブ音源をまとめたもの。Dick Crouchという人がバンマスのようで、大人数のクレジットから想像するにメンバーをたびたび変更しながら活動していたようです。おお、そういえば「I.O.U.」でベースを担当したPaul Carmichaelがクレジットされています。

肝心のHoldsworth参加曲ですが、詳細なクレジットがないために確証がもてないのですが、#11「Dream Sequence」ではないかと思われます。なるほど、それらしいHoldsworthらしいコードヴォイシングから曲がスタート。91年ということはアルバム「Secrets」(1989年)から「Wardenclyffe Tower」(1992年)の間あたりということになりますが、詳細データがないのでこれも定かではありません。しかしながら、しばしコードヴォイシングが流れた後はバックで弾いているのがわかる程度。正直あれれ…という感じですが、執念で入手した盤だけに、この際はどうでもいいです。ちなみに#7「Amour em Paz」はCarlos Jobimの曲です。個人的には#1「Kandeen Love Song」が気に入りまして、ギターも何となくHoldsworthっぽいのですが、これも確証はありません。でも、これはおそらくPhil Leeではないかと思います。

というわけで、長きにわたって蛇のような執念深さで追いかけてきたAllan Holdsworth参加公式音源蒐集作業は、これにて終了!昔、ドノヴァンのアルバムに参加したという話もありましたが、実は未確認です(笑)。正直、この盤を入手した達成感が圧倒的に勝っていて、ドノヴァンに関してはどうでもいいかな、と。

●Musicians
Phil Lee,Glen Cartledge,Allan Holdsworth / guitar
Dick Crouch / vibraphone
Ray Warleigh / sax,piccolo,flute
Phil Todd / sax
Geoff Castle / keyboards
Ron Mathewson,Paul Carmichael,Laurence Cottle,Henry Thomas,Billie Christian / bass
Martin Drew,Neal Wilkinson,Steve Arguelles,Les Cirkel / drums
Dave Sheen / drums & speech

●Numbers
1.   Kandeen Love Song
2.   Tem Do De Mim
3.   Look Inside
4.   Sidewind Shuffle
5.   I Can't Remember
6.   Bags
7.   Amour em Paz
8.   The Singing Bowl
9.   Anthem
10.  Hope Spring's Eternal
11.  Dream Sequence
12.  Speech

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2013年1月12日 (土)

英国ジャズロックの正統派「Gilgamesh」の1st

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Musician●Gilgamesh
Title●same(1975年)
■Amazonより購入


英国出身のジャズロックバンド「Gilgamsh」(ギルガメッシュ)による1stです。1975年リリース。バンド自体は1972年に結成されていますが、いきなりデビューとはいかず、幾多のメンバーチェンジを経てやっと陽の目を見た形になったようです。

メンバーはPhil Lee(guitar)、Alan Gowen(piano,clavinet,synthesizer,mellotron)、Jeff Clyne(bass,contrabass)、Mike Travis(drums)、Amanda Persons(vocals)という構成。バンマスのAlan Gowen(アラン・ガウエン)は元々はジャズピアニストだったそうで、60年代後半はピアノトリオを結成していた経緯があります。70年代に入ってからはジャズロックへと転向、後にKing Crimsonに加入するパーカッション奏者Jamy Muirと「Sunship」というバンドを結成しますが、Jamy Muirの脱退によってこの「Gilgamesh」が誕生します。プロデュースはAlan Gowenとかねてから親交がある後の「Hatfield And The North」「National Health」「Bruford」のDave Stewart。ちなみにAlan GowenとDave Stewartは「Hatfield And The North」のオーディションを争った関係だそうです。ベースのJeff Clyne(ジェフ・クライン)はIan Carr率いる「Nucleus」出身で、後にフリージャズの大御所John Stevensと合流し、Allan Holdsworthと共演しています。そういえばHoldsworthも「Nucleus」出身なわけで、英国ジャズロックシーンの中で幾重にも折り重なる人脈が見えてくるのです。

サウンドは変拍子を多用した複雑な曲構成の中で、Alan GowenとPhil Leeのテクニカルなギタープレイとの絡みが聴きどころ。一部スキャットが入る以外はオールインストのガチンコ系ジャズロックです。たぶんに第1期Mahavishnu Orchestraからの強い影響が随所に感じられ、歪みきったPhil LeeのギターはJohn Mclaughlinをかなり意識しています。ただテクニック至上主義のMclaughlinとはまた趣が違って叙情性豊かなプレイがなかなか聴かせます。随所で使うアコギがなかなか素晴らしい効果を上げています。

この1970年代初頭に誕生した英国のジャズロックやプログレバンドを「カンタベリー系」は一括して呼ばれますが、実際、各バンドの作り出す音楽は一括りでは言い表せないほど多様性に富んでいます。同じ「カンタベリー系」でもたとえば「Maching Mole」とこの「Gilgamesh」とはまるで違う個性を持っています。「カンタベリー系」とは特定地区で生まれたバンドや音楽に対する呼称で、日本で一時期もてはやされた「渋谷系」と同じような意味合いではないかと思います。

●Musicians
Phil Lee / guitar
Alan Gowen / acoustic & electric piano,clavinetsynthesizer,mellotron
Jeff Clyne / bass,contrabass
Mike Travis / drums
Amanda Persons / vocals

●Numbers
1.  a)One And More
    b)Phil's Little Dance - For Phil Millers Trousers
    c)World's Of Zin」
2.  Lady And Friend
3.  Notwithstanding
4.  Arriving Twice
5.  a)Island Rhodes
    b)Paper Boat - For Doris
    c)As If Your Eyes Were Open
6.  For Absent Friends
7.  a)Island Rhodes
    b) Paper Boat - For Doris
    c)As If Your Eyes Were Open
8.  Just C

R0011465


2013年1月11日 (金)

アメリカの超絶ベース奏者Chris Buckの2ndリーダー作「3 Crows」

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Musician●Chris Buck(bass,vocal)
Title●3 Crows(2012年)
■Abstract Logixより購入


アメリカ出身のベース奏者Chris Buck(クリス・バック)によるおそらく2枚めになるリーダー作「3 Crows」を入手しました。2012年リリース。前作「Progasaurus」(2007年)はギタリストとしてAllan HoldsworthやBrett Garsed、そしてVirgil DonatiやDerek Sherinianなどの大御所クラスを賑々しく迎えていましたが、肝心の内容はというと「?」の印象がなきにしもあらずという感じでした。個人的な好みで恐縮ですが、ベース奏者としての技量はさておいて、よせばいいのにキンキンと脳髄を刺激する金切り声のボーカルがどうしても苦手だったわけです。

で、今回は仕切り直し(?)というわけではありませんが、極力ボーカルを抑えてくれています。といっても2、3曲ほど我慢しなければなりませんが。今回も相変わらずゲストミュージシャンが豪華で、Virgil Donati (drums)、Brett Garsed(guitar)、Marco Minnemann(drums)らが参加しています。やはりスルーするわけにはいきませんね。

#1  HICA
リードギターにBrett Garsedを迎えバックにはVirgil Donatiが控えています。あれほど嫌だったボーカルが登場しないオールインスト。Planet Xあたりを思い出す変拍子の嵐でなかなかいい感じです。いいぞ、Buckさん。Brett Garsedのキレキレのソロギターは相変わらずの出来映えで、抜群の安定感です。しかし、Buckさんのチョッパーもかなり強く主張してくるので、バシバシと両耳を刺激してきます。ベース奏者のリーダー作だから、ベースが強く主張することは仕方がないのですが、バランスに欠くことも事実です。

#3  Little Boy and Fat Man
Brett Garsed参加の2曲目。バックはVirgil Donati。Buckさんのエフェクトを極端にかけた妙なスキャットから始まります。うう、センスが…と我慢しながら聴いていると曲中盤からBrett Garsedのギターが炸裂して溜飲が下がります。短い尺ながら珍しくHR風のソロは聴く価値十分です。

#5  3 Crows
Brett Garsed参加の3曲目。バックはVirgil Donatiでトリオによる楽曲です。確かChris BuckのHPで映像を視聴することができます。やはりPlanet Xを思い出すわけですが、面子からすると当たり前のお話ですね。Brett Garsedのギターは相変わらず素晴らしいのですが、Chris Buckのやたらと饒舌なベースが聴く者の集中力に少しずつダメージを与えます。ベース好きの人にとってはたまらないかもしれませんが。

#7  Pathway
Brett Garsed参加の4曲目。バックはVirgil Donati。ここでもエフェクターが極端にかかったChris Buckのボーカルではじまり少し嫌な雰囲気が漂います。やがてBuckさんの生声ボーカルに移行する始末。決して巧いとも思えないボーカルを聴くことは想像以上に辛いことなのです。あらま~と我慢しながら聴いていると、曲終盤になってBrett Garsedが登場。やはり、素晴らしいですな。いい気分になったところで再度のボーカル登場で、興ざめしてしまいますが。Brett Garsed参加曲は以上4曲です。Marco Minnemannは#6と#8の2曲に参加しています。

なにやらブラックメタルのバンドが好むようなアルバムジャケットといい、相変わらずガチャガチャとやかましい仕上がりなのですが、Brett Garsedファンにとってはやはり黙ってスルーするわけにはいかないようです。ところでChris Buckとは某SNSを通じて少しばかり交流させていただいているので、ここであまり辛口なレビューを書くのは若干迷いがないわけではありません。しかしながら、ここは正直にいきましょう。本人は「キミはワシの新しいCDを聴いてくれたかい?」「キミがワシの1stを持っていなかったら送料分だけ送金してくれたら譲ってやるぜ♪」などと、妙に懐いてくる気のいいオジサンです。

●Musicians
Chris Buck / bass,vocals
Virgil Donati / drums
Brett Garsed / guitar
Chris Taylor / guitar,keyboards
George Whitty / keyboards
Andy Kodiwein / guitar
Marco Minnemann / drums
Otmaro Ruiz / keyboards

●Numbers
1.  HICA (Here it Comes Again)
2.  Dunia Duara
3.  Little Boy and Fat Man
4.  Curse You Val Kilmer
5.  3 Crows
6.  Andius Maximus
7.  Pathway
8.  Last Call

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2013年1月 6日 (日)

Richard Hallebeekのリーダー作第2弾「Pain In The Jazz」

R0012119
Musician●Richard Hallebeek(guitar)
Title●Pain In The Jazz(2013年)
■メーカーサイトより購入


最近はスウェーデン出身の鍵盤楽器奏者Lalle Larssonとの共演が目立つオランダのギターモンスターRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)による久しぶりのリーダー作です。2013年リリース。前作「Richard Hallebeek Project」が2004年リリースでしたから自身名義としては9年ぶりの作品ということになりますね。メンバーはFrans Vollink(bass)、Sebastiaan Cornelissen(drums)、Lalle Larsson(keyboards)といういつものお馴染みの面々をコアとして、曲ごとにゲストを迎えるというスタイルです。Alex Machacek、Jose de Castro、Guthrie Govan、Eric Gales、Kiko Loureiro、Randy Brecker、Andy Timmons、Greg Howeという現代ジャズフュージョン界でもトップを行くミュージシャンが参加しています。これを買わずにいられましょうか!

前作「Richard Hallebeek Project」もShawn LaneやBrett Garsedが参加していたので豪華ゲストという点では前作もかなりのものだったのですが、Shawn Laneの急逝という不測の出来事も起きたりして、何だかすっきりと来ない感じがありました。楽曲も妙に内省的でしたし。で、今回はまさに入魂の作品に仕上がっています。

#1  Wristkiller
いきなり同タイプのAlex Machacekとの共演です。基本的にはHallebeekが右チャンネルに陣取り最初にソロを奏でて、ゲストが後に続くというスタイル。2人とも「ポストHoldsworth」と目されるギタリストですが、近年のHallebeekはどちらかと言えばScott Henderson寄りにシフトしている感が強いので何となく棲み分けはできているような気がします。相も変わらずと書いてしまっては身も蓋もなくなってしまいますが、2名とも凄まじい弾き倒しぶり…と書きたいところですが、Machacekはやや遠慮気味のように感じられます。

#2  Third Phase
確かギターコンピ物で「共演」していたJose de Castroがゲスト。割とオーソドックスなスタイルのJose de Castroに対してHallebeekの変質ぶりはやはり尋常とは思えません。それでいて楽曲は意外とキャッチー。

#3  Bring It On
泣く子も黙るGuthrie Govanがゲスト。もちろん素晴らしい出来映えなんですが、Guthrie Govanも遠慮気味なんです。ただ曲後半になって2人がユニゾン的に凄まじい上昇フレーズをかますあたりはゾクゾクとします。

#8  Think Of Something
テキサス出身のいい男、Andy Timmonsがゲスト。ここではTimmonsがやたらと渋いブルースを聴かせたあとに、Hallebeekが粛々と引き継ぎます。2人ともまったりとしてしまい、アララという感じでエンディング。あれま、激しいギターバトルを期待したのに。

#9  East Side Bridge
大物Greg Howeがゲスト。そう言えばこの人は最近大人しくなったようで、あまり目覚ましい動向を聞きませんね。Greg Howeが登場するのは曲中盤になってから。それまでのLalle Larssonのやや気が抜けた鍵盤に若干いらいらとします。Greg Howeという人は1stから聴いていますが、いい意味でも悪い意味でも変化がない人ですね。ただ、櫻井哲夫さんとの共演である意味底を見せたというか、2ndあたりまでの「何だか知らないけれど凄いギタリスト」という神秘性が薄れてしまったように思います。それに、線が細いというか音が薄く感じられます。後から続くHallebeekの無遠慮な重厚感と比較するのは酷かもしれません。

というわけで、何だか大変辛口なレビューになってしまいましたが、ハードフュージョン系アルバムとしては、最高水準にあることは断言します。ただ、豪華ゲストを迎えたにもかかわらず、意外に大人しいなというのが率直な印象です。お互いに遠慮してしまうからでしょうか。むしろゲストなしの#5「People」が素晴らしかったりするので、第3弾はゲストなしでも十分いけるのでは、という大きな期待値を感じさせます。

ちなみにこのアルバムは1月5日からAmazonなどでも配信が始まっています。私はリアルCDで欲しかったので予約注文したところ、1月3日に4人のサイン入りとともにタブ譜も一緒に送られてきました。そういえば「Richard Hallebeek Project」の時もサイン入りボーナスCDと楽譜が送られてきました。相変わらずサービス精神が旺盛な人です。


●Musicians
Richard Hallebeek / guitar
Frans Vollink / bass
Sebastiaan Cornelissen / drums
Lalle Larsson / keyboards

●Numbers
1.  Wristkiller (with Alex Machacek)
2.  Third Phase (with Jose de Castro)
3.  Bring It On (with Guthrie Govan)
4.  Pain In The Jazz (with Eric Gales)
5.  People
6.  Speed City Blues (with Kiko Loureiro)
7.  Amelia (with Randy Brecker)
8.  Think Of Something (with Andy Timmons)
9.  East Side Bridge (with Greg Howe)
10. New World

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2013年1月 5日 (土)

ドイツ人トランペット奏者Uli Beckerhoffの「Private Life」

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Musician●Uli Beckerhoff(trumpet)
Title●Private Life(1992年)
■ディスクユニオンで購入


ドイツ人トランペット奏者Uli Beckerhoffによるおそらく2枚目のリーダー作です。1992年リリース。先行してラジオでの公開ライブを収録した「Secret Obsession」(1990年)というリーダー作があります。参加メンバーが大変に豪華絢爛でJohn Abercrombie(guitar)とJohn Taylor(piano)というECMの2枚看板が参加しています。ほかはMatthias Nadolny(tenor sax)、Michael Berger(keyboards)、Gunnar Plumer(bass)、Jo Thones(drums)という構成ですがこちらは地元ミュージシャンなのでしょうか。どういう縁なのかはわかりませんがJohn Abercrombieは前作からの継続参加です。ちなみに「Secret Obsession」にはArild Andersen(bass)とJohn Marshall(drums)も参加していたので、完全にECMミュージシャンによる「地方営業」という感じでした。

前作「Secret Obsession」はかなりメタリックで硬派な感じの楽曲が中心でしたが(ライブ音源という要因もあったかと思われます)、今回は割と洗練されたジャズフュージョンという感じでまとまっています。我らがohn AbercrombieとJohn Taylorの出番も比較的少なく、やや肩透かしの印象は拭えません。それでもそれぞれ存在感をしっかり示すあたりは流石です。

●Musicians
Uli Beckerhoff / trumpet
Matthias Nadolny / tenor sax
John Abercrombie / guitar
John Taylor / piano
Michael Berger / keyboards
Gunnar Plumer / bass
Jo Thones / drums

●Numbers
1.  Private Life
2.  Elegia Cascais 
3.  It Could Be You
4.  Milen
5.  Viktor 
6.  Dee Gee
7.  Kindertraum
8.  Don't Throw Your Heart Away
9.  Omerta

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2013年1月 4日 (金)

謎の日系人ギタリストMiles Okazakiの「Figurations」

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Musician●Miles Okazaki(guitar)
Title●Figurations(2012年)
■Amazonより購入


当欄が大変お世話になっていますbetta_taroさまご推奨盤を入手してみました。謎の日系人Miles Okazakiのライブ音源「Figurations」です。迂闊にも初めて知ったプレイヤーですが、どうやらディスクユニオンの2012年9月期推奨盤に推されていたようです。2011年6月4日、NYCはThe Jazz Galleryでのライブ音源。Miles Okazakiの詳しい来歴は現在調査中ですが、それにしても大胆不適な命名ですね。密林をみる限り、4枚ほどリーダー作がリリースされています。参加メンバーはMiguel Zenon(sax)、Thomas Morgan(bass)、Dan Weiss(drums)という構成。元々はスティーブ・コールマングループに在籍していた「M-BASEチルドレン」で、NYCで活躍する「裏街道派」で、ということは「ブルックリン派」とも一脈通じることになります。

で、早速耳を傾けるとまさに期待通りの「裏街道系のコンテンポラリー系」。Miles Okazakiのプレイスタイルはこの音源だけではなかなか掴みきれないのですが、「M-BASEチルドレン」の名に恥じない予定調和を徹底的に排除するタイプです。特に#1「Dozens」でのリズム隊とバッキングを合わせながら途中から凄まじいソロを繰り出す展開には正直驚かされました。#2「Rain」でのあまりに流麗なギターソロも息を呑むほどの美しさです。現代派ジャズというフォーマットをとりながらも、インプロビゼーションの応酬の中でソロパートとリズム隊とが時に凄まじい化学反応を起こす。うまく言葉で表現できずに大変にもどかしい思いですが、あまり類例をみない異形のプレイヤーであることは間違いないようですね。これは要聴き込み物件です。ちなみにジャケットデザインもOkazakiさんによるものです。

●Musicinas
Miles Okazaaki / guitar
Miguel Zenon / sax
Thomas Morgan bass
Dan Weiss / drums

●Numbers
1.  Dozens
2.  Rain
3.  Wheel
4.  Bass Solo
5.  Figurations
6.  Mandala
7.  Loom
8.  Corazon

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2013年1月 3日 (木)

若手革新派鍵盤楽器奏者Aaron Parksの「Invisible Cinema」

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Musician●Aaron Parks(piano,mellotron,keyboards,glockenspiel)
Tite●Invisible Cinema(2008年)
■Amazonより購入


NYCにおける現代ジャズはメーンストリームを行く主流派とブルックリン周辺に息づく「革新派」(ブルックリン派)とに大きく分かれている印象がありますが(これは私の非常に狭い範囲での独断的な解釈ですが)、やはり当欄としては革新派に目を向けないわけにはいきません。ブルックリン派の若手ギタリストMike Moreno(マイク・モレノ)つながりで捜し当てたのがこの音源です。1983年生まれのAaron Parks(アーロン・パークス)はまだ20代後半という新進気鋭の鍵盤楽器奏者ですが、10代はじめからケニー・バロンの薫陶を受け、弱冠16歳でインディーズデビューした早熟タイプ。晴れて「Blue Note」からメジャーデビューしたのがこの作品だそうです。参加メンバーは盟友Mike Moreno(guitar)、Matt Penman(bass)、Eric Harland(drums)と裏街道好きの人なら思わずニヤリとしてしまう面子です。全曲Parksオリジナル。Mike Morenoのリーダー作にも相互共演しています。

全体としてはダークな印象を受ける楽曲が多いのですが、これもブルックリン派の持ち味です。#2「Peaceful Warrior」で聴かれるMorenoとの息を呑むような美しすぎる絡み、#3「Nemesis」での無機質なParksの連打をバックに切なく歌い上げるMorenoのギター、#6「Karma」でのゾッとするほど流麗なリリシズムとMorenoが生み出す浮遊感との邂逅…いやー、どれをとっても捨て曲など一切ありません。バックが時折、やたらと軽くて打ち込みっぽく聴こえるのはスタジオワークによるものだと思われますが、これが20代の感性なのでしょうね。

全曲がこれセンスの塊で24歳の青年が作り上げた音楽なのかと思うと、末恐ろしいとはこのことです。Mike Morenoと同様、久しぶりにリアルタイムで追いかけてみたくなるミュージシャンです。


●Musicians
Aaron Parks / piano,mellotron, Keyboards,Glockenspiel
Mike Moreno / guitar
Matt Penman / bass
Eric Harland / drums

●Numbers
1.  Travelers
2.  Peaceful Warrior
3.  Nemesis
4.  Riddle Me This
5.  Into The Labyrinth
6.  Karma
7.  Roadside Distraction
8.  Harvesting Dance
9.  Praise
10. Afterglow

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2013年1月 2日 (水)

アラビック系変態メタル「Nile」の5th「Ithyphallic」

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Musician●Nile
Title●Ithyphallic(2007年)
■Amazonより購入


アメリカ出身でありながらアラビア風音楽をベースにした変態系デスメタルという唯一無比の存在「Nile」の5枚目のアルバムです。「Nuclear Blast」移籍1枚目で2007年リリース。何と言っても不可思議かつ重厚極まる音源が魅力なバンドですが、中心人物はKarl Sanders(guitar,vocal)という人のようで、度重なるメンバーチェンジを重ねながらもKarlさんだけは生き残っています。

この盤は3人編成で制作されたようですが、それにして音は極めて分厚く、かつ荘厳です。妙なアラビア風旋律に乗って、凄まじいブラストビートが五臓六腑をかきむしり、それでもって邪悪なデス声がひたすら不安感を煽ります。一見すると複雑怪奇なバンドですが、芸風というか音楽的な構造としては極めて単純なので、聴いているうちに次第に飽きてくるという欠点を備えているのも否めません。「怖いもの見たさ」でたまに聴いてみる。そんな感じですね♪


●Musicians
Karl Sanders / guitar,vocal
George Kollias / drums
Dollas Toler Wade / guitar,vocal,bass

●Numbers
1.  What Can Be Safely Written
2.  As He Creates So He Destroys
3.  Ithyphallic
4.  Papyrus Containing The Spell To Preserve Its Possessor...
5.  Eat Of The Dead
6.  Laying Fire Upon Apep
7.  The Essential Salts
8.  The Infinity Of Stone
9.  The Language Of The Shadows
10. Even The Gods Must Die
11. As He Creates So He Destroys
12. Papyrus Containing The Spell To Preserve Its Possessor...

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2013年1月 1日 (火)

Rebekka Bakken / Daily Mirror(2000年)

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Musician●Rebekka Bakken(vocal)
Title●Daily Mirror(2000年)
■Amazon USAより購入


新年明けましておめでとうございます。


と言いつつ、相変わらず時節とは一切無縁の当欄ですが、
今年もよろしくお願いいたします。
年明け第1弾は珍しく女性ボーカルものから。

Rebekka Bakken(レベッカ・バッケン)はノルウェー出身で現在はアメリカで活動しているシンガーです。2000年リリース。参加メンバーが凄いです。Wolfgang Muthpiel(guitar)、Chris Cheek(sax)、Scott Colley(bass)、Brian Blade(drums)という面子です。迂闊にも最近まで知らなかったのですが、Rebekka BakkenはWolfgang Muthpielと一時期、婚姻関係にあったそうで(その後、離婚)、このアルバムはまさに夫唱婦随の音源ということですね(微妙に意味は違いますが)。Wolfgang Muthpielはオーストリア出身のコンテンポラリー系ギタリストです。年齢的には50歳手前の中堅ですが、若いころの音源を聴くと結構尖がっていて、やや変態系に属するプレイヤーです。Gary Burtonのバンドに在籍したこともあったかと思います。リリースはMuthpielが代表を務める「Material Records」から。

北欧出身の女性シンガーというと勝手なイメージとして、フィーメール系ゴシックメタル的な雰囲気を感じてしまうのですが、Rebekka Bakkenはどちらかと言えば素朴な声の持ち主で、アメリカのカントリーミュージックにも通じる匂いを感じさせます。ややハスキーな声質がさらにそう思わせるのでしょう。夫婦蜜月時代の録音ということもあって、ここで聴かれる2人のコンビネーションは抜群。伸びやかなRebekka Bakkenの歌声の魅力を最大限に活かすためにバックも優しくソフトな感じで盛り立てています。Muthpielも持ち前の一つである「変態性」を一切封印しています。この人って、こんな優しいフレーズが弾けるんだ!と吃驚するぐらいの豹変ぶりです。バックを務める名手、Scott ColleyとBrian Bladeについては説明不要でしょう。喩えとしてはちょっと違うかもしれませんが、若いころのジョニ・ミッチェルとパット・メセニー&ジャコ・パストリアスの音源を思い出しました。この音源をリミックスした「Reflected」も出ています。
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●Musicians
Rebekka Bakken / vocal
Wolfgang Muthpiel / guitar
Chris Cheek / sax
Scott Colley / bass
Brian Blade / drums

●Numbers
1.   It's OK
2.   Emotions On A Lazy Day
3.   Nowhere
4.   Wonders
5.   Day After Day
6.   Smack Of Dogskin
7.   Angela
8.   Drawing Lines
9.   Sister
10.  Jesus Song
11.  Love Of Another

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