ドイツ人トランペッターUli Beckerhoffのライブ音源「Secret Obsession」
Musician●Uli Beckerhoff(trumpet)
Title●Secret Obsession(1990年)
■ディスクユニオンで購入
ドイツ人トランペット奏者Uli Beckerhoffが中心となったユニットによるライブ音源です。ドイツのヘッセンラジオの放送用に1990年10月26日にライブ録音されたものです。メンバーが凄いです。John Abercrombie(guirar)、Arild Andersen(bass)、John Marshall(drums)というECM系ミュージシャン勢ぞろいという感じです。John Marshallといえば「後期Soft Machine」でも華麗なスティックさばきを聴かせてくれたあのテクニシャンです。ノルウェー出身のArild Andersenは若きBill Frisellと組んだライブ音源「Molde Concert」(リリースはECMより)で有名です。
恥ずかしながらUli Beckerhoffは初めて聴いたペット奏者ですが、ドイツ人らしい(?)非常に硬質な音を出す人だなというのが第一印象です。かなりエフェクトをかけているのでしょう。放送音源だけに音質は極上レベルで細かい息づかいまでもが聴こえてきそうです。録音バランスの関係なのかリズム隊が繰り出す音がもの凄い感じで迫ってきまして、特にArild Andersenのベース音はウッドベースにもかかわらず下から五臓六腑をグイグイと攻め込んできます。やたらと手数が多いJohn Marshallも相変わらずです。
我らがJohn Abercrombieもいつになくメタリックなソロをぶちかましてくれていまして、彼の持ち味である浮遊感を封印してまで鬼のような鋭いギターソロを連発しています。特に#3「Crisis Stuff」で聴かれるArild Andersenとの激しいバトルは一聴に値します。
全6曲中、Uli Beckerhoffによるものが4曲、#4「If You Look Far Enough」がArild Andersen、#5「Monkey Monkey Do」がJohn Abecrombieによるものです。Andersenの「If You Look Far Enough」はなにやら宗教音楽っぽくて異彩を放っています。Abercromieによるワルツ調の「Monkey Monkey Do」も異質といえば確かにこの作品の中では浮きまくっていますね。そんな違和感もやたらとメタリックで格好いいラスト「Lady M.」がすべてを払拭してくれます。ジャズロック好きの人はぜひ一聴を!
●Musicians
Uli Beckerhoff / trumpet
John Abercrombie / guitar
Arild Andersen / bass
John Marshall / drums
●Numbers
1. Secret Obsession
2. Follow Her Heart
3. Crisis Stuff
4. If You Look Far Enough
5. Monkey Monkey Do
6. Lady M.
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