Lake & Mooreのライブ盤が復刻
Musician●Greg Lake(vocal,bass)
Title●King Biscuit Flower Hour Presents in Concert(1981年)
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1970年代後半から1980年代初頭という時期は「プログレ冬の時代」と呼ばれていた頃で、King CrimsonやYESといった大物バンド出身のミュージシャンですらいろいろと試行錯誤を繰り返していたように思います。そんな状況のなかで、Greg LakeとGary Mooreという超大物がタッグを組んだのも、実は試行錯誤のうえでの苦渋の選択だったのではないかと、いまになって思います。確かに当時は「おお!」と思ったりしましたが、落ち目のアイドル歌手がさまざまなユニットを組んだり、メンバーを盛んに交替させるような一種の「焦り」に近いものを感じないでもないのです。プログレ低迷期はCrimsonの「Disciplin」(1081年)やYESの「90125」(1983年)によって一条の光を若干見出すことになりますが、周辺にいたミュージシャンは大変だったろうなと思うわけです。
この音源は米のラジオ番組「King Bisukit Flowe Hour」放送用に録音されたライブ音源です。1981年11月5日ハマースミスオデオンでのライブです。オリジナル盤は1996年にリリースされましたが長い間廃盤扱いに。どうやら一昨年あたりに再発売されたようです。
元よりGreg LakeとGary Mooreが組んだスタジオ盤が存在するので、このライブ音源はその延長線上にあると考えるのが普通なのですが、選曲を見て吃驚。スタジオ盤からはというより、EL&P、King Crimson、そしてなぜかSmoky Robinsonのカバー曲「You Really Got A Hold On Me」、そして忘れてはならないMooreのソロ曲#6「Parisienne Walkways」という構成。よく言えばバラエティに富んだ選曲、悪く言えばまるでまとまりのない構成ということで、そのあたりにGreg Lakeの「焦り」のようなものを感じざるを得ないのです。やはり「You Really Got A Hold On Me」という選曲にはちょっと…という感じです。あくまでも個人的な感触として。
もちろん、古き良き名曲を違うメンバーによる新解釈で聴いてみたいという人にとっては満足すると思いますが…。しかし、亡きMooreは実に健気に頑張っていますな。ラスト2曲「21st Century Schizoid Man」「In The Court Of The Crimson King」でも奮闘ぶりには涙が出てきます。
●Musicians
Greg Lake / vocal,bass
Gary Moore / guitar,vocal
Tris Margetts / bass
Ted Mackenna / drums
Tommy Eyre / Keyboards
●Numbers
1. Medley: A. Fanfare For The Common Man/B. Karn Evil 9
2. Nuclear Attack
3. The Lie
4. Retribution Drive
5. Lucky Man
6. Parisienne Walkways
7. You Really Got A Hold On Me
8. Love You Too Much
9. 21st Century Schizoid Man
10. In The Court Of The Crimson King
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