緊迫のトリオ構成。Adam Rogers「Time And The Infinite」
Musician●Adam Rogers(guitar)
Title●Time And The Infinite(2007年)
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Adam Rogersネタ連投です。
いまは亡きマイケル・ブレッカーとの共演やジャズユニット「Lost Tribe」などでの活躍で知られるギタリスト、Adam Rogers(アダム・ロジャーズ)のCriss Cross第4弾。2007年にリリースされています。メンバーは盟友Scott Colley(bass)とBill Stewart(drums)というCriss Crossとしては初めてのピアノレストリオ構成。Edward Simon(piano)やClarence Penn(drums)、Chris Potter(tenor sax)は今回不参加です。Scott Colleyのみが4作連続参加ということになります。ドラムのBill StewartはJames Muller(guitar)との共演でも知られていますが、Clarence Pennよりもややタイトな奏法です。いずれにしろトリオ構成というのはRogersにとっては珍しく、ギターが前面に押し出されるというでも大歓迎です。
今回はRogersにしては珍しくパーカーなどのスタンダードナンバー4曲を織り交ぜています。Rogersオリジナルが4曲、Collryの曲が1曲という計9曲という構成です。前作「Apparitions」あたりからストレートアヘッドな色彩を強めているRogersですが、本作品によってさらにジャズ色が濃厚になった感がします。また、これまでのRogers作品にはなかった特徴としてこの盤ではアコギを多用しているという点です。特に#4「Young And Foolish」で聴かれるアコギとColleyとの絡みなどは息を飲むほどの美しさ。パーカーの#5「Cheryl」でもすっかりとアコギが機能しています。一方でギターソロ弾きまくりという点ではColleyの曲である#1「Night And Day」などでお腹が一杯になるほど堪能することができます。どんなスタイルにも完璧に対応できる技量にはあらためて感服します。
ジャズギタリストとしては、Rogersが敬服しているといわれるJim Hallの領域まで達しているどころかすでに凌駕しているのではないか個人的には思うのですが、いかんせんメーンストリームとは一線を画す「ブルックリン派」。一向にカリスマ性を感じさせないプレイスタイルがかえって魅力を増しています。
●Musicians
Adam Rogers / guitar
Scott Colley / bass
Bill Stewart / drums
●Numbers
1. Night And Day
2. Elegy
3. Time And The Infinite
4. Young And Foolish
5. Cheryl
5. Esteban
6. Esteban
7. Without A Song
8. Ides Of March
9. I Loves You,Porgy
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