ECMの異色作品Krakatauの「Volition」
Musician●Krakatau
Title●Volition(1991年)
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フィンランド出身のフリー系&爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheim(ラオル・ビョーケンヘイム)が率いるユニット「Krakatau」が1991年に発表した第1作です。ECMレーベルからリリース。ECMレーベルというと透明感とリリシズムあふれる作品群を思い起こす方がほとんどだと思いますが、この「Krakatau」の音楽性は対極の位置にあると思います。ここで聴かれる音はとんでもないカオスの世界であり、原始的な土着性であり、暴力性であったりします。ちなみに「Krakatau」はインドネシアの火山島の総称で、そういえば打楽器などは韓国風だったり東南アジア風だったりします。
BjorkenheimはMarc Ducretあたりに通じるフリー系ギタリストであり、当欄でもたびたび取り上げている「Scorch Trio」というやはり爆裂系のトリオで活動中です。ここでは北欧風の土着音楽と東南アジアの土着音楽の融合という前代未聞のことを試みています。その意味では、ECMの代名詞ともいえる「癒し系」の要素はまったくなく、そうした部分を期待してこの作品を聴くとトンでもないしっぺ返しに遭うと思います。
●Mucicians
Raoul Bjorkenheim / guitars,shekere
Jone Takamaki / tenor saxophone,krakaphone, toppophone,whirlpipe
Uffe Krokfors / acoustic bass
Alf Forsman / rums
●Numbers
1. Brujo
2. Volition
3. Nai
4. Bullroarer
5. Changgo
6. Little Big Horn
7. Dalens Ande
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