叙情派鍵盤奏者Mike Nockのジャズロック時代「Between Or Beyoud」
Musician●Mike Nock(piano,el-piano)
Title●Between Or Beyoud(1970年)
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ニュージーランド出身の叙情派鍵盤楽器奏者Mike Nock(マイク・ノック)といえば唯一のECM音源「Ondas」でのリリカルなプレイが大変印象的でしたが、若かかりし頃はゴリゴリのジャズロックバンドを組んでいました。1960年代後半に結成された「The Fourth Way」がそれで、ヴァイオリン奏者Michael Whiteが抜けた残りのメンバーで組んだ「Mike Nock Underground」によってドイツで録音されたのがこのアルバムです。1970年リリース。参加メンバーはRon McClure(bass)、Eddie Marshall(drums)というトリオ構成です。Ron McClureといえばチャールズ・ロイド楽団やキース・ジャレット初期の作品で名前をよく見かけるベース奏者です。
さて、1970年という音楽的には激動期にあたる時期に録音されたこのアルバム、まさにゴリゴリのジャズロックです。ディストーションを激しく効かせた右に左に暴れ回るMike Nockのエレピから後の叙情派の姿を見出すことは至難の業です。ただ、作品の完成度としてはいま一つ。中途半端に終わる習作的な楽曲も何曲か散見されます。この散漫さが同じようなスタートを切ったチック・コリアやキース・ジャレットらに大きく水をあけられた要因なのかもしれません。時代の証として聴いてみてはいかがでしょうか。
ところで日本盤のライナーを読むとレアグルーヴと結びつける記述が多いのですが、少なくとも当時はそんな表現は存在しなかったはず。1990年代以降、クラブジャズを中心に生み出された表現と、1970年代当時とを無理やりに関連させるのはいかがなものか。それぞれの音楽が生まれた背景をきちんと説明することなしに、なんだかレコード会社の都合を押しつけられているようで辟易とします。
●Musicians
Mike Nock / electric piano,piano
Ron McClure / bass
Eddie Marshall / drums
●Numbers
1. Outfall
2. The Squire
3. Hobgoblin
4. Between Or Beyond
5. Space Bugaloo
6. Lady Love
7. Wax Planet
8. Denim Dance
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