Colosseum Ⅱの3rd「War Dance」
Musician●Colosseum Ⅱ
Title●War Dance(1977年)
■ディスクユニオンで購入
英国ジャズロックの大御所Jon Hiseman(ジョン・ハイズマン)が結成した「Colosseum Ⅱ」の3枚目のアルバムです。1977年リリース。前作「Electric Savage」も1977年の作でしたから恐ろしいまでの量産体制です。メンバーは前作と同様、Gary Moore(guitar,vocal)、Don Airey(keyboards,mini-moog)、John Mole(bass)。「Electric Savage」はわずか1週間で制作されたそうですが、今作もおそらく短時間で作られたのではないかと想像されます。
「Electric Savage」ではかなりガチンコ勝負のジャズロックが展開されていましたが、このアルバムでは良くも悪くもポップ色とフュージョン色が強まっています。特に#2「Major Keys」や#5「Fighting Talk」は当時のJeff Beckによるギターインスト路線の模倣とも受け取ることもできまし、Gary Mooreがボーカルをとった#4「Castles」や#7「Star Maiden」のような妙にメロウな曲を聴かされるとやはり首を傾げたくなってしまいます。またアルバムリリースを急ぐあまり前作「Electric Savage」にも収録された#3「Put It That Way」をアレンジを変えて再録するなど、職人肌のHisemanらしからぬ点も見受けられます。
庇うわけではありませんが、このアルバムがリリースされた1977年という時代を考えてみると、商業音楽の隆盛にともない本格志向のバンドはすべからく受難の時代を迎えており、やがて演奏力よりもメッセージ性を重視したパンクムーブメントの襲来によって、バンド志向は壊滅的な打撃を受けます。1978年デビューの「U.K.」にも同じことが言えるのですが、あと5年早かったらね~というのが偽らざる感想です。
とは言え#6「The Inquisition」や#8「Last Exit」のようなガチンコ勝負の楽曲もあるわけで、バンマスであるHisemanの苛立ちが伝わってきます。結局、時代のアダ花とも言えた「Colosseum Ⅱ」はこのアルバムをもって自然消滅し、Gary Mooreは同郷のシン・リジィへと合流します。
●Musicians
Jon Hiseman / drums,percussins
Gary Moore / guitar,vocal
Don Airey / keyboards,mini-moog
John Mole / bass
●Numbers
1. War Dance
2. Major Keys
3. Put It That Way
4. Castles
5. Fighting Talk
6. The Inquisition
7. Star Maiden
8. Last Exit
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