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2012年6月

2012年6月30日 (土)

Cream解散直後のJack Bruce「Things We Like」

R0011757
Musician●Jack Bruce
Title●Things We Like(1968年)
■ディスクユニオン関内店で購入


「Cream」の中心メンバーJack Bruce(ジャック・ブルース)がグループ解散宣言後の1968年8月にレコーディングした、実質的には初リーダー作です。正式リリースは1970年。参加メンバーはJohn McLaughlin(guitar)、Dick Heckstall-Smith(sax)、Jon Hiseman(drums)という英国ジャズロック界の重要人物の名前がずらり。1968年8月という時期は、まだCreamとしてのツアーを行っていた頃の話で、かたやブルースロック、かたやジャズとJack Bruceの音楽的な二面性が伺える音源ということになります。時間をやや過去に戻してみれば、Jack Bruce自身がグラハム・ボンドのオーガニゼーションでジャズをプレイしていたときのボンド抜きの構成ということになります。

以前の記事でも触れましたが実はこのアルバムには興味深いエピソードがあります。英国ジャズロック界で頭角を現しつつあった若きマクラフリンは、マイルス楽団を脱退し初リーダー作の準備に取り組んでいたTony WilliamsからLifetime参加のオファーを受けます。彼にとっては千載一遇のチャンスです。ところが慢性的に金欠状態だったマクラフリンは渡米のお金すら持っていなかったそうです。そんなマクラフリンの窮状をみかねたかつての同僚であるJack Bruceはこのアルバム制作にマクラフリンを誘います。本来、このアルバムはギター抜きのトリオ構成で制作される予定でしたが、男気あふれるJack Bruceはマクラフリンのポジションを用意すると同時に、ギャラによって渡米資金まで用立てたわけです。なんとも「ふかいい話」ではありませんか。もしJack Bruceの誘いがなければあの「Emergency!」(1969年)は世に送り出されなかったわけですし、マイルスの「In A Silent Way」や「Bitches Brew」「Jack Johnson」も当然違ったものになっていたでしょう。となるとマイルスの勧めで結成したMahavishnu Orchestraも陽の目を見なかったかもしれません。Jack Bruceがロック界のみならず、ジャズロック界でも睨みをきかせているのはこんなエピソードがあるからなのかもしれません。のちにJack Bruce自身が「第2期Lifetime」に加入したのは、そんな話があったからではないかと。

この音源でのいちばんの聴きどころは#5「Hckhh Blues」。鬼神のごとく弾きまくるマクラフリンのギターからは「これで稼ぎまっせ~!」という執念が伝わってきます。


●Musicians
Jack Bruce / bass
John McLaughlin / guitar
Dick Heckstall-Smith / sax
Jon Hiseman / drums

●Numbers
1.  Over The Cliff
2.  Statues
3.  Sam Enchanted Dick Medley
4.  Born To Be Blue
5.  HCKHH Blues
6.  Ballad For Arthur
7.  Things We Like
8.  Ageing Jack Bruce, Three, From Scotland, England

R0011758


2012年6月29日 (金)

ACTレーベル20周年記念ライブでNguyen Leが大暴れ「The ACT Jubilee Concert」

R0011749
Musician●Various Musicians
Title●The ACT Jubilee Concert(2012年)
■Amazonより購入


欧州を中心に良質なジャズ音源を送り出している「ACT Music」がレーベル創立20周年を記念して行ったライブ音源です。2012年2月5日、ドイツはハンブルグにて収録。2012年リリース。何と2CDという嬉しいボリューム感です。

ざっとですが当日の参加ミュージシャンをあげてみます。

Nils Landgren / trombone & vocals
Celine Bonacina / baritone sax
Verneri Pohjola / trumpet
Michael Wollny / piano
Nguyen Le / guitar
Lars Danielsson / bass
Wolfgang Haffner / drums

スペシャルゲストとして
Cecilie Norby / vocals
Leszek Mozdzer / piano

という面子です。Leszek Mozdzer(レシェック・モジュジェル)はポーランドジャズの鍵盤楽器奏者ですね。Cecilie NorbyはNguyen Leとたびたび行動を共にしている女性ボーカリストです。Lars DanielssonはJohn Abercrombieらと活動しいていたベテランです。いかにも「ACT」らしい人選です。

ACTの表看板で当欄お馴染みのイタリアのペット奏者Paolo Fresu(パオロ・フレス)が欠席なのはいささか残念ですが、このユニットだと必然的に目立ってしまうのは格から言ってもギターのNguyen Le。あたかもワンマンバンドのごとく振る舞っています。特にCD2での#1「Little Wing」と#7「Purple Haze」で聴かれる鬼神のごときソロの連発は特筆ものです。考えて見ればNguyen Leのライブ音源は、これまでほとんど存在していなかったので、その意味でも貴重と言えるでしょう。

もう一人の主役とも言えるLeszek Mozdzerはアルバム「Komeda」で一躍有名になった新進気鋭ですが、キース・ジャレットや故ミシェル・ペトルチアーニの再来とも目される存在。「Komeda」ではピアノオンリーでしたが、ここではMichael Wollny奏でるエレピとの掛け合いが聴かれます。こちらも超お勧めです♪


●Musicians
Nils Landgren / trombone & vocals
Celine Bonacina / baritone sax
Verneri Pohjola / trumpet
Michael Wollny / piano
Nguyen Le / guitar
Lars Danielsson / bass
Wolfgang Haffner / drums

Special Guests:
Cecilie Norby / vocals
Leszek Mozdzer / piano

[Disc 1]
1.  Pasodoble (Mozdzer & Danielsson)
2.  Sleep Safe And Warm (Mozdzer)
3.  Svantetic(Mozdzer & Wolly)
4.  The Tears of Blllie Blue - Claid de Lune (Norby,Le,Danielsson)
5.  Stars in Your Eyes (Landgren,Wolly,Danielsson,Haffner)
6.  Hymn (Norby)
7.  This One Goes in Four (Pohjola)

[Disc 2]
1.  Little Wing (Le & Danielsson)
2.  Lonely Dancer (Bonacina,Wolly,Danielsson)
3.  ZigZag Blues (Bonacina)
4.  Solent Way (Haffner,Langren,Wolly,Danielsson)
5.  Dodge The Dodo (Pohjola & Le)
6.  Love Is Real (Norby & Langren)
7.  Purple Haze (Norby,Le,Bonacina & Haffner)

R0011750


2012年6月24日 (日)

良質なヨーロピアンピアノトリオAlessandro Galati「Traction Avant」

R0011485
Musician●Alessandro Galati(piano)
Title●Traction Avant(1994年)
■Amazonより購入


1990年代、一部ジャズファンの間で話題になったイタリア人鍵盤楽器奏者Alessandro Galati(アレッサンドロ・ガラティ)による1994年の作品です。ベースにスウェーデン出身でJan GarbarekやKeith Jarrettとの共演で知られるECMの重鎮Palle Danielsson(パレ・ダニエルソン)、ドラムはこれまたジャズフュージョン界の大物Peter Erskine(ピーター・アースキン)というピアノトリオアルバムです。当時はほとんど無名だったAlessandro Galatiに大物2人がサポートするあたりに、彼に対する期待値の高さを伺い知ることができます。スリーブにはKenny Wheelerの推薦文が掲載されています。1994年9月12日~15日、イタリアのフィレンツェでレコーディングされています。

内容としてはBill Evansに始まりKeith Jarrettあたりに通じる典型的なピアノトリオサウンドで、Alessandro Galatiのリリカルかつ瑞々しいプレイが何とも印象的です。何も先入観をもたずに聴くとECM作品と勘違いしそうなほどですが、それはバック2人の存在も大きいのではないでしょうか。繊細すぎるDanielssonのベースと直感的なErskineのドラムスが盛り立てています。一服の清涼感に浸りたい諸兄にぜひお勧めしたい名盤です。それにしてもイタリアンジャズは奥深いですね。一時期、入手困難だったようですが、いまは比較的容易に手に入るのでぜひ♪

●Musicians
Alessandro Galati / piano
Palle Danielsson / bass
Peter Erskine / drums

●Numbers
1.  How Deep IsThe Ozone
2.  Floating #1
3.  Andre
4.  Traction Avant
5.  J.S.What
6.  Wassily
7.  Solar
8.  Floating#2
9.  Amaxonia
10. Blues As You Please

R0011486


2012年6月23日 (土)

日本のプログレ集団による「Pazzo Fanfano Di Musica」

R0011229
Musician●Pazzo Fanfano Di Musica
Title●狂気じみた饒舌家の音楽(1989年)
■Yahoo!オークションで購入


日本のプログレシーンを代表するミュージシャンが一同団結して結成されたユニット「Pazzo Fanfano Di Musica」(パッゾファンファーノ ディ ムジカ)による唯一の音源です。1989年リリース。タイトルも「狂気じみた饒舌家の音楽」という「いかにも」と思わせるものです。どうやら「Outer Limits」のメンバー(荒牧隆さん、杉本正さん、川口貴さん、上野知己さん、桜井信行さん)が中心になって結成されたようで、「Teru's Symphonia」(徳久恵美さん)「Mr.Sirius」(宮武和広さん)「夢幻」(林克彦さん)「Magdalena」といった当時のキングレコード所属のミュージシャンが集まって制作されたという「企画盤」の意味合いもあるようです。

イタリア語のタイトルから察せられるように、作風は完全にイタリアンプログレを意識していて、ジャケットの曲名も楽器名もイタリア語。ユニット名の「Pazzo Fanfano Di Musica」の頭文字をとれば「PFM」という案配です。音のほうも初期イタリアンプログレを思わせるアコースティックでクラシカルな響きをもっています。特に#3「囁く花」は「Mr.Sirius」こと宮武和宏さんによる曲で、宮武さんによるフルートと牧歌的な曲調が「Mr.Siriusワールド」を築き上げています。「日本のプログレもイタリアのプログレも好き」という方にはぜひともお勧めしたい名盤です。

この盤、足かけ数年間も探し求めていましたが、先日、ほんのしたきっかけで無事入手することに成功しました。しかも定価並みで。企画盤の運命なのかどうなのか、滅多に話題にされない音源ですが、日本のプログレのレベルの高さをあらためて思い知らされました。

●Musicians
荒牧隆 / guitar
杉本正 / bass、cello、contrabass
川口貴 / violin
宮武和広 / flute
桜庭統 / piano
杉本恭子 piano、harpsichord
林克彦 / organ、mellotron
上野知己 / organ、mellotron
桜井信行 / drums
徳久恵美 / vocal
塚本周成 / composer
平山照継 / composer
藤井卓 / composer

●Numbers
1.  前奏曲 / PRELUDIO
2.  アルジャーノンに花束を(パート2) / FIORI PER ALGERNON
3.  囁く花 / SOSPIRI DEL FIORE
4.     優美な狂気 / LA DOLCE FOLLIA
5.     アジールメンテ / AGILMENTE
6.     間奏曲 1 / INTERMEZZO Ⅰ
7.     アフェットゥオーソ / AFFETTUOSO
8.     フラゴローゾ / FRAGOROSO
9.     間奏曲2 / INTERMEZZO Ⅱ
10. 波紋 / ONDE
11. アンニヴェルサリオ / ANNIVERSARIO

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2012年6月22日 (金)

Ray Obiedoの痛快ラテン系スムースジャズサウンド「Iguana」

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Musician●Ray Obiedo(guitar)
Title●Iguana(1990年)
■Yahoo!オークションで入手


1970年代にHerbie HancockやJulian Priesterと共演していたアメリカ出身のフュージョン系ギタリスト、Ray Obiedo(レイ・オビエド)の2ndリーダー作です。Herbie Hancockのアルバムと言ってもちょっと思い浮かばないのですが、70年代中盤のファンク路線の頃でしょうか。シーラEとも共演していたそうです。そんなObiedoさんは80年代終わりになってウインダムヒルと契約を交わし、精力的に作品をリリースしていきます。ウインダムヒルというとリリカルで静的なイメージがありますが、Obiedoさんはラテンテイストあふれるスームスジャズというレーベルイメージとは対極にある作風で驚かせてくれています。

「スムースジャズ」というとわかったようでよくわからない表現ですし、フュージョンとどこが違うのかと言われると正直ふさわしい言葉が見つかりません。80年代に一世を風靡したAORとの違いもよくわかりません。ジャズほど敷居が高くないジャズっぽいサウンドということでしょうか。ますますフュージョンとの差別化に苦しみます。まあ、ふた昔前の喫茶店でよくかかっていた格好いいBGMとでも言いましょうか。全編がラテン風味が効いた痛快なサウンドは、ちょうどバブル経済が始まった頃の妙な高揚を思い出させます。Obiedoさんのギターもストレート過ぎて、ちょっと面白味に欠けるといえば確かに欠けます。

そんなわけで当欄にはあまりふさわしい音源とは言いがたいのですが、これが結構世界的に廃盤状態にあるとか。少しでも興味をもたれた方は、コレクター的な意味合いで入手されてもよろしいかと♪

●Musicians
Ray Obiedo / guitar,keyboards
Andy Narell/ keyboards,percussions
Bill Ortiz / Trumpet
Dan Reagan / Trombone
David Garibaldi / drums
J.D. Reilly / synthesizer
Jenny Meltzer / vocal
Karl Perazzo / percussion
Keith Jones / bass
Marc Russo / sax
Marc van Wageningen / bass
Michael Spiro / percussion
Norbert Stachel / flute,sax
Paul van Wageningen / drums

●Numbers
1.  Boomerang
2.  Terrible Beauty
3.  Werewolf
4.  Iguana
5.  Samba Alegre
6.  Mysterious Ways
7.  Small Talk
8.  At First Glance
9.  Emergency Exit

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2012年6月17日 (日)

変態&フリー系ギタリストHenry Kaiser「Re-Marrying For Money」

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Musician●Henry Kaiser(guitar)
Title●Re-Marrying For Money(1988年)
■ディスクユニオンお茶の水ジャズ店で購入


アメリカ出身の知る人ぞ知る変態&フリー系ギタリストHenry Kaiser(ヘンリー・カイザー)による作品です。録音自体は1982年から83年にかけて行われたようですが、なぜかリリースは1988年になっています。

ただでさえ知名度が低いうえに変態系ギタリストなので、かなり引き気味ですが、そもそもはMarc RibotやMarc Ducret、Elliot Sharpあたりと比肩されるべきギタリストだと思うのですが、やはり非常にニッチな領域での比較であることは否めません。個人的にはSonny Sharrockのように巧いんだか下手なのか、意図的なのか偶然に頼るタイプなのか、まるで判別がつかないタイプではないかとにらんでいます。ともあれおよそ一般性には欠けますが。

今回はECMの重鎮John AbercrombieとBill Frisellがゲスト参加しています。この変態系アルバムにこの2人が参加した理由がわからないのですが、よくもまあ自分のイメージを壊しかねない「劇薬」との共演にOK出しましたね。

#1  I'm So Glad
言うまでもなくCreamの名曲。原曲の全体像は何とか維持しながら、Kaiserが自由奔放に暴れまくります。この人は真面目なのかふざけているのか計りかねるのですが、やはり何度聴いてもわかりません。

#6  Too Late For Tears
何とJohn Abercrombieが参加しています。KaiserとAbercrombieとの共通項がまったくつかめないのですが、確かにクレジットに名前が。曲はZappa風の妙な感じですがAbercrombieはギターシンセで滅茶苦茶に早いパッセージを終始弾き倒しています。やがて例の下手ウマ風のkaiserが乱入してくるとAbercrombieも負けじと反応。2人によるギターバトルが展開されます。何度聴いても正体不明の奇怪な曲です。

#12  The Last Of The Few
もう一人のECMの巨人Bill Frisellが参加しています。Frisellお得意の浮遊感あふれるギターシンセで厳かな感じでスタートしますが、やがてKaiserが不協和音を巻き起こすと最早制御不能に。一転してアヴァンギャルドでフリーキーな世界へと突入。煽られたFrisellも負けじと不安をかき立てるようなフレーズを連発。最後は奇人2人による正体不明のフレーズの応酬がひたすら続きます。楽曲というよりも実験曲と表現したほうがふさわしいかもしれません。

●Members
Henry kaiser / guitar
Hilary Hanes / bass
John Hanes / drums

guests
John Abercrombie on Too Late For Tears
Bill Frisell on The last Of The Few

●Numbers
1.  I'm So Glad
2.  Murder One
3.  The Set-Up
4.  T-Men
5.  The Big Clock
6.  Too Late For Tears
7.  Mr.McG
8.  Red Harvest
9.  Java Jack
10. The Honey Trap
11. The Hairy Eyeball
12. The Last Of The Few
13. Tapping The Source
14. Pig & Battleships

R0010996


2012年6月16日 (土)

カンタベリー系ジャズロック「Gilgamesh」の2nd「Another Fine Tune You've Got Me Into」

R0011481
Musician●Gilgamesh
Title●Another Fine Tune You've Got Me Into(1978年)
■Amazonより購入


英国出身のジャズロックバンド「Gilgamesh」(ギルガメッシュ)による2ndです。1978年リリース。バンド自体は1972年結成で1975年に1st「Gilgamesh」をリリースしていますが、後に「National Health」に吸収合併される形でいったんは消滅しますが、バンマスのAlan Gowen(アラン・ガウエン)がNational Healthを脱退して制作されたのがこの作品です。1stからメンバーチェンジがあり、ドラムにTrevor Tomkins(トレバー・トムキンス)、ベースに元「Soft Machine」のHugh Hopper(ヒュー・ホッパー)が加入しています。しかし、Hugh Hopperはどこにでも顔を出しますね。その後、GowenとHopperはともにコラボ作品を残しているので、相性が良かったということなのでしょう。

若干荒削りだった前作に比べて、より洗練されたジャズロックに仕上がっています。折りしのフュージョンブームの影響も随所に感じられて聴きやすくなったことも確かです。どうやらGowenは2台目のシンセサイザーを入手したということで、演奏の幅も表現力も著しく向上しています。時折聴かせる執拗なレフレインはSoft Machineからの影響なのでしょうか。個人的にはドラムのTrevor Tomkinsがツボで、ジャズを基本としながらも時々実に格好いい8ビートをキメてくれています。何よりもテクニカルかつ安定感あるプレイが素晴らしい。1stでは何となく消化不良気味に感じられたギターのPhil Leeも格段の成長力を見せていますが、逆に荒々しさが薄まった点が残念と言えば残念。ここらへんは評価が分かれるところではないでしょうか。バンド自体はこのアルバムを最後に自然消滅。Gowenは81年に白血病のため夭折してしまいます。

ジャケットはウィリアム・ブレイクの「蚤の幽霊」より

●Musicians
Phil Lee / guitar
Alan Gowen / keyboards
Hugh Hopper / bass
Trevor Tomkins / drums

●Numbers
1.  Darker Brighter
2.  Bobberty-Theme From Something Else
3.  Waiting
4.  Play Time
5.  Underwater Song
6.  Foed'd Again
7.  T.N.T.F.X

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2012年6月15日 (金)

フリー系サックス奏者Tim Berneの「Paraphrase Pre-Emptive Denial」

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Musician●Tim Berne(sax)
Title●Paraphrase Pre-Emptive Denial(2005年)
■ディスクユニオンで購入


フリー系サックス奏者Tim Berne(ティム・バーン)によるライブ盤を入手したのでご報告します。2005年5月に「David Potaux-Razel The Stone」という場所で行われたライブを収めたもので、かつてECMレーベルで活躍したギタリスト、David Tornがスタジオワークを担当しています。Tm BerneとTornはしばしば行動を共にしていますね。ライブ当日のメンバーはTom Rainey(drums)、Drew Gress(bass)というトリオ構成です。

いつもはフランス出身のフリー系ギタリストMarc Ducretが加わるカルテット構成が多いのですが、今回はギター抜きの三つ巴による完全ガチンコスタイル。おそらくBerne自身が描いたと思われる手書きのいジャケットには「このCDを4時間以上聴いてしまった人は、どうか主治医に診断を受けてもらってください」という人を喰ったようなコメントが書かれています。たしかに延々と繰り返される激しいインプロの応酬は聴き応えがあるというレベルを遙かに越えた「音圧の暴力」だといっても過言ではありません。体力、気力とも十二分に整えてから心して臨んでいただけたらと思います。しかし、後期コルトレーンの系譜を汲みとても商業ベースに乗るとは思えない「正統派フリーサックス」(言葉自体が矛盾していますが)は今となっては稀少な存在ですね。

●Musicians
Tim Berne / sax
Tom Rainey / drums
Drew Gress / bass

●Numbers
1.  Trading On All Fours
2.  We Born To Royalties

R0011252


2012年6月10日 (日)

豪州出身の超絶ギタリストChris Brooks「The Axis Of All Things」

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Musician●Chris Brooks(guitar)
Title●The Axis Of All Things(2011年)
■Amazonより購入


豪州出身のテクニカル系ギタリストChris Brooks(クリス・ブルックス)による久々の新譜がリリースされていたので入手しました。2011年リリース。1st「The Master Plan」が2001年発売ですから何と10年ぶりの新作ということになります。「The Master Plan」の時は日本語サイトまで設置されて鳴り物入りのデビューでしたが、その後名前を見かけなくなったのでどうしたものかと思っていました。どうやら地元豪州でHM系のバンドにゲスト参加したり、ギター講師などをしていたようです。Allan Holdsworth、Greg Howe、Scott Hendersonあたりの系譜を汲んでいます。

豪州出身のテクニカル系ギタリストといえばFrank GambaleとBrett Garsedという2大師匠がデンと構えているので目立ちませんが、なかなかの腕達者。プレイスタイルは典型的なテクニカル系ですが、芸風としてはフックをあまり使わずあくまでも優等生タイプ。だからというわけではないですが、前作では数多存在するテクニカル系の中で埋もれてしまいそうな危うさを感じます。今作では楽曲的にもバラエティが広がり、芸風にも幅が出てきたように思えます。さらに地元の大先輩Brett Garsedのサポートを得て満を持して臨んでいます。Garsedの参加は#8の1曲のみですが、これまた素晴らしいギターバトルを展開。左側がBrook、右側がGarsedです。そういえば、「Garsed & Helmerich」の3部作を彷彿とさせる#3「Transfiguration」、#7「Hammer's Heart」もなかなか。ゲストギタリストのRick GrahamとLord Timは地元HM系バンドでの知り合いのようですが、研究不足につきよくわかりません。

●Musicians
Chris Brooks / guitar,keyboards
Nate Apparati / bass
Peter McDonaugh / drums on #1 #3 #8
Gordon Rytmeister / drums

Brett Garsed / guitar on In Out Of Dreams
Rick Graham / guitar on Feeding THe Myth
Lord Tim / guitar on In Out Of Dreams

●Numbers
1.  Prelude
2.  The Axis Of All Things
3.  Transfiguration
4.  Open Doors
5.  Not The Day,Nor The Hour
6.  Wisdom Road
7.  Hammer's Heart
8.  Feeding THe Myth
9.  In Out Of Dreams
10. Velvet Claws

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2012年6月 9日 (土)

プログレ風ジャズCris Gestrin & Ben Monderの「The Distance」

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Musician●Cris Gestrin(piano)
Title●The Distance(2005年)
■Amazonより購入


NYCに拠点を置いて活動しTheo Blackman(voice)との共演で知られる超売れっ子ギタリストBen Monder(ベン・モンダー)と、カナダ出身の鍵盤楽器奏者Cris Gestrin(クリス・ゲストリン)、やはりカナダ出身でフリージャズシーンで活躍するドラマーDylan Van Der Schyff(ディラン・ヴァン・ダー・スキーフ)によるトリオ作品です。2004年6月29日、完全一発録りのライブ形式で制作されています。

当欄でお馴染みのBen Monderはいいとしてほかの2人に関しては「お初」ですが、メーンストリームに背を向けた3人が作り出す即興演奏は完全なフリージャズに仕上がっています。3人とも決して大仰に騒ぎ立てずどちらかと言えば少ない音をていねいに紡いでいくタイプのミュージシャンだけに、静的でかえって硬派なフリージャズになっています。Ben Monderは十八番の高速アルペジオを駆使した音の空間的広がりを重視したプレイではなく、珍しく終始フレーズ勝負で臨んでいる点が驚きといえば驚きです。しかし、ヌエのように徘徊するBen Monderのギターは相変わらずつかみどころがないですね。

フリージャズの即興演奏というとMarc DucretやRaoul Bjorkenheimあたりの爆裂系ギタリストを中心とする演奏ばかり聴いている身としては、こうした音数が少ないながらも濃密な「俳句的演奏」はかえって新鮮と言えば新鮮。まあ、商業ベースには間違っても乗ってこないと思われますが、好事家にとってはNYC裏街道ジャズのこのうえない好演であると断言します。

●Musicians
Ben Monder / guitar
Chris Gestrin / piano,bells
Dylan Van Der Schyff / drums,percussions

●Numbers    
1.  Ferns
2.  Treacle
3.  #47
4.  Dark Engine
5.  Treant
6.  View from the Road
7.  Extrinsic
8.  Distance
9.  Voice in the Night
10. Second Approximation

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2012年6月 8日 (金)

「Opeth」と「Porcupine Tree」フロントマンによるユニット「Storm Corrosion」

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Musician●Storm Corrosion
Title●same(2012年)
■Amazonより購入


スウェーデンが生んだプログメタルバンドの雄「Opeth」のMikael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)と英国のプログレバンド「Porcupine Tree」のSteven Wilson(スティーヴン・ウィルソン)による双頭ユニット「Storm Corrosion」(ストーム・コロージョン)の1stです。2012年リリース。迂闊にもこの「Porcupine Tree」というバンドの存在を知らなかったのですが、どうやら英国プログレ界では新時代の旗手と目されているそうです。Mikael AkerfeldtとSteven Wilsonとの接点はOpethのアルバムにSteven Wilsonがプロデュースやミックス作業で参加する一方、Steven WilsonのソロアルバムにMikael Akerfeldtが参加するという仲だとか。

Steven Wilsonの言葉を借りると、このユニット作は自身のソロ作品とOpethの「Heritage」の延長線にあるとか。Steven Wilsonは初体験なので、何とも言えない部分もありますが、確かに「Heritage」の雰囲気は引き継がれています。つまりは「脱デス」であり、「アコースティカルプログレ路線」がいっそう推進されています。「Opeth」でのデス的要素は一切排除されて、ひたすら静的で内省的な音世界が広がります。あえてたとえればOpethの「Damnation」に近いでしょうか。70年代プログレを思い出させるメロトロン的な鍵盤楽器で雰囲気を盛り立てる芸風は相変わらず。中年プログレファンの琴線に触れまくります。デス的な要素を期待するOpethファンにはお勧めできませんが、Mikael Akerfeldtファンならやはり聴かざるをえないでしょう。日本盤にはボーナストラックが2曲ついてきます。私は日本盤を購入しましたが、ライナーの某HM系大御所の文章は、相変わらず自分だけが勝手に興奮していて読みづらいことこのうえないです。まあ、この人がこの業界で大きな顔をしているうちは…(以下、自粛)

●Musicians
Steven Wilson / guitar,vocal
Mikael Akerfeldt / guitar,vocal
Gavin Harrison / drums,percussions
Ben Castle / wood winds

●Numbers
1.  Drag Ropes   
2.  Storm Corrosion   
3.  Hag   
4.  Happy   
5.  Lock Howl   
6.  Ljudet Innan   
7.  Drag Ropes(demo)* BONUS TRACK   
8.  Hag(demo)* BONUS TRACK

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2012年6月 3日 (日)

Label Bleuイチオシの強力盤「Romano / Sclavis / Texier / 3+3」

R0011500
Musician●Aldo Romano / Louis Sclavis / Henri Texier
Title●Romano / Sclavis / Texier / 3+3(2011年)
■Amazonより購入


フランスの名門ジャズレーベルといったら「Label Bleu」に尽きますがAldo Romano(drums)、Louis Sclavis(sax)、Henri Texier(bass)というベテランミュージシャン3人を中心に、Enrico Rava(trumpet)、Nguyen Le(guitar)、Bojan Z(piano)というこれまた個性派ミュージシャンが加わるという企画盤です。こんな豪華な面子を揃えられるのも「Label Bleu」ならでは。これだけ重厚なメンバーばかりが揃うと「オヤジジャズではないか?」という不安も頭をよぎりますが、いやいやどうして、ド迫力のプレイがてんこ盛りです。いい意味で期待を裏切ってくれています。

ギター偏愛主義の当欄としては、ギターのNguyen Le(グエン・レ)に注目せざるを得ないのですが、特に#1「Vents qui Parlent」で聴くことができる凄まじいプレイは一聴の価値あり。#3「Idoma」はNguyen Leの提供曲で、彼十八番のベトナム民族音楽とジャズとの融合曲。強力バックを従えてお得意の無国籍風変態ソロを連発しています。それにしても地を這うようなRomanoのドラミングは迫力満点で、かなりの衝撃で五臓六腑に訴えかけてきます。

●Musicians
Aldo Romano  / drums,percussions
Louis Sclavis / tenor sax,clarinett
Henri Texier / bass
+
Enrico Rava / trumpet on #1,#2,#7,#10
Nguyen Le / guitar / #1,#3,#7,#10
Bojan Z / piano on #1,#5,#10

●Numbers
1.  Vents qui parlent (Sclavis)
2.  Ravages (Rava)
3.  Idoma (Nguyen Le)
4.  Nous trois (Romano/Sclavis/Texier)
5.  Seeds (Bojan Z)
6.  Rituel a trois (Romano/Sclavis/Texier)
7.  Bayou (Texier)
8.  Mohican (Romano)
9.  Moins qu'une ombre (Sclavis)
10. Griot Joe (Romano)
11. Valse a l'ame (Texier)

R0011501


2012年6月 2日 (土)

デンマークのコンテンポラリー系ギタリストTorben Waldorff「American Rock Beauty」

R0011743
Musician●Torben Waldorff(guitar)
Title●American Rock Beauty(2010年)
■メーカーサイトより購入


デンマーク出身で現在はNYCを拠点に活動しているギタリスト、Torben Waldorff(トーベン・ウォルドルフ)による2010年の作品です。この人、以前は地元北欧で活動していましたが、数年前からNYCに移り住んでいたのですね。系統としてはコンテンポラリー系ということになりますが、いわゆる「ブルックリン派」、つまりメーンストリームに背を向けた裏街道系に近い臭いがプンプンとします。2009年7月28日、29日NYCで録音。共同プロデュースはスウェーデン出身の鍵盤楽器奏者で北欧現代ジャズ界の姉御、Magi Olin(マギ・オリン)が担当しています。メンバーはDonny McCaslin(sax)、Jon Crowherd(piano)、Matt Clohesy(bass)、Jon Wilkan(drums)。すみません、ほとんど存じ上げない方々です。

アルバムタイトルからしてアメリカジャズの臭いがしますが、あくまでも題名だけの話で、内容は完全にコンテンポラリー系。John AbercrombieやBill Frisellの若かりし頃を思い出します。ただ、Torben Waldorff自身は初期のようにバリバリと弾きまくることはなく、NYCに移ってからバンドアンサンブル重視へと方向転換したようです。それでもキメフレーズは相変わらずの高密度型のソロをぶちかましてくれています。この人のギターって非常に太い弦を使用しているようでしかも適度に歪ませているのが特徴です。

どうやらこの6月に新譜がリリースされるようなので興味のある方はこの機会に。ブルックリン派が好きな人には特にお勧めしたいミュージシャンです。新譜情報はこちらです。

●Musicians
Torben Waldorff / guitar
Donny McCaslin / sax
Jon Crowherd / piano
Matt Clohesy / bass
Jon Wilkan / drums

●Numbers
1.  Shark
2.  Shining Through
3.  Waves
4.  American Roc Beauty
5.  Late
6.  Lama

R0011744


2012年6月 1日 (金)

ごった煮的な現代解釈的集合ジャズ「Zapping」

Dscf2119
Musician●Furio Dicastri(bass,sampling,live electronics)
Title●Zapping(2008年)
■Amazon USAより購入


イタリア出身のジャズ畑のマルチプレーヤー、Furio Dicastriが中心になって作られたユニットによる作品です。特にグループ名はつけられていないようですが、参加メンバーが結構豪華なので購入してみました。フランス出身ベトナム系ギタリストNguyen Le、Eric Vloeimans(トランペット)、Joel Allouche(ドラム)、Mauro Negri(サックス)、そして紅一点のピアノ奏者、Rita Marcotullという構成です。イタリアのレーベルからリリースされています。

ユニットの中心Furio Dicastriが書いたライナーを読むと彼自身が若い頃から親しんだ数々の楽曲を、独自の解釈で「蘇らせた」ということですが、これが幅広い。守備範囲は20世紀の音楽ということですが、Thelonious MonkからFrank Zappaまでとまさに古今東西という内容です。しかも単なるカバーアルバムにしたくはなかったということで、原曲の味わいなどはほとんど無視した形になっています。タイトル「Zapping」はもちろんFrank Zappaをちなんでつけられていますが、テレビのチャンネルをひっきりなしに変えるZappingとのダブルミーニングに。そう、音の万華鏡のごとく、曲と曲が目まぐるしく変化していきます。

個人的なお目当てはギターのNguyen Leでしたが、変幻自在、神出鬼没の変態ギターで見事に盛り上げています。一見すると、まるでまとまりのない作品ですが、たまにはこういうのも「あり」なのかな、と思います。


●Musicians
Furio Dicastri / bass,sampling,live electronics
Nguyen Le / guitar,live electronics
Eric Vloeimans / trumpet
Joel Allouche / drums
Mauro Negri / alto sax,clarinet
Rita Marcotull / piano

●Numbers
1.  Jazz In The James Bondage
2.  Skippy
3.  Coffee Break Da Mario
4.  God Shave The Queen
5.  Twenty Small Cigars
6.  Facing The Beauty
7.  Born In The USB
8.  The Monk Page
9.  Thanh Hoa Bridge
10. Carolina Moon

Dscf2120


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