超重量級Coltrane「Live In Japan」2011年リマスター盤を聴く
Musician●John Coltrane(soprano,alto,tenor sax)
Title●Live In Japan Deluxe Edition(1966年)
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ジャズジャイアンツJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)による唯一の日本公演を収録した怒濤の4枚組セットです。1966年7月11日のサンケイホールと1966年7月22日の新宿厚生年金ホールでのライブ音源が収録されています。参加メンバーは末期コルトレーンユニットの面子でPharoah Sanders(alto,tenor sax,bass clarinet,percussion)、Alice Coltrane(piano)、Jimmy Garrison(bass)、Rashid Ali(drums)という編成です。
このアルバムは最初のCD化では2枚組を2セットに分けて発売されましたが、その後輸入盤で合体し4枚組という圧倒的なボリュームで再登場しました。私は輸入盤を所有していましたが、何と2011年にリマスター化されていました。特典として来日共同記者会見(7月9日)、早稲田、慶應、立教大学のモダンジャズ連盟による学生インタビュー(7月9日)、辻本和明氏による単独インタビュー(7月9日)を収めたCDが付いてきます。
7月11日のサンケイホール公演はTBSラジオ、7月22日の新宿厚生年金ホール公演はニッポン放送がそれぞれ「ラジオ放送」用として収録したもので、それがこの音源の元になっているのですが、実際に放送されたのは7月22日サンケイホール公演「Peace On Earth」([CD 3 #1])のみだったそうです。というのも当時のコルトレーンのステージではわずか1曲に50分以上もかけることを放送関係者の誰一人も知らず、何とか放送枠に収まりそうだった(演奏時間約25分)のみが晴れて陽の目を見たという事情があったそうです。何と勿体ない。
それよりも何よりも、この盤のリマスター効果は抜群でモノラル録音にも関わらず、旧盤よりも音の奥行きが圧倒的に増し豊潤な聴き応えに正直言って驚かされます。まだまだ録音機材に恵まれない当時にあって、これだけの高音質の音源を残したTBSラジオ、ニッポン放送のスタッフの力量は世界に誇れると思います。ただ、あまりに進化しすぎたコルトレーンの音楽に対して、観客がついていけていたかどうかは大いに疑問を感じます。1960年代中盤はいまの時代のようにリアルタイムで音楽を楽しむ状況ではなく、日本に紹介されるのは少しばかりタイムラグがあったからです。
充実のブックレットも特筆もので来日公演の全日程、ボーナストラック収録のインタビュー内容全文までが掲載されていて、当時の状況が手に取るようにわかります。
●Musicians
John Coltrane / soprano,alto,tenor sax
Pharoah Sanders / alto,tenor sax,bass clarinet,percussion
Alice Coltrane / piano
Jimmy Garrison / bass
Rashid Ali / drums
●Numbers
[CD 1]
1. Aflo Blue
2. Peace On Earth
[CD 2]
1. Crescent
[CD 3]
1. Peace On Earth
2. Leo
[CD 4]
1. My Favorite Things
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