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2012年3月

2012年3月31日 (土)

通算8枚目。Larry Coryellの傑作「Offering」

R0011138
Musician●Larry Coryell(guitar)
Title●Offering(1972年)
■Tower Recordで購入


ジャズロックギター界の革命児Larry Coryell(ラリー・コリエル)による通算8枚目のソロアルバムです。1972年Vanguard Recordsよりリリース。1972年1月17日、18日、20日にNYC「Vanguard Studios」でレコーディングされています。長らくCD化が望まれていましたが、2002年にイタリアのレーベルによってやっと「復刻」されました。メンバーに「Tomrrow Never Knows」に客演した縁でSteve Marcus(soprano sax)を迎え、一段とパワーアップしました。前作「Barefoot Boy」(1971年)あたりから確立し始めたゴリゴリのジャズロック路線にますます磨きが掛かり、文句なしに楽しめます。いきなりギンギンのエレピで始まる#1「Foreplay」から凄まじい勢いで疾走します。

興味深いのがCD化にあたってライナーにほぼコンプリートなものと思われるディスコグラフィーが載っていることです。前出「Barefoot Boy」やスイスでのライブ音源「Fairyland」(1971年)、NYCでもライブ音源「At The Village Gate」(1971年)の3作がブルース色が強く、1973年リリース「The Real Great Eacape」でフュージョン色を強めたわけで、この「Offering」はその折衷というか分岐点になることがわかります。1966年の「Free Spirit」から始まり1999年「Monk,Trane,Miles & Me」に至るまでレーベルの詳細も記載されているのでFlying Dutchman、Vanguard、Aristaなど、それぞれのレーベルによって微妙に異なるサウンド作りを検証するうえで、大変な資料価値があると思います。

●Musicians
Larry Coryell / guitar
Steve Marcus / soprano saxophone
Mike Mandel / electric piano with fuzz-wah
Mervin Bronson / bass
Harry Wilkinson / drums
●Numbers
1.    Foreplay
2.    Ruminations
3.    Scotland I
4.    Offering
5.    The Meditation Of November 8th
6.    Beffar's Chant

R0011139


2012年3月30日 (金)

Mike Nockのラテンフェイバー音源「Climbing」

R0011216
Musician●Mike Nock(piano)
Title●Climbing(1979年)
■Gemm.comより購入


ニュージーランド出身の抒情派系ピアノ奏者Mike Nock(マイク・ノック)による作品です。1979年1月、ニューヨークでレコーディングされています。参加メンバーはDavid Friesen(bass)、Al Foster(drums)、John Abercrombie(guitar,mandolin)、Tom Harrell(trumpet,fugelhorn)とかなりの豪華メンバーです。AbercrombieはECMからの出向という形になります。個人的にはECMよりリリースされた「Ondas」(1982年)における内省的でRichard Beirach的なアプローチのイメージが強いのですが、その3年前にレコーディングされたこの音源は比較的とっつきやすい感じに仕上がっています。都会派スムーズジャズというか、そこかしこにブラジリアンテイストがちりばめられており、当時の世相から考えるとJAZZ畑からアプローチした上質なフュージョンサウンドという感じ。Al Fosterを起用したのもその狙いからなのでしょう。考えてみるとこのMike Nockという人、1970年代初めのころは結構尖がったジャズロックを演っていたので、時代の流れとともにあるべき進化を遂げているような気がします。

Mike Nockの奏でる音はあくまでも優しく、Tom Harrellの柔らかいフリューゲルホルンが作品自体に円やかさを加えています。Abercrombieのギターもかなりウェットな感じ彼にファンにとっては悶絶ものです。考えてみればこの音源が録音された1979年という年はAbercrombie自身が「ECM耽美時代」真っ最中ということで、実に繊細きわまるフレーズを聴かせてくれます。Abercrombieがゲスト参加した音源のなかでも個人的にはベストのひとつです。とりわけ#3「Blue Monastery」で聴かれるNock、Abercrombie、Harrell3者によるあまりにも美しい旋律には陶然としてしまいます。

この盤はアナログでは結構見かけますが、CDはプレス数の関係なのか割と希少です。気になる人は見かけたら即確保をお勧めします。

●Musicians
Mike Nock / piano,synthsizer
David Friesen / bass
Al Foster / drums
John Abercrombie / guitar,mandolin
Tom Harrell / trumpet,fugelhorn)

●Numbers
1.  Casablanca 
2.  Mossaflo
3.  Blue Monastery
4.  Eye Of The Rainbow
5.  Speak To The Golden Child
6.  Climbing
7.  Song Of Brazil

R0011217


2012年3月25日 (日)

奇才Steve Vaiの25周年記念ライブ「Where the Wild Things Are」

R0011151
Musician●Steve Vai(guitar)
Title●Where the Wild Things Are(2007年)
■Amaoznより購入


元祖変態ギタリストSteve Vaiがソロデビュー25周年を記念して行ったライブ音源です。2007年にヴァイオリンを2本入れた変則編成での「String Theories」というツアーで9月19日、ミネアポリスでのライブ音源です。なんと言ってもヴァイオリンを2本入れた構成が奇抜すぎますが、Steve Vaiなら何をやらかしても不思議ではありません。圧倒的な音の圧力と休むことなく繰り出される変態フレーズにはただただ唖然とするばかり。デビュー作「Flex-Able」から受けた衝撃は衰えるどころか、聴くたびに見るたびにパワーアップしています。

音だけでも圧倒されるのに、このライブはDVDにもなっていてビジュアル面からもその奇天烈ぶりを味わうことができます。また、このアルバムに未収録だったプレイは「Where the Other Wild Things Are」(2007年)というアルバムに収録されています。

●Musicians
Steve Vai / guitar,vocal
Bryan Beller / bass
Jeremy Colson / drums
Dave Weiner / guitar,sitar
Alex DePue / violin,keyboards
Ann Marie Calhoun / violin,keyboards
Zack Weisinger / lap steel

●Numbers
1.   Paint Me Your Face
2.   Now We Run
3.   Oooo
4.   Building The Church
5.   Tender Surrender
6.   Band Intros
7.   Fire Wall
8.   Freak Show Excess
9.   Die To Live
10.  All About Eve
11.  Gary 7
12.  Treasure Island
13.  Angel Food
14.  Taurus Bulba
15.  Par Brahm

R0011152


2012年3月24日 (土)

渡辺香津美初の海外録音「Lonesome Cat」

R0011116
Musician●渡辺香津美(guitar)
Title●Lonesome Cat(1978年)
■「アーリー・イヤーズ・ボックス」より


日本を代表するジャズギタリスト、渡辺香津美が坂本龍一やつのだヒロとの共演作「Olive's Steps」(1977年)リリース後、単身ニューヨークに渡り現地のミュージシャンと作り上げた作品です。1077年12月14日、ニューヨークのスタジオで録音されています。参加メンバーはGeorge Cables (piano)、Alex Blake(bass)、Cecil McBee(bass)、Lenny White( drums)という面子。

参加メンバーの豪華さとは裏腹にややチグハグな印象を受けた前作「Olive's Steps」に対して、ここで聴かれる真剣勝負から生まれた名演の数々には大変な緊張感が満ちています。さすが海外の一流どころは違います。特にリズム隊は強力。Lenny Whiteが繰り出す粘っこく、力強いグルーヴ感が全体の雰囲気を締めてくれています。特にオープニングの「Somebody Samebody」での強烈なキメは抜群の切れ味です。メロウな#2「Mirrors」、#6「Lonesome Cat」、流麗なソロが瑞々しい#3「Aqua Beauty」、「KYLYN時代」でも好んで演奏された#4「Blackstone」で発揮される尋常でないグルーヴ感、疾走感あふれる#5「Moving Nozzle」とどれをとっても一切の捨て曲がありません。

この貴重な武者修行で得られた成果をもとに翌1979年に「KYLYN」を結成し、坂本龍一らとともに今につながる活動を展開していくわけですが、この盤で得られた経験は非常に大きかったのではないかと思われます。

●Musicians
渡辺香津美 / guitar
George Cables / piano
Alex Blake / bass
Cecil McBee / bass
Lenny White / drums

●Numbers
1.  Somebody Samebody
2.  Mirrors
3.  Aqua Beauty
4.  Blackstone
5.  Moving Nozzle
6.  Lonesome Cat

R0011117


2012年3月23日 (金)

Jack DeJohnetteのNewDirectionsライブ「in Europe」

R0011180
Musician●Jack DeJohnette(drums)
Title●In Europe(1979年)
■ディスクユニオンで購入


マイルズ楽団で一躍スターダムにのし上がったJack DeJohnetteによるECM音源です。完成度重視のECMからは珍しくライブ音源で、1979年6月に行われたアルバム「New Directions」(1978年)のプロモーションコンサートの模様が収録されています。参加メンバーはスタジオ盤と同じで、John Abercrombie(guitar,mandolin guitar)、Lester Bowie(trumpet)、Eddie Gomez(drums)という鉄壁の布陣です。プロデューサーはご存じManfred Eicher。

基本的にはスタジオ盤「New Directions」の実況盤なのですが、何となく隔靴掻痒然に感じられたスタジオ盤と比較すると、やはり生の演奏が生み出す臨場感が絶妙なスパイスとなってまるで「別物」として聴こえてくるから不思議です。これも腕達者の面々だからこそなせるワザですね。9分以上にもおよぶラスト「Multo Spiliagio」で聴かれる圧巻のプレイは見事の一語です。

●Musicians
Jack DeJohnette / drums,piano
John Abercrombie / guitar,mandolin guitar
Lester Bowie / trumpet
Eddie Gomez / drums

●Numbers
1.  Salsa For Eddie G.
2.  Where Or Wayne
3.  Bayou Fever
4.  Multo Spiliagio

R0011101


2012年3月20日 (火)

変態系ブラックメタルAnaal Nathrakhの2nd「Domine Non Es Dignus」

R0011168
Musician●Anaal Nathrakh
Title●Domine Non Es Dignus(2004年)
■ディスクユニオンで購入


イギリス・バーミンガム出身の2人組変態系ブラックメタルユニット「Anaal Nathrakh」(アナール・ナスラック)による2ndです。2004年リリース。1st「The Codex Necro」(2001年)からしてただならぬ雰囲気と変態ぶりを十分に発揮した彼らですが、計算通り2ndではさらなるパワーアップを遂げています。V.I.T.R.I.O.L.(ヴィトリオール、vocal)とIrrumator(別名Mick Kenny,Instrumental)という2人組なのですが、ここではVentnorとPaul Fという人がボーカルとしてゲスト参加しています。ちなみにバンド名の「Anaal Nathrakh」とは古代アイルランド語の「蛇の吐息よ 生と死の呪文よ これこそ汝が召還の歌」という一種の呪文だとか。

1st同様に基本的にはブラックメタル特有の「臭み」を濃厚に残しつつ、多重録音から生まれる凄まじい音の洪水にただ圧倒されます。その迫力は1stを確実に凌駕するとともに、ブラストビート一辺倒の曲構成からミディアムテンポで重厚な曲にもチャレンジするなど、作曲面でも確かな成長力をみせつけています。要所要所ではさみ込まれるSEは映画「Hellraiser」のものだとか。世間的にはマイナーな存在のブラックメタル界にあって他の追随を許さない特異な存在感を放つユニットだけに、一切の「捨て曲」がありません。

●Musicians
V.I.T.R.I.O.L. / vocal
Irrumator / instrumental
Ventnor / vocal
Paul F / vocal

●Numbers
1.  I Wish I Could Blood On You
2.  The Oblivion Gene
3.  Do Not Speak
4.  Procreation Of The Wretched
5.  To Err Is Human To Dream Eutile
6.  Revaluation Of All Values
7.  The Final Destruction Of Dignity
8.  Swallow The World
9.  This Cannot Be The End
10. Rage. Rage. Against The Dying Of The Light

R0010828


2012年3月18日 (日)

前代未聞ツインベース「Portfolio」の1st

R0011198
Musician●Portfolio
Title●same(1997年)
■ディスクユニオンで購入


日本を代表するジャズ/フュージョン界の達人が一堂団結して結成したユニット「Portfolio」の1stです。1997年リリース。参加メンバーは「FRAGILE」のベース奏者、水野正敏、元「爆風スランプ」江川ほーじん、西脇辰弥(voice,keyboards)、石川英一(drums)という珍しいツインベースユニット。プロデュースは水野正敏が務めています。

こうした「オールスター的ユニット」の多くは往々にして失敗に終わることが多いと思いますし、ましてやフレットレス系の水野氏とスラップ系の江川氏とではベース奏者としてもまったくタイプが異なるだけに、何だか聴く前から不穏な雰囲気が漂いましたが、1曲目を聴いてそれはまったくもって杞憂に終わりました。全体的にジャズ寄りの「ウネウネ」は水野氏が、ロック、ファンク寄りの「スラップ」は江川氏がそれぞれ役割分担することで、まったく違和感なく音が耳に飛び込んできます。西脇氏の鍵盤も存在感十分。ベース2機が繰り出す重低音の圧力に屈することなく楽曲に彩りを与えてくれています。変幻自在のワザをもつ石川氏の打楽器も素晴らしいの一語です。楽曲としてはジャズ、ファンク、ロックをはじめとするさまざまな音楽の要素を取り入れ、彼らならではの個性的なサウンドを作り出しています。

時おり極端にエフェクター処理されたボーカルが入りますが、これは西脇氏によるの。この手の音楽でボーカル入りとなると、これまた「甘くなるのでは?」と思われがちですが、徹底したハード志向はそんな思いも杞憂に終わらせてくれます。全編を支配する金属的な未来派ジャズファンクという感じのこの作品は、ベース好きはもちろん硬派なジャズロックファンにも十分納得がいく完成度を誇っています。このユニットはそれなりの評価を得たようで同じメンバーで第2弾も作られています。

●Musicians
水野正敏 / fretless bass
江川ほーじん / bass,computaer-programming
西脇辰弥 / voice,keyboards
石川英一 / drums

●Numbers
1.  特車
2.  Snake Charmer
3.  Free
4.  Unfaithful Madam
5.  Where The Hell Is This?
6.  クルシー
7.  The Blame
8.  Taxi Queen
9.  Dark Matter

R0011199


2012年3月17日 (土)

変態系ブラックメタルユニット「Anaal Nathrakh」の1st「Codex Necro」

R0011170
Musician●Anaal Nathrakh
Title●Codex Necro(2001年)
■ディスクユニオンで購入


イギリス・バーミンガム出身の2人組変態系ブラックメタルユニット「Anaal Nathrakh」(アナール・ナスラック)による1stです。2001年リリース。バンド名の「Anaal Nathrakh」とは古代アイルランド語の「蛇の吐息よ 生と死の呪文よ これこそ汝が召還の歌」という一種の呪文だとか。もちろん別の意味合いからも不埒なことを連想してしまう名前です。基本的にはV.I.T.R.I.O.L.(ヴィトリオール、vocal)とIrrumator(別名Mick Kenny,Instrumental)という2人組なのですが、ライブなどではゲストミュージシャンが参加しているとのこと。V.I.T.R.I.O.L.がすべてのボーカルと歌詞、Mick Kennyがすべての楽器を担当しています。バンドの結成は1999年で当初は「MAYHEM」などノルウェーのブラックメタルバンドのコピーをしていたそうです。

彼らにとってデビュー作にあたるこの盤ですが、ブラックメタル特有の一種の「臭み」を色濃く残しつつ通常のバンド演奏という枠組みを大きく逸脱したトンでもない作品へと仕上げています。2人組というハンディを逆手にとり、凝りに凝ったスタジオワークを施した結果、およそ誰にも模倣不可能な凄まじいブラックメタルサウンドに。絶え間なく絶叫するボーカル、幾重にも重ねられた楽器群による音の洪水が凄まじい勢いで迫ってきます。バンド形式による従来型ブラックメタルに対して、こうしたスタジオワークを駆使した形式はインダストリアル系ブラックメタル、あるいはエクストリーム系と称されるそうですが、そのような細かなジャンル分けなどどうでもよくなってしまうほど、彼らが作り出す音楽には比類なき暴力性と獰猛さを感じます。凄まじいブラストビートはおそらく打ち込みだと思われますが、聴いているうちにそんなことは些細なことと思われてきます。

ラスト4曲はBBCでのライブ音源ですが、スタジオワーク主体の彼らにとってはライブ演奏は困難ということで「NAPALM DEATH」のシェーン・エンバリーと元「CRADLE OF FILTH」、「DIMMU BORGIR」のニコラス・バーカーが参加しています。

●Musicians
V.I.T.R.I.O.L. / vocal
Irrumator /  instrumental

●Numbers
1.  The Supreme Necrotic Audnance
2.  When Humanity Is Cancer
3.  Submission Is For The Weak
4.  Pandemonic Hyperblast
5.  Paradigm Shift-Anihilation
6.  The Technogoat
7.  Incipid Flock
8.  Human,All Too Fucking Human
9.  The Codex Necro

R0011171


2012年3月16日 (金)

スーパードラマーSimon Phillipsの会心ライブ「Out of The Blue」

R0011200
Musician●Simon Phillips(drums)
Title●Out Of The Blue(1998年)
■Amazonより購入


「TOTO」をはじめ多くのセッション活動で多忙を極めるスーパードラマーSimon Phillips(サイモン・フィリップス)による自身3枚目のリーダー作。1998年1月、2月に行われたヨーロッパでのライブ音源です。時期的鬼考えて亡きTony Williamsに捧げたアルバム「Another Lifeime」(1997年)のためのセールスツアーではないかと思われます。参加メンバーはAndy Timmons(guitar)、Jeff Babko(keyboards)、Wendell Brooks(horns)、Jerry Watts JNR(bass)という面子です。

ここであらためてSimon Phillipsの来歴をライナーを頼りに書き出してみると、フィル・マンザネラ「801」あたりから注目を集めるようになり、以降、ジェフ・ベック、ミック・ジャガー、ザ・フー、ロキシー・ミュージック、ティアーズ・フォー・フィアーズ、10CC、マイケル・シェンカー、ジューダス・プリースト、ゲイリー・ムーア、スタンリー・クラーク、アル・ディ・メオラ…などとロック、HM、ジャズフュージョンさまざまなジャンルのミュージシャンとの共演歴があります。そういえば昨年の「東京JAZZ2011」では上原ひろみ、アンソニー・ジャクソンとのトリオで来日していました。凄まじいほどの守備範囲です。

何と言ってもギターのAndy Timmonsが素晴らしく主役のPhillipsそっちのけでTimmonsのギターばかりに注目してしまうという「いつもの悪い癖」が出てしまう作品です。アルバム「Another Lifetime」でのTimmonsも素晴らしかったのですが、やはり彼の魅力が最大限に生かされるのはライブではないでしょうか。Timmons自身のリーダー作ではロック寄りのアプローチですが、ここでは完全にジャズフュージョン寄りのプレイに徹しています。日本盤のみボーナストラックが1曲ついてきます。



●Musicians
Simon Phillips / drums
Andy Timmons / guitar
Jeff Babko / keyboards
Wendell Brooks / horns
Jerry Watts JNR / bass

●Numbers
1.  Kumi Na Moja
2.  Out Of The Blue
3.  Eyes Blue For You
4.  Band Introductions
5.  Jungleyes
6.  Isis
7.  Indian Summer
8.  Rhodes Untravelled
9.  Another Lifetime
10. Midair Decision
11. Freudian Slip ※Japanese issue only

R0011201


2012年3月11日 (日)

Ewan Svenssonの最新トリオ作「Moments Passed」

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Musician●Ewan Svensson(guitar)
Title●Moments Passed(2010年)
■ディスクユニオンで購入


スウェーデンを代表するコンテンポラリー系ギタリストEwan Svensson(イーヴァン・スヴェンソン)久々の会心作です。2010年リリース。決して多作とは言えないSvenssonがLinda Pettersonをボーカルに迎えた「Sunrise On The Moon」をほぼ同時リリースするなど、北欧ジャズが活性化してくることは嬉しいことです。例によってDragon Recordsよりリリース。メンバーはMagnus Gran(drums)、Yasuhito Mori(森泰人)(bass)という息があった盟友&最強トリオです。抜群の安定感ですね。

ほぼ同時リリースの「Sunrise On The Moon」がギター&ボーカルなのに対して、こちらはSvenssonの原点とも言えるトリオ構成。今回のテーマは自身が最も影響を受けた1960年代以降のモダンジャズスタンダードです。簡単に言ってしまうとカバーものですが、あからさまにカバーだと謳わないあたりがSvenssonの奥ゆかしさです。Herbie Hancock、Horace Silver、Wayne Shorter、John Coltraneなどの曲がカバーされています。

特筆すべきはSvenssonの元気の良さ。もちろんまだまだ老け込むような年齢ではないのですが、この数年大人しくなりすぎた感があっただけにまさに「回春状態」には正直驚きました。往年の名曲をバリバリとエレキで弾きまくる姿には感動すら覚えます。エレキバリバリと言っても、もちろんジャズギターの範疇でのお話です。特にコルトレーンもカバーした珠玉の名曲#11「My Favorite Things」でのあまりに美しいギターソロは鳥肌ものです♪

動画は娘さんで歌手のHannah Svenssonのバックを務めるEwan Svenssonです。

●Musicians
Ewan Svensson / guitar
Magnus Gran / drums
Yasuhito Mori / bass

●Numbers
1.  Dolphine Dance
2.  My Shining Hour
3.  Peace
4.  Come Rain Or Come Shine
5.  I Hear  A Rhapsody
6.  Moment's Notice
7.  Infant Eyes
8.  Summer Night
9.  Days Of Wine And Roses
10. My Favorite Things
11. Have  You Met Miss Jones?

R0011158


2012年3月10日 (土)

亡きマイケル・ブレッカー参加のJohn Abercrombie「Getting There」

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Musician●John Abercrombie(guitar)
Title●Getting There(1987年)
■ディスクユニオンで購入


ECMを代表する知性派ギタリストJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)による1987年の作品です。参加メンバーはMarc Johnson(bass)、Peter Erskine(drums)という「Current Events」(1986年)、「ボストンライブ」(1987年)メンバーに加えていまは亡きMichael Brecker(tenor sax)という構成。個人的にはAbercrombieにとってRichard Beirachとの組み合わせに並び、最強のメンバーだと思います。録音自体は1987年4月、珍しくNYCのPower Stationで。プロデューサーも珍しくアイヒャーではなくLee Townsendという人です。

作風としては「Current Events」の延長線上にあり特段目新しいものはないのですが、お互いに気心が知れ合った匠たちが繰り出すワザの応酬には格別の味わいがあります。個人的には#2「Upon a Time」がベストテイク。この曲は別のアルバムでも演奏されていますが、Breckerが加わることで音に奥行きと幅が加わっています。ギターシンセを扱わせたらAbercrombieの右に出る者はいないことをあらためて痛感させられる1枚です。

●Musicians
John Abercrombie / guitar,guitar-synthesizer
Marc Johnson / bass
Peter Erskine / drums
Michael Brecker / tenor sax

●Numbers
1.  Sidekicks
2.  Upon A Time
3.  Getting There
4.  Remember Hymn
5.  Thalia
6.  Furs On Ice
7.  Chance
8.  Labour Day

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2012年3月 9日 (金)

記念すべきAndy Timmonsの1st「Ear X-Tracy」

R0011184
Musicians●Andy Timmons(guitar)
Title●Ear X-Tracy(1994年)
■ディスクユニオンで購入


テキサス出身の超絶ギタリストAndy Timmons(アンディ・ティモンズ)による記念すべき1stです。1994年リリース。Timmonsを語るとき必ずといいっていいほどついて回るのが「元Danger Dangerのギタリスト」という肩書きですが、この近年の活躍ぶりをみる限り、もう外してもいいのではないかと個人的には思っています。いわゆる技巧派ギタリストファンの間ではかなり有名な存在にも関わらずなぜか一般的な認知度がいま一つなのは、多くのバンドやレコード会社からのオファーを固辞していることが挙げられます。その理由が「独自の音楽活動ができなくなるから」ということ。そんな職人気質がマニア心をさらにくすぐるのです。参加メンバーはMike Daane(bass)、Mitch Marine(drums)ほか。

4歳でギターを始めたTimmonsは16歳のとき地元のジャズ・ギタリストからレッスンを受けて音楽理論を学んだとのこと。地元の大学でクラシックを専攻しますが中退し、Jaco PastoriusやPat Methnyらを輩出したマイアミ大学に編入します。自身のバンドで音楽活動を開始しますがなかなかオーディションに受からず不遇をかこったとのこと。やがて「Danger Danger」への加入が決まり3枚のアルバムを残しています。満を持して作られたのがこのアルバムということになります。

ハイテンションでご機嫌なリフで始まる#1「Carpe Diem」、不慮の事故で早逝した同郷のギタリストSVRに捧げた#3「I Remember Stevie」、日本人好みの泣きのフレーズがテンコ盛りの#4「Cry For You」、恐ろしいスピード感で疾走するカントリー風の#5「Farmer Sez」、ハーモニックスが美しい#6「Electric Gypsy」、Satriani風の#7「I Have No Idea」、イントロがJohnny Winterを彷彿とさせる#8「This Time For Sure」、オーバーダブされたソロが美しい#9「It's Getting Better」、「Danger Danger」で来日したとき訪れた広島の平和記念館に感銘を受けて作られた#10「Hiroshima」などなど「一切の捨て曲」が見あたりません。ただ「Sgt.Peppers」のように一切のオーバーダブを施さない最近の手法とは異なり、ここではそれなりのスタジオワークが加わっています。しかしギターを歌わせることにかけては天下一品ですね。その点では少なくともJoe SatrianiやSteve Vaiあたりと肩を並べるどころか凌駕しているのではないでしょうか。

●Musicians
Andy Timmons / guitars
Mike Daane / bass
Mitch Marine  / drums
Dan Wojciechowski / drums

●Numbers
1.  Carpe Diem
2.  Turn Away
3.  I Remember Stevie
4.  Cry For You
5.  Farmer Sez
6.  Electric Gypsy
7.  I Have No Idea
8.  This Time For Sure
9.  It's Getting Better
10. Hiroshima
11. No More Goodbyes
12. Bust A Soda
13. There Are No Words
14. September

R0011185



2012年3月 4日 (日)

坂本龍一との邂逅。渡辺香津美の「Olive's Step」

R0011166
Musician●渡辺香津美(guitar)
Title●Olive's Step(1977年)
■「アーリー・イヤーズ・ボックス」より


渡辺香津美「アーリー・イヤーズ・ボックス」より個別紹介です。初期渡辺香津美の人気を決定づけたといえるのがこの「Olive's Step」です。1977年6月にコロンビアスタジオで録音されています。当時はまだ「フュージョンミュージック」という言葉が定着しておらず「クロスオーバー」などと呼ばれていた記憶があります。当時のクロスオーバー専門レーベル「Better Days」からリリース。参加メンバーがやたらと豪華なのも新レーベル立ち上げに向けた意欲の表れではではないでしょうか。前半4曲(昔で言うA面)には坂本龍一、後藤次利、つのだヒロというスター軍団構成。後半3曲は松本弘(piano)、井野信義(bass)、倉田在秀(drums)、横山達治(percussions)というレギュラーメンバー構成。その後、後藤次利は「おにゃんこ路線」へ、つのだヒロはつのだ☆ひろと改名し「メリー・ジェーン路線」へと進みます。

なかでも#2「Innner Wind」は名盤「Kylyn-Live」でトップを飾った名曲。しかし「Kylyn-Live」のときほどの完成度にはまだ至らずいささか荒っぽさと手探り感は否めませんが、その生々しい野趣味が意外にはまります。思えばこのアルバムでの坂本龍一との出会いが後の「YMO」での合体に繋がっているわけで、日本の音楽史を語るうえで欠かせない名演とも言えます。

いま冷静に聴き直してみると、前半4曲(いわゆるA面)のスター軍団による演奏は急造バンドの宿命からか若干まとまりに欠け、ドタバタ感は否めません。特につのだヒロはミスキャストの感がします。渡辺香津美の本来の実力が発揮されるのは後半3曲(いわゆるB面)に移ってからで、旧知のメンバー(井野信義と倉田在秀)と共に繰り出されるグルーヴ感はやはり素晴らしいものを感じます。強力リズム隊をバックに渡辺香津美のギターもまるで水を得た魚のように自由自在に歌い上げています。特に凄まじいソロの連発が聴ける#5「SKY」は隠れた名曲です。世相と資料価値を感じるのは前半、本来の渡辺香津美を知るためには後半という「聴き分け」が必要かもしれません。

●Musicians
渡辺香津美 / guitar
坂本龍一 / electric-piano,synthesizer
後藤次利 / bass
つのだヒロ / drums
松本弘 / piano
井野信義 / bass
倉田在秀 / drums
横山達治 / percussions

●Numbers
1.  Olive's Step
2.  Inner Wind
3.  Mellow Sunshine
4.  Movin' Nozzle
5.  Sky
6.  Little Apple
7.  Dinti

R0011167


2012年3月 3日 (土)

ポストEvans世代のDon Friedman♪60年代の珍盤「Dreams And Explorations」

R0010898
Musician●Don Friedman(piano)
Title●Dreams And Explorations(1964年)
■ディスクユニオンで購入


ジャズピアノというと「Bill Evans一派」というのが相当数いていわゆるフォロワーにどんどん行き当たります。いまも現役で活躍しているDon Friedmanも確実にEvansフォロワーなのですが、60年代中盤あたりは結構フリーなジャズを志向していました。「Riverside」からリリースされたものの廃盤の憂き目にあって珍盤扱いになっていた音源が数年前に「復刻」されています。最初はアナログ盤のみでしたが、うれしいことにCD化もされているのです♪Riversideに残した貴重音源のうち1964年の「Dreams And Explorations」もそのうちの1枚です。参加メンバーはAttila Zoller(guitar)、Dick Kniss(bass)、Dick Berk(drums)というカルテット構成。

肝心の音源ですが、かなりフリー寄りの迫真のプレイが聴かれます。この当時としては過激なフリー志向はおそらくZollerの影響だと思うのですが、2人の迫力あるインタープレイの応酬からはかなりの緊張感が漂います。特に#1「Episodes」と#2「Exploration」は名曲の予感。

●Musicians
Don Friedman / piano
Attila Zoller / guitar
Dick Kniss / bass
Dick Berk / drums

●Numbers
1.  Episodes
2.  Exploration
3.  Park Row
4.  Buzzard
5.  Israel
6.  Darn That Dream
7.  You Stepped Out A Dream

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2012年3月 2日 (金)

スウェーデンのプログレバンド「Trettioariga Kriget」1st

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Musician●Trettioariga Kriget
Title●Trettioariga Kriget(1974年)
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スウェーデン出身のプログレバンド「Trettioariga Kriget」(トレッティオアリガ・クリケット)による1stです。1974年リリース。バンド自体は1970年に結成されています。81年に解散。位置づけとしてはプログレバンドですが、70年代英国ハードロック、とりわけDeep Purpleやユーライア・ヒープあたりからの影響も色濃く感じさせます。バンド名はスウェーデンも参戦した17世紀の「三十年戦争」という意味だとか。

記念すべき1stですが、これがなかなかの傑作です。今でこそ北欧プログレといえばある程度認知されていますが、70年代ではまだ音楽的には辺境の地というイメージがあったようです。でも、侮ってはいけません。ハード&テクニカル、変拍子のオンパレード、転調につぐ転調、そして大作志向…とプログレの要素がビッシリと詰まっています。基本的にはギター&ベース、そして時折メロトロンという「YESスタイル」。ボーカルは基本的には全曲スウェーデン語で、その独特な語感が妙な味わいになっています。2004年に再発売されましたがボーナストラックとして1975年のライブ音源が3曲追加されました。

#1  Kaledoniska Orogenesen
King Crimsonの名曲「21世紀の精神異常者」のエンディングを思わせるギターとベースが生み出す破壊音で始まるハードチューン。変拍子に乗って強引に突っ走るボーカルはどこかイアン・ギランを思い起こさせます。途中からから妙な転調を繰り返した後、やっとメーンテーマへ。ゴリゴリと弾きまくるリッケンバッカーベースはかなりCriss Squireの影響を受けています。

#3  Fjarilsattityder
YESを思い起こす変拍子を駆使したイントロが抜群の味わい。本家よりも荒削りで野性味たっぷりです。それでいて途中から始まるギターソロは第1期Deep PurpleのBlackmoreを感じさせるので、70年代HRファンをも引き寄せる妙な魅力を持っています。この曲でもベースはかなりのCriss Squireぶりです。

#4  Mina Logen
イントロは裏打ちで前のめり気味で疾走するハードチューン。一転してアコギによるフォークロックに変化します。この落差こそプログレの醍醐味ですね。ボーカルは情感たっぷりに歌い上げます。70年代HRの典型のような曲です。やがてSquire的ベースソロが稼働し始めると、変拍子を駆使した狂乱の渦へ。ラストのギターソロは泣きに泣きまくります。そしてメロトロンで厳かに収束。念入りに練り上がれた彼らの代表曲です。

#5  Ur Djupen
どこかユーライア・ヒープを感じさせる70年HRのお手本の曲。決めのファルセットシャウトはイアン・ギラン風ですね。オクターブ奏法を多用するギターはスティーヴ・ハウ風。気がつけばバックでメロトロンが手堅くサポートしています。初老心をくすぐる音楽的要素が満載の名曲です。

#6  Handlingens Skugga
初期Crimsonが得意としたギターアルペジオと打楽器乱打が印象的なイントロ。やがて流れるようにユーライア・ヒープ&YES的な構成に。曲後半はベースとギターの荒々しいバトルが展開されますが、目まぐるしく転調を繰り返し、一挙にカオスの世界へと突入します。でも、ギターソロはBlackmore風であります。予測不能の展開といい、凄まじい音の圧力といい一瞬の隙を与えない緊張感がたまりません。

●Musicians
Stefan Fredin / bass
Christer Akerberg / guitars
Robert Zima / vocal,guitar
Dag Lundqvist / drums,mellotron

●Numbers
1.  Kaledoniska Orogenesen
2.  Roster Fran Minus Till Plus
3.  Fjarilsattityder
4.  Mina Logen
5.  Ur Djupen
6.  Handlingens Skugga
bonus track
7.  Under The Pendent Roof
8.  I've Got No Time
9.  Perspektiv

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