記念すべきAndy Timmonsの1st「Ear X-Tracy」
Musicians●Andy Timmons(guitar)
Title●Ear X-Tracy(1994年)
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テキサス出身の超絶ギタリストAndy Timmons(アンディ・ティモンズ)による記念すべき1stです。1994年リリース。Timmonsを語るとき必ずといいっていいほどついて回るのが「元Danger Dangerのギタリスト」という肩書きですが、この近年の活躍ぶりをみる限り、もう外してもいいのではないかと個人的には思っています。いわゆる技巧派ギタリストファンの間ではかなり有名な存在にも関わらずなぜか一般的な認知度がいま一つなのは、多くのバンドやレコード会社からのオファーを固辞していることが挙げられます。その理由が「独自の音楽活動ができなくなるから」ということ。そんな職人気質がマニア心をさらにくすぐるのです。参加メンバーはMike Daane(bass)、Mitch Marine(drums)ほか。
4歳でギターを始めたTimmonsは16歳のとき地元のジャズ・ギタリストからレッスンを受けて音楽理論を学んだとのこと。地元の大学でクラシックを専攻しますが中退し、Jaco PastoriusやPat Methnyらを輩出したマイアミ大学に編入します。自身のバンドで音楽活動を開始しますがなかなかオーディションに受からず不遇をかこったとのこと。やがて「Danger Danger」への加入が決まり3枚のアルバムを残しています。満を持して作られたのがこのアルバムということになります。
ハイテンションでご機嫌なリフで始まる#1「Carpe Diem」、不慮の事故で早逝した同郷のギタリストSVRに捧げた#3「I Remember Stevie」、日本人好みの泣きのフレーズがテンコ盛りの#4「Cry For You」、恐ろしいスピード感で疾走するカントリー風の#5「Farmer Sez」、ハーモニックスが美しい#6「Electric Gypsy」、Satriani風の#7「I Have No Idea」、イントロがJohnny Winterを彷彿とさせる#8「This Time For Sure」、オーバーダブされたソロが美しい#9「It's Getting Better」、「Danger Danger」で来日したとき訪れた広島の平和記念館に感銘を受けて作られた#10「Hiroshima」などなど「一切の捨て曲」が見あたりません。ただ「Sgt.Peppers」のように一切のオーバーダブを施さない最近の手法とは異なり、ここではそれなりのスタジオワークが加わっています。しかしギターを歌わせることにかけては天下一品ですね。その点では少なくともJoe SatrianiやSteve Vaiあたりと肩を並べるどころか凌駕しているのではないでしょうか。
●Musicians
Andy Timmons / guitars
Mike Daane / bass
Mitch Marine / drums
Dan Wojciechowski / drums
●Numbers
1. Carpe Diem
2. Turn Away
3. I Remember Stevie
4. Cry For You
5. Farmer Sez
6. Electric Gypsy
7. I Have No Idea
8. This Time For Sure
9. It's Getting Better
10. Hiroshima
11. No More Goodbyes
12. Bust A Soda
13. There Are No Words
14. September
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コメント
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このアルバムはジャケット違いの日本盤を持っています!
当時はShrapnel Recordsの所謂、テクニカル系に没頭していた時期にSatriani系の曲良し、腕良しと友人が教えてくれたのがAndyでした!
録音がって突っ込みをよく聞きますが、それを補って有り余る曲と腕だと思います!
離島に持ってくCD10枚の中に入る一枚です!
投稿: HiroG | 2012年3月 9日 (金) 10時42分
HiroGさま
コメントありがとうございます。
確か日本盤にはボーナストラックが入っていたと記憶しています。
機会があれば日本盤も入手したいのですが、予算の問題もありで(^^ゞ
ご指摘の通り、確かに録音状態には問題がないわけではありませんが、
それを補って余りある素晴らしいプレイは素晴らしいの一語ですね。
悔やむべきは昨年の来日公演に行けなかったことです。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2012年3月11日 (日) 23時29分
輸入盤の最後に入ってるSeptemberが日本盤のボーナストラックだったと思いますよ!
確か最初のプレスでは未収録でしたが、日本盤リリース後に輸入盤を見なくなり、日本盤が消えた頃に再発で輸入盤がジャケット差し替えでボーナストラックも追加してリリースしていたような気がしますが?定かではありません( ̄◇ ̄;)
投稿: HiroG | 2012年3月12日 (月) 16時48分
HiroGさま
コメントありがとうございます。
いま気がつきましたが、日本盤のラインナップを書いていました。
私が持っているのは、旧盤輸入盤でした。
日本盤って意外に入手しづらいんですよね。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2012年3月25日 (日) 13時15分