変態系ブラックメタルユニット「Anaal Nathrakh」の1st「Codex Necro」
Musician●Anaal Nathrakh
Title●Codex Necro(2001年)
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イギリス・バーミンガム出身の2人組変態系ブラックメタルユニット「Anaal Nathrakh」(アナール・ナスラック)による1stです。2001年リリース。バンド名の「Anaal Nathrakh」とは古代アイルランド語の「蛇の吐息よ 生と死の呪文よ これこそ汝が召還の歌」という一種の呪文だとか。もちろん別の意味合いからも不埒なことを連想してしまう名前です。基本的にはV.I.T.R.I.O.L.(ヴィトリオール、vocal)とIrrumator(別名Mick Kenny,Instrumental)という2人組なのですが、ライブなどではゲストミュージシャンが参加しているとのこと。V.I.T.R.I.O.L.がすべてのボーカルと歌詞、Mick Kennyがすべての楽器を担当しています。バンドの結成は1999年で当初は「MAYHEM」などノルウェーのブラックメタルバンドのコピーをしていたそうです。
彼らにとってデビュー作にあたるこの盤ですが、ブラックメタル特有の一種の「臭み」を色濃く残しつつ通常のバンド演奏という枠組みを大きく逸脱したトンでもない作品へと仕上げています。2人組というハンディを逆手にとり、凝りに凝ったスタジオワークを施した結果、およそ誰にも模倣不可能な凄まじいブラックメタルサウンドに。絶え間なく絶叫するボーカル、幾重にも重ねられた楽器群による音の洪水が凄まじい勢いで迫ってきます。バンド形式による従来型ブラックメタルに対して、こうしたスタジオワークを駆使した形式はインダストリアル系ブラックメタル、あるいはエクストリーム系と称されるそうですが、そのような細かなジャンル分けなどどうでもよくなってしまうほど、彼らが作り出す音楽には比類なき暴力性と獰猛さを感じます。凄まじいブラストビートはおそらく打ち込みだと思われますが、聴いているうちにそんなことは些細なことと思われてきます。
ラスト4曲はBBCでのライブ音源ですが、スタジオワーク主体の彼らにとってはライブ演奏は困難ということで「NAPALM DEATH」のシェーン・エンバリーと元「CRADLE OF FILTH」、「DIMMU BORGIR」のニコラス・バーカーが参加しています。
●Musicians
V.I.T.R.I.O.L. / vocal
Irrumator / instrumental
●Numbers
1. The Supreme Necrotic Audnance
2. When Humanity Is Cancer
3. Submission Is For The Weak
4. Pandemonic Hyperblast
5. Paradigm Shift-Anihilation
6. The Technogoat
7. Incipid Flock
8. Human,All Too Fucking Human
9. The Codex Necro
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