ボートラ付きScorch Trioの2nd「Luggumt」を聴く
Musician●Scorch Trio
Title●Luggmut(2004年)
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フィンランド出身の爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheim(ラオル・ビョーケンヘイム)率いる「Scorch Trio」の2nd「Luggumt」です。この音源、以前にもご紹介しましたが、日本盤のみボーナストラックが付いていることに気がつき入手した次第です。2004年リリース。参加メンバーは「Scorch Trio」1stと同様、北欧が生んだ最強リズム隊で「Atomic」のメンバーであるIngebrigt Haker Flaten(bass)とPaal Nilssen-Love(drums)。Ingebrigt Haker Flaten、Paal Nilssen-Loveともノルウェー出身のフリー系ミュージシャンです。ちなみにアルバムタイトル「Luggmut」はフィンランド語で「すてきな」という意味だそうですが、音を聴くかぎりはそんなニュアンスは微塵も感じられません。1stと同様にスタジオライブの形式で一切のオーバーダブなし、編集なし、録音もあえてアナログテープにレコーディングされています。
Raoul Bjorkenheimの音楽性については当欄でも何回か触れてきましたが、元はジミ・ヘンドリックスやフランク・ザッパを聴いて育ったところ、マイルス・ディヴィス、コルトレーン、ミンガス、エリック・ドルフィーから強い影響を受けたとか。またECMに残した音源や自身のユニット「Krakatau」からは韓国宮廷音楽からの影響を受けているとか。そこに北欧土着の民族音楽の要素が入り込んでくるわけで、文字にするだけでも彼の特異な音楽性が伝わってきます。
北欧系フリージャズという何ともニッチな音楽ジャンルにおいて日本盤が発売されること自体が驚きですが、2曲もボーナストラックが付いてくるとは! 日本での版元「ボンバ・レコード」さんにはひたすら感謝です。内容については、まさに爆裂系フリーの真骨頂で、全曲が凄まじいばかりの爆音の連続です。肝心のボーナストラックですが、「本編」の凄まじさに対して意外と大人しめの「Ass Tallas」、短いながらも完全にキレまくるBjorkenheimのギターが衝撃的な「Abakle」の2曲。特に「Abakle」は本編に入っていてもまったく不思議ではないほどの出来映えです。
そんなわけで北欧フリー系が好きな人は、一度聴いてみてはいかがでしょうか。
●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar,electric-viola,da gamba
Ingebrigt Haker Flaten / bass,electronics
Paal Nilssen-Love / drums,percussions
●Numbers
1. Kjole Hole
2. Synnja
3. Brennj Fynnj
4. Furskunjt
5. Snaekje Rojnd Naevinj
6. Luggumt
7. Ass Tallas
8. Abakle
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