ヴィヴラフォンが加わったMike Morenoの最新作「Another Way」
Musician●Mike Moreno(guitar)
Title●Another Way(2012年)
■本人サイトより購入
コンテンポラリー系ギタリストの新鋭Mike Moreno(マイク・モレノ)のによる最新作を入手しましたのでレポートします。Moreno名義のリーダー作としては4枚目にあたります。2012年リリース。実際には2009年8月17日、18日と2011年8月16日に録音された音源になっています。Mike MorenoはいわゆるNYCブルックリン派に属すると言われているようで、いわゆるメーンストリームとは対極の、言い換えれば裏街道派とも。ベン・モンダーやカート・ローゼンウィンケルあたりにあい通じる匂いがプンプンと漂ってきます。良いように言えば「通好みのギタリスト」です。恥ずかしながら最新作がリリースされたことに気づかないでいたところ当欄にコメントをいただいたハマヴェンさまから情報を得て慌てて入手したした次第です。ハマヴェンさま、ありがとうございました!この場をお借りして御礼申し上げます。
さて、前3作と聴き比べての印象ですが、ますます裏街道まっしぐらという感じでいよいよベン・モンダー色が強まってきている感がします。今作から新たな試みとしてヴィヴラフォン奏者が加入し、音に奥行きと幅と彩りが加わりました。また従来あまり使わなかったアコギが多用されているので、ギターアルバムとしてもかなり楽しめます。音と音、楽器と楽器の間をヌエのようにフワフワと飛び交うような奏法は相変わらずですが、予定調和をとことん嫌う職人気質にさらなる進歩が感じられます。一言でいって、この数年間で聴いたこの手のギターアルバムとしては最高傑作です♪思うにCriss Crossからリリースされカバー曲が中心だった2ndと3rdはレーベルからのしがらみもあって思うような作品にならなかった欲求不満があったのかもしれません。今回はCriss Crossから離れて全曲がMorenoオリジナルということからも、彼の音楽性がストレートに表れていると思います。
さて、この最新作はAmazonなどでは現時点で販売されていないようです。したがっていまは本人サイトから買うしか方法がないのですが、Pay Pal通しで約1500円(送料込み)と大変リーズナブル。ハマヴェンさまによると、Morenoは資金的な問題を抱えていたようで、ファンからのカンパの助けもあってようやくリリースにこぎ着けたとか。やはりどうやっても裏街道なんだなと思いながら、心して耳を傾けています。
Mike Morenoのオフィシャルサイトはこちらです
●Musicians
Mike Moreno / guitars
Aaron Parks / piano
Warren Wolf / vibraphone
Mat Brewer / bass
Ted Poor / drums
Chris Dingman / vibraphone on The Fifth Element
Jochen Rueckert / drums on The Spinning Wheel
●Numbers
1. The Spinning Wheel
2. Waking The Dancer
3. One And A Half
4. The Fifth Element
5. Slow Fall
6. Another Way
7. Behind The Wall
8. The Mariner
9. Mirror Mirror
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Mike Moreno (el-g, ac-g)
Aaron Parks (p)
Warren Wolf (vib)
Mat Brewer (b)
Ted Poor (ds)
Chris Dingman (vib on 4)
Jochen Rueckert (ds on 1)
Rec. Aug 17-18, 2009 & Aug 16, 2011, at ... [続きを読む]
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奇天烈様
おっ!ペイパルで¥1,500-でしたか!
いいですよね、これ、いい、ホンといいです
オクライリさせてはいかんと思いました
良かったらTBさせてください
投稿: HamaVenturini | 2012年2月27日 (月) 23時00分
ハマヴェンさま
コメントありがとうございます。
勝手にお名前を使わせていただきました。
いやー、これ本当に素晴らしいアルバムです。
先週末に届いてから毎日聴いています。
素敵な出会いに感謝申し上げます。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2012年2月27日 (月) 23時20分
こんにちは。
わたしも、ハマヴェンさまに教えてもらって、本人のサイトから買いました。
送料込みであの値段は、安いですよね。
でも、中身はかなり高かった!
>音と音、楽器と楽器の間をヌエのようにフワフワと飛び交うような奏法
最近のできるやつは、浮遊感と綺麗な音がおきまりですが、その中でも群を抜いてますよね。
テなわけで、、後から、トラバさせてもらいますね。
投稿: Suzuck | 2012年4月 7日 (土) 12時21分
Suzukさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
TB感謝です。
Abercrombieあたりから浮遊感系ギタリストが好きになりましたが、
ご指摘のようにただ浮遊させればOKというわけではありませんよね。
センスの問題といったら元も子もありませんが、
やはり天賦の才ではないかと思っています。
投稿: 奇天烈音楽士 | 2012年4月 8日 (日) 15時28分
はじめまして。かなり以前から、ちょくちょく覗かせていただいております。
(弊ブログのリンクにも加えさせていただいています。よろしくお願いします)
本作は柔らかな中にもシャープなギタープレイが聴け、ツボにきまくりでした。
楽曲もよく、セカンド作あたりとくらべるとキャッチー度は抑え目ですが、渋いです。
ピアノのアーロン・パークスがソロとバッキングに大車輪の働きで、才能を感じさせました。
不躾ながらトラックバックを送らせていただきました。
もしご迷惑でなければご掲載ください。
今後ともよろしくお願い致します。
投稿: Grass_hopper | 2012年4月16日 (月) 18時23分
Grass hopperさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
TBありがとうございます。
Mike Morenoの存在を知るに及んだのは実は当ブログにコメントをくださった方からの情報です。
類は友をではありませんが、やはりご縁は大切にしないといけないなと痛切した次第です。
次作はどんな感じで攻めてくるのか、いまから楽しみですね♪
投稿: 奇天烈音楽士 | 2012年4月20日 (金) 01時12分