2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 叙情派鍵盤楽器奏者Mike Nockによる唯一のECM作品「ONDAS」 | トップページ | ハートウォーミングなEwan Svenssonのボーカル入り音源「Sunrise On The Moon」 »

2012年1月13日 (金)

夭折の天才Mike Taylorが遺した2nd「TRIO」

R0011063
Musician●Mike Taylor(piano)
Title●Trio(1969年)
■ディスクユニオン渋谷店で購入


イギリス出身のジャズ系ピアノ奏者Mike Taylor(マイク・テイラー)の幻の音源です。この人、ご存じのように60年代後半から巻き起こった英国ジャズロックブームの中で「陰の立役者」と言えるのですが、不幸なことに1969年に30歳という若さでこの世を去ってしまいます。重度のLSD中毒の果てにテムズ川のほとりで亡骸が発見されたとか。自身のキャリアとしてはこの音源を含めて2枚しか遺していないことから、「幻のミュージシャン」と言われています。参加メンバーはJon Hiseman(drums)とJack Bruce(bass)というピアノトリオ構成。言うまでもなくJon HisemanはコロシアムやTempestの中心人物で、Jack Bruceについては説明不要の英国ロックのドン的な存在です。Mike TaylorがCreamの代表作「Wheels Of Fire」に楽曲を提供していることはあまり知られていないようです。

思うに当時のイギリスではジャズはアメリカの音楽という認識が強く、しかもロックやプログレ人脈との繋がりから純粋なジャズという見方も受けず、そんなことから「孤高のミュージシャン」と見なされてしまったのでしょう。何と不幸な話です。ここで聴かれる音は、かなり内省的でダークな内容です。それでいてBill Evansに通じる瑞々しいリリシズムを秘めています。目まぐるしく転調を繰り返しつつ、フリーなカオスを醸し出すリズム隊との絶妙なバランスには息を飲むほどの迫力を感じます。スピリッチャルな匂いが立ちこめていた1st「Pendulum」とは対照的なテイストです。リズム隊の2人は完全にジャズに徹していますね。ロック的な威勢の良さは微塵も感じさせません。

音質はさすがに良好とはいえませんが、希少価値も含めてお勧めの1枚。ピアノトリオファン、英国ジャズロックファンにとっては必聴必携の優れものです♪

●Musicians
Mike Taylor / piano
Jon Hiseman / drums
Jack Bruce / bass
Ron Rubin / bass

●Numbers
1.  All The Things You Are
2.  Just A Bruce
3.  While My Lady Sleeps
4.  The End Of The Love Affair
5.  Two Autumns
6.  Guru
7.  Stella By Starlight
8.  Abena

R0011064


« 叙情派鍵盤楽器奏者Mike Nockによる唯一のECM作品「ONDAS」 | トップページ | ハートウォーミングなEwan Svenssonのボーカル入り音源「Sunrise On The Moon」 »

ジャズピアノ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 夭折の天才Mike Taylorが遺した2nd「TRIO」:

« 叙情派鍵盤楽器奏者Mike Nockによる唯一のECM作品「ONDAS」 | トップページ | ハートウォーミングなEwan Svenssonのボーカル入り音源「Sunrise On The Moon」 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
無料ブログはココログ