渡辺香津美の幻の1st「Infinite」が復刻、再発売!
Musician●渡辺香津美(guitar)
Title●Infinite(1971年)
■Amazonより購入
日本を代表するジャズ系ギタリスト、渡辺香津美の1st「Infinite」が先日、リマスター化のうえ再発売されました。Deep Jazz Realityという版元が「和ジャズ最期の秘宝シリーズ」というものを立ち上げてくれまして、めでたく復刻の運びになりました。ご存じのようにこの盤は一度CD化されたものの廃盤扱いになってからは入手困難を極め、某レコード店では2万円近くという高額で扱われていました。私は幸運なことに某ディスクユニオンお茶の水ジャズ館で、何と1000円という破格の安値で入手できました。「こんなに安く売ってもいいの?」「実は値札が1桁間違えているのでは?」などと驚きながらも半笑いを浮かべながらレジへと向かった記憶があります。漁盤は足で稼ぐべし!の格言(?)を身をもって体感しました。
そんなわけで「幻の音源」と言われる盤が、再度、世の中に出回ることは大変喜ばしいことです。この音源は渡辺香津美が暁星高校3年生、弱冠17歳の時に録音されたもの。ただそんな予備知識がないままに聴くと、どうしても高校生が生み出す音楽とは思えません。すでに完成されたテクニックと大人びた感性にはただただ驚くばかりです。1971年という時代背景もあるのでしょう。聴こえてくるのはガチンコのジャズロックです。#4「Blue Bossa」で聴かれる息の長い流麗なソロなどはあらためて聴き直しても凄いの一語です。ラストの「Here That Rainy Day」の美しさにも思わず息を飲むほど。音質にはさすがに時代を感じてしまいますが、演奏自体は決して色褪せていません。
感心したのが「秘宝」の呼び込みに恥じない「こだわりの仕様」です。極力アナログ盤の作りを再現しようという制作者の意図もあってジャケットやライナーもリリース当初のものがそのまま使われています。ジャケットやライナーを愛でつつ音を楽しむという本来の姿を思い出させてくれます。今度こそ間違いなく「最後の復刻」になりそうなので、お探しの方はお早めにどうぞ♪
●Musicians
渡辺香津美 / guitar
植松孝夫 / tenor sax
市川秀男 / keyboards
鈴木良雄 / bass
日野元彦 / drums
●Numbers
1. Infinite
2. Cortly
3. Isotope
4. Blue Bossa
5. Here That Rainy Day
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