ノルウェー出身のゴシックメタルの王者「Theatre of Tragedy」1st
Musician●Theatre of Tragedy
Title●same(1998年)
■ディスクユニオンで購入
たびたび登場させている「ゴシックメタル」ネタですが、やはりこのバンド抜きでは語れません。ノルウェー出身の7人組男女混声型ゴシックメタルバンド「Theatre Of Tragedy」(TOT)による1stです。1998年にリリースされています。
ゴシックメタルというと今でもかなり狭い音楽マーケットだと思うのですが、1998年当時は「異端の存在」であったに違いありません。暗く重苦しいギターリフ、むくつけき野郎による醜悪なデス声、そして女性ボーカル(なぜか美形が多い)による天使のような歌声、鍵盤楽器の多用という「ゴシックメタルの原型」を確立させたのは彼らTOTであることは間違いありません。
邪悪な世界の代弁者たるRaymond I Rohonyiのデス声と、はかなくも可憐なLiv Kristine Espenes嬢(ゴシックメタル界では女性ボーカルを「嬢」と称するのが習わしです)によるエンジェリックヴォイスが作り出す美の世界との鮮やかな対比が何といってもこのアルバムの聴きどころ。鍵盤楽器やストリングスが効果的に割り込んできて、嫌でも聴く者の琴線を触れまくります。見事な構成美の背景には、北欧という土地柄と血の存在を確実に感じさせます。
この作品を聴いて明るい気分になれるかというと、もちろん答えは「否」です。陰鬱で耽美な世界にひたすら身を任せるうちに、不思議なトリップ感にも似たトランス状態に浸れます。「旧守派ゴシックメタルファン」にとってはまさにバイブル的な作品です。
●Musicians
Raymond I.Rohonyi / vocal
Liv Kristine Espenes / soprano vocal
Pal Bjastad / guitar
Tommy Lindal / guitar
Eirik J. Taltro / bass
Hein Frode Hansen / drums
Lorentx Aspen / piano,synthesizer
●Numbers
1. A Hamlet For A Slothful Vassal
2. Cheerful Dirge
3. To These Words I Beheld No Tongue
4. Hollow-Hearted, Heart-Departed
5. ...A Distance There Is...
6. Sweet Art Thou
7. Mire
8. Dying-I Only Feel Apath
9. Monotone
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