陰鬱系Holdsworthy Scott McGillの2CD「What We Do」
Musician●Scott McGill(guitar)
Title●What We Do(2006年)
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アメリカ出身のテクニカル系ギタリストScott McGill(スコット・マクギル)による久々のリーダー作です。2004年の録音で2006年発売。名義としては久々になる「McGill Manring Stevens」になっています。つまりはご存知、ニューエイジミュージック界で知られるMichael Manring(bass)とゴングジラ人脈からVic Stevens(drums)というトリオ構成です。
Scott McGillと言えば以前からAllan Holdsworthフォロワーとして知られていましたが、今回は何とジャズスタンダートナンバーに挑戦しています。そういえば本家Holdsworthもスタンダートナンバーにチャレンジした作品を出していますが、それに倣ったわけなのでしょうか。取り上げる曲はウエイン・ショーター、ビル・エヴァンス、マイルス・ディヴィス、ラルフ・タウナー、ジョン・コルトレーン、ハービー・ハンコック、ソニー・ロリンズのペンによるもの。想像どおり(?)原曲のイメージとは遥かにかけ離れた解釈でプレイしていますが、これも本家Holdsworthと同じスタイルです。結局、どれを聴いても何をプレイしても、聴こえてくるのはMcGill節であり、相変わらず陰鬱で籠もった音色でバリバリと弾きまくっています。
この作品は2CDになっていて、2枚目は同一メンバーによる2001年4月7日に行われたボルチモアでのスタジオライブ。アルバム「Addition By Subtraction」収録の曲が中心ですが、スタジオ盤を遥かに凌駕するド迫力のプレイが聴かれます。特に9分近くにも及ぶラストの「Addition By Subtraction」は圧巻の一語です。
McGillはキャラとしては陰鬱系のプレイヤーですが、少しでも音の隙間を見つけるとガンガン入り込んでくるという妙な自己主張をしてきます。いかにも支持層が少なそうで密室芸的なプレイスタイルは相変わらずですが、ギター好きの人間にとっては逆にこのあたりが魅力に感じられるから不思議です。1枚目はいまひとつですが、2枚目はなかなかの熱演。
●Musicians
Scott McGill / guitars
Michael Manring / bass
Vic Stevens / drums
●Numbers
[CD 1]
1. Cherokee
2. Footprints
3. Blue In Green
4. Solar
5. Gloria's Step
6. Icarus
7. Naima
8. Invitation
9. Neferiti
10. Bessie's Blues
11. Maiden Voyage
12. Oleo
[CD 2]
1. Conflict Resolution
2. The Rip One
3. Pools
4. Improv 1
5. The Voyage Of St,Brendan
6. Improv 2 In A Gadda DaVinci
7. Bad Hair Day
8. Additional By Subtraction
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