OPETHの新譜はデス声抜きの新境地「Heritage」
Musician●Opeth
Title●Heritage(2011年)
■Amazonより購入
北欧の暗黒神「Opeth」(オーペス)による10枚目のアルバムがリリースされたので早速入手しました。2011年リリース。例によって例のごとく日本盤限定特典として「CD-EXTRA」として2曲がボートラとして付いてきています。PCのみ聴取可能ということなんですが、いまだに聴き方がわからないのです。MPでふつうに聴けるのでしょうか。おっと、Quick Timeで聴け!と書いてありますね。
さて、「今回に新作はデス声抜き」「エクストリームメタルの潮流に逆行する内容」などと事前情報をキャッチしていたので、たとえば「Damnation」(2003年)のようにアコースティック中心の音作りを想像していました。で、聴いてみて吃驚!いまままでのOpethのイメージを覆すような内容に変貌を遂げています。
まず、「デス声」を一切排していることに触れざるを得ません。いや、正確に言うと「Damnation」もデス声抜きだったのですが、合わせ技的にデス満載の「Deliverance」(2002年)の存在があったわけでちょっとニュアンスが違うような感じがします。では、まったくデス的な要素が払拭されているかというと、きっちりハードな一面は残されています。ただデス声に頼るという手法は一切使われていないのです。彼らの魅力のひとつとして「デス声とクリーンボイスが織りなす美醜の対比」があったわけですが、それがなくなっているのです。バンドカラーとしては一大転換になりますが、どうやらこの「Heritage」ではリーダーのMikael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルド)の個人クレジットが前面に押し出されていることと無関係ではないようです。
楽曲はというと70年代音楽マニアでもあるAkerfeldがこれまで以上にイニシアティヴを握っているだけに、もろにプログレ&アコースティック路線です。相変わらずメロディアスかつ幻想的な世界を繰り広げていますが、やはり何となく物足りなさを感じてしまうのも事実。やはりデスが持つ破壊力との落差を期待してしまうのです。
「CD-EXTRA」の収録された2曲は「Heritage」の作品性を妨げるという理由からPCでしか聴けませんでしたが、「本編」との格差はそれほど感じられませんでした。まぁ、日本盤限定という希少価値で満足しましょう。こちらも完全なプログレ&アコースティック路線。ところでエンハスト音源の聴き方はただ単純に「拡張機能」を選択してクリックするだけでした。
●Musicians
Mikael Akerfeldt / vocal.guitar
Fredrik Akesson / guitar
Martin Mondez / bass
Martin Axerrot / drums
etc,
●Numbers
1. Heritage
2. The Devil's Orchard
3. I Feel The Dark
4. Slither
5. Nepenthe
6. Haxprocess
7. Famine
8. The Lines In My Hand
9. Folklore
10. Marrow Of The Earth
11. Pyre ※
12. Face In The Snow ※
※CD-Extra(Japanese Edition Only)
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