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2011年9月

2011年9月30日 (金)

Lost Tribe / Soulfish(1994年)

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Musician●Lost Tribe
Title●Soulfish(1994年)
■Amazon USAより購入


個人的に大好きなジャズ系ギタリストAdam Rogers(アダム・ロジャーズ)が若かかりし頃に在籍していた「Lost Tribe」の2ndです。1994年リリース。私は寡聞にしてあまり知識がないのですが、1980年代後半、NYCを中心に席巻した先鋭的なジャズムーブメント「M-BASE路線」の一派です。ファンク的な要素の大胆な導入と変拍子の多用が特徴的な音楽だと言われています。

彼らの1st「Lost Tribe」でもずいぶんと尖った音を聴かせてくれましたが、2ndになって一層イカツク硬派なサウンドへと進化しています。ファンク色がやや後退した代わりに若干プログレ的な要素が加味されることで、「M-BASE」というよりも独自路線を歩み始めた印象を受けます。ファンクの熱い要素とジャズのクールな一面を上手い具合にブレンドさせて、独自の世界を作り出しています。

Adam Rogersのギターはまだまだロック色が強く、かなり尖っています。明らかにScott HendersonやJohn Scofieldあたりの影響が感じられ、ウネるフレーズ、深すぎるヴィブラードと今の彼とは真逆とも言えるプレイスタイルです。このアルバムからもう一人のギター奏者Gilmoreが後退することで余計に目立っているわけですが、このころから盟友とも言えるBinneyとの相性は抜群。フリーキーなブロウと曲がりくねったギターソロ、滅茶苦茶格好いい変拍子の嵐と聴きどころ満載の傑作です。

●Musicians
David Gilmore / guitar
Adam Rogers / guitar
David Binney / alto sax
Fima Ephron / bass
Ben Perowsky / drums

●Numbers
1.  Walkabout
2.  Whodunit
3.  It's Not What It Is
4.  Daze Of Ol'
5.  Room Of Life
6.  Steel Orchards
7.  La Fantaine
8.  Second Story
9.  Planet Rock
10. Fazzy Logic
11. H

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2011年9月25日 (日)

VITAL TECH TONES / VITAL TECH TONES (1998年)

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Musician●Vital Tech Tones
Title●
Vital Tech Tones(1998年)
■Amazonより購入


テクニカル系ハードフュージョンの殿堂「Tone Center」が自信をもって送り出したスーパーユニット「Vital Tech Tones」による1stです。1998年リリース。メンバーはScott Henderson(スコット・ヘンダーソン)、Steve Smith(スティーヴ・スミス)、Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)というハードフュージョンの第一人者で固められているわけですから、中身がハズレるわけなど到底考えられません。3人の共同プロデュースという形になっていますが、例によってMike Varneyが束ねたことになっています。ミキシングは両手タップの怪人、T.J.Helmerich。どうです、聴く前からワクワクしませんか?

いまさら説明不要の名手だけに、内容に関してはもう何も言うことがありません。躍動する強力リズム隊とスコヘンさんの激しいつばぜり合いが尋常でないテンションで繰り広げられています。一切の手抜きなし、のっけから全力疾走で展開される3者のバトルにはただただ唖然です。ちなみに#3「Dr.Hee」はScott Henderson&Tribal Tech3rdからの再演、#8「Giant Steps」は言うまでもなくJohn Coltlaneの名曲ですが、ファンク色たっぷりの独特な仕上がりになっています。

スコヘン自身のプロジェクト「Tribal Tech」は年々ブルース色を強めていますが、スコヘンさん自身の原点に戻ったかのようなハードフュージョン色濃厚なぶっ飛びギターは健在です。ややセッション色が強まった「Vital Tech Tones Vol.2」ももちろん強力推薦です。

●Musicians
Scott Henderson / guitar
Steve Smith / drums
Victor Wooten / bass

●Numbers
1.  Crash Course
2.  Snake Soda
3.  Dr.Hee
4.  Everglades
5.  Two For One
6.  King Twang
7.  The Captors
8.  Giant Steps
9.  Lie Detector

2011年9月24日 (土)

ノルウェー出身のテクニカルデス「Extol」の3rd「Synergy」

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Musician●Extol
Title●Synergy(2003年)
■Amazonより購入


ノルウェー出身のプログメタルバンド「Extol」(エクストル)が2003年にリリースした3rdです。前2作は若干プログレがかったテクニカル系デスメタルという作風でしたが、この3rdを機にデスメタル色がかなり後退しています。これまでもデス声とクリーンボイスの併用でしたが、デス声の比重が下がりクリーン中心に。また2ndから顕著になりつつあったアコースティックな要素もさらに増えて、叙情的なメロディック・デスメタルへと一大転換を図っています。一聴すると従来よりもかなり聴きやすくなり、カルト的な支持からメジャーな評価を集めるであろう音づくりになっています。ちなみにこのアルバムからベース奏者が代わっています。

この作風の劇的変化を良しとするかは前2作をどのように評価することによって分かれると思いますが、彼らの生命線ともいえる「テクニカルな疾走感」は一段と磨きがかかり、また相変わらずの複雑怪奇な楽曲構成はさらに完成度が増しています。カルト&アンダーグラウンド的な怪しさが薄らいだ感もなきにしもあらずですが、その代わりテクニカルな一面でも満足度はさらに高まっています。






●Musicians
Peter Espevoll / vocal
Christer Espevoll / guitar
David Husvik / drums
Ole Borud / guitar,clean voice
Jon Robert Mjaland / bass

●Numbers
1.  Grace For Succession 
2.  Paradigms 
3.  Pyschopath 
4.  Blood Red Cover 
5.  26 Miles From Marathon 
6.  Confession Of Inadequacy 
7.  Scrape The Surface 
8.  Thrash Synergy 
9.  Aperture 
10. Emancipation 
11. Nihilism 2002

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2011年9月23日 (金)

第2期DPの北欧シリーズ「Scandinavian Nights」

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Musician●Deep Purple
Title●Scandinavian Nights(1970年)
■Amazonより購入


メンバー交代を経てHR路線へと大きく舵をとった「第2期Deep Purple」といえば何といっても「Made In Japan」ですが、初期の第2期DPはなぜか北欧ツアーを盛んに行っています。DVD化された「Machine Head Tour」(1972年)はデンマーク公演のものですし、1970年当時も北欧ツアーを3会場で行っています。この音源は1970年11月12日、ストックホルム公演のもので地元のラジオ局が収録したものです。1988年、アナログ盤で出回ったときは「一切のオーバーダブを施していない」という触れ込みでしたが、リマスター化を機会に「Mandrake Root」だけはロンドンのアビーロードスタジオでオーバーダブが行われたことが明らかになっています。

1970年当時のRitchie BlackmoreはギブソンES-335とフェンダー・ストラトキャスターの併用だと思われますが、どうやらこの北欧ツアーを機にストラト一本に固定したようです。とにかくギターがウネること、ウネること。新しい玩具を手にしたかのように、ブットいアームを使いまくっています。

このライブ音源で特筆すべきはCD2の#1で「Paint It Black」をプレイしていること。言うまでもなく1966年のThe Rolling Stonesの大ヒット曲です。第2期初頭での「十八番」といえば「Wring That Neck」と「Mandrake Root」ですが、「Paint It Black」をプレイすることは珍しいことです。考えてみれば第1期DPはビートルズやヴァニラ・ファッジのカバーも演奏していたので他人の曲をプレイすることは珍しいというわけでもないのですが、おそらくカバー曲をプレイしたのはこの時期が最期だったのではと思われます。付け加えると「Into The Fire」をライブで演奏するのも珍しいですね。
 
●Musicians
Ritchie Blackmore / guitar
John Lord / organ
Ian Gillan / vocal
Roger Glover / bass
Ian Paice / drums

●Numbers
[CD1 1]
1.  Speed King
2.  Into The Fire
3.  Child In Time
4.  Wring That Neck

[CD1 2]
1.  Pint It Black
2.  Mandrake Root
3.  Black Night

R0010887


2011年9月19日 (月)

安易と言えば安易なトリビュートアルバム「The Loner A Tribute to Jeff Beck」

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Musician●Various Artists
Title●The Loner A Tribute to Jeff Beck(2005年)
■ディスクユニオンで購入


「もういい加減にせんかい!」とばかりに乱発される「トリビュートアルバム」です。2005年に発売されたJeff Beckモノですが、首謀者は例によってJeff Richman。この人が業界内でどれだけの影響力をもっているかはわかりませんが、とにかく人を集めてくるのが上手い。当然、Jeff Beckモノ以外にも多くのトリビュート物を手がけているわけですが、こうなるとギタープレイヤーというよりも敏腕プロデューサーと言えますね。悪く言えば「企画オヤジ」「口八丁オヤジ」とか。Jeff Beck関連では確かこれよりも数年前にHR界の若手ギタリストによるトリビュート物が発売されましたが、今回はけっこう大物ギタリストが参加しています。これが凄いメンツなので、企画の善し悪しとは別に気になってしまうのですね。悲しい性です。

ざっと、曲名とミュージシャンを列記しますと、
1.  Vicoden (Brett Garsed & T.J.helmerich)
2.  Cause We've Ended As Lovers(Alex Gunia)
3.  Led Boots(Richie Kotzen & Greg Howe)
4.  Snow(Ray Russell)
5.  Bush with the blues(Fernando Pareta Trio)
6.  Song Holy Hall(Scott Henderson/Tribal Tech)
7.  Head For The Backstage Pass(Rick Peckham Trio)
8.  Star Cycle(Derek Sherinian)
9.  My Heavy Heart(David Fiuczynski)
10. Blue Wind(Niacin)
11. Dinner for Jeff(Trinity)
12. Farewell(Keith More)
13. Pygmy People(Jeff Richman)

#8にはSteve LukatherとSimon Phillipsが参加しています。ほかにもVirgil Donati、Scott Kinsey、Gary Willis、Kirk Covington、Mat Junior、Vinnie Colaiutaなどがサポートメンバーとして参加しています。メンバーだけで言えば豪華絢爛ですね。

ざっと見てお気づきのように必ずしもJeff Beckの曲をカバーしているわけではありませんし、すでにアルバムに収められた演奏をそのまま拝借しただけというものあります。たとえば#1「Vicoden」はGarsed & Helmerichの3rd、#3「Led Boots」もGreg HoweとRichie Kotzenの共演作「Project」に収録されている音源です。#6「Song Holy Hall」や#9「My Heavy Heart」に至ってはただ単純にギタリストとしてのネームバリューに頼っていることは明らかです。

唯一興味をひかれたのは#7「Head For The Backstage Pass」でのRick Peckham(リック・ペックマン)です。以前、当欄でも紹介したことがありますがバークリー音楽院でギター講師を務める先生であります。先生にあるまじき自由奔放、破天荒なソロ回しは相変わらずで、個人的にはアルバム中イチオシのプレイ。このアルバムのための録音されたものだと思われます。

というわけで、こうしたトリビュートアルバムに手を伸ばすと得てしてこんな結果になりがちです。しかし、カバーとも言わず、オリジナルアルバムの出典すら明記しないやり口は不誠実というか怒りすら感じます。よく見ると各ミュージシャンのオフィシャルサイトのURLアドレスが…そっから手繰ってくれよ!という意味なのでしょうが何だかなぁ。ファン心理を弄ぶような真似はどうかと。

動画はGreg Howeです♪

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2011年9月18日 (日)

陰鬱系Holdsworthy、Scoott McGillの「Controlled By Radar」

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Musician●Scott McGill(guitars)
Title●Controlled By Radar(2002年)
■Amazonより購入


アメリカ出身のHoldsworthy、Scott McGill(スコット・マクギル)による2CDにも及ぶ大作です。2002年リリース。参加メンバーはニューエイジ系音楽では知る人ぞ知るベース奏者Michael Manringとゴングジラ系人脈から打楽器奏者Vic Stevensというトリオ構成です。

CD1を「Right Brain」、CD2を「Left Brain」としているのですが、「Right Brain」がエレクトリック、「Left Brain」をアコースティックとして位置づけています。どうやら6日間に及ぶジャムセッションを2枚のCDに分けて収録したようです。で、肝心の内容はというとジャムセッションをそのまま作品にしてしまったのがありありの感じで、正直冗漫に感じられます。ただでさえMcGillの作品は難解なのですが、そこにしっかりとした第三者の視点が入らないと、さすがに商品として世に送り出すのはキツいのではないでしょうか。それにわざわざ2CDにするほどの完成度があるとはとても思えず、ますます作品全体が退屈に感じられてしまいます。とくに散文調な音の羅列に終始した感が強いアコースティックサイド「Left Brain」は通して聴くこともキツいです。

「マニア向け音源」と書きたいところですが、はたしていくらマニアでもついていくことできるか…甚だ疑問に感じます。

●Musicians
Scott McGill / guitars
Michael Manring / bass
Vic Stevens / drums

●Numbers
[CD 1]
1.  Unkhonto We Sizwe
2.  Argentine Scalp Massage
3.  (In Walked) Bogus Boy
4.  Have Sex Get Paid, Pt.2
5.  Cortex Of Desire
6.  Lumumba
7.  Cash From Chaos
8.  I Am Totally Controlled By Radar
9.  Puff Johnson
10. Babbar Khalsa
11. Cryptology
12. F.E.S
.
[CD 2]
1.  A Darkness Falls Upon Us
2.  Chicago Hot Plate
3.  Madinat Ash Sha'b
4.  He Is Invisible He Cannot Be Seen
5.  Hyacinth
6.  Lucious En Fuego
7.  Matrix
8.  Montana Realty Company
9.  A Winter's Tale
10. Seven Are Her Sisters

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2011年9月17日 (土)

若きテクニカル系ギタリスト夢の共演Kotzen-Howeの「Tilt」

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Musicians●Richie Kotzen,Greg Howe
Title●Tilt(1995年)
■ディスクユニオンで購入


近頃「シュラプネルレーベル」の紙ジャケット化&再発がありましたが、企画ものとしては最高の出来映えだったと個人的には思うのがこの「Tilt」(1995年)です。いうまでもなくRichie Kotzen(リッチー・コッツェン)とGreg Howe(グレッグ・ハウ)という当時としては期待のテクニカル系ギタリストの夢の共演ですから、ハズレるわけがありません。Greg Howeは2ndから完全にハードテクニカル系フュージョン路線へ転向し、Richie Kotzenもリーダー作を2枚ほどリリースして脂が乗ってきた頃ではないでしょうか。

全体としてはハードテクニカル系フュージョンという感じですが、ややロック寄りのKotzen(右チャンネル)とフュージョン寄りのHowe(左チャンネル)の激しいインタープレイの応酬はまさに火を吹くような激しいものです。Kotzenはなまじっか歌が上手いためにギターも弾けるHM系ボーカリストだと思い込んでいる若い人もいるかもしれませんが、そもそもはGreg Howeと双肩するテクニカル系ギタリストなわけです。しかし某J系タレントが出演する「TAMA HOME」のテレビCFでDeep Purpleの「Burn」のパクリ曲を見事に歌いあげている彼を見てしまうと著しく説得力に欠けますね。ドラムは外部ミュージシャンのサポートを受けていますが、ベースと鍵盤楽器はKotzenとHoweがそれぞれ弾き分けています。

1997年に再び共演を果たした「Project」ももちろんお勧めです。こちらはややファンク色が強まっています。






●Musicians
Richie Kotzen / guitar,bass,vocal
Greg Howe / guitar,bass,keyboards
Jon Doman / drums
Kevin Soffera / drums

●Numbers
1.  Tilt
2.  Chase The Dragon
3.  Tarnished With Age
4.  Outfit
5.  Confusion
6.  I Wanna Play
7.  Seventh Place
8.  O.D.
9.  Full View

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2011年9月16日 (金)

ブラジルのフュージョンギタリストAugusto Renno「Works」

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Musician●Augusto Renno(guitar)
Title●Works(1989年)
■Gemm.comより購入


南米ブラジルを代表するシンフォ系プログレバンド「Sagrado」(サグラド)のギター奏者Augusto Renno(アウグスト・レノ)のリーダー作です。1989年リリース。「Sagrado」はヴァイオリンをベースにした幻想的で壮大な作風が特徴的ですが、実際の話、このAugusto Rennoの活躍度はあまり高いとはいえません。でもって、ソロ作で自分がやりたかったことを全部やってしまいました!という塩梅の作品に仕上がっています。すべて同国人のメンバーで構成されています。

基本的にはオールインストでハード系フュージョンなのですが、南米らしい明るくカラッとした作風です。またラテン系特有の「饒舌なギターソロ」はこの人にもバッチリと当てはまっていて、まあ、とにかく弾きまくること弾きまくること。ふだんはバンド内でよほど鬱屈しているのでしょうか、まさに水を得た魚のごとく弾きまくっているので、この手のギター好きにとっては堪らないギターアルバムになっています。それでいてテクニックよりもメロディー重視なので、わりと聴きやすいと思います。若干ですがフレーズの端々に「Holdsworthy」が感じ取れます。

ラスト「Rock N'Beck」はアルバム唯一のボーカル入りで、妙にアメリカポップっぽい曲。SagradoのヴァイオリニストMarcus Vianaがゲスト参加しています。タイトルに「Beck」が入っていますが、何一つ関連性が感じられません。それにしても軽快なギターフュージョンの中で異質すぎる曲です。トータルでどうのとかあまり考えないのがラテン気質なのかもしれません。


●Musicians
Augusto Renno / guitar
Adiano Compagnani / bass
Andre Compagnani / drums
Marcus Viana / violin on Rock N'Beck

●Numbers
1  Antimateria.
2. Tropico de Capricornio
3. Calselo
4. Sem Retorno
5. Voo Noturno
6. Balada Para Ailla
7. Carmen Zita
8. Rock N'Beck

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2011年9月11日 (日)

ノルウェー出身の変態系プログメタルExtolの2nd「Undeceived」

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Musician●Extol
Title●Undeceived(2000年)
■ディスクユニオンで購入


ノルウェーは首都オスロ出身の5人組プログメタルバンド「Extol」(エクストル)による2ndです。2000年リリース。当欄ではお初ですね。最近になって数年ぶりに聴き直している次第です。

彼らはスウェーデンのプログメタルバンド「Meshuggah」(メシュガー)をバンドアイドルと公言しているだけに、まさに変態系プログメタルの王道を歩むかのような複雑怪奇な楽曲とテクニカルなプレイが特徴です。ただ、本家Meshuggahがあくまでもデスメタル一辺倒なのに対して、Extolは適度にメロディアスな要素を取り入れたり、ボーカルもクリーンボイスを取り混ぜたりと、楽曲面での聴きやすさが感じられます。クリーンボイスとデス声を巧みに使い分けるのはMeshuggahよりもむしろ「Opeth的なアプローチ」ですね。つまりデスメタル本来の暴虐性や疾走感とメロデスの叙情性との両面性をもつわけですが、楽曲自体の構成は複雑怪奇を極め、とても一筋縄では収まらないあたりはやはりMeshuggah的と言えるのかも。

1st「Burial」
(1998年)から尋常とは思えない完成度をもつプログメタルサウンドを聴かせてくれましたが、この2ndでは弦楽器や木管楽器を大胆に使い、アコースティックな一面も見せています。静寂な音世界で聴く者を安心させておいて、一転して強烈なギターリフが波状攻撃をかましてきます。わかっていてもこの美醜のコントラストの見事さに知らず知らずのうちにハマってしまいます。よくよくクレジットを見たらボーカルは2人体制でそれぞれデスとクリーンを担当しているのですね。このバンドは1人がデスとクリーンを使い分けるのですが、あえて2人体制をとるあたりもただ者ではありません。2ndにして1stを遙かに上回るこの完成度!テクニカル系デス、とりわけMeshuggahやOpethファンはぜひ聴いていただきたいと思います♪

●Musicians
Peter Espevoll / vocal
Christer Espevoll / guitar
David Husvik / drums
Ole Borud / guitar,clean voice
Tor Magnes Clidje / bass

●Numbers
1.  Inferno 
2.  Undeceived 
3.  Time Stands Still 
4.  Ember 
5.  Meadows Of Silence 
6.  Shelter 
7.  A Structure Of Souls 
8.  Of Light And Shade 
9.  Where Sleep Is Rest 
10. Renewal 
11. Abandoned 
12. And I Watch 

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2011年9月10日 (土)

時空を超えて蘇った第2期RTF

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Musician●Return To Forever
Title●Return(2009年)
■Amazonより購入


70年代のジャズフュージョン界を牽引したReturn To Forever(RTF)。なかでも最も人気を博した「第2期RTF」が期間限定で復活したのは2008年のこと。このCDは2008年のフロリダでのライブ音源が中心ですが、あとになって発売されたDVDはモントルー・ジャズ・フェスティバルの映像。とかく同内容のものをCDとDVDに分けたうえで「時間差リリース」する阿漕な商売が多い状況で、まったく違ったものをメディア別にリリースするとは天晴れです。メンバーはChick Corea、Stanley Clarke、Al Di Meola、Lenny Whiteという黄金期の面子です。

第2期の代表作「第7銀河の讃歌」「ノー・ミステリー」「銀河の輝映」「浪漫の騎士」から数曲とコリアの新曲、そして各メンバーのソロパートで構成されています。オープニングの「Hymn of the Seventh Galaxy」こそ、何となく手探りの感が強く演奏自体も若干ちぐはぐしている感は否めません。Al Di Meolaは前任者のBill Connorsのソロをなぞるのが内心は嫌なのではないのでしょうか。しかし、#2「Vulcan World」からはエンジンがかかり、これでもか!といわんばかりのド迫力のパフォーマンスが繰り広げられます。

私の浅い経験では、こうしたビッグネームの再結成は正直パワーダウンしてしまうケースが多く、正直に言って失望するケースのほうが多いのですが、RTFに限ってはむしろ熟練のワザが加わりさらにパワーアップした感すらあります。

そういえば近々来日公演があるようです。ジャン・リュック・ポンティ(violin)が加わり、ギターはフランク・ギャンバレに。問題はフランク・ギャンバレがいかに馴染むかのような気がします。

動画は新旧「Hymn Of The Seventh Galaxy」です。旧はBill Connorsですね♪



●Musicians
Chick Corea / keyboards
Stanley Clarke / bass
Al Di Meola / guitars
Lenny White / drums

●Numbers
[CD 1]
1.  Opening Prayer
2.  Hymn Of The Seventh Galaxy
3.  Vulcan Worlds
4.  Sorceress
5.  Song To The Pharoah Kings
6.  Al's Solo
7.  No Mystery

[CD 2]
1.  Friendship
2.  Romantic Warrior
3.  El Bayo De Negro
4.  Lineage
5.  Romantic Warrior
6.  Duel Of Warrior
7.  500 Miles High
8.  Romantic Warrior

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2011年9月 9日 (金)

DPリマスターシリーズ「Stormbringer」を聴いてみる♪

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Musician●Deep Purple
Title●Stormbringer(1974年)
■Amazonより購入


第2期Deep Purpleによる1974年作品です。2009年あたりに止めどなく発売された「リマスター&未発表音源シリーズ」が意外なほど安かったので入手しました。あらためて書くまでもなく、このアルバムはRitchie Blackmore在籍としてはラスト作であり、ほどなくグループを抜けたBlackmoreは「ELF」に乱入後、「RAINBOW」結成へと動きます。1974年に行われたヨーロッパ公演ではすでにバンドは解体寸前で、Blackmoreのやる気なさは誰が見ても明らか。すでに心あらずの状態だったプレイは「Made In Europe」や「Live In London」で確認することができます。

この不仲の原因ですが一般的には「ブルースオリエンテッドVSソウル&ファンク路線」の対立構造に落とし込むことができるのですが、果たして本当にそうなのでしょうか。思うにBlackmoreが若い2人(Glen HughesとDavid Coverdale)の予想外の人気ぶりに嫉妬し、失われかけたイニシアティヴを新バンドで取り戻したかっただけではないでしょうか。

あだしごとはさて置き、このアルバムに対するリアルタイムでの印象ですが前作「Burn」があまりに素晴らしい出来映えだったので、この「Stormbringer」を初めて聴いたときは多分に漏れず「中途半端感」を抱いたことは確かです。個人的にはファンクやソウル的な音楽があまり好きでないからHRを聴いていたわけで、どうしてDPのアルバムでファンクを聴かされなければいけないだ、と憤りを感じたことも事実です。というわけでアナログは所有していましたが、CD化されても手を出す気になれませんでした。

で、何と30数年ぶりの「再会」なわけですが、あらためて聴き直してみると決して悪い感じはしません。熱心なDPファンの方々から「お前風情が何をぬかす!」とおしかりを受けそうですが、これはこれで十分成立しているのではと認識を新たにした次第です。もっともBlackmoreのやる気の無さは当時よりも鮮明にわかってしまいましたが…。



●Musicians
Ritchie Blackmore / guitar
Jon Lord / keyboards
Glen Hughes / bass,vocal
David Coverdale / vocal
Ian Paice / drums

●Numbers
[CD 1]
1.  Stormbringer
2.  Love Don't Mean A Thing
3.  Holy Man
4.  Hold On
5.  Lady Double Dealer
6.  You Can't Do It Right
7.  High Ball Shooter
8.  The Gypsy
9.  Soldier Of Fortune
(Bonus Track)
10. Holy Man(Remix)
11. You Can't Do It Right(Remix)
12. Love Don't Mean A Thing(Remix)
13. Hold On(Remix)
14. High Ball Shooter(Remix)

[CD 2]DVD Audio
1.  Stormbringer
2.  Love Don't Mean A Thing
3.  Holy Man
4.  Hold On
5.  Lady Double Dealer
6.  You Can't Do It Right
7.  High Ball Shooter
8.  The Gypsy
9.  Soldier Of Fortune

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2011年9月 4日 (日)

まるで自主制作盤のようなSean Waylandの「Live At Wangaratta」

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Musician●Sean Wayland(piano)
Title●Live At Wangaratta(2007年)
■Amazon USAより購入


豪州出身の鍵盤楽器奏者Sean Wayland(ショーン・ウェイランド)がWangarattaという場所で行われたジャズフェスティバルに出演したときのライブ音源です。2007年11月収録。参加メンバーは盟友とも言えるJames Muller(guitar)に加え、Matt Penman(bass)、Jochen Rueckert(drums)というカルテット構成。James MullerはAllan Holdsworthとの共演でお馴染みのChad Wackermanのリーダー作2枚でHoldsworthyぶりを発揮していた例の技巧派プレイヤーです。

最近ではエレピを操ることのほうが多いSean Waylandですがこのライブでは生ピアノ1本で臨んでいます。オージージャズ特有の明快さと力強さは相変わらずですが、ときに聴かせるEvansばりのリリカルさとの対比はお見事の一語です。James Mullerのギターも唸りに唸っています。相変わらず短いセンテンスに目一杯フレーズを詰め込み力技にはため息が出ます。一言で言うと大変良質なコンテンポラリー系ジャズライブなのですが、随所で聴かれる一筋縄ではいかない技の応酬にはただならぬ緊迫感が漂います。

ところでこのCD、一応Wayland自身のレーベル「SEED」から正式リリースされたものですが、相変わらず粗末極まりない紙1枚のペラペラジャケット。しかも、スタジオワークが乱雑で曲が突然フェードアウトしたりとまるで自主制作盤的な雑な作りです。おまけに極端にプレス数が少ないのでしょう。リリース直後に廃盤というワケありの珍盤のようです。多くは予算的な部分が大きいと思うのですが、せっかくの好演が台無しになってしまっていることが残念です。どうやらWayland自身が自宅スタジオでミックス作業を行ったようですね。

動画は2003年のものです♪

●Musician
Sean Wayland / piano
James Muller / guitar
Matt Penman / bass
Jochen Rueckert / drums

●Numbers
1.  Honeycombs
2.  Little Bay
3.  Trane Plus Molly Equals Countdown
4.  Boxing Day
5.  Arc Etude

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2011年9月 3日 (土)

2大巨星の夢の競演「Five Peace Band」

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Musician●Five Peace Band
Title●Five Peace Band Live(2009年)
■Amazonより購入


Chick CoreaとJohn McLaughlin
という現代ジャズシーンを代表する2大巨星が初めてタッグを組んで誕生した「Five Peace Band」が2008年に行ったヨーロッパ公演の模様を納めた夢のようなライブ音源です。2009年リリース。参加メンバーは2人のほかにKenny Garrett(sax)、Christian McBride(bass)、Vinnie Colaiuta(drums)という腕達者たちに加え、2曲のみ何とHerbie Hancockが参加しています。

CD2枚組という圧倒的なボリュームで繰り広げられるパフォーマンスはまさに圧巻の一語。曲はマクラフリンの近作とRTF時代のコリアの作品を交互にプレイする形ですが、お互い70歳に近いにもかかわらずエネルギッシュ&ハードなプレイにはド肝を抜かれます。圧巻はCD2に収められた「In A Silent Way」から「It's About That Time」と流れる珠玉のメドレーです。言うまでもなく今は亡きジョー・ザヴィヌルによる名曲で、エレクトリック・マイルズを語るうえで欠かせない名曲。しかもHerbie Hancockがピアノで飛び入り参加しています。涙なくして語れません。もちろんラストの「Somedy My Prince Will Come」(「いつか王子さまが」)も涙なくしては聴けません。

老いてもなお盛んとは言いますが、Hancockを含めてこの3人は本当に化け物です。これでは40代~50代の「中堅」が出る幕は当分ありそうもありません。持ち前のテクニックに加えて熟練のワザがスパイスとして効けば鬼に金棒です。よく言われる「大人のジャズ」なんていう陳腐なものではなく、本物の熱いジャズを聴かせてくれます。

●Musicians
Chick Corea / keyboards,piano
John McLaughlin / guitar
Kenny Garrett / sax
Christian McBride / bass
Vinnie Colaiuta / drums

Herbie Hancock / piano on In A Silent Way,It's About That Time

●Numbers
[CD 1]
1.  Raju
2.  The Disguise
3.  New Blues,Old Bruise
4.  Hymn To Andromeda

[CD 2]
1.  Dr.Jackie
2.  Senor C.S.
3.  In A Silent Way,It's About That Time
4.  Somedy My Prince Will Come

R0010873


2011年9月 2日 (金)

RODLER兄弟によるプログメタルユニット「RH Factor」

R0010882
Musician●RH Factor
Title●same(1992年)
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アメリカはペンシルバニア出身のChris Rodler(guitar)、Brett Rodler(drums)のRodler兄弟とKevin Hultberg(bass,vocal)が組んだプログメタルユニット「RH Factor」による唯一のアルバムです。1992年頃にレコーディングされています。ちなみにユニット名「RH Factor」は3人のファミリーネームをとったものです。

Rodler兄弟はこのレコーディングのあと女性ボーカルと組んで「Leger De Main」というバンドを結成し2枚のアルバムをリリースしていますが、この「RH Factor」はその前身母体ということになるのでしょう。Hultbergは「Leger De Main」のレコーディングにも参加しているので、かなり狭い人脈の中で交流が行われています。ただ「Leger De Main」が叙情性を全面に押し出した芸風だったのに対し、こちらはかなりテクニカル重視の音作りです。それもそのはず、Rodler兄弟はRUSHの強烈なフォロワーで、随所にRUSH臭が漂っています。

いまでこそアメリカン・ハード・プログメタルというとDream Theaterあたりが中心になる思いますが、時代を遡ってその萌芽に触れてみるのも一興かと♪

●Musicians
Chris Rodler / guitar
Brett Rodler / drums
Kevin Hultberg / bass,vocal

●Numbers
1.  Behold The Blue Sky
2.  Sign Of A Mystic Moon
3.  Extrinsic
4.  Miracle Of Great Device
5.  Lifetime
6.  No Sales Final
7.  Geme Of Chance
8.  Handed Down
9.  Winter In July

R0010883


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