「新生UK」の前哨戦的ユニット?「UKZ」
Musician●UKZ
Title●Radiation(2009年)
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今年の春、「新生UK」が来日公演を果たし大いに話題になりましたが、その前哨戦的ユニット「UKZ」が2009年にリリースした4曲入りミニアルバムです。主犯というか中心人物はEddie Jobsonということですが何度も書いているように鍵盤楽器にあまり興味がない当欄としては、どうしてもギタリストに視線が向いてしまうことをご容赦ください。Jobson自身「Theme Of Secrets」以来、何と24年ぶりという「新作」にあたるということで、この手のミュージシャンのインターバルの長さには呆れるというより、ここまでご無沙汰を食らうと感動さえ覚えますね。参加メンバーはAaron Lippert(vocal)、Trey Gunn(10-string touch guitar)、Eddie Jobson(keyboards,electric violin)、Alex Machacek(guitar)、Marco Minnemann(drums)ということですがボーカルの人はよく存じ上げませんが、ほかのメンバーはかなりひと癖もふた癖もあるメンツばかりです。Trey GunnはモロにKing Crimson門下生であるわけですし。
さて、曲がりなりにも「UK」の元メンバーが作ったユニットですからどうしても過去の「残影」のような音を期待してしまうわけですが、それはどうも無理筋というものなのかもしれません。個人的にはどうもボーカル入りのテクニカル系というものには馴染めないようです。いや、ボーカルも自分の「ツボ」にハマればいいのですが。残念ながらAaron Lippertさんはそうではないようです。ボーカルが自分好みでない場合、最初から「ボーカル抜き」だったつもりで耳を傾けるのですが、どうも各パートとも中途半端な感じがして仕方がありません。もちろん、水準を遙かに越えているのですが、Jobson目当ての人にとっても、当欄のようにギターのAlex Machacek目当てのヒネクレ者にとっても「もう少し何とかならんのか!」という中途半端感はどうしても否めません。
ミニアルバムゆえの尺の短さに要因があるのではなく、要は各メンバーの持ち味が十分に発揮されていないからという、至極当たり前すぎる結論に至ってしまいました。もちろんところどころでは「おっ!この鍵盤はUKっぽいな」「Machacekのギターはフリップ卿のこんな部分を意識しておるのか」と感心する部分も多々ありますが、では作品全体としてはどうなのよ?と突き詰めると、ちょっと微妙な評価になってしまいます。
こちらは本家「UK」のIn The Dead Of Nightのカバー
●Musicians
Aaron Lippert / vocal
Trey Gunn / 10-string touch guitar
Eddie Jobson / keyboards,electric violin
Alex Machacek / guitar
Marco Minnemann / drums
●Numbers
1. Radiation
2. Houston
3. Tu-95
4. Legend
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