2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

« 2011年7月 | トップページ | 2011年9月 »

2011年8月

2011年8月28日 (日)

Brett Garsedが参加していますが…Ric Fierabracci「Hemispheres」

R0010876
Musician●Ric Fierabracci(bass)
Title●Hemispheres(2007年)
■Amazonより購入


カリフォルニアで活動中の3人組ユニットのアルバムです。Ric Fierabracci(bass)、Phil Turcio(keyboards)、Joel Rosenblatt(drums)というメンツですが、Ric FierabracciはBrett GarsedやFrank Gambaleなどオージーフュージョン人脈で名前をよく見かけます。豊富なキャリアから参加メンバーがさりげなく豪華で、Dave Weckl(drums)、Steve Tavaglione(sax)などのビッグネームがちらほらと。

当欄の狙いはギターのBrett Garsed。#10「Sphere Of Influence」という1曲のみに参加しています。短い尺ではありますが、実に鮮烈なフレーズを聴かせてくれます。まあ、彼のゲスト参加で「はずれ」はほとんどないのですが。Garsedファンであればこの1曲のためだけに購入しても損はないかもしれません。

全体としては一見するとスムースジャズという感じですが、細かく聴きこんでいくと随所に匠の技が発揮されているので、テクニカル志向の人にとっても結構な満足感が得られるであろう佳作です。欲を言えば、個人的にはGarsedにもっと弾いてもらいたいのですが。

Ric Fierabracciの動画でも貼っておきます♪

●Musicians
Ric Fierabracci / bass
Phil Turcio / keyboards
Joel Rosenblatt / drums

Dave Weckl / drums on Oracle
Steve Tavaglione / sax on Sacrifice
Brett Garsed / guitar on Spehere of Influence

●Numbers
1.  Conflict
2.  Goods
3.  Earth
4.  Avenue of the Righteous
5.  Shadows
6.  Ghosts
7.  Gravity
8.  Sacrifice
9.  Oracle
10. Spehere of Influence
11. Reverie

R0010877


2011年8月27日 (土)

著作権法違反(?)のParadox「Broken Barricade」

R0010839
Musician●Paradox
Title●Broken Barricade(1993年)
■Amazonより購入


日本を代表するジャズフュージョン系ミュージシャン4人によって結成された「Paradox」による1stです。メンバーは棚部陽一(guitar)、松田真人(piano)、竹田弘樹(bass)、菅沼孝三(drums)というメンツ。といっても知る人ぞ知るという渋すぎる人たちばかりですね。菅沼孝三さんは日本を代表するジャズロックグループFRAGILE」の凄腕ドラマーです。

タイトルでも触れましたが、このユニットの何が凄いのかというと「あまりに露骨なHoldsworthyぶり」。日本のグループでも例えば「Lu 7」のように「これってかなりのHoldsworthyだよね」というケースは時々見受けますが、この「Paradox」は曲までも「Holdsworthy」してしまっているのです。例えばHoldsworthの「Tokyo Dream」だったり「Metal Fatigue」だったりと。まあ、曲自体をマルマル盗んでいるわけではないので、盗作とまでいきませんが、原曲を知っている人間にとっては「これって不味いんじゃないか?」と思わせるほどの真似ようなわけです。権利関係にうるさい海外でリリースしたら、もしかしたら著作権法違反で訴えられそうな塩梅です。当たり前の話ですが特にギターの棚部陽一さんの「Holdsworthyぶり」は目に余ります。

#1「Diagram 776」は出だしからしてなにやら「Metal Fatigue」的ですし、ソロ部分はご丁寧にハーモナイザーを駆使しています。#5「Innner Secrets」はモロに「Tokyo Dream」の影響にありますし(というか曲展開は本家とまるで同じ)、もちろんウネウネソロも。いやいや曲タイトルも「Secrets」入れているし(笑)。この「目に余る2曲」のほかにも随所に「Holdsworthy」が満載の作品なわけです。

この「Paradox」は2ndをリリースした後、自然消滅してしまったようですが、仮に再結成、3rdリリースなんて話になったとして一体どんな作風で攻めてくるのでしょうか。ちなみに「千住観音」Billy Cobhamが一時期結成した「Paradox」とは一切無関係です。念のため♪

動画、探しましたがさすがに見つかりませんでしたw

●Musicians
棚部陽一 / guitar
松田真人 / piano
竹田弘樹 / bass
菅沼孝三 / drums

●Numbers
1.  Diagram 776
2. Beyond The Dream
3.  Broken Barricade
4.  Mr.Davis
5.  Innner Secrets
6.  Fantasia
7.  Infinite Moment
8.  Rain Song

R0010840



2011年8月26日 (金)

超絶変態ベース奏者Percy Jonesと陰鬱系Holdsworthy、Scott McGillのコラボ「2010 Uniblab Recording」

R0010860
Musician●Percy Jones(fretless bass),Scott McGill(guitar)
Title●2010 Uniblab Recording(2010年)
■CD Babyより購入


英国出身のフレットレスベースの名手Percy Jones(パーシー・ジョーンズ)とアメリカ出身の超絶ギタリストScott McGill(スコット・マクギル)Richard Decarlo(drums)というひと癖もふた癖もありそうなトリオによる音源です。2010年リリース。Markus Reuterというタッチギターの使い手が2曲のみ参加しています。スリーブには「Debut Album」とありますが、「Awareness」(2006年)に「Uniblab名義」で自主制作されているので、Percy Jonesが入って初めての音源というほうが正確かと思われます。

Percy Jonesといえば「Brand X」や「Tunnels」での変態ベースが有名なわけですが、かたやScott McGillは「若きHoldsworthy」としてアンダーグラウンドな活躍をしてきた曲者。ただMcGillは年を追うごとにHoldsworthyから離れてきている感が強く、最近では「陰鬱系プログレッシヴジャズギタリスト」ではないかと個人的には思っています。ただでさえわかり辛い作風のうえに、ギターの音色は常に籠もりがち。そんな変態2人が組むとどんな音になっってしまうのか。かなり不穏な雰囲気が漂ってきます。

先に触れた自主制作盤「Awareness」のような救いがたい陰鬱さほどではないもの、やはりMcGillが絡む作品は大変難解です。難解というよりも、正体がつかみづらいことこのうえない。Percy Jonesが入ることによって「真っ当な作品」に近づくという「予想外の反作用」まで
もたらされているほどです。Percy Jonesの重低音に触れることで妙な安心感を得られるという摩訶不思議な作品です。いつもの締めの言葉では「超絶ギター好きにお勧めです」などと書くところですが、ことMcGill関係作品だけは「知りませんよ」としか言いようがありません。

●Musicians
Percy Jones / fretless bass
Scott McGill / guitar,MIDI moog,fretless guitar
Richard Decarlo / drums
Markus Reuter / touch guitar on Rumsfeid's Spleen,The Ghost Of 47 Letsby Ave.

●Numbers
1.  Menagerie Animato
2.  Rumsfeid's Spleen
3.  F-Hole's Worth
4.  Polonium 210 Filter
5.  Two By Two
6.  43 Letsby Ave.
7.  The Ghost Of 47 Letsby Ave.
8.  Rising
9.  Borgasmord
10. Definition Defied
11. Days Fogged In

R0010861


2011年8月21日 (日)

「新生UK」の前哨戦的ユニット?「UKZ」

R0010814
Musician●UKZ
Title●Radiation(2009年)
■Amazon USAより購入


今年の春、「新生UK」が来日公演を果たし大いに話題になりましたが、その前哨戦的ユニット「UKZ」が2009年にリリースした4曲入りミニアルバムです。主犯というか中心人物はEddie Jobsonということですが何度も書いているように鍵盤楽器にあまり興味がない当欄としては、どうしてもギタリストに視線が向いてしまうことをご容赦ください。Jobson自身「Theme Of Secrets」以来、何と24年ぶりという「新作」にあたるということで、この手のミュージシャンのインターバルの長さには呆れるというより、ここまでご無沙汰を食らうと感動さえ覚えますね。参加メンバーはAaron Lippert(vocal)、Trey Gunn(10-string touch guitar)、Eddie Jobson(keyboards,electric violin)、Alex Machacek(guitar)、Marco Minnemann(drums)ということですがボーカルの人はよく存じ上げませんが、ほかのメンバーはかなりひと癖もふた癖もあるメンツばかりです。Trey GunnはモロにKing Crimson門下生であるわけですし。

さて、曲がりなりにも「UK」の元メンバーが作ったユニットですからどうしても過去の「残影」のような音を期待してしまうわけですが、それはどうも無理筋というものなのかもしれません。個人的にはどうもボーカル入りのテクニカル系というものには馴染めないようです。いや、ボーカルも自分の「ツボ」にハマればいいのですが。残念ながらAaron Lippertさんはそうではないようです。ボーカルが自分好みでない場合、最初から「ボーカル抜き」だったつもりで耳を傾けるのですが、どうも各パートとも中途半端な感じがして仕方がありません。もちろん、水準を遙かに越えているのですが、Jobson目当ての人にとっても、当欄のようにギターのAlex Machacek目当てのヒネクレ者にとっても「もう少し何とかならんのか!」という中途半端感はどうしても否めません。

ミニアルバムゆえの尺の短さに要因があるのではなく、要は各メンバーの持ち味が十分に発揮されていないからという、至極当たり前すぎる結論に至ってしまいました。もちろんところどころでは「おっ!この鍵盤はUKっぽいな」「Machacekのギターはフリップ卿のこんな部分を意識しておるのか」と感心する部分も多々ありますが、では作品全体としてはどうなのよ?と突き詰めると、ちょっと微妙な評価になってしまいます。

こちらは本家「UK」のIn The Dead Of Nightのカバー


●Musicians
Aaron Lippert / vocal
Trey Gunn / 10-string touch guitar
Eddie Jobson / keyboards,electric violin
Alex Machacek / guitar
Marco Minnemann / drums

●Numbers
1.  Radiation
2.  Houston
3.  Tu-95
4.  Legend

R0010815


2011年8月20日 (土)

JOHN McLAUGHLIN / TO THE ONE(2010年)

Dscf2029
Musician●John McLaughlin(guitar)
Title●To The One(2010年)
■Amazon USAより購入


快進撃を続けるテクニカル系ミュージシャンの殿堂「Abstract Logixレーベル」。ついにというかいよいよ大物ミュージシャンのアルバムをリリースし始めました。大御所John McLaughlin率いる「4th Dimension」の最新作です。2010年リリース。

参加メンバーは
Gary Husband / Keyboards,drums,percussions
Etienne M'Bappe / bass
Mark Mondesir / drums

相変わらずGary Husbandはこの手のアルバムでよく出くわしますね。Mondesirといえば野茂英雄がドジャーズに入団したときに同名の外野手がいましたが、同じ中南米系なのでしょうか。

サウンドとしては御大がこの10数年ほど追究している「Heart Of Things路線」(勝手にHOT路線と呼んでいますが)の延長線上にあります。躍動するリズム隊に乗って御大が叩き出す密集ソロ攻撃という例の路線です。やはり御大はバリバリと弾きまくっていてほしい!というのが当欄の願いです。

#1  Discover
いきなりベースがドーン!ドラムがズシン!と響きわたるアップテンポな曲。御大がいきなりバリバリと凄まじいソロを連発してくれます。ツカミはOKどころかいきなりノックダウン寸前の素晴らしいプレイの連続です。この人に限っては年齢の壁というものは存在しないのでしょうか。約40年前、Mahavishnu Orchestraで凄まじいソロを連発した頃と比べて一切の衰えを感じさせません。ふつうどんなミュージシャンでも70歳近くになれば自然に枯れてくるのですが、御大に対して年齢は無関係なのでしょうか。Husbandの鍵盤、強力リズム隊も素晴らしいの一語です。

#2  Special Beings
華麗なワルツ調の曲です。安定したバックを背に御大が気持ちよさそうに美しいソロを連発。中間のHusbandもよし。個人的にはHusbandの鍵盤はあまり好みではないのですが、なぜか御大との共演ではピタリとはまる気がします。曲後半でも御大の素晴らしいソロが響きわたります。

#3  The Fine Line
少しばかりロック的なイントロが格好いい曲。おお!新機軸かと思わせておいて後は御大の独壇場に。テーマであるとかイントロ、アウトロはあくまでも刺身のツマのようなもので、御大節さえ聴ければそれでよし!の典型的な曲です。

#4  Lost And Found
#1を思わせる出だしですがこんどはいきなりスローに落としてきます。御大はギターシンセに持ち換えて幻想的なソロを聴かせてくれます。アルバム中最も静かな曲です。

#5  Recovery
#1と同じようなテイストの曲。止めどなく湧き出てくる凄まじいソロの連発。

#6  To The One
再びギターシンセに持ち換えています。ちょっと70年代ジャズロックを思い出させる幻想的な曲です。リズム隊も実に流麗。若干インド臭が漂うのはお約束なのでしょう。でも、シャクティほどのインド臭ではないのでご安心ください。




●Musicians
John McLaughlin / guitar,guitar-synthesizer
Gary Husband / Keyboards,drums,percussions
Etienne M'Bappe / bass
Mark Mondesir / drums

●Numbers
1.  Discover
2.  Special Beings
3.  The Fine Line
4.  Lost And Found
5.  Recovery
6.  To The One

Dscf2030


2011年8月19日 (金)

Anneke Van Giersbergenの天才。The Gatheringの「Superheat」

R0010810
Musician●The Gathering
Title●Superheat A Live Album(1999年)
■Amazonより購入


またしてもゴシックメタルネタです。オランダが生んだゴシックメタル界の至宝「The Gathering」が1999年にリリースしたキャリア初のライブアルバムです。同年2月、4月に母国オランダで行われたライブの模様が収録されています。「The Gathering」をご存じの方ならいまさら言わずもがなのことですが、3rd「Mandylion」(1995年)から加入した紅一点Anneke Van Giersbergen(アネク・ヴァン・ガースヴァーゲン)の天才的な歌唱力によって一躍人気バンドへと大変身を遂げます。Annekeが加入する前のThe Gathringはゴシックメタルといいつつかなりドゥーミィーで陰鬱なサウンドが芸風でしたが、「Mandylion」を境にサウンドはシンプルかつタイトなものに変わり、そしてどこまでも伸びていくのだろうかと思わせるAnnekeのボーカルを前面に押し出した楽曲が中心になります。

このライブは5th「How To Measure A Planet?」(1998年)リリース直後のライブということで、「How To Measure A Planet?」から6曲、「Mandylion」と4th「Nighttime Birds」から2曲ずつという曲構成になっています。「How To Measure A Planet?」あたりからこれまでのハード一辺倒から幽玄でアトモスフェリックな雰囲気へと芸風が変わっていきますが、このライブ音源でもちょうど過渡期ということで、ハードと幽玄の二面性に触れることができます。スタジオ録音と違って鍵盤楽器が多用されているので、さらにスペイシー感が濃厚なものになっています。

何といっても最大の注目点はAnnekeによる伸びのある天才的なボーカルで、少しハスっぽくハスキーな声が天空に上りつめてしまうのではと思われるほど、伸びに伸びています。スタジオ盤での作り込まれた音ももちろんいいのですが、やはりライブ音源ならではの臨場感と緊張感は最高です。自由自在に歌いまくるAnnekeのボーカルはまさにオランダが生んだ至宝ですね♪



●Musicians
Anneke Van Giersbergen / vocal
Frank Boeijen / synthesizer
Hugo Prinsen Geerligs / bass
Hans Rutten / drums
Rene Rutten / guitar

●Numbers
1.  The Big Sleep
2.  On Most Surfaces (Inuit)
3.  Probably Built In The Fifties
4.  Liberty Bell
5.  Marooned
6.  Rescue Me
7.  Strange Machines
8.  Nighttime Birds
9.  My Electricity
10. Sand And Mercury

R0010811


2011年8月15日 (月)

奇天烈音楽館・別館の開館です♪

Twitterで知り合った方々がアメブロを始められたことをきっかけに、
別ブログを立ち上げました。
こちらとはまた違って気楽な感じで進めていこうと思います。

奇天烈音楽士のブログ

おもに週末、不定期更新です。
本家ともどもよろしくお願いいたします。

2011年8月14日 (日)

テリリンのガチンコ勝負「Structure」

R0010835
Musician●Terri Lyne Carrington(drums)
Title●Structure(2003年)
■Amazon USAより購入


昨年の「東京ジャズ2010」では女性ミュージシャンばかりを起用した「モザイク・プロジェクト」のバンドリーダーとして圧巻の存在感を見せてくれた女性打楽器奏者Terri Lyne Carrington(テリ・リン・キャリントン)。ドラム奏者としての実力はもちろん優れたボーカリストとしても知られています。同じ女性打楽器奏者Cindy Blackmanと並んで、これからのジャズシーンを牽引してくれる存在であることに違いありません。

このアルバムは2003年11月録音で良質なジャズ作品を送り出しているACTレーベルからリリースされています。メンバーはTerri Lyne Carrington(drums、percussion、vocal)、Adam Rogers(guitar)、Jimmy Haslip(bass)、Greg Osby(alto-sax)のカルテット構成。ギターのAdam Rogersは元「Lost Tribe」の中心メンバー、Jimmy HaslipはAllan Holdsworthとの共演もある腕達者ばかりですね。

全体としては、NYを代表する先進的ジャズという感じで、トーンとしては今回ギタリストとして参加しているAdam Rogersが在籍していた「Lost Tribe」にかなり似ています。躍動するリズム、尖がったギターソロ、フリーキーなサックスのブロウ……。特にギターのAdam Rogersは珍しく弾きに弾きまくっていて、随所で超絶技巧を発揮しています。テリリンがボーカルを披露する唯一の曲#3「Ethiopia」は女帝Joni Mitchellの曲です。抑揚を抑えたテリリンのボーカルが何といっても素晴らしい!#4「The Invisible」はAdam Rogersの曲ですがRogersのリーダーアルバムにも収録されていますね。

生半可で軟弱なジャズロックシーンに飽き飽きしている状況にあって、久しぶりに「硬派で良質な作品」に出会えた感じがします。Terri Lyne CarringtonはNguyen Leのジミヘントリビュートアルバムにも参加していますが、こちらも強力推薦です♪

動画は「モザイク・プロジェクト」です。エスペランサが出ていますね。


●Musicians
Terri Lyne Carrington / drums,percussion,vocal
Adam Rogers / guitar
Jimmy Haslip / bass
Creg Osby / alto-sax

●Numbers
1.  Mindful Intent
2.  Black Halo
3.  Ethiopia
4.  The Invisible
5.  Spiral
6.  Facets Squared
7.  Solace
8.  Fire
9.  Omega
10. Columbus, Ohio

R0010836


2011年8月13日 (土)

Sean Waylandの痛快作「Pistachio 2」

R0010775
Musician●Sean Wayland(piano,keyboards)
Title●Pistachio 2(2008年)
■Amazon USAより購入


豪州出身で現在はアメリカで活躍する鍵盤楽器奏者Sean Wayland(ショーン・ウェイランド)が前作「Pistachio」についで間髪入れずリリースした痛快作です。おそらく前作が思いのほかセールスが好調だったのかもしれません。参加メンバーは前作に引き続きKeith Carlock(drums)、Tim Lefebvre(bass)、Adam Rogers(guitar)、James Muller(guitar)、Matt Clohesy(bass)に加えて、ギターにTim Millerが参加しています。個人的にはAdam Rogers、James Muller、そしてTim Millerというコンテンポラリー系ギタリストの代表格が一堂に会するなんて夢のような音源です。

前作はSean Waylandがボーカルをとったり70年代ジャズロック風アレンジ満載の楽曲があったりと結構驚きましたが、今回もその路線が継承されています。というか、おそらく「Pistachio」に収録されなかった曲を寄せ集めて慌てて世に送り出した感がプンプンとします。でも、メンバーは最強ですからそれでも良しとします。クレジットをよく見ると2004年にシドニーで行ったセッション音源も付け足されています。

#1  Ape
Keith CarlockとTim Lefebvreによる強力リズム隊に乗ってWaylandのエレピが縦横無尽に暴れ回る痛快な曲。Waylandはここでもボーカルをとっていますが、前作よりは控えめです。途中から豪州時代からの盟友James Mullerが独特なフレージングで絡んできますが、これがまた絶品のギターソロです。そういえばAllan HoldsworthがChad Wackermanのリーダー作2枚にゲスト参加していましたが、Wackermanの3rdアルバムのギタリストを務めたのはこのJames Mullerでした。

#2  Shuffle Boy
Waylandの牧歌的なエレピが印象に残る小品。Mullerはバッキングに徹しています。

#4  Mathematics

アルバム唯一のAdam Rogers参加曲。ピアノとアコギのデュオですが、大変美しい旋律でイヤになるくらい涙腺が刺激されます。ファンク色満載の作品の中でのオアシス的存在。

#5  Backbeat
個人的にはアルバムベストチューンです。ギターはTim Millerが担当。牧歌的なイントロ→70年代ジャズファンク→Tim Millerの浮遊感満載ソロ→なぜかレゲエ風→牧歌風メインテーマと目まぐるしく曲調が変化しますが、何ら違和感を感じさせません。アレンジ力の勝利でしょうね。しかしTim Millerのソロは相変わらずつかみどころがなく正体不明のソロを連発しています。

#12  This Is Proof
凄まじいリズム隊に合わせてWaylandのエレピが暴れまくります。ちょうど70年代Hancockが得意としていたファンク/フュージョンサウンドに酷似しています。Mullerは宇宙的なヴォイシングで雰囲気を盛り上げています。ちょっとHoldsworthyが入っていますね。

#13  Some Pulp
Mullerのリリカルなソロが大変美しい小曲。これは2004年の録音。ドラムのNick McBrideの作品にもMullerは参加していました。独特な尖ったソロが印象的ですが曲途中でフェードアウトしてしまう雑な作りはいかにもアウトテイクっぽいです。アルバムラストがこれですからね~。思わず苦笑してしまいます。

動画は#1 ApeですがギターはMullerではなくTim Millerが担当しています

●Musicians
Sean Wayland / piano,keyboards
Keith Carlock / drums
Tim Lefebvre / bass
Adam Rogers / guitar
James Muller / guitar
Matt Clohesy / bass
Nick McBride / drums
Andrew Gander / drums
Mark Ferber / drums

●Numbers
1.  Ape
2.  Shuffle Boy
3.  Out They Go
4.  Mathematics
5.  Backbeat
6.  You Can Get It Writing Music
7.  You Can Feel It Comimg On About Four
8.  In Colour
9.  Stanley Street
10. Superarc
11. Learn
12. This Is Proof
13. Some Pulp

R0010776


2011年8月12日 (金)

スウェーデンの鍵盤楽器奏者Mggi Olin「Land Of Me」

R0010804
Musician●Maggi Olin(piano,keyboards)
Title●Land Of Me(1996年)
■CD Babyより購入


スウェーデン出身の鍵盤楽器奏者Maggi Olin(マギ・オリン)のリーダー作です。彼女は日本ではあまり知られていないようですが、北欧コンテンポラリー系ジャズでは結構な重要人物であり、リーダー作はもちろん多くの若手ミュージシャンのプロデュースを手がけるなど、いわば「姉御的存在」でもあります。系譜としてはBill Evansの流れを汲む清涼感あふれる透明性とリリシズズムが売り物ですが、適度にポップな味わいが加わることで、とっつきやすい作風です。参加メンバーはHans Ulrik(sax)、Hans Anderson(bass)、P.A.Tollbom(drums)、Torben Waldolff(guitar)というもろに北欧人脈です。本人は1988年にバークリー音楽院卒業とありますので、年齢的には中堅という感じでしょうか。地元ではマリア・シュナイザーと共演したり、女性ジャズミュージシャンだけで開催されたフェスティバルなどを主催しています。サックス奏者のHans Ulrikはスウェーデン出身の鍵盤楽器奏者Lars JanssonとJohn Abercrombieとの共演作に参加しています。

当欄の注目点はどうしてもギターに偏ってしまうのですが、デンマーク出身のTorben Waldolffのギターがなんと言っても鮮烈なイメージを残しています。今回は3曲のみ参加ですが、相変わらず密集度が尋常でないソロワークでグイグイと引っ張ります。

#2「Family Talk」はアメリカンカルテット時代のキース・ジャレットを思い出すような曲。リズム隊が大変強力です。曲途中からWaldolffの息の長いソロが延々と続きますが、やはり尋常でないほどの饒舌さ。Pat Methenyをよりアグレッシヴにした感じとでも言いましょうか。#6「Evicted」はややファック色が感じられるアップテンポな曲。Hans UlrikとWaldorffとの掛け合いが実に攻撃的です。そしてWaldorffによる相変わらずの窒息寸前の高密集ソロ。#8「Working Child」はダンサブルな曲ですが、ここでもWaldorffのギターが冴えわたっています。この人、基本はジャズなんですが適度にロックやプログレ的な雰囲気もちょいちょい入れてくるんですよね。「コンテンポラリー系ジャズギターの進化型」と個人的にはとらえています。Hans Ulrikがソプラノサックスを操りますが、なぜかハービー・マン的です。

●Musicians
Maggi Olin / piano
Hans Ulrik / sax
Hans Anderson / bass
P.A.Tollbom / drums
Torben Waldolff / guitar on #2 #6 #8

●Numbers
1.  Landofme
2.  Famly Talk
3.  Sommaleika
4.  Flowers
5.  Dockedans
6.  Evicted
7.  Subnotic
8.  Working Child
9.  Loudscreamer
10. People In Sea
11. Falling
12. Bohem

R0010805


2011年8月 7日 (日)

オランダの至宝The Gatheringの3rd「Mandylion」

R0010812
Musician●The Gathering
Title●Mandylion(1995年)
■Amazonより購入


こう暑い日が続くとどうしても「ECM」的な癒し系の音楽ばかり聴いてしまうのですが、体調次第によってはメタル系もいいかもしれません。暑い時にあえてラーメンを食べる感覚です。というわけで数年ぶりにヘビロテ状態で聴き直している「ゴシックメタル」ネタです。

風車とチューリップの国、オランダはどういうわけかゴシックメタルの実力派バンドを多数輩出しているのですが、なかでも絶対王者的存在と言えるのが「The Gathering」です。彼らは1st、2ndとドゥーミィー寄りのデスメタルバンドで男性ボーカルで陰鬱なサウンドを出していました。可も不可もない凡庸な作風ゆえに当然、鳴かず飛ばず状態でしたが、この「Mandylion」から天才ボーカリストAnneke Van Giersbergen(アネク・ヴァン・ガースヴァーゲン)が加入することによって「フィメール系ゴシックメタルバンド」へと一大転換を果たします。簡単にいうとギターはシンプルかつソリッドに、リズム隊は力強く、ボーカルはアネク一本に、楽曲は明快に、という塩梅です。

ふつう「フィメール系ゴシックメタル」というと男性ファンを引きつけるためか紅一点の女性ボーカルはか細さと可憐さが売り物で、ビジュアル的には美形を連れてくることが通例です。そして男性デス声と女性エンジェリックボーカルとの対比を見せることで「美醜」のせめぎあいで聴かせる、というがパターン。しかし、このアネク嬢は身体は比較的太め、歌も可憐さとはほど遠い野太さとパワーが特徴。少なくとも外見だけでファンになる人はあまりいないと思われます。しかも男メンバーに伍して力強いヘドバンを敢行することをいといません。

若干ハスっぽい感じでありながらどこまでも伸びていく凄まじいほどの歌唱力の持ち主。個人的には欧州ではナンバー1ではないかと思っています。そんなアネク嬢に対してデス声の中途半端な補助などは一切不要なわけです。しかも、それが「The Gathering」の唯一無比の武器になっています。

「The Gathering」は続く「Nighttime Birds」(1997年)で自らのサウンドを完全に確立します。

●Musicians
Anneke Van Giersbergen / vocal
Frank Boeijen / synthesizer
Hugo Prinsen Geerligs / bass
Hans Rutten / drums
Rene Rutten / guitar
Jelmer Wiersma / guitar

●Numbers
[CD 1]
1.  Strange Machines
2.  Eleanor
3.  In Motion #1
4.  Leaves
5.  Fear the Sea
6.  Mandylion
7.  Sand & Mercury
8.  In Motion #2

[CD 2]
1.  In Motion #1*
2.  Mandylion*
3.  Solar Glider (Instrumental)*
4.  Eleanor**
5.  In Motion #2**
6.  Third Chance**
7.  Fear the Sea**

R0010813


2011年8月 6日 (土)

Brett GarsedとAllan Holdsworthが参加。Chris Buckのリーダー作「Progasaurus」

R0010847
Musician●Chris Buck(bass)
Title●Progasaurus(2007年)
■Guitar Nineより購入


アメリカはカリフォルニアを拠点に活動するベース奏者Chris Buck(クリス・バック)によるおそらく初めてのリーダー作です。2007年リリース。「おそらく」としたのはこの人の情報が皆無といってもいいほどつかめず、当て推量で書いているわけです。一応はベースが本業なのですが、ギターもベースもこなす器用な人です。

では、何でChris Buckなのかというと、ゲストミュージシャンの顔ぶれが豪華極まりないのです。

Brett Garsed / guitar
Derek Sherinian / keyboards
Brian Tichy / drums
Virgil Donati / drums
Allan Holdsworth / guitar on Kanines

Brett Garsed、Derek Sherinian、Virgil Donatiとくればほとんど「PLANET X」になってしまうわけですが、ではPLANET X的な感じかというとさほどでもありません。どちらかというとボーカル中心のロックアルバムに仕上がっています。とはいえスペシャルサンクスをしげしげと眺めていると、Brett Garsedの盟友Ric Fierabracci(リック・フィラブラーチ)の名前も見られることから、このあたりの人脈から生まれた作品のようです。おっと、忘れてはいけません、これもPLANET Xつながりなのでしょう、Allan Holdsworthが1曲のみ参加しています。ここまでメンツが揃うと聴く側としてもどんどんハードルを上げてしまうというものです。

#1  One Squared

イントロの感じではなかなかPLANET Xの雰囲気ですが、Buckの甲高いボーカルが入ってくると「劣化したRUSH」という感じに。そうです、Geddy Leeの声によく似ているのです。しかし、甲高いといってもかなり声量に欠けるので聴いていてちょっと辛くなってきます。ほとんどの曲がBuck作曲ですが、なんだかメロディーラインも「いまふたつ」という感じ。Sherinianもやる気があるのかないのか。Brett Garsedの相変わらず流麗なレガートが唯一の救いです。

#4  Kanines
大御所Allan Holdsworthが客演しています。重苦しいBuckのチョッパーがいい感じのイントロですが、甲高いボーカルが入りはじめるともう駄目です。曲自体は意外にポップなのですが、元々ボーカルというものに興味がないうえに甲高い声が苦手な当欄としては苦痛なだけです。とはいえ我慢しながら聴いていると御大が登場するあたりから変拍子バシバシに曲が変わり、そのあたりはとてもいい感じです。御大は相変わらずの流麗なレガートなのですが、たとえ誰のアルバムであっても唯我独尊的なソロをぶちかますのです。御大が客演する場合、通常はソロパート一発がほとんどなのですが、今回はアウトロでもう一回登場という大サービスぶり。機嫌が良かったのでしょうか。

#8  Progasaurus

アルバム唯一のインスト。耳障りなボーカルがないので安心して(?)聴けます。Sherinian大暴れという感じのPLANET X色が強い曲です。#1、#2と同様、打楽器はDonatiが担当。やはり3人揃うと楽曲の不味さもかなりカバーできます。曲終盤に登場するGarsedの息の長いソロも素晴らしいの一語です。

#9  Inside/Outside

YES「Roundabout」のメロディーを適度に織り交ぜながらというかパクりながら盛り上がるラスト曲。ボーカルも最初と最後に出てくるだけなのでさほど苛つきません。各プレイヤーのインタープレイの応酬で大団円を迎えるのですが、なんでこれで押し通さなかったのかなと思わせる熱演です。Garsedのソロはまさに鬼神のごとしです。そういえばGarsedはBobby Rockのリーダー作でも「Roundabout」をカバーしていましたね。Brian Tichyのわけのわからない狂乱の連打もなかなかです♪

●Musicians
Chris Buck / bass,vocal,guitar
Brett Garsed / guitar
Derek Sherinian / keyboards
Brian Tichy / drums
Virgil Donati / drums
Allan Holdsworth / guitar on Kanines

●Numbers
1.  One Squared
2. Imprint
3.  La Mere En Douleur
4.  Kanines
5.  Ende Von Tagen
6.  Up From The Skies
7.  The Gator
8.  Progasaurus
9.  Inside/Outside

R0010848


2011年8月 5日 (金)

Torben Waldorffキャリア初のライブ音源「Brilliance」

R0010806
Musician●Torben Waldorff(guitar)
Title●Brilliance Live at 55 Bar NYC(2006年)
■CD Babyより購入


デンマーク出身のジャズ系ギタリストTorben Waldorff(トーベン・ウォルドルフ)が2006年にNYで行ったライブを収めたものです。プロデュースはTorben自身とスウェーデンの鍵盤楽器奏者Maggi Olinが共同で務めています。Maggiお気に入りの若手ギタリストという関連性もあるのでしょうね。

WaldorffはJohn AbercrombieやBill Frisellあたりのコンテンポラリー系の系譜を汲むプレイヤーだと思うのですが、これまでの緊迫感あふれる作風とはうって変わってリラックスムードの4ビートジャズに変貌を遂げています。これはライブということもあるのでしょうか。終始リラックスした雰囲気のもと、伸びやかなプレイを聴かせてくれています。#1「Alice」などはハートウォーミングなサックスとともに妙に牧歌的な感じのソロを披露。まだ若いのに「枯れてしまったのか?」と一瞬不安になってしまいます。

俄然「らしさ」が出てくるのは#2「Jurotrash」。楽曲も一転して緊張感あふれるアップテンポなものに変貌し、Waldorffお得意のフレーズを短いセンテンスの中に目一杯詰め込む「密集型ソロ」を連発してくれます。少し歪んだ音色が実に格好よしです。音の洪水に窒息寸前になった頃にサックスがクールダウンしてくれるアレンジにも脱帽。以前にも書きましたがコンテンポラリー系の期待の若手であることを再認識させてくれます。もちろんアルバム中いちばんのキラーチューンです。リズム隊もよろし。

#3「Astro」はWaldorffのリリカルなソロで始まるバラード。サックスとのユニゾンでしっとり歌いあげる美しい曲です。若いのに渋いところをツいてきます。中間のソロはため息が出るほどの美しさです。ちょうど70年代後半のJohn Abercrombieに通じる嘆美性を秘めていると言ったら褒めすぎでしょうか。

全体としてはやや大人しめの感もあるのですが、それもWaldorff自身の「成長分」と解釈することもできますね。ハードな展開を期待する人にはあまりお勧めしませんが、個人的に追いかけている立場としては、また新味を聴かせてくれたという意味で「◎」です♪

●Musicians
Torben Waldorff / guitar,guitar-synthe
Donny McCaslin / sax
Matt Clohesy / bass
Jon Wikan / drums

●Numbers
1.  Alice
2.  Jurotrash
3.  Astro
4.  Seen From Above
5.  Jeep

R0010807_2


« 2011年7月 | トップページ | 2011年9月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
  • Amazon検索
無料ブログはココログ