Brett GarsedとAllan Holdsworthが参加。Chris Buckのリーダー作「Progasaurus」
Musician●Chris Buck(bass)
Title●Progasaurus(2007年)
■Guitar Nineより購入
アメリカはカリフォルニアを拠点に活動するベース奏者Chris Buck(クリス・バック)によるおそらく初めてのリーダー作です。2007年リリース。「おそらく」としたのはこの人の情報が皆無といってもいいほどつかめず、当て推量で書いているわけです。一応はベースが本業なのですが、ギターもベースもこなす器用な人です。
では、何でChris Buckなのかというと、ゲストミュージシャンの顔ぶれが豪華極まりないのです。
Brett Garsed / guitar
Derek Sherinian / keyboards
Brian Tichy / drums
Virgil Donati / drums
Allan Holdsworth / guitar on Kanines
Brett Garsed、Derek Sherinian、Virgil Donatiとくればほとんど「PLANET X」になってしまうわけですが、ではPLANET X的な感じかというとさほどでもありません。どちらかというとボーカル中心のロックアルバムに仕上がっています。とはいえスペシャルサンクスをしげしげと眺めていると、Brett Garsedの盟友Ric Fierabracci(リック・フィラブラーチ)の名前も見られることから、このあたりの人脈から生まれた作品のようです。おっと、忘れてはいけません、これもPLANET Xつながりなのでしょう、Allan Holdsworthが1曲のみ参加しています。ここまでメンツが揃うと聴く側としてもどんどんハードルを上げてしまうというものです。
#1 One Squared
イントロの感じではなかなかPLANET Xの雰囲気ですが、Buckの甲高いボーカルが入ってくると「劣化したRUSH」という感じに。そうです、Geddy Leeの声によく似ているのです。しかし、甲高いといってもかなり声量に欠けるので聴いていてちょっと辛くなってきます。ほとんどの曲がBuck作曲ですが、なんだかメロディーラインも「いまふたつ」という感じ。Sherinianもやる気があるのかないのか。Brett Garsedの相変わらず流麗なレガートが唯一の救いです。
#4 Kanines
大御所Allan Holdsworthが客演しています。重苦しいBuckのチョッパーがいい感じのイントロですが、甲高いボーカルが入りはじめるともう駄目です。曲自体は意外にポップなのですが、元々ボーカルというものに興味がないうえに甲高い声が苦手な当欄としては苦痛なだけです。とはいえ我慢しながら聴いていると御大が登場するあたりから変拍子バシバシに曲が変わり、そのあたりはとてもいい感じです。御大は相変わらずの流麗なレガートなのですが、たとえ誰のアルバムであっても唯我独尊的なソロをぶちかますのです。御大が客演する場合、通常はソロパート一発がほとんどなのですが、今回はアウトロでもう一回登場という大サービスぶり。機嫌が良かったのでしょうか。
#8 Progasaurus
アルバム唯一のインスト。耳障りなボーカルがないので安心して(?)聴けます。Sherinian大暴れという感じのPLANET X色が強い曲です。#1、#2と同様、打楽器はDonatiが担当。やはり3人揃うと楽曲の不味さもかなりカバーできます。曲終盤に登場するGarsedの息の長いソロも素晴らしいの一語です。
#9 Inside/Outside
YES「Roundabout」のメロディーを適度に織り交ぜながらというかパクりながら盛り上がるラスト曲。ボーカルも最初と最後に出てくるだけなのでさほど苛つきません。各プレイヤーのインタープレイの応酬で大団円を迎えるのですが、なんでこれで押し通さなかったのかなと思わせる熱演です。Garsedのソロはまさに鬼神のごとしです。そういえばGarsedはBobby Rockのリーダー作でも「Roundabout」をカバーしていましたね。Brian Tichyのわけのわからない狂乱の連打もなかなかです♪
●Musicians
Chris Buck / bass,vocal,guitar
Brett Garsed / guitar
Derek Sherinian / keyboards
Brian Tichy / drums
Virgil Donati / drums
Allan Holdsworth / guitar on Kanines
●Numbers
1. One Squared
2. Imprint
3. La Mere En Douleur
4. Kanines
5. Ende Von Tagen
6. Up From The Skies
7. The Gator
8. Progasaurus
9. Inside/Outside
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