Greg Howeの愛弟子Prashant Aswaniの新作「Sonically Speaking」
Musician●Prashant Aswani(guitar)
Title●Sonically Speaking(2009年)
■Guitar Nineより購入
テクニカル系ギタリストGreg Howeのフォロワー、Prashant Aswani(プラシャント・アスワーニ)による久々の作品です。2009年リリース。確か前2作は90年代のリリースだったと思われます。この手の音楽の需要はそれほど多いとは思いませんし、ただでさえ狭いマーケットなのにこんな寡作で生計が成り立つのかと他人事ながら心配になります。多くのミュージシャンはギタークリニックの講師を務めるなどして小銭を稼いでいるようですね。どちらにしてもあまりリッチではないことは確かだと思います。
前2作では「師匠」であるGreg Howeの全面的なサポートもあっていかにも「Greg Howeフォロワー」っぽい作風でしたが、どうやら今回は師匠はまったくノータッチのようです。その代わり1曲のみBrett Garsedが参加しています。気になるのは「Special Thanksコーナー」を見るとイタリア出身のテクニカル系ギタリスト、Alessandro Benvenutiの名前があるのですが彼がどういう関わり方をしたのかは全く不明です。
さて、肝心の作風ですがいい意味でも悪い意味でも「師匠からの呪縛」から解放されたと言えるかもしれません。#1「Stephanie」はこれまでのAswaniからは想像できないスローな曲。やや内省的でダルな感じの曲調からは師匠からの脱却宣言とも言える決意じみたものを感じます。
#2「Drive」はBrett Garsedの参加曲。ミドルテンポの曲で1stソロをGarsedが担当。Garsedの相変わらずの流麗なソロワークにはため息が出ます。Aswaniも負けじと対抗しますが、完全にギターが絡み合う場面はないので別録音かと思われます。気がつけばGarsedに触発されたのか、AswaniのGreg Howeフォロワー指数が急に高まっています。昔とった杵柄というやつでしょうか。
#3「Make It 14」ではこれまで抑え気味だったフォロワー指数が完全にピークを振り切ります。何だよと思うか、ホッとするかは聴くの自由ですが、当欄としては完全に後者の立場です。師匠への熱い思いのたけを込めた凄まじいソロは絶品です。個人的にはアルバム中のベストチューンです。
というわけで、我に返って気がついたら「Greg Howeフォロワー」に逆戻りしてしまうのですが、それがもって生まれた作風ならば無理して抑えることもないのにな、というのが正直な感想です。もちろんテクニカル系ギターが好きな方は存分に楽しめること請け合いです♪
●Musicians
Prashant Aswani / guitar
Rhonda Smith / bass
Joey Heredia / drums
Abijhit Barerjee / tabla
Brett Garsed / guitar on Drive
Rob Caggiano / guitar on Pure Of Heart
●Numbers
1. Stephanie
2. Drive
3. Make It 14
4. 11 Miles
5. 5 AM
6. Pardon Me
7. Narrow Path
8. Rain
9. Shades Of Gray
10. Pure Of Heart
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