変態プログメタルWatchtowerの2nd「Control & Resistance」
Musician●Watchtower
Title●Control & Resistance(1989年)
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たびたび登場する「メタル系音楽」ですが、気がついたらどんどん細分化されていて「変態系プログメタル」というジャンルというか分野があるようです(「変態系プログメタル」は私が勝手に命名しているだけで、世間的に認知されているわけではありませんが)。アメリカはテキサス出身の「Watchtower」がその代表格でCYNIC(シニック)と並んで特異な位置づけを担っています。
バンド自体は1985年に「Energetic Disassembly」というアルバムでデビューを果たしていますが、メンバーの脱退によって早くも活動停止に。1987年に「変態ギターの革命児」Ron Jarzombekが加入して作られたのがこの2ndです。あ、ちなみに変態ギターの革命児も私が勝手に言っているだけなので、みだりに使わないほうがよろしいと思われます。
ジャケットデザインだけを見ると何ともチープな作りなので不安が募りますが、肝心の中身はなかなかの出来映えというか変態プログメタルの名盤と称されるだけのポテンシャルです。しかもこれが1989年の作品と考えると、驚異としか言いようがありません。凄まじいほどのリズムチェンジ、変拍子の嵐、絶えず襲いかかる不穏なボーカル、そしてRon Jarzombekによる変態&超絶ギター。およそ予定調和というものをすべて拒否したかのような、恐ろしい作品に仕上がっています。曲もとても1回聴いただけでは覚えられないので何度も聴き直したりするわけですが、そんなことを繰り返しているうちに「Watchtower」の術中にはまってしまうわけです。これはあくまでも噂ですが複雑怪奇なリズムの中にメンバーの自宅の電話番号が隠されているなんていうエピソードも。
「病的」とも思える緻密さと変態性が同居した音作りは、ふつうのメタルに飽きた人にとってお勧めです。ただし、メロディー性を求める人にとっては圧倒的に対極にあるメタルです。同じ範疇に属すと思われる「CYNIC」がとてもまともに聴こえてくるから不思議です。あくまでもテクニック至上主義なので、そのあたりは十分にご覚悟を♪
その後のバンドの行方ですがメンバーがそれぞれソロ活動を始めたこともあって自然消滅してしまったようです。しかし、2000年と2004年にライプ活動が確認されていて、さらに「Mathematics」というタイトルの新作が出ることもアナウンスされていますが、いまだにリリースされる気配すら感じられません。まあ、気長に待つとしましょう。
●Musicians
Alan Tecchio / vocal
Ron Jarzombek / guitar
Doug Keyser / bass
Rick Colaluca / drums
●Numbers
1. Instruments Of Random Murder
2. The Eldritch
3. Mayday In Kiev
4. The Fall Of Reason
5. Control And Resistance
6. Hidden Instincts
7. Life Cycles
8. Dangerous Toy
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