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2011年5月28日 (土)

Nguyen Leのカバーアルバム「Song Of Freedom」

R0010725
Musician●Nguyen Le(giutar)
Title●Song Of Freedom(2010年)
■Amazonより購入


ベトナム系フランス出身のギタリストNguyen Le(グエン・レ)による最新アルバムを入手しました。当欄ではすでに何回もご紹介している物件なので「またかよ」と思われる向きもありかもしれませんが、しばしご容赦のほどをお願いします。例によってACTレーベルからのリリースです。参加メンバーはLliya Amar(vibraphone、marimba)、Linley Marthe(bass、vocal)、Stephane Galland(drums)というコアメンバーに加えて、Dhafer Youssef、Karim Ziad、David Binneyといったお馴染みのワールドミュージック系のミュージシャン達です。

Nguyen Leというと基本はジャズフュージョンの世界に身を置きながら、北アフリカ、イスラム、アジアなどの民族音楽との融合を図ったり、最近は映画音楽も手がけたりと、まさにボーダレスに活躍するギタリスト。また、ロックにも造詣が深く、かつてはジミヘンカバーアルバムもリリースしています。今回はロック寄りシフトのカバーアルバムです。ざっと列挙しますと、The Beatles、Stevie Wonder、Led Zeppelin、Janis Joplin、Bob Marley、The Creamといった面々。オリジナルに敬意を払いつつ、Nguyen Le風に完全に変えてしまうあたりは期待通りとはいえ流石の一語です。アルバムタイトルはBob Marleyの物を拝借したそうです。

#1  Eleanor Rigby

言うまでもなくレノン&マッカートニーの名曲。女性ボーカルのソウルフルな歌声に乗せてベトナム楽器が幾重にも重なり何ともエスニカルな楽曲へと生まれ変わっています。西洋音楽と東洋音楽の融合はNguyen Leの得意とするところです。終盤からはNguyen Leによるキレキレのウネウネソロが延々と続きます。

#2  I Wish
Stevie Wonderのカバー曲。西洋音楽と北アフリカ民族音楽の融合「ライ音楽」の典型的リズムが印象的。ベースが狂おしくのたうち回るのが特徴的です。途中から変拍子と目まぐるしいリズムチェンジが始まり、Nguyen Leのギターが自由奔放に飛びまくります。

#3  Ben Zeppelin
こちらはイスラム現代音楽の帝王Dhafer Youssefとの共作です。曲というよりコーランのような感じです。実は次の「Black Dog」への橋渡し的な役割を担っています。

#4  Black Dog
言うまでもなくLed Zeppelinの「Ⅳ」の冒頭を飾った名曲。Dhafer Youssefのイスラム風雄叫びが厳かに響きわたったと思いきや、あのお馴染みの変則リズムとギターリフが絡んできます。誰がHRとイスラムの融合などを考えつくでのしょう。でも、それが破綻なく奇妙にマッチしてしまうから不思議です。

#5  Pasttime Paradise
Stevie Wonderの曲。オリジナルの穏やかな印象がしばらく続きますが、途中からマリンバの連打によって曲調ががらりと一変します。極度にエフェクターがかかったギターが怪しい世界を作り出し、あれれ、気がつきたらイスラムとソウルミュージックとの融合へ。驚愕のアレンジ力です。最後はお得意の「ライ音楽」へとなだれ込み、狂乱のリズムへ。冒頭のソウルフルな雰囲気などどうでもよくなってしまいます。ラストで聴かれるNguyen Leのソロも冴えに冴えています。

#9  Move Over
Janis Joplinの代表曲です。オリジナルはタイトなドラムとギターが印象的でしたが、ここではあえてジャズ風な出だしでアレンジ。しかし、David Binneyのサックスを合図にお得意の狂乱のリズムへと大胆なシフトチェンジ。最後はベトナム民族音楽風でクールダウン。

#10  Whole Lotta Love
Led Zeppelinの代表曲で邦題は「胸いっぱいの愛を」。女性ボーカルの力強い歌唱とマリンバの連打に心を奪われていると、フレットレスベースの超絶技巧が。中盤からはインド音楽風の高速チャットとNguyen Leの凄まじいソロの応酬が。おまけにリズムは目まぐるしいほどの変拍子の連打。ふさわしい言葉が見つかりません。

#12  Sunshine Of Your Love
The Creamの代表曲。ライ音楽特有の饒舌なリズムで始まったと思いきや、ほどなくお馴染みのテーマが始まります。ジャズ風アレンジなのですが、バックにはイスラム風マリンバが連打されるという何とも不思議な感じのアレンジ。Nguyen Leのソロは中盤からスタートしますが、同時にライ音楽風に曲調もチェンジします。それでいてバックにはインド音楽風チャットの嵐。こういうのが本物のワールドミュージックと言うのではないでしょうか。

#15  Come Together
最後はレノン&マッカートニーの代表曲。終始ライのリズムに合わせた狂乱のリズムが凄まじい迫力です。オリジナルなんてどうでもよくなってしまいます。

この2、3年は大人めの印象があったNguyen Leですが「カバーアルバム」という外見的な衣を被りながらも、実際は彼自身による今までの集大成的な作品に仕上がっているという印象があります。しかも、すべてがパワーアップしたうえで複雑怪奇に融合されています。というわけで2011年上半期でのベストアルバムに決定!

●Musicians
Nguyen Le / guitar
Lliya Amar / vibraphone,marimba
Linley Marthe / bass,vocal
Stephane Galland / drums
Dhafer Youssef
Karim Ziad
David Binney
etc,

●Numbers
1.  Eleanor Rigby
2.  I Wish
3.  Ben Zeppelin
4.  Black Dog
5.  Pasttime Paradise
6.  Uncle Ho's Benz
7.  Mercedes Benz
8.  Over The Rainforest
9.  Move Over
10. Whole Lotta Love
11. Redemption Song
12. Sunshine Of Your Love
13. In A Gadda Da Vida
14. Topkapi
15, Come Together

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コメント

始めまして。
先日、グエンレで検索したら、なんと、同じココログブログにお仲間がいてびっくりしました。
わたしもグエンレが大好きなのですが、こちらのブログのように上手に内容が説明でしません。。
なるホドォ、、って、読ませていただきました。

いやぁ、、今回も素晴らしく、かっこよかったですよね。
この人のギターも素晴らしいのですが、創り出す世界が本当にすごいです。
どの曲も、原曲から随分かけ離れた世界になってるのですが、いろいろな音楽がとても巧く融合されていて、独自の世界。でも、本当にかっこよかったです。

普段は、聴いている音楽は少し違う気がしますが、グエンレのファンクラブとして、今後も仲良くしてください。

Suzuck さま

はじめまして!コメントありがとうございます。
亀レス、ご容赦くださいませ。

ココログで同好のお仲間と出会えるとは感激です。
Nguyen Leはデビュー作から追いかけていますが、
この作品は最高傑作ではないかと思っています。
こういうのを本物の「ワールドミュージック」というのでしょうね。

Nguyen Leはゲスト参加も多いのですが
すでに廃盤になっている音源も多く、すべてをカバーするのは大変ですね。
懲りずにコツコツ集めていこうと思います。

今後ともご贔屓にお願いいたします♪

ベトナム・ハノイに駐在している者です。

私はグエン・レとは8年ぐらい前から知り合いで、ピアニストである彼の奥様であるDominiqueさんとも仲良くしてもらっています。

実は彼は今、ベトナムのハノイに公演に来ていまして、先日一緒に食事をしたところ、プライベートでも日本に行ったことがないと言う話を聞きまして、どうにか彼を日本で公演してもらうことができないか考え始めました。とは言っても、私は業界関係者でありませんので、どのような手段があるのか分かりません。とりあえず、彼のwebsiteを日本語訳するところから始めようかと思っています。

http://youtu.be/zEtVxkyMrsk

こちらでグエン・レ情報を探しにきた方々に下記の動画を共有させていただきます。先日、ハノイのローカルミュージシャンとjam sessionをした時の映像です。こちらは公演ではなく、楽しくjamって遊んでいるだけですので、ご理解ください。(一日中リハをして、お疲れのようでした)

日本にも彼の音楽をご存じ方々がいらしてうれしいです!

Hanoi Funkmaster さま

コメントありがとうございます。初めまして!

Nguyen Leとお知り合いとは羨ましい限りです。
東アジアの音楽にも興味があるNguyen Leだけに、いつ来日しても不思議ではないと思いますよね。
来日公演、熱烈希望です!

貴重なプライベート映像ありがとうございます。
とろけるようなフレーズを堪能いたしました♪

奇天烈音楽士 さま、、

実は、ここでコメントさせていただいてます。sweat01

Suzuckさま

大変失礼いたしました

先日行ったパリのJazz club・SunsetでNguyen le のStream qualtetのライブに行ってきました。
ギターすごく骨太の音で良かったです。ビブラフォンも素敵でした。
Nguyên Lê – guitare
Illya Amar – vibraphone
Chris Jennings – c.basse
John Hadfield – batterie
知らずに行って、帰ってからこのページ見つけました。
彼のファンに遅まきながらなりました。
来日、すると良いですね。

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