さりげなく参加メンバーが豪華なLenny Whiteの「Venusian Summer」
Musician●Lenny White(drums)
Title●Venusian Summer(1976年)
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Miles楽団参加を皮切りに第2期RTFのドラム奏者として活躍したLenny White(レニー・ホワイト)がRTF解散後にリリースしたソロ第1弾です。1976年発売。
参加メンバーがとにかく凄いですよ。Raymond Gomez(ギター)、Jimmy Smith(オルガン)、Tom Harrel(シンセ)、David Sancious(シンセ)、Larry Young(オルガン)、Larry Coryell(ギター)、Al DiMeola(ギター)とジャズ/フュージョン界を代表する名プレイヤーが勢揃いという感じです。やはりMiles→Chick Corea人脈は強力です。
アルバム前半はいかにもアフリカ系打楽器奏者が作りました!という感じのジャズファンクフュージョンという感じでジャカジャカと賑やかな雰囲気で進行します。そういえば1976年頃はディスコティック音楽やソウルミュージックの全盛期でもありましたね。これにフュージョン的な味付けを加えてみましたと!という感じです。ところが、申し訳ないことに当欄はこの手の音楽を苦手としています。
なんだかな~という感じで聴き進めていくとラスト2曲で様相が一変します。RTFを彷彿とさせる正当派ジャズロックへと曲調が変わり、これがまた実に聴きごたえがあるのです。#5「Mating Drive」はRaymond Gomezのギターを前面に押し出したハードな曲。John McLaughlinとの共演で有名なLarry Youngのスペイシーなオルガンで厳かな感じで始まりますが、次第に狂乱のジャズロックへと移行します。RTF的なドラマティックかつ疾走感あふれるアレンジが格好よしです。Raymond Gomezの上手いのか下手なのかがギリギリ境界線のソロが炸裂しまくります。これぞ正当派ジャズロックであると溜飲を下げる熱演です。Larry Youngも暴れまくってくれています。Lenny Whiteの作曲能力もかなりのものです。
11分を超えるラスト「Prince Of The Sea」はRTF時代の盟友Al DiMeolaがゲスト参加していますが、何とLarry Coryellまでが一緒に参加しています。曲冒頭はなぜかカモメの鳴き声が聴こえる静かな感じで始まります。Tom Harrelのホルンがいかにもという感じで盛り立ててくれています。様相が一変するのは曲3分の1を過ぎたあたりから。極度にエフェクターを効かせたDiMeolaのスパニッシュテイストソロがドラマティックに展開をもたらせます。ピアノとの絡みも実に素晴らしい! 曲後半になるとLarry Coryellが右、DiMeolaが左から凄まじいソロの応酬を繰り広げます。この2人のソロの掛け合いってなかなか珍しいですね。というわけで、この曲を聴けただけでも十分満足できる作品です。
●Musicians
Lenny White / drums
Raymond Gomez / guitar
Jimmy Smith / organ
Tom Harrel / mini-moog,flugelhorn
David Sancious / syntesizers
Larry Young / organ
Larry Coryell / guitar
Al DiMeola / guitar
etc
●Numbers
1. Chicken Fried Steak
2. Away Go Troubles Down The Drain
3. The Venusian Summer Suite
4. Prelede To Rainbow Delta
5. Mating Drive
6. Prince Of The Sea
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