アバクロのコルトレーンカバーアルバム「Afro Blue」
Musician●John Abercrombie(guitar)
Title●Afro Blue(1993年)
■ディスクユニオンで購入
ECMを代表する知性派ギタリストJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)がベテランオルガン奏者Ronnie Smith(ロニー・スミス)と組んで制作したコルトレーンのトリビュート物です。1993年6月17日、NYでレコーディングされています。ドラムはJames Blood Ulmerの諸作品で知られるMarvin Smitty Smith。ちなみにジャズオルガンというとJimmy Smithのほうが圧倒的に有名だと思われますが、Ronnie Smithとはまったく無関係です。Ronnie Smithはどちらかというとソウルフルなプレイが身上で、写真を見るとターバンを巻いた怪しい風体のオジサンです。
内容はというとタイトル通りの「コルトレーンカバー」ですが、オルガントリオというのがポイントなのでしょう。数多く出回っているコルトレーンカバーアルバムとは一線を画した味わいに仕上がっています。どう違うのかというと、Ronnie Smithの泥臭いオルガンに乗せて、アバクロの例の浮遊感あふれるウネウネギターが響きわたり、そしてどちらかというとフリーに近いMarvin Smitty Smithの連打が絶妙に絡み合うことで、前代未聞のバトルが展開されているからです。コルトレーンの楽曲はあくまでも3人のために用意された「素材の一部」にしか過ぎず、緊張感みなぎる3者のインタープレイの連続を息を潜めて見守っていると、これがコルトレーンのカバーアルバムだということを忘れてしまうほどです。#4「Traces Of Trane」のみLonnie Smithによるものです。
1990年代前半はアバクロ自身もDan Wallと組んだオルガンジャズに覚醒していた時期であり、またECMの呪縛から逃れレーベルの枠を越えた夥しい数のセッション活動をこなしていました。「Venus」というレーベルからリリースされたこのアルバムもふだんの知性派ギタリストとはまた違った一面を見せています。このトリオはよほど「馬が合った」のでしょう。1年後には同じメンバーによって今度は「ジミヘンカバー」にチャレンジしています。こちらもお勧めの作品です♪
●Musicians
John Abercrombie / guitar
Lonnie Smith / organ
Marvin Smitty Smith / drums
●Numbers
1. Afro Blue
2. Impressions
3. Naima
4. Traces Of Trane
5. Lonnie's Lament
6. Bessie's Blues
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