The Beatlesのデビュー作を2009年型ステレオリミックスで聴く「Please Please Me」
Musician●The Beatles
Title●Please Please Me(1963年)
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昨年末に期間限定廉価版が発売され、局地的な話題を呼んだ「The Beatles Box」。当欄の趣旨と照らしあわせると「最もふさわしくないチョイス」と言えるかもしれませんが、個人的には最も思い入れの深い盤であることには変わりありません。しばし、おつき合いのほどを。
とは言っても、いまさら内容に関してああだこうだと書くのは気がひけます。ライナーが結構面白いので、そのご紹介を兼ねまして。ファンの方々にとっては有名なエピソードだとは思いますが。
いうまでもなくThe Beatlesの記念すべきデビューアルバムですが、制作に費やした時間はなんと9時間45分という素早いというか、何とも荒っぽい仕事だったそうです。さらに編集とミキシングに要した時間を加えてもトータルで25時間だったとは!
よく言われるのがなぜ「モノラル録音」なのかということです。この盤がリリースされた当時は、「モノラル」が主流でステレオ盤はごく一部のオーディオ愛好家が使っていたとか。作品性云々以前の話として、広く流通させるにはモノラルでというのが当時の常識だったのでしょう。ステレオ盤が普及していくのは、1960年代中盤からの話です。日本でも家電メーカーとレコード会社がステレオ盤を認知させるために、やたらと「ステレオ録音」ということを強調していました。以前、当欄で触れたようにこの「Please Please Me」は「ステレオ!これがビートルズ!」という邦題で日本盤としてリリースされます。しかも、曲順まで変えて。ステレオ盤のベースになったのは2トラックで録音されたマスターテープ。そのため、ステレオリミックスでは右がすべての音声、左がすべての楽器という、世にも不思議な音源になっています。
ちなみに「P.S.I Love You」でドラムを叩いているのはリンゴ・スターではなくスタジオミュージシャンのAlan White(YESのAlan Whiteとは別人と思われます。Whiteは1949年生まれなので当時は13歳という計算ですし。Whiteはプラシティック・オノ・バンドで活躍しました)。どうしてもグループに参加したいリンゴはマラカスを担当しています。また「Twist And Shout」は1日で行われたレコーディングの最後に録音されました。そのためジョン・レノンの声は荒れがちですが、それが曲のワイルドさを引き立てることに成功しています。
●Numbers
1. I Saw Her Standing There
2. Misery
3. Anna(Go To Him)
4. Chains
5. Boys
6. Ask Me Why
7. Please Please Me
8. Love Me Do
9. P.S. I Love You
10. Baby It's You
11. Do You Want To Know A Secret
12. A Taste Of Honey
13. There's A Place
14. Twist And Shout
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