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2011年4月

2011年4月30日 (土)

Phil Collinsが在籍♪Brand Xのライブ音源「Live Stock」

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Musician●Brand X
Title●Livestock(1977年)
■ディスクユニオンで購入

Phil Collins(フィル・コリンズ)といえば70年代から80年代にかけて活躍したジェネシスのバンドリーダーとして、そしてソロ活動でも多くのミュージシャンと共演してきました。先ほど家族の時間を大切にしたいということで「2度目の引退宣言」をしましたが、もういまさらガツガツと働きたくないというのが本音なのかもしれません。

そんなPhil Collinsがジェネシスとは別のユニットで活躍していたことはあまり知られていないかもしれません。「Brand X」がそれに当たりますが、メジャー感たっぷりのジェネシスに対して、ジャズフュージョン主体のBrand Xは成り立ちからして地味といえば地味。しかも、フィル・コリンズはドラム奏者に徹しているので、なおさらです。

そんなユニットですが、元々はギターのJohn GoodsallとベースのPercy Jonesという希代の名プレイヤーが中心になってスタートしたユニットであり、フィル・コリンズはあくまでもメンバーの一員という位置づけなのです。一時期はBill Brufordも在籍したようですが、King Crimsonとの契約の関係で、メンバーの一員として表舞台に立つことはありませんでした。

ギター好きにとってはJohn Goodsallの浮遊感あふれるプレイが堪らない魅力ですが、もう1人の重要人物Percy Jonesのフレットレスベースが生み出す変態フレーズと驚異のテクニックはあまりに衝撃的でした。Percy Jonesはのちに「Tunnels」というジャズロックユニットを結成し、硬質かつ変態性あふれる奇天烈音源を残しています。「Tunnels」案件に関しては機会をみてレビューしたいと思います。

ついでに1985年に大ヒットした「Easy Lover」を。EW&FのPhilip Baileyとのデュエットです

●Musicians
Phil Collins / drums
John Goodsall / guitar
Percy Jones / bass
Robin Lumley / keyboard

●Numbers
1.  Nightmare Patrol
2.  -ISH
3.  Euthanasia Waltz
4.  Isis Mourning
5.  Malaga Virgen

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2011年4月29日 (金)

Tim Millerが参加。Janek Gwizdalaのライブ音源

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Musician●Janek Gwizdala(bass)
Title●Mystery To Me(2004年)
■メーカーサイトより購入

NYを中心に活動する新進ベース奏者Janek Gwizdalaによるライブ音源です。2004年11月4日、NYで録音。どうやら観客を入れたうえでのスタジオライブのようで、いわゆるライブ会場の興奮状態を味わうことはできませんが、ガチンコ勝負の緊張感がみなぎっています。

バンドリーダーのJanek Gwizdalaに関する情報があまりに少なく大変恐縮なのですが、ギターにこれまた新進気鋭のジャズ系ギタリストTim Millerが参加しています。この人はAllan HoldsworthやBill Friselあたりの先達から適度にインスパイアされた浮遊感あふれるプレイが身上で、同じようなポジションにいると思われるBen Monderよりはジャズ寄りで、プレイスタイルはワントーンで音と音を丁寧に繋いでいくタイプ。ギターを歌わせる技術にかけては若手ギタリストの中では群を抜いているように思われます。ギタリストとしてのカテゴライズとしては「Holdsworthy」に勝手にぶち込みましたが、当然本家よりもかなりジャズ寄りではあります。

Tim Miller自身も数枚ソロ作品をリリースしていますが、ソロでは極端に音数を押さえたトリオ構成ですが、こうしたバンド形式の中で自由自在に飛翔しまくる彼のギターを聴いてみるのも面白いです♪

●Musicians
Janek Gwizdala / bass
Tim Miller / bass
Jojo Mayer / drums
Gregoire Maret / harmonica
Gretchen Parlato / vocals
Elliot Mason / keyboards,trumpet
John Ellis / sax
Mark Turner / tenor sax

●Numbers
1.  Introductions
2.  Mystery To Me
3.  Why
4.  Joshua
5.  Darkness
6.  Time Stands Still
7.  P.K.
8.  Circles
9.  A.M.S.K.
10. B's Song
11. And Another Thing

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2011年4月28日 (木)

フランス人ヴァイオリン奏者Didier Lockwoodのソロ「New World」

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Musician●Didier Lockwood(violin)
Title●New World(1979年)
■Amazon UKより購入

プログレバンド「MAGMA」の元メンバーであり、同じフランス出身のジャズ系ヴァイオリン奏者Jean Luc-Pontyの後継者と目されたDidier Lockwood(ディディエ・ロックウッド)のよるソロ作品です。1979年リリース。さりげなく参加メンバーが豪華で、鍵盤楽器にAllan Holdsworthとの共演で知られるGordon Beck、元Miles楽団の地下鉄ドラマーTony Williams、そしてゲスト扱いですが元WOLF、元Soft Machineの超絶ギタリストJohn Etheridgeが参加しています。

サウンドとしては1970年代後半に席巻した典型的なジャズフュージョンという感じですが、参加したメンツが曲者ばかりなので、若干の際どさが漂います。場をひっかき回しているのは間違いなくTony Williamsの饒舌すぎるドラミングで、予定調和にまとまろうとする楽曲に結構な毒薬をぶち込んでくれています。フリーに近いリズム隊に乗ってDidier Lockwoodの軽やかなヴァイオリンが舞うという妙な構成が続くのです。

さらに場をひっかき回しているの存在が、ゲストギタリストのJohn Etheridge。さすがにSoft Machine「SOFTS」のような弾丸ギターを炸裂させることは自重していますが、それでも相変わらずの饒舌なプレイを聴かせてくれます。

Didier Lockwoodは1982年にJack Bruceが組んだ期間限定ユニット「A Gathering Of Mind」に参加し、同年のモントルージャズフェスティバルで度肝を抜くような激しいプレイを披露します。その時の鬼神のようなプレイと比較すると、このアルバムでは若干迷いが感じられます。ゲストミュージシャンの毒気にすっかり当てられてしまったのかもしれませんね。ちなみに「A Gathering Of Mind」にはAllan HoldsworthやBilly Cobhamも参加していますが、個性派ミュージシャンを前に対等に渡り合っています。

●Musicians
Didier Lockwood / violin
Gordon Beck / piano
Niels-Henning Orsted Pedersen / bass
Tony Williams / drums
John Etheridge / guitar on The Last Blade Of Grass,Pentup House,Zbiggy
Jean-Michel Kajdan / guitar on The Last Blade Of Grass
Francis Lockwood / piano on My Memories Of You

●Numbers
1.  Vieux Pape
2.  Autumn Leaves
3.  La Munufacture De Sucre Engloutie
4.  New World
5.  The Last Blade Of Grass
6.  My Memories Of You
7.  Giant Steps
8.  Pentup House
9.  Zbiggy

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2011年4月27日 (水)

米国産ゴシックメタル風Evanescenceの1st

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Musician●Evanescence
Title●Fallen(2003年)
■ディスクユニオンで購入

「メタル音楽」が細分化をスタートさせ多くの「流派」が生まれたのは、おそらく80年代後半あたりからだと思います。その代表的な流派のひとつとしてヨーロッパを中心に席巻したのが「ゴシックメタル」。多くは女性ボーカルを中心に据えたうえで、男性のデス声が絡み合うことによって「美醜のコントラスト」が大きなアピールポイントになっています。ギターリフはあくまでもソリッドで明快、時にオーケストラやシンフォを積極的に導入しています。クラシックやオペラなどの伝統音楽との親和性も感じられるので、ゴリゴリのデスメタルよりは多くのファンを引き込んでいるように思われます。

この「ゴシックメタル」はなぜかオランダがメッカになっていてThe Gatheringなどの素晴らしいゴシックメタルバンドを輩出しました。フランス、イタリア、スペインなどのラテン系ヨーロッパや東欧圏にも広く伝搬しましたが、てっきりヨーロッパ限定だと思い込んでいました。ところが、何とその手の音楽には無縁と思われた米国でも「ゴシックメタルブーム」が巻き起こり、「最後の切り札」として登場したのがこの「Evanescence」(エヴァネッセンス)。2003年にリリースされた1stがこれです。

もともとは『デアデビル』という映画のサウンドトラック盤にEvanescenceの楽曲が採用されたことで、爆発的な人気を呼び、まったく無名だった彼らが一躍スターダムにのし上がったとのこと。私はその映画を観たことがないのですが、なるほど、彼らの楽曲は映像に馴染みやすい傾向をもっています。適度にドラマチックであるものの、かと言って映像を邪魔するほどの強烈なインパクトが有るわけではない。ゴシックメタルという看板を掲げているものの、米国的にブラッシュアップされたアレンジによって、大衆化されているからです。

したがって壮大で骨太な力強さと土着性にあふれる欧州系ゴシックメタルとは一線も二線も画します。緻密に計算されたサウンドは確かに一聴に値します。しかし、すべてメジャー志向が優先される米国では、欧州的な憂いや心のヒダのような「無駄」までをも排除してしまうので、結果としてのっぺりとした無表情な音楽に仕上がってしまう嫌いがあります。

確かにAmy Lee(エイミー・リー)のボーカルは素晴らしいのですが、聴いて一発で彼女の声だとわかるかというと若干疑問に感じます。つまり、強烈な個性に欠けるのです。したがってこのEvanescenceをもってして、「ゴシックメタルってこんな感じの音楽なんだ」と思われることには強い抵抗感を覚えます。でも、日本人ってこうしたメジャー感をこれでもか!と振りまく音楽にからきし弱いんですよね。そういえば、日本のアニメソング、通称「アニソン」もEvanescenceをパクったような楽曲が目立ちます。取っつきやすいし、映像にもフィットするし、という安易な発想が見え隠れしてしまいます。

関係ありませんが、昨夏に元女性アイドルの薬物事件で、ニュース映像のBGMにやたらとEvanescenceが使われていました。いい迷惑ですよね。

●Musicians
Amy Lee / vocal
Ben Moody / guitar
David Hodges / keyboard
Francesco DiCosmo / bass
Josh Freese / drums

●Numbers
1.  Going Under
2.  Bring Me To Life
3.  Everybody's Fool
4.  My Immortal
5.  Haunted
6.  Tourniquet
7.  Imaginary
8.  Taking Over Me
9.  Hello
10. My Last Breath
11. Whisper

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2011年4月26日 (火)

ギターシンセの名手John Abercrombieの「Current Events」

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Musician●John Abercrombie(guitar,guitar-synthesizers)
Title●Current Events(1986年)
■ディスクユニオンで購入

ECMを代表する知性派ギタリスト、John Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)がやはりECMを代表するベースの名手、Marc Johnson(マーク・ジョンソン)、Peter Erskine(ピーター・アースキン)と組んで作ったEDM珠玉の名盤です。1986年リリース。

Abercrombieは1970年代後半あたりからギターシンセを積極的に導入し、さらに彼しか出せないサスティーンサウンドに磨きをかけることによって、叙情的で独自の空気感を漂わせる作品を残してきました。この作品はAbercrombieが追究してきた音楽観の集大成とも言える作品で、魅力がぎっしりと詰まっています。

何とも不思議なグルーヴ感をもつ#1「Clint」で聴かれるギターシンセの素晴らしさはもちろん、続く#2「Alice In Wonderland」でのあまりにも美しいプレイは、数あるECMサウンドの中でも間違いなくベスト3に入る名演です。原曲がもつ幻想的で邪気のない世界をとてつもなく速いパッセージで再現する圧倒的なテクニックは流石の一言。極端な話、この1曲のみを聴くためにこのアルバムを購入しても十分にお釣りが戻ってくるはずです。

作品を通して聴いてみるとAbercrombieのギターシンセが作り出す独特な空気感は、これまたほかのプレイヤーでは再現不可能なものであり、間違いなくギターシンセを持たせても第一人者だと断言できます。これまで多くのギタリストがギターシンセにチャレンジしてきましたが、多くはキーボードの代用品で終わってしまう残念な結果に終わっているように思います。ところがAbercrombieは、ギターに加えてさらに新しい楽器として完全に手の内に入れているだけでなく、作品全体の中でギターシンセをどのように使うべきかを緻密に計算しています。時々使うエレクトリック・マンドリンも合わせて(最近ではあまり使いませんが)、まさに音の魔術師たるゆえんです。

このトリオは1988年にボストンでのライブ音源を残していますが、これは「Current Events」のライブバージョンという趣。2枚を聴き比べてみると大変興味深いと思います。まあ、ECMファンなら当然おやりになっていると思われます♪

●Musicians
John Abercrommbie / guitar,guitar-synthesizers
Marc Johnson / bass
peter Erskine / drums

●Numbers
1.  Clint
2.  Alice In Wonderland
3.  Ralph's Piano Waltz
4.  Lisa
5.  Hippityville
6.  Killing Time
7.  Still

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2011年4月25日 (月)

Dirk Kによるブルージーなライブセッション「Live At The Baked Potato」

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Musician●Dirk K(guitar)
Title●Live At The Baked Potato(1998年)
■メーカーサイトより購入

LAを中心に活動するフュージョン系ギタリストDirk Kのよる唯一のライブ音源です。1998年3月25日、LAにある有名なジャズクラブ「Baked Potato」で収録されていますが、参加メンバーが実に豪華。ドラムに元Weather ReportのPeter Erskine、ベースにドイツ出身の技巧派Jorg JK Kleutgensというトリオ構成です。

日本ではいまひとつ知名度が低いDirk Kですが、当欄のおぼろげな記憶ではいかにもLAっぽい「爽やかフュージョン系ギタリスト」という芸風だった思います。しかし、音源を聴いて吃驚!なんとも渋味あふれるブルージィーなギターを聴かせてくれています。決して派手に歌いあげることなく、丁寧に丁寧に音と音を繋いでいく真摯なプレイは一聴の価値ありと断言できます。

リズム隊も凄いですね。大ベテランPeter Erskineの安定感あふれるプレイは言うに及びませんが、硬質な「JK」のベースもかなりのツボです。当欄はやたらと「トリオ構成ライブ」が好きなのですが、各メンバーがもてる力を十二分に発揮しつつ、奇跡のようなバランスをもたらすライブ音源となると、意外に思いつきません。やたらと渋味あふれるブルースですが、ほとんど話題にならないようなのでご紹介しました♪

●Musicians
Dirk K / guitar
Peter Erskine / drums
Jorg JK Kleutgens / bass

●Numbers
1.  5-Blues
2.  Nivi's Smile
3.  Never Gonna See U Again
4.  Savana
5.  La Habra
6.  The Way Of The Dodo
7.  Fire Dance

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2011年4月24日 (日)

米国産HMバンド「Autograph」の再結成(?)アルバム「BUZZ」にHelmerichが参加

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Musician●Autograph
Title●Buzz(2003年)
■Amazonより購入

80年代に活躍した米国産HMバンド「Autograph」の再結成アルバムです。大変申しわけありませんが、この「Autograph」の全盛期というものを知らないのですが、以前からのファンの方の言葉を拝借すると「Night Rangerばりの明るいギターリフにサミーヘイガーばりのボーカルが乗る心地良いハードポップサウンド」だったとか。なるほど、「典型的なLAメタル」だったわけですね。

どうやらバンドは解散状態にあったようですが、2003年頃に再結成されたようです。そこでリリースされたのがこの「BUZZ」という経緯のようです。当欄の注目点は、バンドの盛衰よりも、誰がギターを弾いているかの1点のみなのですが、何と「両手タップの怪人」T.J.Helmerich(ヘルメリッチ)がリードギタリストとして三顧の礼をもって(?)迎えられています。Helmerichはスタジオエンジニアが本職なわけですが、自ら磨きをかけた両手タップをひっさげてしばしばレコーディングにも参加しています。最も有名なのは、豪州出身の凄腕ギタリスト、Brett Garsed(ブレット・ガースド)との一連の共演作でしょう。

というわけで勉強不足で申しわけありませんが、このAutographというバンドを聴いたのは初めてなので、過去の作品との比較はできません。またどんな経緯でHelmerichが自身のキャリアで初ではないかと思われるリードギタリストとして迎えられたのかもわかりません。ただ、ストレートなロックサウンドの向こう側に聴こえるHelmerichの変態フレーズは異常なまでに浮き上がってしまっています。Helmerichは先に触れたようにBrett Garsedと活動を共にすることが多いのですが、このような「正統派ロック」との出会いは恐らく初めてではないでしょうか? 古くからのAutographのファンにとっては、Helmerichが次から次へと生み出す変態フレーズの数々は、ほとんど劇薬のようなものではないでしょうか。これは冗談ではなく「Helmerichが何か失礼なことをしでかさなければいいのに」と心配になってしまいます。

ただこれだけは言っておきたいのですが、このアルバムでのHelmerichのプレイはかなり「抑えめ」であって、変態ギター好きの当欄としてはかなり物足りなく感じられます。Autographファンの方がこのアルバムで彼に興味をもち、何の心の準備をしないまま彼の一連の音源を聴いてしまうと、あまりの変態性にあてられて間違いなく卒倒してしまうでしょう♪

●Musicians
Steve Plunkett / vocal,guitar,keyboards
T.J.Helmerich / lead guitar
Matt Laug / drums
Lance Morrison / bass

●Numbers
1.  Break A Sweat
2.  Shake The Tree
3.  Shes The Reason
4.  Fed Up With Bein Down
5.  That
6.  Party Like We Did
7.  Buzz
8.  Like It Hot
9.  Heart Raper
10. Cant Stop Rockin

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2011年4月23日 (土)

ポーランド産テクニカルデス「Decapitated」の4th「Organic Halucinosis」

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Musician●Decapitated
Title●Organic Halucinosis(2006年)
■Amazonより購入

ポーランドを代表する4人組ブルータルデスメタルバンド「Decapitated」(ディキャピテイテッド)による4枚目のアルバムです。2006年の作品。

メンバーが10代のときのデビュー作「Winds of Creation」からして末恐ろしいまでの早熟な完成度を見せていた彼らですが、このアルバムではテクニカル系デスバンドとしての一定の地位を築いたかのような高い完成度を見せています。ブルータルデスと言えども、目まぐるしいまでの変拍子と変調の嵐にはさらに磨きがかかり、予定調和を一切許さない変幻自在の展開は見事のひと言。それを支える高度なテクニックは、デスメタルバンドの中では最高レベルに達したのではないでしょうか。テクニカルとブルータリティーはある意味相反するものだと個人的に思いますが、それぞれを非常に高いレベルで両立させ維持する力量には感服します。とにかく内臓を下からズンズン突き上げるような、ド迫力のプレイに黙って身を任せましょう。

日本盤のボーナストラック(2曲)は2004年12月10日イギリス・ノッティンガムでのライブ音源で2nd「Nihility」(2002年)からアルバムタイトル曲ともう1曲。「Nihility」のとてつもなく速いパッセージをスタジオ盤にまったく遜色ないレベルで再現しています。彼らの実力を再認識するうえでも格好のプレイです。

●Musicians
Vogg / guitar
Covan / vocal
Martin / bass
Witck / drums

●Numbers
1.  A Poem About an Old Man 
2.  Day 69 
3.  Revelation of Existence (The Trip) 
4.  Post (?) Organic 
5.  Visual Delusion 
6.  Flash- B(L)ACK 
7.  Invisible Control 
8.  Nihility(Anti-Human Manifestro)(bonus)
9.  Spheres Of Madness(bonus)

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2011年4月22日 (金)

CharとVanilla Fudgeリズム隊とのプロジェクト「CBA」

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Musician●CBA
Title●CBA Live(1999年)
■Amazonより購入

1960年代後半に一世を風靡した「アートロックムーブメント」。私の理解ではビートルズやストーンズなどのメジャーな存在との差別化から「ニューロック」などとも言われていたように思います。折からのヒッピーブームと結びついて生まれJimi Hendrixを生み出した「サイケデリックロック」などと並行して、新しいロックとして認知されていました。この「アートロックムーブメント」を牽引したのがVanilla Fudgeと「サテンの夜」でお馴染みのMoody Blues、そして「青い影」のProcol Harumなどで、やがて1968年にメジャーデビューを果たした第1期Deep Purpleなどへと引き継がれていきます。もっともDeep Purpleはいつまでもアートロックなんぞやっているわけにはいかないだろう、というわけでRitchie Blackmoreの主導によってHR路線へ一大転換し、大成功を収めたわけですが、少なくとも第1期DPはVanilla FudgeやProcol Harumからの影響が濃厚でした。

Vanilla Fudgeといえば個人的には何といってもシュープリームスのカバー「Keep Me Hangin' On」でモータウンサウンドがアートロックに化けてしまうアレンジと同時に何ともサイケデリックな作風に驚いたものです。

やがてVanilla Fudgeのリズム隊Tim Bogert(vocal,bass)Carmine Appice(vocal,drums)はグループ脱退後、Cactusを経て1972年にJeff Beckと合流します。いわゆる「BBA」の誕生です。Jeff Beckがなぜこの2人に注目したかは定かではありませんが、テクニカルかつファンキーなTim BogertとCarmine Appiceの音楽性と当時のJeff Beckが志向していた作風がマッチしたのでしょう。しかし、この夢のプロジェクトも1枚のスタジオ盤と2枚組のライブ盤、そしてリリースされなかった幻の2ndを残して解体してしまいます。どうもJeff BeckとTim Bogertとの仲が最悪だったようで、とにかく目立ちたがるTim BogertにJeff Beckが嫌悪感を抱いていたようです。BBAの日本公演を収めたライブ音源は最悪の人間関係の中で収録されましたが、そんな事情もあってか日本限定発売という扱いに。Jeff Beckとしては出来も悪い音源が世界中に流通することが我慢できなかったのでしょう。

さて、この「CBA」ですが、Char本人がVanilla Fudgeの個人的なファンであったこと、もちろんJeff Beckのファンであったこと、そして98年に音楽番組の企画でCarmine Appiceと共演したことが伏線にあるようです。1999年12月に東京、名古屋、神戸で行われた音源が収められています。BBA時代の曲、そしてPink Cloud、JL&C時代レパートリーで構成されています。お世辞にも音質が良好とはいえず、またプレイ自体も万全とは言えない仕上がりです。特にTim Bogertの声量は全盛期にほど遠く、年月の流れを感じざるを得ません。しかし、根底に流れるロックへの熱い思いがほとばしるように溢れてきます。まず、理屈よりも気持ちが大切なんだとあらためて思わせる1枚です♪

最後に余談を。Charはある時、Jeff Beckと個人的にセッション活動をする幸運に恵まれます。Jeff Beckの自宅に招かれたCharは少年時代からの憧れの存在を目の前にして、懸命にギターを弾き続けました。もちろん無類の練習好きのJeff Beckも負けじと応戦したそうです。何時間か経った頃、さすがにそろそろお暇しようとCharは丁寧に感謝の意を示し、Jeff Beckの家を後にしようとしました。しかし、Jeff Beckは途端に不機嫌になってしまい自室にこもってしまったそうです。呆気にとられているCharの前に当時の奥さん(Jeff Beckは何回も結婚離婚を繰り返しています)が現れて、「ごめんなさいね、いつもあんな感じなの」などと慰めてくれたそうです。Jeff Beck本人としては「あいつがセッション活動したいからつき合ったのに、どうしてもっとギターを弾こうとしないのだ」というのが本音だったようです。決してCharが失礼なことをしでかしたというわけではありません。恐るべし、Jeff Beck!

ちょっと興味深いのでVanilla Fudge時代の映像も♪Tim Bogertの珍妙な動きもさることながら、ゴーゴーガールも時代を感じさせます。「オーロラ3人娘」ではありません♪

本稿とは直接関係ありませんが「BBA」の貴重映像♪

で、こちらが「CBA」です。BBA時代の名曲「Lady」♪

●Musicians
Char / guitar,vocal
Tim Bogert / bass,vocal
Carmine Appice / drums,vocal

●Numbers
1.  Evil
2.  Parchman Farm
3.  Satisfied
4.  Lady
5.  11 Years
6.  Rosalee
7.  Share The Wonder
8.  Drive Me Nuts
9.  Why Aren't You Ready
10. Future Child

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2011年4月21日 (木)

Greg Howeの2nd「Introspection」も紙ジャケットで聴いてみる

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Musician●Greg Howe(guitar)
Title●Introspection(1993年)
■Amazonより購入

Greg Howeが兄アルと組んでいたHMバンド「HoweⅡ」を辞めてソロ転向後にリリースした2ndアルバムです。1993年発表。1st「Greg Howe」と同様、昨年にリマスター&紙ジャケット仕様で発売されたので購入してみました。

この2ndと1stについて、以前、某巨大通販サイトにレビューを書いたことがあるのですが、当時大きな勘違いをしていまして、てっきり「HoweⅡ」を解散してからソロデビューを果たしたのだと思っていたら、実際は1st→HOWEⅡで2枚→2nd「Introspection」という時系列だったのですね。某巨大通販サイトのレビューを訂正したいのですが、なんだか面倒でもあるので、ここでお詫びして訂正させていただきます。

さて、1stをリリースした当時はシュラプネルレコードの総帥、マイク・ヴァーニィーの「ネオクラシカル絶対主義」の意向もあってやや迷い気味の感もあり、また「HOWEⅡ」時代はグループという制約もあって、本当にやりたいことができないジレンマもあったのでしょう。この2ndでは思い切り「ジャズフュージョン路線」へとシフトチェンジしてきました。

奏法的にもレガートとタッピングの多用によって、クリーンかつ流れるようなフレーズへと大きな変貌を遂げます。といいつついたずらにテクニックに走るのではなく、「歌心が感じられるフレーズ」はGreg Howe特有のものであり、かつアフリカン特有なファンキーな要素も加わって唯一無比のギターインストに仕上がっています。

ちなみに#5「Desiderata」は難病で闘病中のジェイソン・ベッカーに捧げた曲です。何とも美しいアルペジオが泣かせます。


●Musicians
Greg Howe / guitar, keyboard, engineering, production
Kevin Soffera / drums
Alsamad Caldwell / bass
Vern Parsons / bass
Chris Midkiff / mixing
Kenneth K. Lee, Jr. / mastering

●Numbers
1.  Jump Start
2.  Button Up
3.  Come And Get It
4.  In Step
5.  Desiderata
6.  No Place Like Home
7.  Direct Injection
8.  Pay As You Go

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2011年4月20日 (水)

Gordon BeckとJohn McLaughlinによるポップカバー集

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Musician●Gordon Beck(piano)
Title●Experiments With Pops(1966年)
■ディスクユニオンで購入

ヨーロピアンジャズを代表する鍵盤楽器奏者で映画「フレンチ・コネクション」のサントラ音楽で有名なGordon Beck(ゴードン・ベック)が1966年に録音したポップナンバーのカバーアルバムです。Gordon BeckといえばのちにIan Carr(イアン・カー)率いる「Nucleus」に籍を置いたり、フリー系ドラム奏者John Stevens(ジョン・スティーヴンス)との共演を契機にAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)と何枚かの作品を残したりと、英国ジャズロック界で重要な働きをしてきました。そういえば1986年にAllan Holdsworthが2回目の来日公演を果たしたとき、ツアーメンバーとして来日しています。

このアルバムはポップスナンバーのカバーですが、1966年当時はまだジャズロックが生まれる前の話です。参加メンバーを見て吃驚!ギターに無名時代のJohn McLaughlin(クレジットはなぜかJohnny McLaughlinとなっています)、Jeff Clyne(bass)、Tony Oxley(drums)という全員がのちに英国ジャズロックの中心人物になる面子です。Jeff ClyneとTony OxleyはJohn Stevensと行動を共にしフリージャズ路線へ、John McLaughlinは言うまでもなくMiles楽団に加入することで一躍有名になり、Tony Williamsとの共演を経て70年代初頭に「Mahavishunu Orchestra」を結成します。ともあれ、この時期はほとんど無名の存在だったはずです。

このアルバムで興味深いのが#2「Norwegian Wood」と#3「Sunny」の2曲。前者は言うまでもなくレノン・マッカートニー作の名曲ですが、モダンジャズ風にアレンジすることにまったく異なった曲として新たな息吹が吹き込まれたかのようです。McLaughlinの躍動感あふれる溌剌としたギタープレイが実に新鮮で、12弦ギターと生ピアノのユニゾンは息を飲むほど美しいプレイです。McLaughlinはディストーションなどのエフェクターはほとんど使っておらず、ほぼ生音に近い感じ。それでも「McLaughlin特有の手癖」はすでに顕著ですでにプレイスタイルが確立されていたわけです。おっと、レノン&マッカートニー関連では「Michelle」も取り上げられております。

かたや「Sunny」は黒人歌手Bobby Hebb(ボビー・ヘブ)による大ヒット曲ですが、こちらはBeckによるピアノソロ。本音を言えばギターも聴きたいところですが、ソウルフルな原曲イメージが華麗なヨーロピアンジャズに変身させてしまうワザは流石の一語。蛇足ですがこの「Sunny」は勝新太郎や和田アキ子、最近では加護亜依によってカバーされています。Pat Martinoも「Live!」でカバーしていましたね。Hebbの曲は続く#4「Up,Up And Away」でもカバーされていてこちらではMcLaughlinが大活躍しています。何とも流麗で美しいギターソロはこのアルバムでの最大の聴きどころです。

このアルバムの存在自体、あまり知られていないようで数年前にディスクユニオンが輸入販売したときはちょっとした話題になっていました。若きジャズロックの天才たちの軌跡を探るうえでも重要な作品だと思います。

●Musicians
Gordon Beck / piano
Johnny McLaughlin / guitar
Jeff Clyne / bass
Tony Oxley / drums

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2011年4月19日 (火)

Mick Goodrick / Biorhythms(1990年)

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Musician●Mick Goodrick(guitar)
Title●Biorhythms(1990年)
■Gem.comより購入

長らくECMレーベルでヴィヴラフォンの巨匠Gary Burtonのバックを務めていたギタリストMick Goodrick(ミック・グッドリック)が1990年に出したソロ作品です。GoodrickといえばECMに「In Pas(s)ing」という大変地味な感じの作品を残していますが、このアルバムでは生来の(?)引っ込み思案的なプレイから一転して、実に意欲的な作風に仕上がっています。いまも現存するかは不明ですがドイツのフュージョン専門レーベル「CMP」がリリース。そういえばAllan Hpldsworthの盟友Chad Wackermanのソロを出したレーベルですね。

いきなり冒頭「In Praise Of Bass Desires~Thramps」から変則リズムに乗ってGoodrickのギターが左右に飛翔し、「おっと!新境地開拓か!」と思わせる展開。これまでのしっとりとひっそりとバックから支える奏法から一転してフロントに出てきたという感じです。変てこなポリリズムの中で楽しそうに弾きまくるGoodrickの姿が目に浮かびます。相変わらずとらえどころがないギターであることには違いないのですが、ほかのアルバムとの比較では圧倒的な露出量なので、何となくこの地味なギタリストの個性が把握できたように思います。

そもそもGoodrick自身は名門バークリー音楽院の出身で、ECMを代表するJohn Abercrombieとほぼ同期。プロ活動のかたわら同校のギター科で教鞭をとり、教え子にはPat MethenyやBill Frisellなどのビッグネームがいます。キャリアから考えてももっと注目を集めても不思議ではないのですが、いかんせんサイドマンからスタートしたのが地味な人生の始まりだったのかもしれません。ソロ作品も大変少なく、寡作の典型のようなミュージシャンです。とはいえ、地味なながらにもキラリと光るプレイに注目しましょう。

●Musicians
Mick Goodrik / guitar
Hervie Swartz / bass
Gary Chaffee / drums

●Numbers
1.  In Praise Of Bass Desires~Thramps
2.  H.,D.&L.
3.  Falling Grace
4.  Somethig Grace
5.  Biorhythms
6.  Groove Test
7.  Bl'ize Medley~Not Soon Forgotten~Her Manic-Manner Moods~Double Helix
8.  What's The Point
9.  (I'll)Never Forget

R0010549

2011年4月18日 (月)

あら?いつの間にかオープン発売になっていたJohn Petrucciの「Suspended Animation」

R0010580
Musician●John Petrucci(guitar)
Title●Suspended Animation(2005年)
■オフィシャルHPより入手

「Dream Theater」のギター奏者John Petrucci(ジョン・ペトルーシ)が2005年にリリースしたソロアルバムです。テクニカル系ギタリストとして多くの注目を集めるプレイヤーですが、このソロアルバムは当初HPでのみ限定発売ということで、当時はかなり苦労して入手した記憶があります。CDの個人輸入を経験された方ならご理解いただけると思いますが、商品代金のほかに郵送料がかかるのですが、サイト指定の郵送方法によっては商品と同額くらいの送料がかかることも珍しくありません。たとえば同じAir Mailでも通常便と速達便があって、速達便だと結構な値段がかかるのです。いくら円高の恩恵があるといっても送料はできるだけ節約したいものです。

さて、John Petrucciに関して説明することは野暮なので控えますが、キーボードの印象が強い「Dream Theater」から鍵盤を抜いたトリオ編成という感じで結構楽しめます。正確無比な超絶技巧を誇るPetrucciのギターを楽しみたい人には強力推薦したいギターインストアルバムです。加えて楽曲もバラエティに富んでいてズ抜けた作曲能力をヒシヒシと感じます。一言でいってギターも曲も十二分に楽しめるアルバムです。その意味ではSteve VaiというよりもJoe Satrianiの作品に近いという印象。ギター好きの人はやはり必須アイテムでしょう。

ところで冒頭で触れたとおり、当初はHP限定ということで必死になって(?)入手したこのアルバム。気がついたらふつうにAmazonで売っているではないですか!いや、素晴らしい作品が多くに人の手に渡ることはとても素敵なことだと思います。でも、オフィシャルHPで入手できなかった人が悪質な転売屋から法外な値段で泣きながら入手した経緯も目にしてきたわけで、ちょっと複雑な気持ちです。さらに白状すると「ワシは普通の方法では手に入らない音源を持っておる」という無意味な虚栄心も、オープン発売によって無惨に打ち砕かれたのです。

●Musicians
John Petrucci / guitar
Dave Larre / bass
Dave Dicensi / drums
etc,

●Numbers
1.  Jaws of Life
2.  Glasgow Kiss
3.  Tunnel Vision
4.  Wishful Thinking
5.  Damage Control
6.  Curve
7.  Lost Without You
8.  Animate-Inanimate

R0010581

2011年4月17日 (日)

Holdsworthの盟友Gary Husbandのピアノカバーアルバム

R0010564
Musician●Gary Husband(piano)
Title●The Things I See Interpretations Of The Music Allan Holdsworth(2004年)
■Yahoo!オークションより購入

テクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworth(アラン・ホールズワース)「I.O.U.」の頃から共に活動をしているGary Husband(ゲイリー・ハズバンド)によるピアノソロアルバムです。2004年リリース。この人、「I.O.U.」当時はドラム担当で「ドタドタ」「バタバタ」とがむしゃらに突き進む感じのプレイでしたが、ZappaバンドからChad Wackermanが加入することによって出番が減ってしまうという憂き目を見ます。

では、鍵盤楽器もできまっせ!とアピールするものの、今度は本職のSteve Huntがやってきたりと、どうも上手く事が進みません。その後、Gary Novak、Kirk Covington、Vinnie Colaiuta、Mac Hineなどのドラム奏者がやってきて、Husbandの出番は相対的に減少していきます。そんな苦しい状況でも、近年では「Dirty & Beautiful Vol.1」(2010年)という自身のアルバムに、Holdsworthを三顧の礼で迎えるなど、相変わらずの蜜月状態が続いています。Holdsworth自身、どうもここぞという時は一番テクニカルで腕達者なChad Wackermanを起用してるように個人的には思えます。

そんな状況の中、あらためて師匠であるHoldsworthへの忠誠心を誓ったのが、このピアノカバー集です。たぶんHoldsworthの楽曲をギターならまだしも、ピアノでカバーしようなどという酔狂な考えをもつミュージシャンは空前にして絶後でしょう。で、実際に聴いてみるとこれが意外に良かったりします。原曲をそのままナゾルのではなく、適度なアレンジが効いています。以前、師匠Holdsworthの作曲能力の欠如ぶりをTwitter上で呟いたところ、執拗な抗議を受けたことがありますが、こうやって違う楽器、違うアレンジで聴き直してみると案外捨てたものではありません。でも、だからと言ってTwitterでの前言を撤回するつもりはありません。Holdsworthは卓越したギター奏者ですが、コンポーザーとしての才能に恵まれているとは思えないのです。「美しいフレーズを弾くではないか」と反論もあるとは思いますが、それはギタープレイヤーとしての範疇で語るべき話だと思います。

ところでそんな涙ぐましい努力の甲斐あって、このアルバムには師匠から感謝の言葉が寄せられています。「涙がこぼれた!」と。たぶんその言葉を引き出せただけでもHusbandの思いは達成されたのではないでしょうか。これに味をしめたのでしょう。Husbandは2006年に「A Meeting Of Spirits - Interpretations Of The Music Of John McLaughlin」というJohn McLaughlinカバー集をリリースしています。

動画はMcLaughlinカバーのものです。

●Musician
Gary Husband / piano

●Numbers
1.   The Sixteen Men Of Tain 
2.   Shadows Of 
3.   Temporary Fault 
4.   Out From Under 
5.   Mr. Berwell 
6.   The Things You See 
7.   Wish 
8.   Devil Take The Hindmost 
9.   Kinder 
10.  Looking Glass 

R0010565

2011年4月16日 (土)

日本発のジャズロックユニット「Magritte Voice」の唯一の作品

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Musician●Magritte Voice
Title●same(2002年)
■Amazonより購入

浅川マキのサポートメンバーからキャリアスターとしたベース奏者、富倉安生が中心になって結成されたジャズユニット「Magritte Voice」による唯一のアルバムです。勉強不足につき初めて名前を知ったのですが、参加したグループ・歌手をざっと列挙しますと、和田アキラ、大村憲司、鈴木茂、金子飛鳥、トランザム、ミッキー吉野…とビッグネームばかり。参加メンバーは河野道生(drums)、古川望(guitar)、鈴木昌之(keyboards)、Tauko(vocal)という面子。Taukoという女性ボーカルはプロ活動としてはこのアルバムが2枚目の参加作になるようです。

さて、曲はというと正当派ジャズロックという感じで、かなり聴かせます。ギター好きの当欄の注目はギターの古川望氏。某ギター誌で連載をもっていたのでスター好きにとっては有名だと思いますが、デビューアルバム「羅麗若(ラレーニャ)」(1982年)から「日本のHoldsworthy」として一部マニアから注目されているプレイヤーです。渡辺美里や故・本田美奈子のバックも務めていたようです。2002年には兄のピアノ奏者、古川初穂と共に「古川兄弟」というアルバムをリリースしています。ここで聴かれる古川望のプレイは「Holdsworthy」の名に恥じない流麗なレガート奏法が随所で炸裂しています。

富倉安生氏のベースはこのアルバムでじっくり聴いたことになりますが、さすがに腕達者! ちょっとミック・カーンを思わせる変態チックなフレーズ回しが個人的に好みです。古川氏のギターも相変わらずのキレキレぶりで、時折聴かせる流麗なソロの美しさにはため息が出ます。Magritte Voiceが永続的なグループなのかはわかりませんが、第2弾も聴いてみたくなる作品であることは確かです。

●Musicians
富倉安生 / bass
河野道生 / drums
古川望 / guitar
鈴木昌之 / keyboards
Tauko / vocal

●Numbers
1.  Sangen-Jaya Upper Night
2.  Remains
3.  Fatal Existence
4.  Moment Of Whisper
5.  Magritte Voice
6.  Curry
7.  Warning!

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2011年4月15日 (金)

ポーランド産の超絶デスメタル「Decapitated」の2nd「Nihility」

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Musician●Decapitated
Title●Nihility(2002年)
■Amazonより購入

東欧はポーランド出身のブルータル・デスメタルバンド「DECAPITATED」(ディキャピテイテッド)による2ndです。2002年リリース。メンバーが全員10代という若さで驚異のデビュー作で驚かせた彼らが、セカンドにして「テクニカルデス」という武器を身につけて一段とパワーアップしてきました。ポーランドのデスメタルというと「Vader」がいますが、テクニカルという点では一枚も二枚も上ではないでしょうか。その意味では完全に差別化に成功しています。それにここだけの話、「Vader」は不発が多いのが難点ですが、このDecapitatedは一切の「捨て曲」がないのです。

まあとにかく楽曲は複雑さを極めていて、リズムチェンジも頻繁に行われます。計算し尽くされたギターリフと完璧にコントロールされたブラストビート。凄まじいまでの破壊力と暴虐性。これほどまでにテクニカルデスのあらゆる要素が完璧に備わったこの作品は、あまり類例をみません。1stと比較すると楽曲やテクニック面での長足の進歩は明らかですが、特筆すべきはデス声の成長力。1stでのデス声はただただ吠える感じでしたが、ここでは全体の中でどこでどうやって吠えるべきかまでをも綿密に計算されています。

楽曲としての完成度もタダモノではありません。適度のメロディックな要素とポーリッシュデス特有のダークで湿った質感を織り混ぜるあたりは、相当なインテリジェンスを感じさせます。

●Musicians
Waclaw Vogg Kieltyka / guitar
Kerim Krimh Lechner / drums
Rafal Pioyrowski / vocal
Filip Heinrich Halucha / bass

●Numbers
1.  Perfect Dehumanisation (The Answer?)
2.  Eternity Too Short
3.  Mother War
4.  Nihility (Anti-Human Manifesto)
5.  Names
6.  Spheres Of Madness
7.  Babylon's Pride
8.  Symmetry Of Zero

R0010547

2011年4月14日 (木)

イタリア出身のテクニカル系双頭ユニット「The Attitude」

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Musician●The Attitude
Title●Over Flowing(2002年)
■Gemm.comより購入

イタリアのジャズフュージョン系ミュージシャン、Salvatore Vecchio(guitar)とSimone Damiani(keyboard)による双頭ユニット「The Attitude」による恐らく唯一のアルバムです。2002年リリース。ギターのSalvatore VecchioはたぶんにGreg Howeからの影響を受けていますが、いかんせんちょっと消化不良の感がありありという感じで、ギターインストアルバムとしてはちょっと期待外れの作品。おまけに数人をとっかえひっかえで起用しているリズム隊も力量不足で、終始ドタドタバタバタという感じで何やら不穏な空気が漂います。個々の楽曲の完成度も、いまひとつ、というか評価に困るというレベルです。

アルバム唯一の聴きどころと言ってもいいのが、オランダ出身のギターモンスターRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)がゲスト参加した#5「Mr.Tone」でわずか20秒ほどの超絶ギターで存在を確認できます。Holdsworthyの実力者の片鱗が伺えるわけですが、いかんせんプレイ時間が短すぎる!このユニットの熱狂的ファンがいたら大変申し訳ないのですが、Hallebeekのソロを聴くためだけにこのアルバムを買えるのか、と真剣に考えると「かなり微妙」とだけコメントします。

●Musicians
Salvatore Vecchio / guitar
Simone Damiani / keyboard
Luca Bernazzi / bass
Gianfranco Saggiomo / drums
Richard Hallebeek / guitar
Carios / drums
Luis Casih / percussion
Andes Di Marco / bass

●Numbers
1.  Eidetic Attitude
2.  Park Condicio
3.  Dogged
4.  Singing In The Brain
5.  Mr. Tone
6.  Through The Waterfalls
7.  Hot Pinchos
8.  Jolty Area
9.  Proxima Parada

R0010563

2011年4月13日 (水)

The Beatlesのデビュー作を2009年型ステレオリミックスで聴く「Please Please Me」

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Musician●The Beatles
Title●Please Please Me(1963年)
■Amazonより購入

昨年末に期間限定廉価版が発売され、局地的な話題を呼んだ「The Beatles Box」。当欄の趣旨と照らしあわせると「最もふさわしくないチョイス」と言えるかもしれませんが、個人的には最も思い入れの深い盤であることには変わりありません。しばし、おつき合いのほどを。

とは言っても、いまさら内容に関してああだこうだと書くのは気がひけます。ライナーが結構面白いので、そのご紹介を兼ねまして。ファンの方々にとっては有名なエピソードだとは思いますが。

いうまでもなくThe Beatlesの記念すべきデビューアルバムですが、制作に費やした時間はなんと9時間45分という素早いというか、何とも荒っぽい仕事だったそうです。さらに編集とミキシングに要した時間を加えてもトータルで25時間だったとは!

よく言われるのがなぜ「モノラル録音」なのかということです。この盤がリリースされた当時は、「モノラル」が主流でステレオ盤はごく一部のオーディオ愛好家が使っていたとか。作品性云々以前の話として、広く流通させるにはモノラルでというのが当時の常識だったのでしょう。ステレオ盤が普及していくのは、1960年代中盤からの話です。日本でも家電メーカーとレコード会社がステレオ盤を認知させるために、やたらと「ステレオ録音」ということを強調していました。以前、当欄で触れたようにこの「Please Please Me」は「ステレオ!これがビートルズ!」という邦題で日本盤としてリリースされます。しかも、曲順まで変えて。ステレオ盤のベースになったのは2トラックで録音されたマスターテープ。そのため、ステレオリミックスでは右がすべての音声、左がすべての楽器という、世にも不思議な音源になっています。

ちなみに「P.S.I Love You」でドラムを叩いているのはリンゴ・スターではなくスタジオミュージシャンのAlan White(YESのAlan Whiteとは別人と思われます。Whiteは1949年生まれなので当時は13歳という計算ですし。Whiteはプラシティック・オノ・バンドで活躍しました)。どうしてもグループに参加したいリンゴはマラカスを担当しています。また「Twist  And Shout」は1日で行われたレコーディングの最後に録音されました。そのためジョン・レノンの声は荒れがちですが、それが曲のワイルドさを引き立てることに成功しています。

●Numbers
1.   I Saw Her Standing There
2.   Misery
3.   Anna(Go To Him)
4.   Chains
5.   Boys
6.   Ask Me Why
7.   Please Please Me
8.   Love Me Do
9.   P.S. I Love You
10.  Baby It's You
11.  Do You Want To Know A Secret
12.  A Taste Of Honey
13.  There's A Place
14.  Twist And Shout

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2011年4月12日 (火)

北欧の暗黒神「Opeth」の2nd「Morningrise」

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Musician●Opeth
Title●Morningrise(1996年)
■Amazonより購入

スウェーデンはストックホルム出身のデスメタルバンド「Opeth」(オーペス)が1996年に発表した2ndアルバムです。デビューアルバム「Orchid」で早くも大作志向が感じられましたが、2ndにして全曲が10分以上!トータルで66分超えという大作に仕上がっています。

前作でもエレキとアコースティック、デス声とノーマルボイスとの対比を効果的に使い分けてドラマティックな構成美で聴く者を魅了したOpeth。このアルバムではさらにその手法に磨きをかけ、静寂と轟音、叙情と激情のコントラストがより明確になった感がします。より大作志向になったことによって、耽美性まで加わったようです。とにかく抑えるべきところでは徹底的に抑え、感情を爆発させる部分ではまさに天井知らずの暴れぶり。この見事なストロボ効果に身をまかせていると、知らず知らずのうちにOpethの術中にはまってしまっている我が姿に気がつきます。

Opethの音楽性を決定づけるプログレとデスメタルとの融合は、リズム隊を一新して再スタートした次作「My Arms,Your Hearse」の登場を待つことになりますが、すでにこの時点で高い作曲能力と楽曲の完成度は隠しようもなく、一介のデスメタルバンドとは一線も二線も画しています。

ところで最後の曲(ボーナストラック)はライブ仕様なのですが、まるで高校の体育館で録音されたような今時珍しい大変劣悪な音質。でも、かえって生々しい凶暴性が直に伝わってきます。とまぁ、アバタもなんとやら…という奴で、ご容赦を!

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Johan DeFalla / bass
Anders Nordm / drums

●Numbers
1.  Advent
2.  The Night & The Silent Water
3.  Nectar
4.  Black Rose Immortal
5.  To Bid You Farewell
6.  Eternal Soul Torture (Bonus Track)

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2011年4月11日 (月)

Gary Boyleのギターが唸る「ISOTOPE」のBBCライブ

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Musician●Isotope
Title●Live At THe BBC(1973年、1974年、1977年)
■Amazonより購入

1970年代初頭から80年代はじめにかけて活躍した英国出身のジャズロックバンド「ISOTOPE」によるBBC発掘音源です。1973年、1974年、1977年に収録されたライブ音源が収録されています。ご存じのように「ISOTOPE」は活動期間の割にはオフィシャル音源がスタジオ盤3枚のみという寡作のグループで、こうした未発表音源は大変貴重です。

リーダー兼ギタリストのインド系英国人Gary Boyle(ゲイリー・ボイル)は「ISOTOPE」解体後はごく普通のフュージョンギタリストになってしまいましたが、「ISOTOPE」ではかなりのガチンコギターをバリバリ弾いていました。そんなBoyleによる4年間にわたるライブ音源が聴けるわけですが、これが予想以上の素晴らしさ!まあ、「古きよきジャズロック」といってしまえばそれまでですが、硬派なギターがこれでもか!という案配で炸裂しています。超お勧め!

●Musicians
#1~#6
Gary Boyle / guitar
Jeff Clyle / bass
Brian Miller / keyboards
Nigel Morris / drums

#7~#9
Gary Boyle / guitar
Steve Shone / bass
Geoff Downers / keyboards
sergio Castillo / drums

●Numbers
#1~#6 Radio 1 In Concert 1973/10/12
1.  Upward Curve
2.  Do The Sunshine
3.  Retracing My Steps
4.  Honky Donkey

#5~#6 Old Grey Whistle Test 1974/3/26
5.  Bite On This
6.  Upward Curve

#7~#9 BBC Peel Session 1977/8/22
7.  The Dancer
8.  Cowshed Shuffle
9.  Almond Burfl

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2011年4月10日 (日)

カナダ出身のテクニカル系ギタリストJason Saditesの2nd

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Musician●Jason Sadites(guitar)
Title●Weve(2009年)
■Abstract Logicsより購入

カナダ出身のテクニカル系ギタリストJason Saditesの2ndです。2009年リリース。デビューは2005年「Orbit」ということですからまだキャリア的には若いギタリストということになるのでしょう。相変わらず前情報など一切仕入れないで購入したのですが、参加メンバーを見て吃驚!Tony Levin、Marco Minnemann、Gregg Bissonette、Chad Wackerman、Jerry Marotta、Brett Garsedなどとジャズフュージョン界のスター達が大挙して押し掛けてきているではないですか!これはとんだ掘り出し物です。

前作を聴いていないので比較などはできないのですが、内容としてはテクニカル特有のハードフュージョンのオールインスト。Jason Saditesのギターはちょっと捕らえどころがない、若干不思議ちゃんが入った変則プレイを得意としています。変拍子を好むことから変態系にも近いかもしれません。ただこの1枚だけで正体を掴みきるのはちょっと辛いので次作以降でも注目したいと思います。ただ、楽曲の完成度としては、いまひとつの感じが強く、もう少しメリハリが欲しいなと感じさせる場面がちらほら。いや、あえてメリハリをつけないのが作風なのかもしれませんが。

当欄の一番の狙いは豪州出身の凄腕ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)。#5「Is It Safe To Go In There」という1曲のみの参加ですが、一発でGarsedとわかる切れ味抜群のソロを聴くことができます。このところ客演ばかりが目立つGarsedですが、近年のプレイの中では最上級の出来映えではないでしょうか。

●Musicians
Jason Sadites / guitars

Marco Minnemann / drums
Gregg Bissonette / drums
Matt Bissonette / bass
Chad Wackerman / drums
Jerry Marotta / drums
Brett Garsed / guitar
Tony Levin / bass
Kenny Aronoff / drums
Carlo De Lorenzi / organ
Martin Motnik / bass
Brendan Colameco / drums

●Numbers
1.  Swarm
2.  Self Evolving System
3.  Weave
4.  Oddly Enough
5.  Is It Safe To Go In There
6.  Fluid
7.  Silent Repercussion
8.  That's Gonna Leave A Mash
9.  Afterthought
10. Revers Al
11. Memetic Hazard

R0010571

2011年4月 9日 (土)

メタルフュージョン系のオールスター大会Derek Sherinian「Mythology」

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Musician●Derek Sherinian(keyboards)
Title●Mythology(2004年)
■Amazonより購入 

元Dream Theaterの鍵盤楽器奏者Derek Sherinian(デレク・シェリニアン)によるソロ名義第4弾です。2002年リリース。ご存じのようにSherinianは「Planet X」という別動隊でも活躍していますが、最近は個人名義での活動が目立ちます。ギター大好き人間のSherinianらしく毎度のように素晴らしいプレイヤーを引っ張ってきてくれます。正直な話、当欄としてはSherinian本人よりもギター目当てだったりするわけです。

今回、アルバムに参加したギタリストはSteve Lukather(スティーヴ・ルカサー)、John Sykes(ジョン・サイクス)、Steve Stevens(スティーヴ・スティーヴンス)、Zakk Wylde(ザック・ワイルド)、そしてAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)というHM畑からジャズフュージョン系まで幅広いチョイスです。支えるリズム隊に目を向けるとSimon Phillips、Tony Franklinなどとこれまた豪華絢爛。おっと忘れてはいけません、かつてマハヴィシュヌオーケストラで活躍したヴァイオリン奏者Jerry Goodmanの名前も見られます。

当欄の注目はご存じテクニカル系ギタリストの大御所Allan Holdsworth。#1「Day Of The Dead」と#7「One Way Or The Other」という2曲に参加しています。ともにJerry Goodmanが一緒というのがミソかもしれません。「Day Of The Dead」はヨハンソン兄弟との共演音源を思わせるハードメタルフュージョンという案配。つゆ払い役というか褌担ぎ的な役割を務めるのがZakk Wyldeで、一通りテーマが一巡した頃に満を持してHoldsworth御大が登場します。これが近年まれにみる大熱演で、御大自身の作品よりも客演のほうが素晴らしいソロを弾くという「定説」が残念にも当てはまってしまっています。いや、文句を言いたくなるほど凄まじいソロなのです。曲の後半はテンポアップのうえに変拍子の嵐が訪れますが、何事もなかったのように対応してしまう熟練のワザの素晴らしさにはため息しか出てきません。

もう1曲の「One Way Or The Other」はJerry Goodmanが大きくフューチャーされた曲。イントロからGoodmanとSherinianがユニゾンで激しくやり合うあたりは、かつてのマハヴィシュヌでのJan Hammerとの壮絶なバトルを彷彿とさせます。そして曲の中盤から満を持してHoldsworth御大が登場。頭が混乱するような変拍子をかいくぐって鬼神のように弾きまくる御大のソロに身を任せていると「どうして、ソロアルバムもこういうプレイが…」という素朴な疑問に行き着いてしまいます。というよりも、もう最後のソロから10年は経ってしまっているわけで。

相変わらずHoldsworth偏重の記事で大変申し訳ないのですが、メタルフュージョンアルバム、ギターアルバムとしては最高の出来であるこのアルバム。それぞれの熟練のワザが十分に堪能できます。

●Musicians
Derek Sherinian / keyboards
Steve Lukather / guitar
John Sykes / guitar
Steve Stevens / guitar
Zakk Wylde / guitar
Allan Holdsworth / guitar
Simon Phillips / drums
Tony Franklin / bass
Jerry Goodman / violin
etc,

●Numbers
1.  Day Of The Dead
2.  Alpha Burst
3.  God Of War
4.  Goin' To Church
5.  El Flamingo Suave
6.  Trojan Horse
7.  One Way Or The Other
8.  A View From The Sky
9.  The River Song

R0010594

2011年4月 8日 (金)

北欧の暗黒神「Opeth」の記念すべき1st「Orchid」

R0010500
Musician●Opeth
Title●Orchid(1995年)
■Amazonより購入

北欧スウェーデンが生んだ暗黒神「Opeth」(オーペス)が1995年に発表した記念すべき1stアルバムです。バンド名は「月の町」という意味だそうです。叙情的で1曲1曲が長尺というスタイルは、すでにデビュー作で確立されています。範疇としてはメロディック・デスメタルということらしいのですが、ややスロー気味のテンポが中心の差宇風なので、激走&疾走感を求めるハードメタラーには不向きかと思えます。

非常に練り上げられた楽曲とエレキとアコースティックの対比を効果的に組み合わせたプレイは見事としか言いようがなく、高い構成力をもつ楽曲がずらり。長い尺であっても聴いていて飽きることはありません。Opethはリズム隊を一新して作り上げた3rd「My Arms,Your Hearse」あたりからデスとプログレの融合を試み始めますが、1stではプログレ色はほとんど感じられず、割とストレートなデスメタルという印象です。時折、アイアン・メイデンあたりの強い影響を感じさせます(特にギターリフ)。彼らの本質を知るうえでは、やはり3作目以降を聴くことをお勧めしますが、デビュー作にして非常に高い完成度を披露した彼らの力量には底知れぬものを感じます。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Johan DeFalla / bass
Anders Nordm / drums

●Numbers
1.  In Mist She Was Standing
2.  Under the Weeping Moon
3.  Silhouette
4.  Forest Of October
5.  The Twilight Is My Robe
6.  Requiem
7.  The Apostle In Triumph
8.  Into The Frost Of Winter

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2011年4月 7日 (木)

テキサス出身のLAメタル「Seventh Rize」にBrett Garsedが参加!

R0010582
Musician●Seventh Rize
Title●Visceral Rock(2000年)
■Amazon USAより購入

ふだんはUSA産ロックとは縁遠いのですが、好きなミュージシャンがゲスト参加しているとあれば話は変わります。テキサス出身のハードメタルバンド「Seventh Rize」の1stに豪州が生んだ超絶ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)が参加しているので入手してみました。バンド自体は4人編成なのですが、スライドギターとしてBrett Garsedが全曲s参加、おまけに知る人ぞ知るシュラプネル系ギタリストNeil Zaza(ニール・ザザ)がソロとして2曲に参加しています。よく見たらプロデューサーにBobby Rockの名前が。Bobby RockはNelsonやGarsed & Helmerichの作品でドラムを担当していた人です。となれば、Garsed参加はBobby Rockつながりということになりますね。

サウンド自体はLAメタルの流れを若干感じさせる良い意味でも悪い意味でも「典型的なアメリカンハードロック」。ひたすら快活で明快なサウンドがこれでもか!とばかりに続きます。頭を空っぽにして聴くにはいいのではないでしょうか。我らがBrett Garsedはスライドギター担当なので、例の超絶ソロを聴くことはできませんが、それなりに楽しむことができます。もう一人のゲストギタリストNei Zazaは#2「Devil's Line」と#5「Taken Down By Love」という2曲に参加。これまた実に小気味いいソロを聴かせてくれます。

このアルバムは発売当初は地味で変哲もないジャケットデザインでリリースされましたが、2007年にリイシューされた時は何とも刺激的なデザインに一新されています。新しいデザインに興味ある方はこちらをどうぞ。当欄は手持ちの音源重視ということで、旧ジャケットでいきます。

●Musicians
Henry Font / vical
Jason Sullivan / drums
Darin Anderson / guitar
Gary Pinkstaff / bass

Brett Garsed / slide-guitar
Neil Zaza / guitar on Devil's Line,Taken Down By Love

●Numbers
1.  Ortni
2.  Devil's Line
3.  Hearts On Fire
4.  Divine Intervention
5.  Taken Down By Love
6.  Love Ride
7.  Sound Of A Heartbreak
8.  Mind Go Home
9.  Can't Go Home
10. No Place Of Mind

R0010583

2011年4月 6日 (水)

Holdsworthの一番の異色作「Flat Tire」

R0010568
Musician●Allan Holdsworth(guitar,synthaxe)
Title●Flat Tire(2001年)
■Amazonより購入

これまで何10枚ものAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)の作品を紹介してきましたが、個人的に最も異色な作品だと思えるのがこの「Flat Tire」(2001年)です。リリース当初はジュエルケースではなく、粗末な紙ジャケットで発売されましたが、元々プレス数も少なかったのでしょう。すぐに廃盤になってしまいました。廃盤になったもう一つの理由として、「セールス的に不評だった」も付け加えないといけません。ただでさえセールス的に大ヒットを望めないカルトミュージシャンなのに、数少ないファンの間でも「異色作」とされるわけですから無理もありません。しかし、すぐに廃盤扱いになってしまったがために、逆にプレミアがついてしまうという妙な現象が起きてしまいました。数年前に我らがディスクユニオンが全作品を紙ジャケットで再発売してくれたので、無事、再入手することができました。

アルバムのサブタイトルとして「Music for a Non-Existent Movie」(存在しない映画のための音楽)とあるように、御大Holdsworthはサントラ盤を意識してこのアルバムを作ったようです。使用楽器はほとんどがSynthaxeでまれにギターを使っています。また、ほとんどの楽曲が御大自身による多重録音で、2曲のみDave Carpenterがアコースティックベースを弾いています。

御大としてはサントラ盤を作るのが一つの願いだったようで、特にSF映画なら自信があると豪語しているそうです。しかし、当たり前のことですが映像あってのサントラ盤であって、音だけが綿々と繋がれていくサントラ盤音源は冗漫かつ散漫になる危険性を秘めています。残念ながらこのこの作品は、その悪い方向へ転がってしまっています。当欄が元々Syntheaxeが苦手ということもありますが、それにしてもやはり退屈であることには変わりがありません。

アルバムタイトル「Flat Tire」とは「パンク」「ぺちゃんこ」という意味で、自転車愛好家でもあるHoldsworthがあえてこのような自虐的なタイトルをつけたのはそれなりに意味があったのでしょう。もしかしたら離婚問題を抱えていたのかもしれません。ただでさえ内省的な性格なのに、さらに落ち込むようなタイトル。まあ、御大としてはこうやって作品化することによって何かしらのカタルシスが得られたとは思いますが、お金を払って買ったファンはたまったものではありません。

とまあ、色々な意味での異色作なのですが、再発売にあたって書き起こされた日本語ライナーもどうやって持ち上げようかと苦慮している様子がありありと伺えます。そりゃ、「これは退屈な作品です」とは間違っても書けません。音楽ライター稼業の厳しさをかいま見ました。

●Musicians
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Dave Carpenter / bass

●Numbers
1.  The Duplicate Man(intro)
2.  The Duplicate Man
3.  Eeny Meeny
4.  Please Hold On
5.  Snow Moon
6.  Curves
7.  So Long
8.  Bo Peep
9.  Don't You Know

R0010569

2011年4月 5日 (火)

Brett Garsedが参加!Harlan Cage

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Musician●Harlan Cage
Title●Harlan Cage(1996年)
■Amazon USAより購入

アメリカ出身の「Harlan Cage」というバンドのアルバムです。1996年リリース。当欄は残念なことに米ポップ事情にまったくもって疎いので、ほかの方のレビューをもとにたどっていきます。一応は「メロディアスHR」というジャンルにカテゴライズされるらしいのですが、まあ80年代に一斉を風靡したAORを現代風にブラッシュアップしたロックと書けば通じやすいと思います。リーダーのRoger Scott Craig(vo,keyboard)という人は80年代から「Fortune」というバンドで活躍し、映画サントラやCM曲などで活躍した人物であるとか。コンビを組むL.A.Greene(vo)という人は映画「トップガン」のサントラを歌った人ということですから、アメリカではそこそこ知られた人たちなのでしょう。

傾向としては大変メジャーかつ目映いばかりで、当欄としてはどちらにしても縁遠い音源なのですが、では何でこのアルバムを入手したかというと、豪州出身の超絶ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)が2曲のみ参加しているからです。#4「Wire And Chains」と#13「Let It Rain」という曲です。というわけで、かなり注意深く耳を傾けてGarsedの存在を確認しようと試みました。しかし、残念ながらGarsedは完全にバッキングに徹しているため「らしさ」の微塵も察知できませんでした。これでは、美形双子デュオ「Nelson」での扱いよりも酷いですね。こうなるとよほどのファンであっても、Garsed目当てにこのアルバムを購入するにはかなりの覚悟が必要です。

とまあ、身も蓋もないレビューになってしまいました。念のために断っておきますが、当欄は「Harlan Cage」が駄目だと言っているのではありません。ただお目当てのギタリストの扱いがあまりに酷いので個人的に憤っているだけです。よくみたらゲストギタリストと称して合計6人のプレイヤーを迎えています。Garsedを含めてどちらかというとマイナーな面子ばかり。どうも便利屋的な扱いだったようです。Garsed参加曲が見つからなかったのですが「Kiss Of Fools」という曲を貼りつけておきます♪

●Musicians
Roger Scott Craig / vocal,keyboard
L.A.Greene / vocal

Brett Garsed / guitar on Wire And Chains, Let It Rain

●Numbers
1.  Pay The Devil His Due
2.  98 In The Shade
3.  One Naked Kiss
4.  Three Nights Running
5.  Wire And Chains
6.  Kiss Of Fools
7.  Destiny
8.  Run Rebel Run
9.  Too Much
10. Sweet Salvation
11. Takin' Out The Trash
12. Silver Wings
13. Let It Rain

R0010585

2011年4月 4日 (月)

アフリカ系テクニカル系ギタリストGreg Howeの1st

R0010595
Musician●Greg Howe(guitar)
Title●same(1988年)
■Amazonより購入

テクニカル系ギタリストの虎の門、シュラプネルレコードの代表作品が昨年からリマスター&紙ジャケット化されて再発売されています。なぜテクニカル系ということですが、個人的には古くは70年代初頭に登場したAllan Holdsworthがその祖ではないかとにらんでいます。そして、Holdsworthのファンだったエディ・ヴァン・ヘイレンがHoldsworthのワイドストレッチ奏法を何とかコピーしようと苦肉の策として編み出した「ライトハンド奏法」をひっさげてメジャーデビューを果たしたのが70年代後半。当時のギター小僧たちはその余りに斬新すぎるアイディアに驚嘆するとともに、こぞって左指をフレットの上でバタバタとするようになりました。その後、ライトハンド奏法はタッピング、早弾きはスウィープ奏法などの多くの「流派」を生み出し、たくさんのテクニカル系ギタリストによって継承されていきます。その仕掛け元になったのが1980年に創設された「シュラプネルレコード」であり、その総帥マイク・ヴァーニーです。

マイク・ヴァーニーはゲイリー・ムーアやウリ・ジョン・ロート、マイケル・シェンカーなどのような優れたギタリストが世の中で埋もれているはずだと考え、アメリカ全土をくまなく巡り、新人発掘に勤しみます。同時に「Guitar Player誌」で新人発掘のための受け皿としてコラム記事をスタートさせます。そのコラムに応募してきたギタリストとして、イングヴェイ・マルムスティーン、トニー・マカパイン、ヴィニー・ムーアなどがいたそうです。

そんな中でマイク・ヴァーニーに見出されたのがGreg Howe(グレッグ・ハウ)です。並行して兄と組んだHMバンド「HOWEⅡ」の活動でも2枚のアルバムを残していますが、「HOWEⅡ」デビューの1年前にソロとしてリリースしたのが、このアルバムです。ベースは何とBilly Sheehan、ドラムはAtma Anurでプロデューサーはご存知マイク・ヴァーニー。

「HOWEⅡ」ではグループの中の一員としての認識しかなかったGreg Howeですが、このアルバムでは自分自身がやりたいことをすべて盛り込んだという感じで、まさに気合いが入りまくった力作です。凡庸なギタリストだとそんな気合いがカラ回りしてしまうのですが、見事にコントロールされた表現力と類まれなテクニックとのバランス、そして素晴らしい作曲能力と、まさに三拍子揃ったギターインストアルバムに仕上がっています。ギターが持てる表現力を極限にまで追究している様からは早くも求道士の雰囲気すら感じさせます。それでいてテクニック至上主義に陥らず、あくまでもギターを歌わせるワザは、いま聴き直してもため息が出るほどです。Greg Howeは2nd以降、タッピングを多用しよりテクニカルな方向へ突き進みますが、この1stは割とガリガリとピッキングしています。

1980年代後半といえば、イングヴェイが巻き起こした「ネオクラシカルブーム」の全盛期。やや飽和状態になりつつあったギターシーンにあって、若干ファンクの要素をもった新星の登場は大変な驚きで、大いに歓迎されたことは言うまでもありません。

ところで肝心のリマスター効果ですが、音圧も上がりなかなかの仕上がりです。今回の再発売はこの1stと2nd「Introspection」の2枚、そしてリッチー・コッツェンとの共作「Tilt」、そして「HOWEⅡ」時代の作品のみのようですが、できれば全作品ともお願いしたいものです。ちなみにジャケットに写るのはGreg Howe本人であり、「楽しんご」ではありません♪

●Musicians
Gerg Howe / guitar
Billy Sheehan / bass
Atma Anur / drums

●Numbers
1.  Kick It All Over
2.  The Pepper Shake
3.  Bad Racket
4.  Super Unleaded
5.  Land Of Ladies
6.  Straight Up
7.  Red Handed
8.  After Hours
9.  Little Rose

R0010596

2011年4月 2日 (土)

大震災から3週間が過ぎて

久しぶりの更新がこのような記事になるとはまったく考えていませんでした。

私が住んでいる横浜南部は大震災の直接的な影響はほとんどありませんでした。自室のCDの山の一部が崩壊したことと数時間程度の停電ですから、まあ無事と言ってもいいでしょう。

地震が起きた午後2時46分は東京恵比寿にある会社にいました。ほとんどの人間が社内にいる状況で地震を体験したわけですが、

「これは横揺れだから大丈夫」
「直下型地震じゃないから」
「出入り口は開けておきましょう」

などとお互いに声を掛け合って冷静に対処できていたような記憶があります。しかし、想像を超えた未経験の強い揺れと、波状的に発生する余震から、これは「相当な被害が出るな」とおぼろげな予感だけはしていました。それでも、いまはネットという強力な情報源があります。どこかで「きちんと情報を把握していれば大丈夫」という安心感めいたものもあったことも事実です。実際、余震が収まったころを見計らって、外に食事に出る精神的な余裕までありました。

しかし、会社の外に出てその考えが甘いことに気がつきました。電車がすべて停まってしまっているので、幹線道路は徒歩で帰宅を始めた人たちですでに一杯という状況。携帯電話がまったく通じないので、ただでさえ台数が少ない公衆電話には長蛇の人の列。運悪く小雨まで降り出す始末です。あれれ、これは本当にまずい事態になりそうだと思いながら、社に戻ると、「いや、それでも夜には電車も動くでしょう」といま考えれば楽観的な考えの人がほとんどでした。

しかし、「JR東日本は本日中の運転をすべて中止」との知らせが入ってきて状況は一変しました。確かまだ早い夕方の時点だったと思います。この時点になってこれは大変な非常時だと認識できました。いわゆる「帰宅難民」になってしまったわけですから。それでも、職場から比較的近くに住んでいる人間は徒歩で帰れないわけではありません。できれば日のあるうちに帰ったほうがいいと思うのですが、誰一人動こうとしません。やはり歩いている間に余震が起きるのが怖いから会社にとどまると口をそろえます。

どちらにしても落ち着いて仕事ができる状況ではありません、ネットで情報を探ったり、別フロアにあるテレビで地震情報を見ながら時間を過ごしていました。どのみち私自身は帰宅不可能なのですから、できるだけ体力を温存しておいたほうが得策だと判断したわけです。

やがてネット上でもテレビの報道番組でも、被害の状況が明らかになり始めました。はじめはビルなどの倒壊や火災などが被害の中心だったと思います。しかし、時間が経つと今度は津波による被害が報道され始めました。もはや大震災です。そうこうしている間にも、強い地震が間断的に襲ってきます。「これは会社に残るといっても、寝ている場合ではないな」と考え始めていました。

ユーストリームでNHKが視聴可能になると、自分の机でも被害状況がリアルタイムで把握できるようになりました。一方で、営団地下鉄、都営地下鉄、一部私鉄が運転を再開しはじめました。時間的には夜10時30分頃だったと記憶しています。帰宅可能な人にとってはラストチャンスです。それでも、フロアの人間は積極的に動こうとしません。やはり、電車に乗っている間に余震が起きるのが怖いと口を揃えます。結局、徒歩で帰った人間1人をのぞき、ほぼ全員が会社で夜を明かすことになりました。

こんな状況でも健気に仕事に打ち込む人を尻目に、私は夜通しユーストリームでNHKの中継を見たり、Twitterで情報収集をしていました。とても仕事などができる精神状態ではなかったからです。多くの人が指摘しているように、このような非常時でもっとも役立ったのが、Twitterでした。列車の運行状況などはネットよりも迅速に把握できますし、テレビで聞き逃した情報も敷衍することができたからです。また、情報収集だけではなく同じ境遇のフォロワーさんとお互いに励ましあったり、西日本にお住まいのフォロワーさんから激励の言葉をいただいていました。この時ばかりはTwitterをやっていて良かったと心から思いました。

一方で、いまでも反省しているのが、ネットの報道番組で悲惨な被害状況を見続けてしまったために、やや精神的にダメージを受けてしまったことです。不意に涙が出てきたり、急にイライラと怒りっぽくなるという症状が最近まで感じられました。また「地震酔い」にも結構苦しんでいました。周囲にはいまだに不眠症に苦しんだり、めまいが止まらず帰省した人も知っています。とはいえ、今回、情報収集にあたってTwitterをはじめとしたネットの威力を痛感したことも事実なわけで、ネットとのつきあい方に関しては自分自身の課題としないといけないでしょう。

最後に。ご存じのように関東一円では東京23区をのぞく地区で「計画停電」が実施されています。ここにきて気温が上がっているために、実施されないでいます。私自身は横浜の郊外から都内へ通勤しているのですが、ストイックなまでに節電に努める郊外駅から都内駅にたどり着くと、いかにも無駄な照明が目についてしまいます。飲食店なども、「この照明は無駄じゃないの」と思ってしまうこともしばしば。もちろん照明やエアコンを落とせばいいという訳ではありませんが、小さな心がけというか意識のもちようではないかと思います。そんな意味では計画停電を経験した人間と未経験の人間とでは、節電に対する意識付けにもギャップを感じざるを得ません。計画停電になると、当然行動がかなり制限されるわけで、それまでに「やるべきこと」「どちらでもいいこと」などと自分自身の行動を再点検せざるを得ません。電気だけでなく時間に対する意識も変わります。自由に遅くまで残業ができ、いつでも物が買え、いつでもご飯が食べられ、いつでもお酒を飲んでカラオケが歌えるという「当たり前のこと」が当たり前ではなくなるのです。そういう状況に追い込まれると、どんなにマイペースな人でも変わらざるを得ないでしょう。

問題は「どれだけ節電するか」ではなく、「いかに自分が変わるか」なんだと思うようになりました。だから悪いこと言いません。23区もいまから意識的に計画停電を実施するべきです。そして自分のライフスタイルや働き方への意識を再点検するのです。そうでもしないと、最も電力を使用する夏場になって、本当に慌てることになります。いたずらに悲観的になる必要はありませんが、この最大のピンチをチャンスに変えるくらいの意識付けは、社会の成員として最低限もっていたいですね。そう考えたら少なくとも「どうせ、これくらいの電気を使っても大勢に影響しないでしょう…」などとは思わなくなるはずなんですが。実際、そんなことを口にする人もいますが、それは意識を変えようとしていないからだと思います。

というわけで(?)更新を休んでいました当欄ですが、やっと記事を書く気力が戻ってきました。また、気楽な音楽ネタを書いていくつもりです。どうか、懲りずにおつきあいください♪

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