フランス人ヴァイオリン奏者Didier Lockwoodのソロ「New World」
Musician●Didier Lockwood(violin)
Title●New World(1979年)
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プログレバンド「MAGMA」の元メンバーであり、同じフランス出身のジャズ系ヴァイオリン奏者Jean Luc-Pontyの後継者と目されたDidier Lockwood(ディディエ・ロックウッド)のよるソロ作品です。1979年リリース。さりげなく参加メンバーが豪華で、鍵盤楽器にAllan Holdsworthとの共演で知られるGordon Beck、元Miles楽団の地下鉄ドラマーTony Williams、そしてゲスト扱いですが元WOLF、元Soft Machineの超絶ギタリストJohn Etheridgeが参加しています。
サウンドとしては1970年代後半に席巻した典型的なジャズフュージョンという感じですが、参加したメンツが曲者ばかりなので、若干の際どさが漂います。場をひっかき回しているのは間違いなくTony Williamsの饒舌すぎるドラミングで、予定調和にまとまろうとする楽曲に結構な毒薬をぶち込んでくれています。フリーに近いリズム隊に乗ってDidier Lockwoodの軽やかなヴァイオリンが舞うという妙な構成が続くのです。
さらに場をひっかき回しているの存在が、ゲストギタリストのJohn Etheridge。さすがにSoft Machine「SOFTS」のような弾丸ギターを炸裂させることは自重していますが、それでも相変わらずの饒舌なプレイを聴かせてくれます。
Didier Lockwoodは1982年にJack Bruceが組んだ期間限定ユニット「A Gathering Of Mind」に参加し、同年のモントルージャズフェスティバルで度肝を抜くような激しいプレイを披露します。その時の鬼神のようなプレイと比較すると、このアルバムでは若干迷いが感じられます。ゲストミュージシャンの毒気にすっかり当てられてしまったのかもしれませんね。ちなみに「A Gathering Of Mind」にはAllan HoldsworthやBilly Cobhamも参加していますが、個性派ミュージシャンを前に対等に渡り合っています。
●Musicians
Didier Lockwood / violin
Gordon Beck / piano
Niels-Henning Orsted Pedersen / bass
Tony Williams / drums
John Etheridge / guitar on The Last Blade Of Grass,Pentup House,Zbiggy
Jean-Michel Kajdan / guitar on The Last Blade Of Grass
Francis Lockwood / piano on My Memories Of You
●Numbers
1. Vieux Pape
2. Autumn Leaves
3. La Munufacture De Sucre Engloutie
4. New World
5. The Last Blade Of Grass
6. My Memories Of You
7. Giant Steps
8. Pentup House
9. Zbiggy
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