2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« Greg Howeの2nd「Introspection」も紙ジャケットで聴いてみる | トップページ | ポーランド産テクニカルデス「Decapitated」の4th「Organic Halucinosis」 »

2011年4月22日 (金)

CharとVanilla Fudgeリズム隊とのプロジェクト「CBA」

R0010611_2
Musician●CBA
Title●CBA Live(1999年)
■Amazonより購入

1960年代後半に一世を風靡した「アートロックムーブメント」。私の理解ではビートルズやストーンズなどのメジャーな存在との差別化から「ニューロック」などとも言われていたように思います。折からのヒッピーブームと結びついて生まれJimi Hendrixを生み出した「サイケデリックロック」などと並行して、新しいロックとして認知されていました。この「アートロックムーブメント」を牽引したのがVanilla Fudgeと「サテンの夜」でお馴染みのMoody Blues、そして「青い影」のProcol Harumなどで、やがて1968年にメジャーデビューを果たした第1期Deep Purpleなどへと引き継がれていきます。もっともDeep Purpleはいつまでもアートロックなんぞやっているわけにはいかないだろう、というわけでRitchie Blackmoreの主導によってHR路線へ一大転換し、大成功を収めたわけですが、少なくとも第1期DPはVanilla FudgeやProcol Harumからの影響が濃厚でした。

Vanilla Fudgeといえば個人的には何といってもシュープリームスのカバー「Keep Me Hangin' On」でモータウンサウンドがアートロックに化けてしまうアレンジと同時に何ともサイケデリックな作風に驚いたものです。

やがてVanilla Fudgeのリズム隊Tim Bogert(vocal,bass)Carmine Appice(vocal,drums)はグループ脱退後、Cactusを経て1972年にJeff Beckと合流します。いわゆる「BBA」の誕生です。Jeff Beckがなぜこの2人に注目したかは定かではありませんが、テクニカルかつファンキーなTim BogertとCarmine Appiceの音楽性と当時のJeff Beckが志向していた作風がマッチしたのでしょう。しかし、この夢のプロジェクトも1枚のスタジオ盤と2枚組のライブ盤、そしてリリースされなかった幻の2ndを残して解体してしまいます。どうもJeff BeckとTim Bogertとの仲が最悪だったようで、とにかく目立ちたがるTim BogertにJeff Beckが嫌悪感を抱いていたようです。BBAの日本公演を収めたライブ音源は最悪の人間関係の中で収録されましたが、そんな事情もあってか日本限定発売という扱いに。Jeff Beckとしては出来も悪い音源が世界中に流通することが我慢できなかったのでしょう。

さて、この「CBA」ですが、Char本人がVanilla Fudgeの個人的なファンであったこと、もちろんJeff Beckのファンであったこと、そして98年に音楽番組の企画でCarmine Appiceと共演したことが伏線にあるようです。1999年12月に東京、名古屋、神戸で行われた音源が収められています。BBA時代の曲、そしてPink Cloud、JL&C時代レパートリーで構成されています。お世辞にも音質が良好とはいえず、またプレイ自体も万全とは言えない仕上がりです。特にTim Bogertの声量は全盛期にほど遠く、年月の流れを感じざるを得ません。しかし、根底に流れるロックへの熱い思いがほとばしるように溢れてきます。まず、理屈よりも気持ちが大切なんだとあらためて思わせる1枚です♪

最後に余談を。Charはある時、Jeff Beckと個人的にセッション活動をする幸運に恵まれます。Jeff Beckの自宅に招かれたCharは少年時代からの憧れの存在を目の前にして、懸命にギターを弾き続けました。もちろん無類の練習好きのJeff Beckも負けじと応戦したそうです。何時間か経った頃、さすがにそろそろお暇しようとCharは丁寧に感謝の意を示し、Jeff Beckの家を後にしようとしました。しかし、Jeff Beckは途端に不機嫌になってしまい自室にこもってしまったそうです。呆気にとられているCharの前に当時の奥さん(Jeff Beckは何回も結婚離婚を繰り返しています)が現れて、「ごめんなさいね、いつもあんな感じなの」などと慰めてくれたそうです。Jeff Beck本人としては「あいつがセッション活動したいからつき合ったのに、どうしてもっとギターを弾こうとしないのだ」というのが本音だったようです。決してCharが失礼なことをしでかしたというわけではありません。恐るべし、Jeff Beck!

ちょっと興味深いのでVanilla Fudge時代の映像も♪Tim Bogertの珍妙な動きもさることながら、ゴーゴーガールも時代を感じさせます。「オーロラ3人娘」ではありません♪

本稿とは直接関係ありませんが「BBA」の貴重映像♪

で、こちらが「CBA」です。BBA時代の名曲「Lady」♪

●Musicians
Char / guitar,vocal
Tim Bogert / bass,vocal
Carmine Appice / drums,vocal

●Numbers
1.  Evil
2.  Parchman Farm
3.  Satisfied
4.  Lady
5.  11 Years
6.  Rosalee
7.  Share The Wonder
8.  Drive Me Nuts
9.  Why Aren't You Ready
10. Future Child

R0010612

« Greg Howeの2nd「Introspection」も紙ジャケットで聴いてみる | トップページ | ポーランド産テクニカルデス「Decapitated」の4th「Organic Halucinosis」 »

ロックギター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: CharとVanilla Fudgeリズム隊とのプロジェクト「CBA」:

« Greg Howeの2nd「Introspection」も紙ジャケットで聴いてみる | トップページ | ポーランド産テクニカルデス「Decapitated」の4th「Organic Halucinosis」 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
無料ブログはココログ