北欧の暗黒神「OPETH」の4th「Still Life」
Musician●Opeth
Title●Still Life(1999年)
■ディスクユニオンで購入
スウェーデン出身のプログメタルバンド「Opeth」(オーペス)が1999年に発表した4作目です。前作「My Arms,Your Hearse」(1997年)からデスメタルとプログレとの融合を試み始めた彼らですが、そのユニークなアプローチがこのアルバムですでに完成の域に達しています。また、前作から志向しはじめた「大作主義」にもさらなる磨きがかかっています。凡庸なデスメタルから叙情性と耽美性を帯びたプログレメタルへの変貌です。恐るべき成長力です。
何といってもguitar&vocalのMichael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)の力量が凄まじく、アコースティカルでリリカルなプログレ的アプローチから一転して、激情的で暗黒舞踏の世界を髣髴とさせるデスとの対比は見事としか形容できません。まるでストロボ効果のように波状的に襲いかかる美醜のコントラストにただ心を奪われているうちに、すっかり術中にはまってしまっている自分に気がつくはずです。
誰かが彼らのプログレ的アプローチを「レトロサウンド」と形容していましたが、確かに70年代前半のKing Crimson的な音作りからそう感じるのも無理はありません。Michael Akerfeldtは70年代プログレを相当聴き込んでいることは楽曲の随所から臭い立っています。そんな部分がプログレファンをも吸引するOpethの魅力なのでしょう。レトロと思われる要素(プログレ)とデスをかけ合わせるという手法が、実に新鮮な驚きを与えてくれるのも一方の事実です。まるで前人未踏の荒野を切り開くように進化を続ける魅力満載の意欲作として大推薦です。
●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass
●Numbers(Special盤のラインアップです)
[CD 1]
1. The Moor
2. Godhead\x{2019}S Lament
3. Benighted
4. Moonlapse Vertigo
5. Face Of Melinda
6. Serenity Painted Death
7. White Cluster
[CD 2]
1. The Moor
2. Godhead\x{2019}S Lament
3. Benighted
4. Moonlapse Vertigo
5. Face Of Melinda
6. Serenity Painted Death
7. White Cluster
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