2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のトラックバック

« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

2011年3月

2011年3月13日 (日)

【お知らせ】しばらく更新を休みます

連日更新を続けてきました当ブログですが、

「東北地方太平洋沖地震」のことを鑑み、また私自身の心情から

しばらく記事の更新を休ませていただきます。

更新再開時期はとくに考えておりませんが、まずは被災地に「普通の生活」が

戻ることを祈るばかりです。

2011年3月11日 (金)

スイス発のHoldsworthy-Laszlo Spiroのソロ

R0010550
Musician●Laszlo Spiro(guitar)
Title●Synergetics(2005年)
■Amazonより購入

スイス出身のギタリストLaszlo Spiro(ラスズロ・スパイロ)によるソロアルバムです。Laszlo Spiroに関しては恐らくご存じの方も少ないと思いますので、ライナーを頼りに若干のご紹介を。ハンガリー人を両親にもつLaszlo Spiroは1962年生まれ。お決まりのようにDeep Purpleなどにはまってギターを手にしますが、やがてジャズに傾倒していきます。地元のジャズギタースクールで基礎を身につけた彼は、87年に渡米し、名門バークリー音楽院へ進学します。当校ギター科で師事したのがあのMick Goodrick先生。そうです、Pat MetheneyやBill Frisellのお師匠さんです。バークリー卒業後はクラシックの素養を身につけて、2002年には初ソロアルバムを発表しています。

このアルバムは2ndにあたると思われますが、基本的にはコンテンポラリー系ジャズの系譜を汲みながら、ロック、テクノ、東洋的な民族音楽などの要素をふんだんに取り入れた意欲的なギターインストアルバムに仕上がっています。特筆すべきは、そのギターソロで、明らかに「Holdsworthy」の臭いがプンプンと漂ってきます。特に冒頭の「Omnitopology」で聴かれるソロは、テクニカル系の大御所Allan Holdsworthを彷彿とさせるもの。デジタルを多用した未来派ジャスという感じで、流れるようなレガート奏法、浮遊感あふれるヴォイシング、そして時折聴かせる超絶技巧と、確かにLaszlo Spiroのプレイは本家に通じるものを感じます。

本家が唯我独尊に弾き倒すのに対して、全体の調和を重んじるアンサンブル重視型のプレイヤーです。その意味では同じHoldsworthy、Nico Stufanoに似ています。作曲能力も本家よりバラエティーに富むという点でも共通していますね(笑)。

作品前半はなかなか緊張感あふれるプレイが続きますが、後半はギターシンセとサンプリングの比重が高まり、ギタリストとしての側面が後退してしまっているのが残念と言えば残念。ともあれ、久しぶりの個性派登場ということで次作に期待したいところです。

●Musicians
Laszlo Spiro / guitar,guitar-synthesizers
John Volrol / sax
Dietmar Ritehner / bass
Hubert Hungebner / keyboards
Reto Giacopuzzi / drums

●Numbers
1.  Omnitopology
2.  Triangular Geodesics
3.  Transformational Projection
4.  Absolute Space Growth
5.  Dymaxion Comprehensive
6.  Tube Convergence
7.  Tetrahelix
8.  Energy Event
9.  Frame Of Reference
10. Nonsimultaneous
11. Overlapping Experiences
12. The Aggregate
13. Stella By Starlight

R0010551

2011年3月10日 (木)

Brett Garsedが参加!NELSONのライブ音源がリイシュー

R0010552
Musician●Nelson
Title●Perfect Storm: After the Rain World Tour 1991/Live(1991年)
■Amazonより購入

アメリカ出身の美少年系双子デュオ「NELSON」(ネルソン)によるデビュー当時のライブ音源がリイシューされたので購入してみました。NELSONといえば「After The Rain」のヒットで知られていますが、そもそも父親のリッキー・ネルソンも歌手だったそうです。その美しい外見とキャッチーで爽やかな楽曲で90年代初頭に一世を風靡しました。てっきり自然消滅したと思っていましたが、いまなお現役で活躍しているとか。

当欄がこのNELSONに注目する理由はただ一つ。ギターに豪州出身の超絶ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)が参加しているからです。ギターの腕前はもちろん、Garsed自身がなかなかの容姿に恵まれていたこともあって、参加を要請されたのでしょうか。とにもかくもGarsedがサポート的な扱いとは言え、大観衆の眼の前に姿を現した最初の契機であることには違いません。おっと忘れてはいけません。のちにGarsedと行動を共にする剛腕ドラマーBobby Rockも参加しています。ちなみにGarsedの盟友、T.J.Helmerichも在籍した時期があるそうです。ここら辺の人事交流は「Planet X」でもそうですが、紹介が紹介を生むという感じで、非常に狭い部分で人が動いています。

アルバムの内容はというと、あくまでもNELSON兄弟が中心のユニットですから、Garsedが弾きまくるという場面はあまり期待できません。それでもライブということでスタジオ録音よりもいくぶんかは露出も多く、かつワイルドなプレイをところどころで披露しています。当たり前ですが、当時はいまのような変態フレーズを連発することはなく、HRギタリストの仮面を被ってはいますが。

リイシューということで高音質のライブ音源を期待したのですが、観客の歓声(若い女性の「キャー!」です)がすごく気になってしまい、落ち着いて聴くのが結構困難です。音質も若干こもりがちだし、バランスもお世辞にもいいとは言い難い出来です。熱心なNELSONファンにとってはそれでもうれしい音源とは思いますが、Brett Garsedのみが目当ての当欄にとっては若干辛い思いをさせられました。

●Musicians
Matthew Nelson / vocal,guitar
Gunnar Nelson / vocal,guitar
Brett Garsed / lead guitar
Paul Mirkovich / keyboard
Bobby Rock / drums

●Numbers
1.   On With The Show!
2.   Fill You Up
3.   More Than Ever
4.   Only Time Will Tell
5.   Uluru
6.   Will You Love Me
7.   (Can't Live Without Your) Love And Affection
8.   Two Heads Are Better Than One
9.   Bits And Pieces
10.  After The Rain
11.  The Legend
12.  Thank You And Good Night
13.  Interlude
14.  Everywhere I Go
15.  Keep One Heart (Bonus Track)

R0010553

2011年3月 9日 (水)

北欧の暗黒神「OPETH」の3rd「My Arms Your Hearse」

R0010496
Musician●Opeth
Title●My Arms Your Hearse(1997年)
■Amazonより購入


スウェーデン出身のプログレ&デスメタルバンドOpeth(オーペス)がメンバーチェンジを経てリリースした3作目です。1997年発売。前作「Morningrise」まではメタルはメタルでもメロディック・デスメタル色が濃厚だった彼らが、デス的要素を減退させる代わりに、プログレ的要素を巧みに導入し、独自のスタイルを確立しはじめたメルクマール的な作品です。さらに言えば、このアルバムからリズム隊が新メンバーになったことで、さらにパワーアップした点も大きいかと思われます。

具体的にはメロトロンやアコースティックギターを効果的に導入することによって、デスとプログレの合体にチャレンジし始めているのです。さしずめ70年代の中期King Crimsonとデスメタルとの邂逅とも言えるでしょうか。デスの醜悪な要素とプログレの気恥ずかしくなるような耽美な叙情性とが見事に融合して、それは素晴らしい楽曲に仕上がっています。特にアコースティックが作り出す静寂な世界から、一転して息苦しいまでの重厚な世界へと導くボーカル兼ギタリストのミカエル・オーカーフェルトの力量は見事です。かのJohn Wettonを彷彿とさせる少し鼻にかかったような甘い響きボーカルから、これまた一転して慟哭する醜悪なデス声。あまりに劇的なコントラストに翻弄されているうちに彼らの術中にどんどんハマっていくのです。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers
1.  Prologue
2.  April Ethereal
3.  When
4.  Madrigal
5.  The Amen Corner
6.  Demon Of The Fall
7.  Credence
8.  Karma
9.  Epilogue
10. Circle Of The Tyrant
11. Remember Tomorrow

R0010497

2011年3月 8日 (火)

HoldsworthとStanley Clarkeの夢の共演「Jazz Explosion Superband」

R0010470
Musician●Jazz Explosion Superband
Title●Jazz Explosion Superband Live Jam(1988年)
■ディスクユニオンで購入

たびたび「地下音源」を登場させてしまい申し訳ありません。拙ブログをご覧の方々と作品の素晴らしさを共有することが困難な「地下音源」はできるだけ避けるようにしているのですが、あまりの素晴らしさとメンツの豪華さに負けてしまい、ついついという次第です。

フュージョンベース界の大御所Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)が中心になって結成された期間限定ユニット「Jazz Explosion Superband」は特にオフィシャルな音源を残すことなく消えていきましたが、貴重なライブ音源は2つほど残っています。そのうちの1つがこのイタリアはミラノで行ったライブ音源です。1988年1月28日、PREMIER CENTER STEARLING HEIGHTSというところで収録。メンバーはStanley Clarke、Allan Holdsworth、Steve Smith、Randy Brecker、Bernard Wrightという豪華すぎて目眩がしてきそうな豪華絢爛さ。いや、ごめんなさい。Bernard Wrightという鍵盤楽器の方は寡聞にして存じ上げません。

このユニットがどのような経緯で結成されたかはよく知らないのですが、もしかしたらClarkeのソロ「If This Bass Could Only Talk」にHoldswothが参加したことからアルバムからの発生ユニットなのかもしれません。

音源はサウンドボード録音となっていますが、お世辞にも良好とはいえません。音圧も低いのでかなりボリュームを上げないと聴き取れません。地下音源なので文句を付けるわけにもいかないのですが、それでも繰り広げられている演奏は凄まじい!Breckerの電子ペットとHoldsworthのウネウネギターとの絡みが実に素晴らしく、そこにClarkeの地鳴りがするようなチョッパーが割り込んできて、凄いことになっています。この日のHoldsworthはよほど機嫌がよかったのでしょう。いつ終わりが来るのかと思わせるほど、鬼神のごとく神業のようなフレーズを連発しています。

この「Jazz Explosion Superband」によるもう一つの音源ですが、同年のNYでのライブ音源が2枚組CDとして地下流通しています。こちらもサウンドボード録音となっていますが、観客の話し声や歓声が結構な音量で聴こえてくることから、たぶん客席からの盗み撮りでしょう。ミラノよりも音質が悪く、演奏自体もやや低調。どの道、地下音源に手を出すのならこのミラノ音源のほうをお勧めいたします。

●Musicians
Stanley Clarke / bass
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Steve Smith / drums
Randy Brecker / trumpet
Bernard Wright / keyboards

●Numbers
1.    Pud Wud [Allan Holdsworth]
2.    Goodbye Pork Pie Hat [Charles Mingus]
3.    Tradition,including:Schooldays - Bass Solo - If This Bass Could Only Talk [Stanly Clarke]
4.    Drums Solo [Steve Smith]
5.    Guitar & Drums [Allan Holdsworth,Steve Smith]
6.    Sinthaxe Haul Solo [Allan Holdsworth]
7.    Joshua [Allan Holdsworth]
8.    Improvisation [Randy Brecker]
R0010471

2011年3月 7日 (月)

新進気鋭のテクニカル系ギタリストNick Matzkeのソロ

R0010514
Musician●Nick Matzke(guitar)
Title●Physical Proof(2009年)
■Amazonより購入

昨年の5月あたりから本格的に始めたTwitterですが、同好のよしみといいますか同じ趣向の方々が自然発生的に集まるような流れになってきまして、おかげさまで知らなかったミュージシャンや作品に巡り会うことができました。「たった140字で勝手に呟いていて何が面白いの?」とか「いや、じきにブームは去りますよ」と否定的な見方をする向きもありますが、まあそれは活用の仕方であって、自分なりに使いこなしていけば結構面白いものだと思います。一時のブームにただ乗った人は結局Twitterの面白味がわからずにTwitterを止めてしまうケースがあるようですが、それはどんなメディアや通信手段でも起こり得ることです。それをもって「Twitterは一過性のブームだった」と断ずるのは拙速な見解で、これからはTwitterも成熟に向かっていくのではないでしょうか。

今回、ご紹介するのはTwitterで知った新進気鋭のテクニカル系ギタリストNick Matzkeです。当欄と同じ趣向をもつ方がTwitter上で絶賛されていたので、そのまま乗ってしまいました。いやー、これが大正解!正直に言いましてこのNick Matzkeというプレイヤーの情報はまるでわかりません。自身のサイトでは初ソロということになっていますが、初めて見るファミリーネームといい、一見するサラリーマン風の風貌といい、謎多きギタリストです。

恐る恐る聴いてみると、これがドンズバ!の傑作。オールギターインスト作品ですが、全体を通して評すると「回春したGreg Howe」という感じです。1曲目からいきなり飛ばしまくる超絶技巧の嵐にすっかり魅了されてしまいました。Greg Howeよりもロック寄りでGibsonのES-335から生み出される野太い音にすっかりやられています。テクニカル系ギタリストはともすればテクニックのみに走りがちで、冗漫な感じに陥ることもあるのですが、Nick Matzkeはギターを歌わせる術を心得ています。だから、「昔のGreg Howe系」という評価にしました。

一方で、#4「Peligro」や#7「The Djinn」のようなネオクラシカル風の曲も用意されています。こちらのテイストもなかなかです。多くの先達が編み出したテクニックや表現方法を貪欲に吸収したうえで、しっかりと自分のものへと昇華できています。ただ、あえて苦言を呈しますと#8「Clean Up」のような打ち込みが前面に出すぎた曲は個人的な好みもあってあまり推奨できません。また、全体的に音が割れ気味で耳が辛い曲もありますが、ここら辺は予算の問題もあるので(笑)、次作での挽回に期待です。しげしげとクレジットをみたら「Yuka Yanagihara」という日本人プレイヤーが参加しています。

というわけで、次の作品も聴きたくなるようなプレイヤーに久々に出会えました。この素敵な出会いの機会を作っていただいたTwitter仲間の九条さんにこの場を借りて感謝申し上げます。

●Musicians
Nick Matzke / guitar,bass,keyboards,drum-programming
Ben Stueve / bass
Nate Laguzza / drums
Dave Vandigirry / drums
Yuka Yanagihara / piano
Ray Reich / keyboard

●Numbers
1.  Natural Tendencies
2.  68-44
3.  Peace Of Mind
4.  Peligro
5.  Interlude
6.  Another View
7.  The Djinn
8.  Clean Up
9.  Collision Course
10. D.R.E

R0010515

2011年3月 6日 (日)

北欧の暗黒神「OPETH」の4th「Still Life」

R0010476
Musician●Opeth
Title●Still Life(1999年)
■ディスクユニオンで購入

スウェーデン出身のプログメタルバンド「Opeth」(オーペス)が1999年に発表した4作目です。前作「My Arms,Your Hearse」(1997年)からデスメタルとプログレとの融合を試み始めた彼らですが、そのユニークなアプローチがこのアルバムですでに完成の域に達しています。また、前作から志向しはじめた「大作主義」にもさらなる磨きがかかっています。凡庸なデスメタルから叙情性と耽美性を帯びたプログレメタルへの変貌です。恐るべき成長力です。

何といってもguitar&vocalのMichael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)の力量が凄まじく、アコースティカルでリリカルなプログレ的アプローチから一転して、激情的で暗黒舞踏の世界を髣髴とさせるデスとの対比は見事としか形容できません。まるでストロボ効果のように波状的に襲いかかる美醜のコントラストにただ心を奪われているうちに、すっかり術中にはまってしまっている自分に気がつくはずです。

誰かが彼らのプログレ的アプローチを「レトロサウンド」と形容していましたが、確かに70年代前半のKing Crimson的な音作りからそう感じるのも無理はありません。Michael Akerfeldtは70年代プログレを相当聴き込んでいることは楽曲の随所から臭い立っています。そんな部分がプログレファンをも吸引するOpethの魅力なのでしょう。レトロと思われる要素(プログレ)とデスをかけ合わせるという手法が、実に新鮮な驚きを与えてくれるのも一方の事実です。まるで前人未踏の荒野を切り開くように進化を続ける魅力満載の意欲作として大推薦です。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers(Special盤のラインアップです)
[CD 1]
1.  The Moor
2.  Godhead\x{2019}S Lament
3.  Benighted
4.  Moonlapse Vertigo
5.  Face Of Melinda
6.  Serenity Painted Death
7.  White Cluster

[CD 2]
1.  The Moor
2.  Godhead\x{2019}S Lament
3.  Benighted
4.  Moonlapse Vertigo
5.  Face Of Melinda
6.  Serenity Painted Death
7.  White Cluster

R0010477

2011年3月 5日 (土)

Holdsworthが参加!Jack Bruce「A Question Of Time」

R0010462_2
Musician●Jack Bruce(bass,vocal)
Title●A Question Of Time(1989年)
■ディスクユニオンで購入

元「CREAM」のリーダーJack Bruce(ジャック・ブルース)が1989年にリリースしたソロです。Jack Bruceに関する説明などは野暮なので控えますが、数々の大物ギタリストと共演しているだけでなく、彼らに活躍の場を与えたばかりか、金銭的な援助も惜しまなかったということから、「英国ジャズロック界の親分」のような存在です。有名なエピソードをあげますと、1970年頃、John McLaughlinTony Williams Lifetimeへの参加要請を受けたもののアメリカに渡る旅費にもこと欠く極貧状態。そこで、「マクラフリン君よ、これでウイリアムス君と頑張ってきてくれたまえ」とポンとお金を出してくれたのが誰あろうJack Bruceなのです。もちろん、自身のアルバム「Things We Like」(1970年)に参加するという交換条件がついていましたが。このようにJack Bruceは若手有望ギタリストを陰日向に支えてきたので、彼が一声かければ多くのギタリストが二つ返事で駆けつけてくるわけです。

このアルバムに参加したギタリストは、Vernon Reid、Jimmy Ripp、Albert Collins、Allan Holdsworth、Malcom Bruce、Vivian Campbellという面々。Vernon Reidはリヴィング・カラー、Albert Collinsはテキサスブルースの巨匠ですね。我らがAllan Holdsworthは#7と#10の2曲に参加しています。

HoldsworthとJack Bruceの繋がりは結構あって、 Tony WilliamsのNew Lifetimeの前夜祭的セッション音源(実際のNew Lifetimeのベース奏者はTony Newton)や1982年のモントルージャズフェスでの共演、そしてHoldsworthの3rd「Road Games」へのゲスト参加などがあります。そういえばSoft Machineの残党が作り上げた「Land Of Cockayne」(1981年)でも共演してましたね。

1989年という時期はすでにHoldsworth自身も経済的に安定していたと思われるので、金銭援助的な意味合いはなかったと思われますが、一宿一飯の恩義を感じてのゲスト参加なのでしょう。#7「Obsession」という曲では相変わらずの超絶&ウネウネソロ、#10「Only Playing Games」という曲ではお得意のSynthaxeを披露しています。アンチSynthaxeの当欄としては、「Obsession」のほうに興味があるのですが、前半ソロがHoldsworth、後半ソロがVivian Campbellがとっています。

作品全体の出来映えですが、ジャズロックあり、ブルースあり、カリプソ風ありと大変バラエティに富むとだけ書きます。個人的にはあまりにまとまりがないので、ちょっとどうなのかな、と思います。例によってギタリスト偏重のレビューなのでご容赦願いたいのですが、ほかの大物ゲストとして、Nicky Hopkins、Ginger Baker(!)、Tony Williams、Zakir Hussainなどの名前が見られます。

●Musicians
Jack Bruce / vocal,bass
Vernon Reid / guitar
Jimmy Ripp / guitar
Albert Collins / guitar
Allan Holdsworth / guitar,synthaxe
Malcom Bruce / guitar
Vivian Campbell / guitar

●Numbers
1.  Life On Earth
2.  Make Love
3.  No Surrender   
4.  Flying
5.  Hey Now Princess
6.  Bruce You Can't Lose
7.  Obsession
8.  KWELA
9.  Let Me Be
10. Only Playing Games
11. A Question Of Time
12. Grease The Wheels
R0010463_2

2011年3月 4日 (金)

Brett Garsedが参加した正体不明のユニット「Jenna Music」

R0010464
Musician●Jenna Music
Title●Jenna Music(1998年)
■Gemm.comより購入

オーストラリア出身の超絶技巧ギタリストBrett Garsed(ブレット・ガースド)が参加した謎のユニット「Jenna Music」によるおそらく唯一の作品。1998年リリース。

この原稿を書くにあたっていろいろと調べてみたのですが、まったく素性がわからずで情報過多の時代にあってこんなことは珍しいことです。唯一の手がかりであるライナーをもとに探っていくとJennaという女性ボーカル兼サイドギターを中心に結成されたグループで、リードギターに我らがBrett Garsed、ベースにJames Patterson、ドラムにChristopher Allisという正体不明(失礼!)の面々。ミキシングに両手タップの怪人T.J.Helmerichの名前が見られますから、Garsedつながりの人脈であることは確かです。

どうやらJennaさんを中心としたユニットらしいのですが、出自やその後の活動に関しては全くの不明というトホホな状態です。サウンド的にはちょっと70年代の香りが漂うフォークロック的な感じで、そこそこ聴かせます。Jennaさんの若干ハスキーでハスッパな歌声も個人的にはツボです。肝心のBrett Garsedはリードギターというクレジットながらほとんどコードワークに徹しているので、Garsedらしさという点では皆無に近い状況。クレジットを見ないかぎりGarsedが参加していることに気がつくのは至難の業といえるでしょう。Garsedファンにとっては、「所有することに意義がある」盤かも。

ちなみに昨年同名の「Jenna」というオーストラリアの女性歌手がデビューしたようですが、こちらは17歳ということですから明らかに別人物かと思われます。

●Musicians
Jenna / vocal,rhythm guitar
Brett Garsed / lead guitar
James Patterson / bass
Christopher Allis / drums

●Numbers
1.  If It's Love
2.  Cracker Jack
3.  Reality Hurts
4.  Little Bit Of My Love
5.  Moving Like Water
6.  Hardest Thing
7.  Wait For Me
8.  All For You
9.  See Right Through You

R0010465

2011年3月 3日 (木)

北欧の暗黒神「OPETH」の8th「Ghost Reveries」

R0010494
Musician●Opeth
Title●Ghost Reveries(2005年)
■Amazonより購入

またまた「OPETH」ネタで恐縮です。一時期、かなり聴き込んでいたデス系バンドですが、またぞろヘヴィーローテで聴いています。「Ghost Reveries」は2005年のリリースで通算8枚目のアルバムです。遡って白状しますが、「OPETH」初体験になった個人的には記念すべき盤でもあります。中年オヤジがいい歳して何でメタル?とお思いでしょうけれど、単なるデス系メタルに終わらない彼らの多面性に籠絡された一番の理由は、「楽曲が素晴らしい!」の一語に尽きます。具体的にはデスメタルを基本にしながらも、そこにプログレ的な様式美を持ち込むことによって、暴力性と叙情性を見事に融合してしまうというほかに類型をみないスタイルを確立しているのです。

デスが放つ醜悪な世界とプログレッシヴなアプローチをクロスさせる手法は、極限にまでで歪み切った流れをアコースティカルな世界へと急展開させるというジェットコースター的な楽曲作りを成功させました。そして澄み切った叙情性にしばし身を委ねていると、突如巻き起こるデスの暗黒世界。この二律背反の世界を行き来しているうちに次第にOPETHが仕掛けた罠にハマってしまうのです。おまけにバンドを特徴づけるハモンドオルガンが作り出す独特のブルータルな雰囲気とデス特有のブラストビート。それらが絶妙なバランスで絡み合い、最後まで緊張感を持続させる唯一無比のワザと優れたセンスは、ほかに類例を思いつきません。

往々にしてデスメタルバンドはボーカルに難があったり、楽曲が冗漫だったり、ギターがへっぽこだったりと、何かしら欠点があるものですが、すべてが完璧すぎるのが唯一の欠点らしい欠点と言えるかも。そこら辺が口うるさいプログレファンをも巻き込んでいる最大の理由でしょう。最高傑作と言われた「Blackwater Park」「Deliverance」をまたしても凌駕してしまったOPETH。彼らにとっての「最長不倒距離」はどこにあるのでしょうね。

ちなみに当欄が入手したのは、DVD付きの「スペシャル・エディション」。約40分の映像にはリハーサルやツアー風景、インタビューなどが収録されています。5.1CHのオーディオトラックも入っています。また日本盤限定ボートラとして#9「Soldier Of Fortune」が入っていますが、言うまでもなくこれはDeep Purpleのカバー曲。OPETHの来歴を語るうえでも重要なヒントになります。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers
1.  Ghost Of Perdition
2.  The Baying Of The Hounds
3.  Beneath The Mire
4.  Atonement
5.  Reverie/Harlequin Forest
6.  Hours Of Wealth
7.  The Grand Conjuration
8.  Isolation Years
9.  Soldier Of Fortune

R0010495

2011年3月 2日 (水)

ブートレグで恐縮です。Nucleusのライブ音源

R0010413
Musician●Nucleus
Title●Nucleus Live Featuring Allan Holdsworth(1972年)
■マザーズレコード渋谷店で購入

1960年代後半から70年代にかけて英国ジャズロック界の屋台骨を支えた「Nucleus」。ペット奏者Ian Carr(イアン・カー)が率いたユニットですが、Nucleusが凄いところは後にジャズロック、フュージョン界で活躍することになる多くのミュージシャンを育て、世に送り出している点にあります。今回、紹介するのは超絶ギタリストAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が在籍していた当時の貴重ライブ音源です。クレジットによれば、1972年6月27日、Westfield Collegeでのライブ音源となっていますが、なにせブートレグなのでこれ以上のことはわかりません。

Holdsworthは1969年に「Igginbottom」を脱退後、Ian Carrに誘われて「Nucleus」に参加し、アルバム「Belladonna」(1972年)に音源を残しています。ここでの参加メンバーが実に豪華で、Roy Babbington(bass)、Gordon Beck(piano)が名を連ね、Jon Hiseman(drums)がプロデューサーを務めています。このライブ音源ではHoldsworth以外の名前はありませんが、HoldsworthはすぐにJon Hiseman率いる「Tempest」へ加入してしまうので、その意味でも大変貴重な音源とも言えます。「Nucleus」にはKarl Jenkinsも在籍していましたので、「Nucleus」を軸にTempestやSoft Machineなどジャズロックバンドが生み出されたと言っても過言ではありません。多くの若手ミュージシャンを送り出したという意味では、Miles楽団やReturn To Foreverにも通じるものがあります。

さて、アルバム「Belladonna」では2曲のみ参加だったHoldsworthはここではすべての曲でプレイしています。「Mayday」「Summer Rain」「Belladonna」はスタジオ盤との聴き比べも面白いかもしれません。興味深いのは「Song For The Beared Lady」という曲のリフが、後にSoft Machineによる「Hazard Profile」のリフの原型になっているという点です。「Hazard Profile」はHoldsworthも参加したアルバム「Bundles」(1975年)のオープニング曲ですが、すでに2年前に違うグループ、違うメンバーとともにHoldsworthが例のリフを弾いていたということに。思わぬ「繋がり」をいまさらですが発見してしまいました。

●Musicians
Ian Carr / trumpet,flugelhorn
Brian Smith / tenor&sopranosax,bamboo flute
Dave MaCrae / piano
Allan Holdsworth / guitar
Roger Satton / bass
Clive Thacker / drums

●Numbers
1.  Mayday
2.  Summer Rain
3.  Song For The Beared Lady
4.  Torrid Zone
5.  Belladonna
6.  Oasis
R0010414

2011年3月 1日 (火)

超個性派ギタリストBen Monderの3rd「Excavation」

R0010453
Musician●Ben Monder(guitar)
Title●Excavation(1999年)
■ディスクユニオンで購入

NYを中心に活動している先鋭的ジャズギタリストBen Monder(ベン・モンダー)によるソロ第3弾です。1999年リリース。当欄でも何回か取り上げているギタリストですが、「光速アルペジオ」を武器とする特異なプレイスタイルにもかかわらず、いまのジャズシーンでは欠くことのできない人気者で、夥しい数のセッション活動をこなしている多忙の人です。

ソロ第1弾、第2弾では「光速アルペジオ」だけですべてを作り上げてしまうという「偉業」を達成したMonderですが、この第3弾ではボーカルとしてドイツ出身の奇才Theo Bleckmann(テオ・ブレックマン)を迎え入れています。クレジットを見ると「Vocal」ではなく「Voice」とするあたりに並々ならぬ自負とこだわりを感じさせますが、同時にえも言われぬ不気味さが漂います。ベースはAllan Holdsworthとも共演歴があるSkuli Sverrisson、ドラムはJim Blackというこれまたひと癖もふた癖もある個性派揃いです。

このアルバムの最大の聴きどころは何と言ってもBleckmannによる唯一無比とも言えるファルセットを多用した幻想的な歌声です。それにMonderの「光速アルペジオ」が絡んでいくことによってどんな音世界が築かれるかに注目。いやいや、これが実に怪しい音の世界なのです。聴き方によってはちょっと不思議な環境音楽という感じですが、聴き込んでいくうちに恐ろしくも美しく、それでいて比類なき暴力性に満ちた作品であることに気がつくはずです。

前2作ではそれぞれ1曲ずつしかソロフレーズを披露しなかったMonderですが、ここでは積極的にソロを連発。あるときはフォーマルなジャズギター風、あるときはコンテンポラリー系、あるときにはアヴァンギャルドな過激なソロと、まさに変幻自在。専売特許でもある光速アルペジオはさらに音に厚みが増して、音の空間に広がりが感じられます。機材の詳細が不明なのですが、もしかしたら12弦ギターを使い始めたのかもしれません。ギター好き、コンテンポラリー系が好きな方には、ぜひお勧めしたい意欲作です。

●Musicians
Ben Monder / guitar
Theo Bleckmann / voice
Skuli Sverrisson / bass
Jim Black / drums

●Numbers
1.  Mistral
2.  Luteous Pangolin
3.  Ellenville
4.  Sunny Manitoba
5.  Hatchet Face
6.  Etching
7.  Windowpane
8.  You Are My Sunshine
R0010454

« 2011年2月 | トップページ | 2011年4月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

いろいろ検索

  • Tower Records検索
  • HMV検索
    HMV検索
    検索する
  • iTunes検索
  • Amazon検索
無料ブログはココログ