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2011年2月

2011年2月28日 (月)

女スコヘンSusan Weinertの2nd「Crunch Time」

R0010472
Musician●Susan Weinert(guitar)
Title●Crunch Time(1994年)
■ディスクユニオンで購入

ドイツ出身のフュージョン系ギタリストSusan Weinert(スーザン・ワイナート)によるたぶん2nd。1994年にリリースされています。メンバーはベースに旦那のMartin Weinert、ドラムにHardy Fischotterという不動のトリオ。特別ゲストとしてOliver Heussという鍵盤楽器奏者が参加しています。Weinertの存在はどうやら日本ではマイナーなようですが、欧州系フュージョン界では「Susan姐さん」として一目置かれる存在で、ゲストギタリストとしてちょいちょい多くの作品で名前を見かけます。でも、残念なことに日本ではマイナーですね。

Susan姐さんはいまではアコースティックのほうに走っていますが、初期作品では明らかにScott Hendersonの影響を強く受けたプレイだったので一部では「女スコヘン」などと言われていました。なるほど、確かにフレーズの端々からスコヘン臭が漂ってきますが、本家ほどぶっ飛んだ感じでもなく、またブルース臭はまったくありません。どちらかと言えば、Mike Sternやジョンスコをロック寄りにした感じに近いかもしれません。ただアームの使い方はスコヘンやAllan Holdsworthの影響を感じさせます。

このアルバムでは曲間にドイツ語のMCらしきものが入るのですが、これが意外と新鮮です。ドイツフュージョンというと「Matalex」などの硬派&硬質なサウンドというイメージが強いのですが、Susan姐さんも同様に丁寧で真摯なぷりが身上。適度にポップで、適度にロック的で、適度にジャズ寄りで、適度に尖っている良質なフュージョンギターアルバムです。それに安易にボーカルを入れないあたりがインスト好きの琴線をくすぐります。お勧め!

●Musicians
Susan Weinert / guitar,guitar-synthesizer
Martin Weinert / bass
Hardy Fischotter / drums
Oliver Heuss / keyboard

●Numbers
1.   Don't Try That Again, M.F.
2.   Hopeless Case
3.   Don't You Guys Know Any Nice Songs?
4.   One For George
5.   Member Of The Syndicate
6.   The Crown
7.   He Knows
8.   Pacific Palisades
9.   Maybe
10.  Guess Who Called
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2011年2月27日 (日)

実に心地よいポリリズム。Karim Ziadのソロ「Ifrikya」

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Musician●Karim Ziad(vocal,drums,percussion,guitar)
Title●Ifrikya(2001年)
■Amazon Franceより購入

元Weater Reportのジョー・ザヴィヌルが発掘した北アフリカはアルジェリア出身のマルチプレイヤー、Karim Ziad(カリム・ジアード)のリーダー作です。2001年リリース。発売元は良質のジャズアルバムを送り出すACTレーベルから。ゲストに両親がベトナム出身のフランス人ギタリスト、Nguyen Le(グエン・レ)が参加しています。

おそらくKarim Ziadは日本では無名の存在だと思いますが、ドラム、ギター、ボーカルのほかに北アフリカの民族楽器(ジャケットに写るのは弦楽器に見えます)を操るマルチミュージシャンです。資料によれば1966年生まれということですからまだまだ期待できますね。
まあ、一言でいってしまえば、ACTが得意とするジャズと民族音楽を融合したエスニカルジャズということですが、いつもながら双方の魅力を素晴らしいバランス感覚で融合してしまうアレンジ力は見事というしかありません。こうした北アフリカ・マグレヴ地方の民族音楽と西欧ポップとの融合音楽を「ライ音楽」というそうですが、フランスは国策として「ライ音楽」の振興に力を入れています。こうした背景があって優れたワールドミュージックがどんどん出現してくるのです。

クレジットを見るとアルジェリア人と思われるミュージシャンが多数参加していますが、彼らの手による正体不明の打楽器と弦楽器が作りだす独特のポリリズムとグルーヴ感に身を任せていると、次第に妙なトランス状態に陥ってきます。緩急自在のリズム感と絶妙なギヤチェンジは、アングロサクソン系の変拍子とはまた違った麻薬性をもっています。

今回はサポートとして参加したNguyen Leは、わずか2曲での参加ながら相変わらず正体不明の超絶ギターソロを連発しています。やはりこの手のワールドミュージックとNguyen Leのギターとの相性は抜群です。ちなみにKarim ZiadはNguyen Leのリーダー作にも参加していますが、こうした活発な「異文化交流」も欧州ジャズの魅力のひとつだと思います。

●Musicians
Karim Ziad / vocal,drums,percussion,guitar,gumbri,mandola
Abdelkbir Merchane / vocal
Hamid Mestari / vocal,outar
Nguyen Le / guitars
etc.

●Numbers
1.  Ait Oumrar
2.  Ya Rijal
3.  Awra
4.  Lebnia
5.  Alouhid
6.  Sandiya
7.  Amaliya
8.  Gwarir
9.  The Joker
10. Nesrafet
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2011年2月26日 (土)

奇才Theo Bleckmannと超個性派ギタリストBen Monderとの邂逅「At Night」

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Musician●Theo Bleckmann(voice)
Title●At Night(2007年)
■Amazonより購入

オーストリア出身の七色の声をもつボーカリスト、鬼才Theo Bleckmann(テオ・ブレックメン)とNYを中心に活躍する引っ張りだこの超個性派ギタリストBen Monder(ベン・モンダー)による共作です。2007年リリース。

この2人による共演は「No Boat」やBen Monder名義でも聴くことができますが、相変わらずの変態世界が繰り広げられています。基本的にはBleckmannが作り出す変幻自在の声による幻想世界をベースに、これまたBenderしか弾けない(弾こうとしない)と言われる「超高速アルペジオ」が織りなすマカ不思議ギターとが絡まりあいながら絶妙な空気感を紡ぎだしています。

ただ、前作「No Boat」ではこれでもか!という感じで変態ヴォイスを聴かせてくれたBleckmannが意外に「常識にかなって」いるように感じられる点が残念と言えば残念。
なお、ドラムは「SATOSHI TAKEISHI」という日本人ミュージシャンが参加しています。

もう一人の鬼才、いや変態ギタリストのMonderは相変わらず随所でに「変態フレーズ」を散りばめてくれています。基本的には、例の「超高速アルペジオ」が中心ですが、ときに静寂をぶち破る狂気のソロはやはり圧巻です。Robert Frippのトーンを想起させる独特なヴォイシングとトーンは、フリー系ジャズながら広くプログレファンをも引き込む魅力を放っています。

●Musicians
Theo Bleckmann / voice,live electronic processing
Ben Monder / guitar
Satoshi Takeishi / drums,percussion,laptop

●Numbers
1.  Late, By Myself
2.  Sunny Sunday
3.  Carbon
4.  Hymenium
5.  Animal Planet
6.  Swarm
7.  Orchard
8.  Norwegian Wood
9.  At Night
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2011年2月25日 (金)

Hellborgが結成したハードコア&ファンクユニット「RAF」

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Musician●RAF
Title●Ode To A Tractor(1992年)
■Amazon USAより購入

スウェーデン出身の超絶&変態ベース奏者Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)が中心となって結成された「RAF」によるおそらく唯一のアルバムです。1992年リリース。参加メンバーがこれまたひと癖もふた癖のありそうなメンツで、Bill Laswell(guitar)、Jens Johansson(keyboard)、Anders Johansson(drums)などが名を連ねています。いわばメタル、フリー、フュージョンそれぞれの境界線にいる人たちの集合体のようなものかもしれません。

曲はというと期待に違わない「未来派&ハードコア&ウルトラファンク&プログレジャズロック」という案配。つまりは「何でもあり」のカオスの世界なわけですが、いつも以上にエフェクターが効きまくったHellborgの変態ベースが縦横無尽に暴れまくり、Johansson兄弟が側面から支えるというよりもさらに攻撃的なプレイで応酬することによって、よりカオスの度合いが強まっています。

冒頭の「Pork」はミンガス作曲「Goodbye Pork Hat」のカバーですが左右に暴れまくるHellborgのプレイに耳を傾けていると次第に頭がくらくらしてきます。さらにLaswellとJohansson兄弟が加勢することでさらに混迷の度合いを深めることに。と、先ほどからカオス、カオスと連発していますが、作品として破綻しているということではなく、私のような凡人には伺いしれない何物かによって整然とした形に統合され、奇跡のようなインプロを生み出しているのではないかと思われます。ただ、それがしっかりと腑にに落ちるまではまだ時間がかかりそうです。大変キッチュで見ようによっては悪趣味なジャケットデザインといい、怪物のような作品です。

●Musicians
Jonas hellborg / bass
Bill Laswell / guitar
Jens Johansson / keyboard
Anders Johansson / drums
etc.

●Numbers
1.  Pork
2.  Stay Where You Are
3.  The Freezing Dessert
4.  Land Of The Dead And Dying
5.  Suburb Of Hell
6.  Head Of A Monk
7.  Ode To A Tractor
8.  Buchlain Australia
9.  Chant
10. Konkret
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2011年2月24日 (木)

無名ミュージシャンAndrea Marcelliのソロ第2弾「Oneness」

R0010411
Musician●Andrea Marcelli(drums,synthesizers)
Title●Oneness(1991年)
■Amazonより購入

イタリア出身のドラム奏者Andrea Marcelli(アンドレア・マルセリ)によるソロ第2弾です。1990年から1991年にかけてレコーディング。以前の記事でも触れましたが、まったく無名な存在だったMarcelliはデモテープを自分が尊敬するミュージシャンに送りつけてアルバム参加を募りました。そんな努力の結果、メジャーデビュー第1弾「Silent Will」にはMike SternやWayne Shorter、Allan Holdsworthなどのビッグネームが集まりました。今回ご紹介する「Oneness」はその続編的な作品です。

今回、Marcelliに賛同したミュージシャンは、Gary Thomas、Marc Johnson、Jimmy Johnson、Ralph Towner、ケイ赤城、Gary Willis、Allan Holdsworthとまたまた目眩がするようなビッグネームばかり。Allan HoldsworthとJimmy Johnsonは第1弾に引き続き継続参加ということになりますね。

前作「Silent Will」では「もう一人のギタリスト」としてMike Sternが参加していましたが、当欄は残念ながらあまり興味なし。しかし、今回は12弦クラシックギターの名手Ralph Townerとなれば話はまったく変わります。ラテンフレイバー溢れる快活なサウンドに、北欧の氷原を思わせる冷徹なTownerの12弦ギターが合うかと言えば若干不安もありますが、この奇妙なミスマッチ加減が逆に心地よい仕上がりに。Townerは#2「Oneness」と#8「Cloud」の2曲のみに参加ですが、正直もっと聴きたかったですね。

さて「第一のギタリスト」Allan Holdsworthは2曲に参加しています。#6「Moon」と#11「You Have To Wait」という曲ですが、「Moon」では当時凝っていたBaritoneギターでプレイしています。相変わらずのウネウネ、相変わらずのフレーズの連発で、Holdsworthの世界一色に染めてしまっています。相変わらずの唯我独尊ぶりですね。ケイ赤城のアコースティックピアノが好サポートをみせています。「You Have To Wait」では普通のギターを使っていますが、今度はやたらとダークなウネウネを連発しています。ただしプレイ時間が短く、ラスト曲にも関わらず「あれ?もうオシマイですか?」と拍子抜けの感もします。

このアルバムはジャケットデザイン違いのものも出回っているようですね。私が所有しているのはMarcelliがなにやら恍惚の表情を浮かべているほうのデザインです。どうもこちらのほうがレアなようです。

●Musicians
Andrea Marcelli / drums,synthesizer
Kei Akagi / piano
Gary Willis / bass
Ralph Towner / 12-string guitar
Marc Johnson / bass
Jimmy Johnson / bass

●Numbers
1.  Again
2.. Oneness
3.  Just Now
4.  The Dance Of The Soul
5.  Song For You
6.  Moon
7.  Alone
8.  Clouds
9.  The Dance Of The Soul
10. I'm Here
11. You Have To Wait
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2011年2月23日 (水)

OPETHのアコーステックサイド「Damnation」

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Musician●Opeth
Title●Damnation(2003年)
■Amazonより購入

ストックホルム出身のデス&プログレッシヴメタルバンド「OPETH」が2003年にリリースした通算7作目のフルレンス。前年2002年リリースの「Deliverance」と対になった壮大な2部作構成になっています。前作「Deliverance」がデス声中心&ダークサイドとすると、この「Damnation」はノーマルヴォイス中心&リリカルな一面を中心に構成されています。

いわゆる疾走系のデスメタルを期待する人にとって、ここで聴かれるアコースティカルでリリカルとも感じられるサウンドは、かなり拍子抜けすることと思います。リーダー兼ボーカルのMichael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)の歌声は、かのJohn Wettonを髣髴とさせる憂いを帯びたもので、単なるクリアーボイスでは終わらない奥深さを感じさせます。そんなところからKing CrimsonやUKあたりの70年代プログレファンをも惹きつける魅力があります。

凶悪なデスメタルを期待する人にとって、このアルバムだけ聴くと「何だつまらん」ということになってしまいますが、あくまでもOPETHの多面性のほんの一部として捉えるべきでしょう。前出の「Deliverance」と合わせて聴くことによって彼らの全貌が見えてくるはずです。動くOPETHを観たいという奇特な方には「Lamentations: Live at Shepherd's Bush Empire」(2004年)というライブDVDが用意されています。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers
1.  Windowpain
2.  In My Time Of Need
3.  Death Whispered A Lullaby
4.  Closure
5.  Hope Leaves
6.  To Rid The Disease
7.  Weakness

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2011年2月22日 (火)

Beck御大による楽しいロカビリーDVD

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Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Rock'n' Roll Party,Honoring Les Paul(2010年)
■Amazonより購入


ここにきて活動が目覚ましいJeff Beck(ジェフ・ベック)によるライブDVDです。今回は2009年に94歳で大往生を遂げたエレキギターの神さま「Les Paul」のトリビュートライブを収めたもの。2010年6月8日、9日、NYのイリディウム・ジャズ・クラブでの音源です。このイリディウム・ジャズ・クラブはLes Paulが亡くなる直前まで毎週月曜日にステージに立っていた場所だそうです。Les PaulというとGIBSON社のギターの発明者としてあまりに有名ですが、8チャンネルの多重録音が可能なレコーダーの開発者でもあり、多くのギタリストに与えた影響ははかりしれないものがあります。

何でJeff BeckがLes Paulなのかですが、元々Beck自身がロカベリーやオールディーズ好きということもあり(93年には「クレイジー・レッグス」というアルバムをリリース)、またLes Paulと共演歴があることから今回のライブが実現したのでしょう。自身が書いたライナーによれば「1950年、6歳の時にレス・ポールのテーマをラジオで初めて聴いた」ということですから、天才が天才を呼び寄せていたことになります。

詳細は実際にご覧になっていただくのが一番で、私のような者がクダクダと述べるのは無粋というもの。一言で言えば「こんな楽しそうなBeck御大を初めて見た!」に尽きます。この数年来、ロニー・スコッツのライブ音源でも終始にこやかな御大の姿を見るにつけ、「御大も丸くなったなぁ」と驚きとともに感慨の念を抱いていたのですが、それにしても表情が明るいこと、明るいこと! 追悼ライブという言葉から連想される湿っぽさなど微塵も感じさせず、終始ご機嫌なR&Rナンバーが聴かれます。

ゲストとしてブライアン・セッツァー、『エモーション&コモーション』にも参加しているイメルダ・メイやゲイリー・US・ボンド、トロンボーン・ショーティなどがゲスト出演しています。さらにうれしいことに曲ごとにギターを持ち代えるので、ギター好きとしては音ばかりでなく、映像としてもかなり楽しめます。

ボーナス映像としてライヴの舞台裏を映したドキュメンタリーと1983年にLes Paulと共演したTV番組が収録されています。またBeck御大が自宅で愛器について語るインタビュー映像ではストラト、テレキャス、グレッチなどを弾いてくれます。まさにギター好きのための映像ですね!

キレキレの『エモーション&コモーション』も素晴らしいのですが、こうした意外とも言える一面を見せるBeck御大もまたいいですね!ますますファンになってしまいました。

●Numbers
1.   Baby Let's Play House
2.   Double Talkin Baby
3.   Cruisin’
4.   Train Kept a Rollin’
5.   Poor Boy
6.   Cry Me a River
7.   My Baby Left Me
8.   How High The Moon
9.   Sitting On Top Of The World
10.  Bye Bye Blues
11.  The World Is Waiting For The Sunrise
12.  Voya Con Dios
13.  Mockin’Bird Hill
14.  I'm a Fool To Care
15.  Tiger Rag
16.  Peter Gunn
17.  Rocking Is Our Business
18.  Apache
19.  Sleep Walk
20.  New Orleans
21.  Remember (Walking in the Sand)
22.  Please Mr.Jailer
23.  Casting My Spell On You
24.  Twenty Flight Rock
25.  The Girl Can't Help It
26.  Rock Around The Clock
27.  Shake, Rattle & Roll

2011年2月21日 (月)

未発表音源と言っても3曲ですが。帝王Miles「Bitches Brew Live」

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Musician●Miles Davis(trumpet)
Title●Bitches Brew Live(1969年、1970年)
■Amazonより購入


一時期(といっても20年くらい前の話ですが)、やたらと出回っていたMiles Davisの未発表音源。その多くはスタジオ録音のアウトテイクを拾遺集的に編集したうえで既存の音源とドッキングさせる編集盤か、地下音源として密かに流通していたライブ音源を「正規盤」として「格上げ」したものがほとんどでした。さすがにネタ切れになったのか、近年はほとんど見かけることもなくなりましたが、久々にリリースされたのがこの作品です。タイトルから一目瞭然で、名盤「Bitches Brew」をリリースした時期のライブ音源です。前半3曲が1969年7月5日、米Newport Jazz Festivalでの音源。後半6曲が1970年8月29日、英ワイト島でのライブ音源。ワイト島にはジミヘンやジャニス・ジョプリンなども参加していましたね。参加メンバーはNewportがChick Corea、Dave Holland、Jack DeJohnette、ワイト島がGary Bartz、Chick Corea、Keith Jarrett、Dave Holland、Jack DeJohnette、Airto Moreiraという構成。

ワイト島に関してはすでにオフィシャルDVDとして日の目を見ているので「まったくのお初」ではないのですが、まあ初CD化ということでは看板に偽りはありません。一方、Newportは完全に未発表なので資料的価値も含めてきちんと聴かないといけません。地下音源スレスレのこもった音質には若干がっかりですが、「電化Miles」初期の貴重音源は確かに聴き応えがあります。ただ、新規メンバーが多いということで、演奏自体はいまひとつ。今にもイ崩壊しそうな危うい雰囲気を打破するかのごとく、帝王の怒りのブロウが炸裂します。同時期(1969年7月)のライブ音源に仏アンティーヴ収録の「1969 Miles」がありますが、出来としてはアンティーヴのほうが上だと思います。

一方、Newportの1年後に収録されたワイト島は秀逸の出来映えです。すでに映像でご覧になった方も多いので詳細は割愛しますが、単に新規メンバー3名(Gary Bartz、Keith Jarrett、Airto Moreira)が加わっただけでなく、凄まじいポリリズムのもと、「電化Miles」が著しく進化を遂げていることにあらためて驚かされます。CoreaとJarrettの双頭鍵盤楽器体制は短命に終わってしまったので、資料的価値もあります。DeJohnetteも1969年当時は若干の迷いが感じられましたが、1年後には骨をナタで砕くようなマッチョ的なプレイへと変貌を遂げています。

「電化Miles」はさらに強力なポリリズムを追い求め、どちらかといえばJazz寄りのCoreaとHollandを解雇し、ファンク色濃厚なベース奏者Michael Hendersonを迎え入れ、狂乱のサウンドを志向し始めます。また、折りをみて小飼いの超絶ギタリストJohn McLaughlinをツアーに参加させてこれまた凄まじいパフォーマンスを聴かせてくれています。これらの音源については機会をあらためて。

とまあ、いろいろと書きましたが未発表ライブ音源ということで作品性というよりも、どうしても資料的な意味合いに視線が向いてしまいます。と同時に、わずか1年間の間に劇的な進化を遂げた「電化Miles」の姿を確認するためのアルバムではないかと思います。

●Musicians
#1~#3
Miles Davis / trumpet
Chick Corea / piano
Dave Holland / bass
Jack DeJohnette / drums

#4~#9
Miles Davis / trumpet
Chick Corea / piano
Keith Jarrett / organ
Dave Holland / bass
Jack DeJohnette / drums
Airto Moreira / percussion
Gary Bartz / sax

●Numbers
1.  Miles Runs The Voodoo Down
2.  Sanctuary
3.  It's About That Time / The Theme
4.  Directions
5.  Bitches Brew
6.  It's About That Time
7.  Sanctuary
8.  Spanish Key
9.  The Theme

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2011年2月20日 (日)

爆裂系ギタリストRaoul BjorkenheimのDMGライブ

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Musician●Raoul Bjorkenheim(guitar)
Title●DMG@The Stone December 26,2006(2009年)
■Amazonより購入

フィンランド出身のフリー系&爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheim(ラオル・ビョーケンヘイム)がWilliam Parker(bass)とHamid Drake(drums)と組んで行ったライブ音源です。ライブ自体は2006年12月26日のもの。資料によればNYを代表するアンダーグラウンド系レコードショップ「Downtown Music Gallery」が主催したインストアライブの音源のようです。なるほど「DMG」というのはショップの頭文字なのですね。

Bjorkenheimといえば自ら結成したユニット「Scorch Trio」でも活躍していますが、北欧系の「Scorch Trio」に対して今回はNYのフリー系ミュージシャンと組んでいるところが肝です。

Bjorkenheimは相変わらずのバカテク&変態&爆裂ギターを展開させていますが、いつも感心するのがその引き出しの多さ。フリー&アヴァンギャルド系ギターはともすると途中で中だるみというか聴くほうが飽きてきてしまうのですが、「いや、これならどうだ!」「寝ている場合じゃないだろ!」と言わんばかりに次々から次へとヘンテコリンなフレーズをぶつけてきます。リズム隊も負けじとモノ凄い勢いで疾走しつつ、Bjorkenheimを煽りに煽り続けます。いや、これは完全に格闘技ですね。

「Scorch Trio」ではどこかしら湿度というか滑りのような要素が感じられるのですが、Bjorkenheimにとっては完全アウェイなNYのライブでは完全に乾ききったような音色になっている気がします。お互いが情け容赦なしの完全ガチンコ勝負ですね。特にViolaを駆使したラスト「Lighotone II」での暴れぶりが圧巻の一語!全員とも発狂してそのまま発狂してしまうのではないかと思われるほどキレまくっています。

●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar,viola,gimbri
William Parker / bass,shawn
Hamid Drake / drums

●Numbers
1.  Lighotone I PART 1
2.  Part 2
3.  Part 3
4.  Part 4
5.  Part 5
6.  Part 6
7.  Lighotone II
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2011年2月19日 (土)

元DTの鍵盤楽器奏者Derek SherrinianとHoldsworth&Garsedが共演「QUANTUM」

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Musician●Planet X
Title●Quantum(2007年)
■Amazonより購入

元DTの鍵盤楽器奏者Derek Sherrinianが率いるテクニカル系ジャズロックユニット「PLANET X」による3rdアルバムです。2007年リリース。このアルバムがリリースされる直前、いギタリストは誰か? Greg Howeなのか? などと一部ファンの間で話題になっていたことが記憶に鮮明です。Derek Sherinian(keyboard)とVirgil Danati(drums)は当然のデフォルトとして、蓋を開けて吃驚!ゲストギタリストは何とAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)とBrett Garsed(ブレット・ガースド)というレガートの鬼才2人がが参加しています。ベースはHoldsworth繋がりでJimmy JohnsonとRufas Philpot。

実際に聴く前はあの「MVPシリーズ」の再現か? などと勝手な妄想を繰り広げていましたが、残念ながら2大ギタリストのガチンコ対決は残念ながら聴かれません。全9曲中、#2と#4がHoldsworth、残り7曲はGarsedがそれぞれ担当。#4ではGarsedがリフを担当し、Holdsworthが満を持してウネウネソロを延々と弾きまくるという構成なので「一応の共演」にはなっていますが、これは明らかに別録音です(もっとも「MVP」も別録音ではあるのですが)。

当欄の興味の焦点は2大ギタリストですが、Holdsworthは良くも悪くも唯我独尊。あい変わらずの高値安定という感じです。とても還暦過ぎの人間とは思えない流麗なプレイはさすがの一語。一方のGarsedも流麗なソロをこれでもか!と聴かせてくれています。特に#8でのこの世のものとは思えない美しさを放つハーモニック奏法と#9でのHoldsworthも吃驚という感じの速弾きは一聴ありです。

●Musicians
Derek Sherinian / keyboard
Virgil Danati / drums
Allan Holdsworth / guitar
Brett Garsed / guitar
Jimmy Johnson / bass
Rufas Philpot / bass

●Numbers
1.  Alien Hip Hop
2.  Desert Girl
3.  Matrix Gate
4.  The Thinking Stone
5.  Space Foam
6.  Poland
7.  Snuff
8.  Kingdom Of Dreams
9.  Quantum Factor
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2011年2月18日 (金)

一切の楽譜なしのガチンコセッションRaoul Bjorkenheim「Studio 1/ BOX」

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Musician●Raoul Bjorkenheim(guitar,viola)
Title●Box Studio 1(2008年)
■ディスクユニオンで購入

フィンランド出身のフリー系&爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheim(ラオル・ビョーケンヘイム)といえば北欧のフリー系ミュージシャンと組んだ「Scorch Trio」が有名ですが、今回はメンバーを総とっかえして新たなプロジェクトで臨んだアルバムがこれです。Morgan Agrenは「Mats/Morgan Band」の人ですが、残念ながらほかのお二人は存じ上げません。Trevor DunnはElectric Masadaに在籍していたそうですが、どちらにしてもフリー&アヴァンギャルドの境界線にいる人ばかりであることには違いありません。

資料によれば特に楽譜もなしにノープランのまま、4人が2日間スタジオに籠もって出来上がった音源であるとか。また、一切のオーバーダブや編集も加わっていないスタジオライブであるとか。そう書くとフリー三昧の破綻した内容を想像してしまいますが、内容は驚くほど整然としていて統一感が感じられます。才気あふれるミュージシャンがエゴ丸出しのインプロを応酬しているわけで、普通なら果てしなく拡散していくのですが、目に見えない求心力のようなものが機能しているがごとく一つの作品として成立しているわけで、これは奇跡の音源と言っても過言ではありません。とは言っても一般的には騒々しい音の連続ではありますが。

資料の引き移しで恐縮ですが、そもそもこのユニットは映像作家のフィリップ・ムラーキーのプロジェクトのために選ばれた4人のミュージシャンによる一過性のものだそうです。不勉強でこの映像作家を存じ上げないのですが、無粋な当欄は音から映像を思い浮かべる心の余裕などは一切なく、ただただ圧倒的な音の洪水の前に放心状態になってしまうばかりです。申し訳ありません。

●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar,viola
Trevor Dunn / bass
Stale Storlokken / keyboard
Morgan Agren / drums

●Numbers
1.  untitled 9
2.  untitled 11
3.  untitled 7
4.  untitled 3
5.  untitled 13
6.  untitled 12
R0010458

2011年2月17日 (木)

変態ベース奏者Jonas Hellborgの「超絶トリオ」

R0010425
Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●Jonas Hellborg Group(1990年)
■Amazon USAより購入

スウェーデン出身の超絶&変態ベース奏者Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)。当欄ではShawn Laneがらみでちょくちょく取り上げていますが、Hellborgとしては初めて「Group」を名乗って作られたがこのアルバムです。1990年Day Eightレーベルからリリース。Day Eightがいまも現存するかどうかは不明ですが、ほぼHellborgの独占レーベルと言ってももよく、当時はほかにあのジンジャー・ベイカーが所属していました。

さてジャケットからして強烈なインパクトを放つこのアルバムですが今回はAnders Nordという10弦ベース奏者とJaime Salazarというドラム奏者による変則トリオ構成で臨んでいます。

Hellborgがリーダーになった作品は悉く凄まじいほどの破壊力をもつ仕上がりになるのですが、もちろんこのアルバムも例外ではありません。もはやジャンル分けなどは無意味なのですが、あえて表現すれば「ハードコア&ファンク&プログレ&ジャズロック」という案配。目まぐるしいほどの猛スピードで疾走したかと思いきや、予告なしのギアチェンジ、そして絶え間なく襲いかかる変拍子の嵐。ファズを極限にまで効かせた2本のベースが左右から前後から前頭葉を刺激しまくります。いやいや、相変わらずの「合法ドラッグ的作品」で、いやがおうにもトランス状態へと追い込まれていきます。

とは言え、よほどのベース好き、よほどのプログレ&ジャズロック好きでないと聴き通すことは難しいことは確かです。というわけでとても一般的なアルバムとは言い難いのですが、この手の音楽が好きな奇特な人はぜひ♪

動画はJohansson兄弟とのライブです

●Musicians
Jonas Hellborg / fretless 4 string bass
Anders Nord / 10 strings bass
Jaime Salazar / drums

●Numbers
1.  Look
2.  Moving
3.  Dread
4.  Dead
5.  Nord
6.  Dog B.B.Q.
7.  Dos Tempos
8.  JB
9.  Hey Yo
10. Ed
R0010426

2011年2月16日 (水)

北欧の暗黒神「OPETH」の6th「Deliverance」

R0010480
Musician●Opeth
Title●Deliverance(2002年)
■Amazonより購入

たびたびメタル系の登場で恐縮です。

スウェーデンが生んだ暗黒神「Opeth」が2002年にリリースした6枚目です。間髪を入れずにリリースされた「Damnation」(2003年)と合わせて2部作という大がかりな構成がマニアを泣かせてくれます。この「Deliverance」がデス中心で「Damnation」がアコースティックという構成になっていて、2枚を合わせて聴くことによってOpethの全貌がつまびらかにされるという壮大な作りです。個人的にはOpethの最高傑作だと思っていた5th「Blackwater Park」(2001年)をわずか1年後にいとも簡単に凌駕してしまう彼らの底力にがただただ驚くばかりです。

4th「Still Life」(1999年)あたりからデスメタルとプログレとの見事な融合を志向し始めたOpeth。基本的には前作までの「静」と「動」、「美」と「醜」のそれぞれが二律背反する要素のコントラストをテーマに壮大な楽曲を聴かせてくれています。しかし、今回は静と美の要素は「Damnation」にある適度譲っているため、従来の作品と比べて最も過激で激情に満ちた作品に仕上がっています。オープニングからひたすら叫び続けるMikael Akerfeldtの激情デス、始終たたみかけるMartin Lopezのブラストビート。さまざまな要素が見事に融合して出来上がる珠玉の楽曲の数々。地の底から突き上げたと思ったら、今度は奈落の底へと突き落とすようなジェットコースター的な複雑な展開。もはや一介のデスメタルバンドとは一線も二線も画したほとばしる才能に感服です。

テクニックとしてはもっと優れたプレイヤーはたくさんいますし、決してアッと驚くようなプレイで驚かせてくれるタイプではありません。しかし、緻密に計算し尽くされた楽曲構成、全体に漂う何とも言えない荒涼感と日本人好みの湿度と哀愁、そしてバンドの特徴を決定づける二律背反的な要素を自由に行き交う見事な展開。どれを取り上げても完璧の一語です。おまけにプログレ世代をも巻き込んで魅了してやまないわけですから、無敵と言っても過言ではありません。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers
1.  Wreath
2.  Deliverance
3.  A Fair Judgement
4.  Master's Apprentices
5.  By The Pain I See In Order

R0010481

2011年2月15日 (火)

Pat Martino12弦ギターの破壊力「Desperado」

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Musician●Pat Martino(guitar)
Title●Desperado(1970年)
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弾丸ピックギタリスト、Pat Martino(パット・マルティーノ)による1970年の作品です。メンバーはEddie Green(piano)、Tyrone Brown(bass)、Sherman Ferguson(drums)という構成ですが、1曲のみ盲目の天才サックス奏者Eric Kloss(エリック・クロス)が友情出演しています。

このアルバムの売りはなんといってもMartinoが12弦ギターを全曲で使用している点です。いつもの弾丸ワントーンフレーズが12弦ギターによってさらに破壊力を増して襲いかかってきます。いきなりの#1「Blackjack」からエンジンフルスロットル全開、ハイテンションでグイグイ押しまくってきます。実はこの曲のみにEric Klossが参加しているのですが、Klossの存在をも消し去ってしまうほどのど迫力にはただただ驚くばかり。ぶっ太い弦もものかわ、バリバリ、ゴリゴリと重戦車のごとく突っ走るMartinoの超絶技巧には呆れるばかりです。数あるMartinoの名演の中でも確実に3本の指に入るでしょう。

ちなみにアルバムタイトル「Desperado」は「ならず者」という意味だそうです。確かそんなタイトルの映画もありましたね。いや、「ならず者」などはまだ可愛いくらいで、「12弦ギターの暴君」とでも呼びたいくらいです。Martinoは同時期に名作「Live!」を発表していますが、この作品と合わせて聴いていただくことで、全盛期のプレイが堪能できます。

●Musicians
Pat Martino / 12-string guitar
Eric Kloss / soprano sax on BlackJack
Eddie Green / piano
Tyrone Brown / bass
Sherman Ferguson / drums

●Numbers
1.  Blackjack
2.  Dearborn Walk
3.  Oleo
4.  Desperado
5.  A Portrait Of Diana
6.  Express
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2011年2月14日 (月)

遅すぎた巨星「UK」

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Musician●UK
Title●same(1978年)
■ディスクユニオンで購入

1970年代前半、King CrimsonやYESが中心になって牽引した「プログレブーム」も70年代中盤を境にして急速に失速していきます。これは1974年にRobert FrippがKCを活動停止にしたことが発端になっているのですが、行き場を無くしたプログレ系ミュージシャンが離合集散を繰り返し、雨後の竹の子のごとく多くのバンドが現れては消えという一種の混乱状態を作り出すことに。これは百花繚乱というよりも、70年代プログレの断末魔と表現したほうが適切でしょう。

プログレブームに代わって英国ではパンクロックが勃興し、一方、アメリカではベトナム戦争後の一種厭戦的な雰囲気から立ち直りを見せはじめ、1978年のVan Halenの登場によって全世界をマーケットとする大メジャー戦略へと変貌を遂げます。米国による大資本をバックにした「音楽覇権主義」のスタートです。この音楽覇権主義は当時の国際政治の状況やハリウッド映画の変貌と重ね合わせて考えてみると面白いのですが、別の機会にあらためます。

このように1978年という年はいわば80年代へ向けての大きな転換期にさしかかっていたわけです。そんな折り、満を持して登場したのが今回紹介する「UK」。デビューアルバムでは「憂国の四士」などと物騒な邦題がついてましたが、何に対して憂えているかは別にして、いかにもタイミングが悪いというか時期が遅すぎました。パンクに象徴されるように楽曲自体がシンプルかつコンパクトになりつつある状況で、1曲が10分を超えるような本格的バンドが受け入れられるとは思えません。やたらネガティブな感じで書いていますが、鳴りモノ入りで登場した「UK」もメンバー交代の末、わずか2年間の活動期間、3枚の作品しか残せなかったことは紛れもない事実です。

前置きが長いのはこのバンドに対する思い入れが強いからなのですが、鳴りモノ入りで登場しただけにメンバーが凄い!John Wetton、Eddie Jobson、Allan Holdsworth、Bill Brufordという綺羅星のごとく目映いメンツです。そもそもはKing Crimson解体後にユーライア・ヒープに加入したWettonがBill Brufordと一緒にグループを組むことを画策。元「YES」のリック・ウエイクマンを誘ってトリオバンドを結成しようとしたらしいのですが、ウエイクマンの契約上の問題があって頓挫。そこでWettonはロキシー・ミュージックで行動を共にした若き鍵盤楽器奏者Eddie Jobsonを誘い、ここにトリオが完成します。しかし、この時点になってギタリストの必要性が感じられたので、Bill Brufordが自身のプロジェクト「BRUFORD」(アルバム「Feels Good To Me」)で共演したAllan Holdsworthを誘い込む形で4人が揃ったわけです。ここら辺の人事交流の動きは複雑怪奇でわかりづらいのですが、冷静に見ると結構狭い範囲での動きだったりします。

「UK」はこのアルバムを発表後、全英、全米で大々的なツアーを組み多くのライブ音源を残しています。地下音源まで手を伸ばすと結構な数のライブ音源を聴くことができます。正規盤としては「Live In Boston」が有名ですね。しかし、個性派集団だっただけに4人体制は1年と持たずに崩壊します。BrufordとHoldsworthは再度「BRUFORD」に戻り、アルバム「One Of A Kind」(1979年)をリリースします。残された2人はJobsonが「マザーズ・オブ・インヴェンション」在籍時の同僚だったテリー・ボジオを紹介する形でトリオ構成に戻ります。そこでリリースされたのが「Danger Money」ですが、先に述べたように折りしのパンク/ニューウェーヴブームの中ではこうした本格的なバンドが受け入れられる状況になく、バンドは自然消滅してしまいます。

とまあ、世が世であればCrimson級のビッグネームになるはずでしたが、いかんせん出現するタイミングが悪すぎたという典型的なバンドです。とは言えアルバムの完成度はすこぶる高く、特にオープニング「In The Dead Of Night」は後にさまざまなミュージシャンによってカバーされた名曲。以前、ご紹介したように「元貴公子」イングヴェイ・マルムスティーンもカバーしています。8分の7拍子という書くだけで頭が混乱しそうな複雑なポリリズムの中で、各メンバーが鬼神のごとくあらん限りのテクニックを披露しています。実は若かかりし頃、プログレのプの字どころか洋楽初心者の女子にこのアルバムを強制的に聴かせ、一番印象的だった曲を挙げよという宿題を出したところ、イの一番にこの曲を挙げました。当然、でかした!と褒めちぎったことは言うまでもありません。

ところで4月にEddie JobsonとJohn Wettonが中心になりAlex Machacek(guitar)とMarco Minnemann(ds)で再結成された「新生UK」が4月に来日とか!情報はこちらです。Brufordはすでに引退しているので仕方がありませんが、ギターはHoldsworthが…と思わないでもありませんが、どうやらスタジオに引き籠り中。Alex Machacekなら役者に不足はないでしょう!

●Musicians
John Wetton / bass,vocals
Allan Holdsworth / guitar
Bill Bruford / drums
Eddie Jobson / violin,keyboards

●Numbers
1.  In The Dead Of Night
2.  By The Light Of Day
3.  Presto Vivace And Reprise
4.  Thirty Years
5.  Alaska
6.  Time To Kill
7.  Nevermore
8.  Mental Medication

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2011年2月13日 (日)

Abercrombie & Johnson & Erskineの傑作ライブ

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Musician●John Abercromie(guitar)
Title●John Abercrombie、Marc Johnson、Peter Erskine
(1988年)
■ディスクユニオンで購入

ECMを代表する知性派ギタリストJohn Abercrombie(ジョン・アバークロンビー)Peter Erskine(ピーター・アースキン)、Marc Johnson(マーク・ジョンソン)とのトリオ構成で臨んだアルバムです。1988年4月21日、ボストンでのライブ音源。同じメンバーで1986年にやはりECMからリリースされた「Current Events」のライブバージョンという趣のこの作品は、Abercrombieがギターシンセがもつ表現力を最大限にまで追究した作品とも言えます。

これまで多くのギタリストがギターシンセに挑戦してきましたが、多くはキーボードの代用品的なレベルにしか過ぎないというのが正直なところ。ところがAbercrombieはギター的なニュアンスをある程度は残しつつ、ギターシンセがもつ可能性を最大限にまで引き出している点が特筆に値します。この作品でもとてもライブと思えない完成度と豊かな表現力から生まれるリリカルな叙情性は、この世のものとは思えない美しい魅力を放っています。

この3人に今は亡きマイケル・ブレッカーを加えたカルテット構成でヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ風景を収めたビデオ作品も出回っていますので(ただし国内盤は発売なし)、映像と合わせて楽しむとさらにグッド!です。ちなみに動画はその一部です。

●Musicians
John Abercrombie / guitar,guitar-synthesizer
Marc Johnson / bass
Peter Erskine / drums

●Numbers
1.  Furs On Ice
2.  Stella By Starlight
3.  Alice In Wonderland
4.  Beautiful Love
5.  Innerplay
6.  Light Beam
7.  Drum Solo
8.  Four On One
9.  Samurai Hee-Haw
10. Haunted Heart
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2011年2月12日 (土)

北欧の暗黒神「OPETH」の9th「Watershed」

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Musician●Opeth
Title●Watershed(2008年)
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ここにきて三度「メタル・マイブーム」の到来です。とは言っても、頸椎に慢性的な弱点を抱える当欄としてはあまり刺激的なメタルは控えている状況です。

今回ご紹介するのは北欧が生んだプログレ系メタルバンド「OPETH」(オーペス)による通算9枚目のアルバムです。2008年リリース。確かOPETHのバンド名は「月の町」という意味だったと思います。デビュー当初はデス声を中心にした「普通のデスメタルバンド」でしたが、3枚目をリリースしたあたりから、70年代的なプログレッシヴロックの要素を巧みに取り入れながら大きく変貌を遂げました。また、ボーカルも「デス一辺倒」から「ノーマルボイス」との併用という独自のスタイルを完成。「デス=醜悪」VS「ノーマル=美」が生みだす見事なコントラストと、メロトロン的なキーボードを駆使したプログレ的アレンジによって独自の音楽観を築き上げています。リーダー兼ボーカルのMikael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)はボーカルとリードをこなすフロントマンですが、デス声はともかくとして、「ノーマルボイス」はどこかしらジョン・ウエットンを彷彿とさせる憂いがこもった声質が特徴的です。

前作リリース後にバンドの屋台骨を支えてきたマーティン・ロペス(drums)とピーター・リンドグレン(guitar)の2名が脱退してしまいますが、ドラムには新たにMartin Axenrot、ギターにFredrik Akessonが加入しています。当然、特にドラムの交代が気になるところですが、新任のMartin Axenrotのプレイはどちらかというと、メタル色が濃厚で、ソリッドでタイト。前任者が流動的で変則プレイを得意としていたのに対し、新人ドラムのプレイは直線的・鋭角的でスピーディー。したがってリズムセクションとしてはとっつきやすくなった印象を受けます。

肝心の楽曲ですが、相変わらずのプログレとデス、静と動、叙情性と邪悪、アコースティックとメタルなどのお得意の「二律背反的サウンド」が健在。新メンバーによる新たなスパイスが加味されたという感じで、デビュー作からのファンを十分に納得させるものに仕上がっています。1曲目の「Coil」という曲はいきなり、AkerfeldtとNathalie Lorichsという女性ボーカルのツインボーカルという新境地を見せてかなり面食らいますが、あとはお得意のOPETHサウンドがこれでもかと展開しています。その意味ではややマンネリ感がないわけでもありませんが、予定調和的な展開とはいえ、新作のたびにさまざまな手法を駆使しながら表現する力量はいつも感心させられます。1度ではなく、何回も聴き込んでいきたくなるそんな作品です。

この「OPETH物件」に関しては今後、ちょくちょくお届けする予定です。ちなみに当欄が入手したのはDVDがおまけとして付いているスペシャル・エディションです。

●Musicians
Mikael Akerfeldt / vocal,lead guitar
Fredrik Akesson / rhythm guitar
Per Wiberg / keyboard
Martin Mendez / bass
Martin Axenrot / drums

●Numbers
1.   Coil 
2.   Heir Apparent 
3.   The Lotus Eater 
4.   Burden 
5.   Porcelain Heart 
6.   Hessian Peel 
7.   Hex Omega

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2011年2月11日 (金)

トルコの音楽家によるワールドミュージック「Islam Blues」

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Musician●Kudsi Erguner(read flute)
Title●Islam Blues(2001年)
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トルコ伝来の民族音楽の巨匠Kudsi Erguner(クドゥシ・エルグネル)による2001年の作品です。良質なジャズ作品を送り出すACTレーベルよりリリースされています。ACTといえばジャンルにとらわれないワールドミュージックの宝庫ですが、どちかと言えばジャズと民族音楽との融合を好む傾向が感じられます。この作品などはその典型ではないでしょうか。

Kudsi Ergunerというトルコのリード奏者のことは予備知識がまったくなかったのですが、調べてみると同国では巨匠的な存在で、イスラム神秘主義とスーフィーイズムを信条とする一連の音楽を「スーフィー音楽」と呼んでいるとか。音楽的起源を辿るとオスマントルコ時代にまでさかのぼることができるそうです。西欧音楽の基本であるハーモニー(和声)や対位法という概念がまったく存在しないトルコ音楽の感覚は、むしろアジア人である我々のほうが親和性を感じるのではないでしょうか。

受け売り知識ばかりで馬脚を現しそうなので、先を急ぎます。当欄の注目点は当然ギタリストであって、このイスラム集団にACTの看板ギタリストNguyen Le(グエン・レ)がゲスト参加しているのです。Nguyen Leは両親がベトナム出身でパリで生まれ育ったという経歴の持ち主ですが、自身のアルバムでも積極的にジャズとイスラム民族音楽との融合を図っています。

Nguyen Leにとってのイスラムは北アフリカのアルジェリアが中心で、音楽的には北アフリカ民族音楽と西欧ポップとの融合である「ライ音楽」が中心でした。ただ今回、トルコのミュージシャンと組むことで、さらにイスラム志向が強まったことは確かなようです。そのくらいまったく違和感なく溶け込んでいます。

●Musicians
Kudsi Erguner / ney(read flute)
Yunus Balcioglu / vocals
Halil Neciboglu / vocals
Bruno Cailat / bass,percussions
Derya Turkan / kemence(turkish violin)
Haken Gungor / kanun(sitar)
Nguyen Le / guitar
Renaud Garcia-Fons / bass
Mark Nauseef / drums
Karim Ziad / drums

●Numbers
1.  One Word
2.  Adjem Blues
3.  Mediterranien
4.  Sarki
5.  Camel
6.  Moonrise
7.  Twins
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2011年2月10日 (木)

爆裂系ギタリストBjorkenheim「Scorch Trio」4th「MELAZA」

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Musician●Scorch Trio
Title●Melaza(2010年)
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フィンランド出身の爆裂系ギタリストRaoul Bjorkenheim(ラウル・ビョーケンヘイム)が率いる「Scorch Trio」による4枚目のアルバムです。2010年リリース。昨年9月頃からiTunesでアップされていましたが、今のところリアルCD派である当欄では12月のCDリリースまで我慢していました。このようにネット配信先行→売れ行きの様子を伺う→リアルCDリリースというパターンは今後増えていくのかもしれません。メンバーは前3作まで「ATOMIC」のリズム隊の一角Paal Nilssen-Love(drums)からFrank Rosalyというプレイヤーへとチェンジしています。ベースはIngebrigt Haker Flatenが継続参加。北欧ジャズのメッカ「Rune Grammofon」からリリース。

相変わらずフリーキーかつ爆裂サウンドを聴かせてくれる彼らですが、前作「Bolt!」(2008年)との比較でいうとドラムが代わったことも影響しているのでしょうか。よりハードコアによりフリーに近づいている感じがします。前任者Paal Nilssen-Loveは結構タイトで鋭角的なプレイでしたが、新任のFrank Rosalyはかなり散文的で多彩なプレイヤーという印象。肝心のRaoul Bjorkenheimのギターは相変わらずの爆発ぶりで、どこから飛んでくるかまったく予測不能な奇天烈フレーズを連発しています。フリー系ギターとなると、本人がもつ「引き出しの数」が少ないと途端に馬脚を現してしまうのですが、よくぞこんな変なギターをと感心しているうちに、アッと言う間に聴き終えてしまいます。Marc Ducretと並び現代フリー系ギタリストの最高峰と個人的には思っています。#8「Raitru」ではお得意のヴィオラを披露していますが、相変わらずの不気味さです。

そんな感じで手放しで褒めちぎっていますが、聴く人をかなり選ぶ作品であることは確かです。フリージャズに対してあまり免疫のない人にはお勧めできる代物ではありません。念のため。動画は旧トリオのものです。

●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar
Ingebrigt Haker Flaten / bass
Frank Rosaly / drums

●Numbers
1.  Relajo
2.  Bambalan
3.  Fajao
4.  Orita
5.  Melaza
6.  Estinche
7.  Raitru
8.  iesnu!

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2011年2月 9日 (水)

もう誰もついていけない…Behemoth「Evangelion」

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Musician●Behemoth
Title●Evangelion(2009年)
■Amazonより購入

当欄ではできるだけメタル系の音楽を避けてきました。個人的な事情はいろいろとあるのですが、ある時期からJAZZやフュージョンに浸りきっていたこともあって今日に至るまでの「メタル事情」がほとんど分からないというというのが一番の理由です。いま思えば80年代前半あたりに世界を席巻した「LAメタル」の没個性に嫌気がさしてしまい、JAZZへ逃避した経緯もあります。で、数年前にメタルの世界へ舞い戻ってきたら、まあ、吃驚すること! というのも十把一絡げ的に「メタル」と考えていたのが大きな勘違いで、いまはさまざまな「ジャンル」に細分化されているのですね。そして「ジャンル」ごとにかなり先鋭化していて、それぞれに熱心なフォロワー&リスナーさんが存在することも新鮮でした。

当欄がメタル系を回避しているもう一つの理由にもつながりますが、傍から見ると「新参者が入り込めない」雰囲気が漂います。古い表現で言えば「セクト主義」ですね。といいつつも、当欄が目をつけたのが「デスメタル」。まあ、大変わかりやすく言えば「おどろおどろしいデス声」と重厚なギターリフが特徴のメタルです。

今回、ご紹介するのはポーランド出身のデスメタルの重鎮「Behemoth」(ベヒーモス)による2年ぶり9枚目の作品です。2009年発売で日本デビューとしては2枚目にあたります。Behemothとは旧約聖書に載っている奇獣のことで、その醜悪な外見からバンドイメージのブルータルな一面と見事に一致しています。では、何でこの「Behemoth」なのかというと、まあ正直言って視聴した音源のなかで「最も奇天烈だった」からとしか言いようがありません(笑)。というわけで数年前からハマっております。彼らはデビュー当時「ブラックメタル」の一派として認識されていました。このブラックメタルを説明し出すと長くなってしまうのですが、メタルの中でもおそらく最も過激で反社会的な勢力と言われています。外見的には、白塗りの顔に黒装束。ナタや斧を携えているバンドもいます。大変乱暴な言い方をすれば映画「デトロイト・メタルシティ」で松山ケンイチさんが扮していた格好です。古くはデーモン閣下という話もありますが、通の人に突っ込まれる予感が濃厚です。

「ブラックメタル一派」はどんどん先鋭化していくにつれて、反社会的、反キリスト教に走るようになってしまい、あるバンドなどは教会を焼き討ちしたり、殺人事件を引き起こすという暴挙に出たとか。当然、商業主義的なメタルとは正反対の立ち位置です。その反動があったのか、古くは「ブラック・サバス」にルーツを求めると言われる「デスメタル」の要素を取り入れて変質、転向していくバンドが出てきました。「Behemoth」も転向派のなかのひとつです。変化要因としてはサウンド的に曲自体がコンパクトになり、リズム隊が強力になり、わずかばかり商業的な姿勢が出てきたという感じでしょうか。そして、アルバム中に何曲かは「キラーチューン」が入るようになりました。でも、やっぱりかなりのエグさです。

さて前作「The Apostacy」あたりから前人未到の域にまで達してしまった感がある彼らですが、この作品はそれをも上回る凶暴なデスメタルで充満しています。もはや楽曲という狭い領域を超えてしまったかのごとく、全曲が凶暴な呻き声と叫び声、とめどもなく続くリフの波状攻撃の連続で、情け容赦なく続くブラストビートが五臓六腑をえぐります。ここまで徹底されると、実は体力的にも精神的にも結構辛く劇薬のようなもの。もはやライブでは再現不可能とも思える重低音の波状攻撃に対しては、精神的に余裕がないととんでもない返り撃ちに遭いそうです。というように褒め言葉ばかり書きましたが、あまりの徹底ぶりに曲と曲との区別が判別しづらくなり、全編がただ轟音に晒される感覚は、もはや楽曲とは言えないのかもしれません。その意味ではかなり聴く人間を選ぶようになってしまったことは事実です。彼らはもはや誰も行くはずのない未踏の荒野へと進んでしまったようです。

さて、ボーナストラックとしてDVDがついていますが1分足らずの曲というか絶叫と静止画像が収録されています。あれ、何かの間違いかな?どこかに隠れボタンや隠れキーワードが隠されているのかな?といまだにわかりません。

●Musicians
Adam Nergal Darski  / vocal,lead guitar
Tomaz Orion Wroblewski / bass
Zbigniew Robert Inferno Prominski / drums
Patryk Dominik Seth Sztyber / rhythm guitar

●Numbers
1.   Daimonos
2.   Shemhamforash
3.   Ov Fire And The Void
4.   Transmigrating Beyond Realms Ov Amenti
5.   He Who Breeds Pestilence
6.   The Seed Ov I
7.   Alas, Lord Is Upon Me
8.   Defiling Morality Ov Black God 
9.   Lucifer

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2011年2月 8日 (火)

SCOTT HENDERSON / LIVE!(2004年)

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Musician●Scott Henderson(guitar)
Title●Live!
■Amazonより購入

テクニカル系ギタリストScott Henderson(スコット・ヘンダーソン)による自身名義では初のライブアルバムです。2004年8月に行ったロサンゼルス「Best Jazz Club」「La Ve Lee」でのライブ音源を集めたもの。1曲のみローマの「La Palma Club」での音源が含まれているようです。何と2枚組という圧倒的なボリュームです。HendersonといえばGary Willisとの双頭バンド「TRIBAL TECH」での活動が有名ですが、並行活動のブルースバンドによる音源ということになります。メンバーはJohn Humphrey(bass)とKirk Covington(drums,vocal)というトリオ構成。よくよく見たら名セッションギタリストMichael Landau(マイケル・ランドゥ)がミキシングを担当しています。ここら辺は昔からの人脈ということなのでしょう。

Scott Hendersonは80年代に一世を風靡したChick Corea「Elektric Band 」で一躍注目されましたが、その後フランスのヴァイオリン奏者Jean-Luc Pontyとの「Fables」などを経て「TRIBAL TECH」を主戦場に活躍しています。途中、Joe Zawinulによる「Zawinul Syndicate」にも参加していたりします。そういえば「TRIBAL TECH」名義のアルバムは「Rocket Science」以降、リリースされていませんね。「TRIBAL TECH」名義作品にしても、「Reality Check」以降、次第にブルース色が強くなってきていたことは確かです。

Steve SmithとVictor Wootenとで組んでいる「VTT」や「TRIBAL TECH」がテクニカルフュージョンとすれば、この別働隊では完全なブルースバンドという棲み分けになってなっています。ただスコヘンの手にかかると凡庸なブルースバンドになるわけがありません。終始、トレモロアームを駆使したウネウネフレーズばかりで、まあ凡そブルースの一般イメージとはほど遠いプレイが延々と繰り広げられています。上品に言えば「未来派テクニカルブルース」ですが、有体に言ってしまえば「バカテク&キモイスルース」と表現したほうが正確でしょう。ウネリにうねるスコヘンのギターは、キモさを通り越して変態の域にまで達しています。そんな変態ブルースライブの2枚組CDを通して聴くのは、結構疲れるかもしれません。事実、私も滅多に聴くことがありません。心して臨むべし!

●Musicians
Scott Henderson / guitar
Kirk Covington / drums,vocal
John Humphrey / bass

●Numbers
[CD 1]
1.   Slidin' 
2.   Well To The Bone 
3.   Sultan's Boogie 
4.   Xanax 
5.   Lady P 
6.   Jakarta 
7.   Tacos Are Good

[CD 2]
1.   Dog Party 
2.   Fee Fi Fo Fum 
3.   Meter Maid 
4.   Nairobe Express 
5.   Devil Boy 
6.   Hillbilly In The Band

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2011年2月 7日 (月)

Gary Moore急逝

北アイルランド出身のギターヒーロー、Gary Mooreが急逝しました。

享年58歳。

30年以上、聴き続けてきました。

言葉がありません。

ただただ合掌。

北欧の暗黒神「OPETH」の5th「Blackwater Park」

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Musician●Opeth
Title●Blackwater Park(2001年)
■Amazonより購入

北欧スウェーデンが生んだ暗黒神「Opeth」(オーペス)による5枚目のアルバムです。2001年リリース。前作「Still Life」あたりから大作主義を志向しはじめたOpethですが、彼らのテーマとも言える「デスメタルとプログレッシブロックとの融合」はさらに磨きが掛かり、よりクオリティーを高めてくれています。この時点で最高傑作ではないかと個人的には思っています。

デスメタルが作り出す醜悪な世界と中期Crimsonにも通じるプログレッシブなアプローチとの対比は相変わらず見事の一語。ミディアムテンポで展開されるアコースティカルなサウンドとJohn Wettonにも似たMichael Akerfeldt(ミカエル・オーカーフェルト)の哀愁感あふれるボーカルにゆったりと身を任せていると、一転してデスの醜悪な世界へと叩き込まれます。いやー。この鮮やかすぎる展開は見事としか言いようがありません。鬼神のごとく叩きまくるMartin Lopez(マーティン・ロペス)のブラストビートも不安感を煽りまくります。

デスの波状攻撃を一身に受けて「ああ、このままだと窒息しそう!」と根を上げる臨界点まで引っ張るだけ引っ張って、再び訪れる静寂の世界で得られる解放感とカタルシス。まるでパノラマのように広がる見事な展開に知らず知らずのうちにはまってしまうはずです。

デスメタルファンはもちろん、往年のプログレファンをも惹きつけてやまない底無しの才能と魅力を放つ彼ら。Opethの才能が凝縮されたベスト作品として強力推奨いたします。

ところでこのアルバムはボートラが入った2枚組バージョンも存在します。まあ、買って損をするという訳ではないのですが、オリジナル盤リリース→日本盤限定ボートラ付きリリース→スペシャルエディション盤リリースと、ファンはその度に出費を強いられるわけです。どうにかならんものか、と思いつつ買ってしまうのですが…。曲名はオリジナル盤のものです。

●Musicians
Michael Akerfeldt / voice,guitar
Peter Lindgren / guitar
Martin Lopez / drums
Martin Mendez / bass

●Numbers
1.  The Leper Affinity
2.  Bleak
3.  Harvest
4.  The Drapery Falls
5.  Dirge For November
6.  The Funeral Portrait
7.  Blackwater Park

R0010493

2011年2月 6日 (日)

知られざる「元祖ウネウネ系ギタリスト」Harvey Mandelのソロアルバム

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Musician●Harvey Mandel(guitar)
Title●Shangrenade(1973年)
■Yahoo!オークションで購入

最近はあまり利用する機会がないのですが、某巨大オークションサイトには「キーワード登録」というのがあって、自分で登録したキーワードに合致した商品が出品されるとメールなどで通知してくれるというありがたい機能があります。私の登録ワードの中に「Holdsworth」というのがあるのですが、それで引っかかってくれたのが今回ご紹介する無名のギタリスト「Harvey Mandel」です。

恥ずかしながらこのHarvey Mandelというギタリストは知らなかったのですが、英文ライナーを読んでも「どうせ若い衆は知らないだろうよ…」などといきなりネガティブ情報ばかり。Mandelさんは1946年デトロイト生まれで、後にシカゴに居を移してプロ活動を開始しています。そして、1968年には初ソロを出しているくらいですから、相当なベテランということに。しかも、デビュー作は米ビルボードランキングでは4週間にわたりトップ200を維持し、しかも150位を下回ることがないという妙な記録をもっています。また、セッション活動も実に精力的にこなしていて、70年代に入るとヴェンチャーズ、ストーンズのレコーディングに参加しています。

タイプとしては基本的にはR&B系ギタリストなのですが、たぶんにジャズロックの影響を受けていて、それらが絶妙なブレンド加減で独自の音楽に仕上がっています。また、実に興味深いのがMandelさんのギター奏法です。冒頭に触れた「Holdsworth」というキーワードからたぐり寄せた商品の紹介文には「Holdsworthよりも先にウネウネ奏法を完成させた変態系ギタリスト…」というような表現がありましたが、おお、確かにウネウネの連発です。正確に言いますとHoldsworthのようなレガート奏法ではなく、ハンマリングオン&プリングオフをひたすら多用する「煮え切らない系」で、アームも使っていません。どちらかと言うとHoldsworthというよりもアームを使わないオリー・ハルソール(Tempestの2代目ギタリスト)に似ています。だからというわけではありませんが、アメリカ人ギタリストとしては珍しくイギリスのヒットチャートでもアングラ的な人気があったそうです。

というわけで、ひょんなきっかけで釣り上げた珍品ですが、意外にも当たりだったのでご紹介します。ちなみに渾名が「The Snake」だそうです。なるほど。

●Musicians
Harvey Mandel / lead guitar
Coleman Head / rhythm guitar
Victor Conte / bass
Paul Lagos / drums
Bobby Lyle / clavinet

●Numbers
1.  What The Funk
2.  Fish Walk
3.  Sugarloaf
4.  Midnight Sun 2
5.  Million Dollar Feeling
6.  Green Apple Quickstep
7.  Frenzy
8.  Shangrenade
R0010420

2011年2月 5日 (土)

良質なボーダレスJAZZ「Dream Flight」(Nguyen Leが参加)

R0010407
Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Dream Flight(2008年)
■ディスクユニオンで購入

両親がベトナム出身でフランスで生まれ育ったジャズフュージョンギタリストNguyen Le、売れっ子フランス人ベーシストMichel Benita、そしてECMやウエザー・レポートなどでの活躍で有名なジャズドラムの重鎮、Peter Erskineがトリオを組んだ作品。良質なジャズを送り出すACTから2008年にリリースされています。また、3人のほかにStephane Guillaumeというサックスプレイヤーが参加しています。

このトリオでは3人の頭文字をとった「ELB」という作品が2001年にリリースされていますので、約7年ぶりの再会という形です。いわゆる一つのコンテンポラリー系ジャズという按配ですが、決して凡庸な仕上がりに終わらないのはジャズ、ロック、民族音楽など実に多様な音楽的な要素が盛り込まれている点に尽きます。まさに音の万華鏡という感じです。

この種の異種格闘技的な作品は、下手をするとメンバーそれぞれの個性が衝突し、拡散し、そのあげくに散漫な感じになってしまうことが多いのですが、そこはベテラン同士。いわゆる「手練&熟練のテクニック」が存分に発揮されることで見事な求心力が感じられます。素晴らしい安定感です。

個人的にはギターのNguyen Leのペンによるラストの「A Demain」がいちばんのお気に入りです。いまにも天に昇っていきそうな美しいフレーズによって、まさに桃源郷の世界を作り上げています。ちなみに4曲目「Song for Jaco」はErskineがWR時代の今は亡き盟友、ジャコ・パストリアスにささげた美しいバラードです。大人のジャズとして聴くのもよし、ワールドミュージックとして聴くのもよし、ギターアルバムとして聴くのもよし。決して目立つ作品ではありませんが、「聴かせるジャズ」としても素晴らしい作品です。

「Song for Jaco」

●Musicians
Ngyuen Le / guitar,guitar-synthesizers
Peter Erskine / drums
Michel Benita / bass
Stephane Guillaume / sax

●Numbers
1.  Dream Flight
2.  Rotha & Priska
3.  Jive Five
4.  Song For Jaco
5.  Twelve
6.  Plan 9
7.  Kokopanitsa
8.  Romanichel
9.  Montreal
10. Hanging Out On The Roofs
11. A Demain
R0010408

2011年2月 4日 (金)

Hellborg & Laneのインド的カオスの世界「Good People in Times of Evil」

R0010376
Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●Good People in Times of Evil(2000年)
■Amazonより購入

北欧スウェーデン出身の超絶ベーシストJonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)とメンフィス出身のギターモンスターShawn Lane(ショーン・レーン)の名コンビがインド人ミュージシャンV.Selvaganesh Kanjeera(すみません。読めません)を迎えて作ったアルバムです。2000年リリース。

Hellborg & Laneのコンビはこれまで「Abstract Logic」「Time Is Enemy」「Temporal Analogues of Paradise」「Parsonae」などの作品で共演してきましたが、溢れんばかりのエネルギーと変態とも言える奇抜な音楽的アイデア、そして超ド級の超絶技巧で我々を常に驚かせてきました。2000年代に入ってからはなぜか「インド趣味」に走るようになり、Hellborgはエレキからアコースティックベースの世界へと転じます(Laneはエレキのままです)。この「Good People in Times of Evil」はインド趣味転向の第1弾という位置づけで、同時期に収録されたパリのライブDVDと2002年リリースの「Icon」とを合わせて「インド路線3部作」と勝手に命名しています。

これまでのエレキ路線から入った人にとって、このインド路線は若干戸惑うかもしれません。それはちょうどHellborgの親方でもあるJohn McLaughlinがマハヴィシュヌからシャクティにかけて「インド趣味」に傾倒していった軌跡とも相通じるものがあるからです。しかし、それは多分に喰わず嫌いの一面もありましょう。それはそれでやっていることは相変わらずの奇天烈ぶりですし、超絶技巧の嵐なのです。

特に3曲目の「Leal Souvenir」で聴かれる火の出るようなユニゾンプレイは、超絶の限りを尽くした名演!わけのわからないヒンドゥー語とおぼしきチャット(?)もなかなか怪しい雰囲気でナイスです。 一度この魔力にはまってしまうと容易に抜け出すことはできません。

ちなみにこのアルバムはライブ録音なのですが、クレジットがないため詳細は不明です。しかも、途中になって気がつく始末。こんな素晴らしい演奏はまさかライブではないだろうという勝手な予断を見事に打ち砕いてくれたのでした。

●Musicians
Jonas hellborg / bass
Shawn Lane / guitar
V.Selvaganesh Kanjeera / udu,vocals

●Numbers
1.  Aga Of The Ladies
2.  Savitri
3.  Leal Souvenir
4.  Bhaktiv Ras
5.  Who Would You Like To Be?
6.  Uma Haimavati
R0010377

2011年2月 3日 (木)

変態ギタリストRon ThalのBublefootシリーズ第1弾「HANDS」

R0010337
Musician●Bumblefoot
Title●Hands(1998年)
■ディスクユニオンで購入

超絶変態ギタリスト、Ron Thal(ロン・サール)が「Bumblefoot」名義でリリースした1998年の作品。Bumblefootという名称は彼のデビュー作でも使用されていましたが、確か皮膚病かなにかの病名だったと思います。そんな名前をバンド名にしてしまうのですから、Ron Thalの悪趣味さと比類なき変態度がうかがえます。

Ron Thal名義の前作「Hermit」(1996 年年)では、少し落ち着いた(?)ハードロック調のサウンドを披露していますが、ここでは冒頭からヒップホップ(?)にも挑戦。ものすごく速いリズムに合わせてRon Thalの雄叫びが響き渡り、ねじ曲がった変態ギターが縦横無尽に暴れまわります。かと思えば、いきなり沈んだ曲に移ったり、再びハイテンションのハードロックを披露したりと、相変わらずの情緒不安定ぶりを発揮しています。こんな人が近くにいたらホント嫌ですね。

大変悪趣味なジャケットデザインといい、相変わらず人を食ったような曲作りといい、元をたどればあのFrank Zappaからの影響が大ですがZappaのような演劇性は皆無で、その代わりに徹底した変態ギターを聴かせてくれます。

前作もそうでしたが、この作品も自宅スタジオでほとんど1人で作り上げたようです。Ron Thal名義時代の作品はやや入手困難ですが、Bumblefoot名義の作品はHPでのオンラインオーダーが可能です。


●Musician
Bumblefoot / all instruments,vocals

●Numbers
1.  Hands
2.  Swatting Flies
3.  What I Knew
4.  Shrunk
5.  Dummy
6.  Chair Ass
7.  Noseplugs
8.  Vomit
9.  Brooklyn Steakhouse
10. Drunk
11. Backfur
12. Tuesday In Nancy
13. Dirty Pant'loons
R0010338

2011年2月 2日 (水)

Nguyen Leの原点回帰的な作品「Homescape」

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Titel●Homescape(2006年)
■Amazon Franceより購入

両親がベトナム生まれでフランスで生まれ育ったジャズギタリスト、Nguyen Le(グエン・レ)による2006年リリース作品です。意欲的な音楽を世に送り出しているACTレーベルより発売。参加メンバーはイタリアを代表するペット奏者Paolo Fresu(パオロ・フレス)とトルコ出身のミュージシャンOhafer Youssef(ヴォイス)というトリオ構成です。メンバーをあげた時点で多国籍でワールドワイドな香りがプンプンと充満しますね。

Nguyen Leのプレイは、彼自身の民族的出自にも繋がるベトナム系民族音楽をベースにして、フリー&コンテンポラリー系ジャズとを融合するというスタイル。さらにはJimi Hendrixなどのロックギタリストからインスパイアされた激しいソロワークも時おり聴かせるなど、ひと括りでは語れない多面的な魅力をもっています。

今回のアルバムでは、アジア、イスラムなどの民族音楽の要素を全面に押し出したスタイルをとっています。その意味では「原点回帰的な作品」であると言えるでしょう。あえてリズム隊を使わずに生の楽器とボーカルを中心に据えることによって、あくまでも静的な音楽世界を構築しています。したがって、ほかのアルバムで聴かれた爆発的なポリリズムと野趣あふれるプレイは期待できません。しかし、今度はアジアンテイストな瞑想世界という新たな表現領域を手に入れたようです。

したがってNguyen Leのギターもやや抑えめですが、それでも時折聴こえてくる狂気を帯びた独自のソロ回しはやはり彼にしか出せないもの唯一無比のもの。類いまれな個性をもったこの異能のミュージシャンなのに、日本ではまったく無名だという事実が不思議でなりません。

●Musicians
Nguyen Le / electric,acoustic,fretless,synthesizer, e-bow,vietnamese guitars,computer programming & electronics
Paolo Fresu / trumpet,flugelhorn & electronics
Dhafer Youssef / oud,vocals & electronics

●Numbers
1.  Stranieri
2.  Byzance
3.  Muqqam
4.  Mali Iwa
5.  Zafaran
6.  Domus De Janas
7.  Kithara
8.  Chelsea Bridge
9.  Safina
10. Des Pres
11. Thang Long
12. Neon
13. Mangustao
14. Lacrima Christi
15. Beyti
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2011年2月 1日 (火)

Susan姐さんのデビューアルバム「Mysterius Stories」

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Musician●Susan Weinert(guitar)
Title●Mysterius Stories(1992年)
■ディスクユニオンで購入

ドイツ出身のフュージョン系ギタリストSusan Weinert(スーザン・ワイナート)による1992年のデビューアルバムです。ドイツはケルンのスタジオで録音されています。メンバーは旦那のMartin Weinert(ベース)とHardy Fischotter(ドラム)というトリオ構成。

いまでこそ女性ギタリストがたくさん出てきていますが、1992年当時、フュージョン界で女性ギタリストは稀少な存在だったと思われます。敬意を込めて個人的には「Susan姐さん」と呼ばせていただきていますが、キャラとしてはScott Hendersonあたりの影響を強く受けた典型的なフュージョンギタリストです。というか、Hendersonからの強い影響が感じられるので「女スコヘン」と一部では呼ばれています。そんな姐さんですが、記念すべき1stではフュージョン一辺倒というよりロックやラップ的な要素を取り入れていて、それなりに面白い仕上がりになっています。ギターアルバムというより、新しい形のフュージョンという感じですね。

Susan姐さんのプレイは圧倒的なテクニックで弾き倒すという感じではなく、結構尖ってユニークなフレーズと丁寧なアーミングで聴かせるというタイプ。ただリズム感がお世辞にもあまりいいとは言えないので、ソロが長く続くと若干もたれ気味になります。まあ、デビュー作ということで、そこら辺は大目にみましょう(笑)。それよりもリズム隊が実にタイトで素晴らしいので、そちらにも注目を。ギタリストとしての本領発揮は「Point of View」あたりからでしょうね。

●Musicians
Susan Weinert / guitar,guitar-synthe
Martin Weinert / bass
Hardy Fischotter / drums

●Numbers
1.  Mysterious Phonecall
2.  Never Looking Back
3.  Wrong Time,Wrong Place
4.  Three Choices
5.  Feel Free To Come By,Any Time You Want
6.  A Short Story About Tofu
7.  Put Me In Coach ,'cause I'm The Right Man For That Job
8.  We've Made Some,Good Money,Man?
9.  Off Limit
10. Gansster Groove
R0010365

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