知られざる「元祖ウネウネ系ギタリスト」Harvey Mandelのソロアルバム
Musician●Harvey Mandel(guitar)
Title●Shangrenade(1973年)
■Yahoo!オークションで購入
最近はあまり利用する機会がないのですが、某巨大オークションサイトには「キーワード登録」というのがあって、自分で登録したキーワードに合致した商品が出品されるとメールなどで通知してくれるというありがたい機能があります。私の登録ワードの中に「Holdsworth」というのがあるのですが、それで引っかかってくれたのが今回ご紹介する無名のギタリスト「Harvey Mandel」です。
恥ずかしながらこのHarvey Mandelというギタリストは知らなかったのですが、英文ライナーを読んでも「どうせ若い衆は知らないだろうよ…」などといきなりネガティブ情報ばかり。Mandelさんは1946年デトロイト生まれで、後にシカゴに居を移してプロ活動を開始しています。そして、1968年には初ソロを出しているくらいですから、相当なベテランということに。しかも、デビュー作は米ビルボードランキングでは4週間にわたりトップ200を維持し、しかも150位を下回ることがないという妙な記録をもっています。また、セッション活動も実に精力的にこなしていて、70年代に入るとヴェンチャーズ、ストーンズのレコーディングに参加しています。
タイプとしては基本的にはR&B系ギタリストなのですが、たぶんにジャズロックの影響を受けていて、それらが絶妙なブレンド加減で独自の音楽に仕上がっています。また、実に興味深いのがMandelさんのギター奏法です。冒頭に触れた「Holdsworth」というキーワードからたぐり寄せた商品の紹介文には「Holdsworthよりも先にウネウネ奏法を完成させた変態系ギタリスト…」というような表現がありましたが、おお、確かにウネウネの連発です。正確に言いますとHoldsworthのようなレガート奏法ではなく、ハンマリングオン&プリングオフをひたすら多用する「煮え切らない系」で、アームも使っていません。どちらかと言うとHoldsworthというよりもアームを使わないオリー・ハルソール(Tempestの2代目ギタリスト)に似ています。だからというわけではありませんが、アメリカ人ギタリストとしては珍しくイギリスのヒットチャートでもアングラ的な人気があったそうです。
というわけで、ひょんなきっかけで釣り上げた珍品ですが、意外にも当たりだったのでご紹介します。ちなみに渾名が「The Snake」だそうです。なるほど。
●Musicians
Harvey Mandel / lead guitar
Coleman Head / rhythm guitar
Victor Conte / bass
Paul Lagos / drums
Bobby Lyle / clavinet
●Numbers
1. What The Funk
2. Fish Walk
3. Sugarloaf
4. Midnight Sun 2
5. Million Dollar Feeling
6. Green Apple Quickstep
7. Frenzy
8. Shangrenade
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