Beck御大による楽しいロカビリーDVD
Musician●Jeff Beck(guitar)
Title●Rock'n' Roll Party,Honoring Les Paul(2010年)
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ここにきて活動が目覚ましいJeff Beck(ジェフ・ベック)によるライブDVDです。今回は2009年に94歳で大往生を遂げたエレキギターの神さま「Les Paul」のトリビュートライブを収めたもの。2010年6月8日、9日、NYのイリディウム・ジャズ・クラブでの音源です。このイリディウム・ジャズ・クラブはLes Paulが亡くなる直前まで毎週月曜日にステージに立っていた場所だそうです。Les PaulというとGIBSON社のギターの発明者としてあまりに有名ですが、8チャンネルの多重録音が可能なレコーダーの開発者でもあり、多くのギタリストに与えた影響ははかりしれないものがあります。
何でJeff BeckがLes Paulなのかですが、元々Beck自身がロカベリーやオールディーズ好きということもあり(93年には「クレイジー・レッグス」というアルバムをリリース)、またLes Paulと共演歴があることから今回のライブが実現したのでしょう。自身が書いたライナーによれば「1950年、6歳の時にレス・ポールのテーマをラジオで初めて聴いた」ということですから、天才が天才を呼び寄せていたことになります。
詳細は実際にご覧になっていただくのが一番で、私のような者がクダクダと述べるのは無粋というもの。一言で言えば「こんな楽しそうなBeck御大を初めて見た!」に尽きます。この数年来、ロニー・スコッツのライブ音源でも終始にこやかな御大の姿を見るにつけ、「御大も丸くなったなぁ」と驚きとともに感慨の念を抱いていたのですが、それにしても表情が明るいこと、明るいこと! 追悼ライブという言葉から連想される湿っぽさなど微塵も感じさせず、終始ご機嫌なR&Rナンバーが聴かれます。
ゲストとしてブライアン・セッツァー、『エモーション&コモーション』にも参加しているイメルダ・メイやゲイリー・US・ボンド、トロンボーン・ショーティなどがゲスト出演しています。さらにうれしいことに曲ごとにギターを持ち代えるので、ギター好きとしては音ばかりでなく、映像としてもかなり楽しめます。
ボーナス映像としてライヴの舞台裏を映したドキュメンタリーと1983年にLes Paulと共演したTV番組が収録されています。またBeck御大が自宅で愛器について語るインタビュー映像ではストラト、テレキャス、グレッチなどを弾いてくれます。まさにギター好きのための映像ですね!
キレキレの『エモーション&コモーション』も素晴らしいのですが、こうした意外とも言える一面を見せるBeck御大もまたいいですね!ますますファンになってしまいました。
●Numbers
1. Baby Let's Play House
2. Double Talkin Baby
3. Cruisin’
4. Train Kept a Rollin’
5. Poor Boy
6. Cry Me a River
7. My Baby Left Me
8. How High The Moon
9. Sitting On Top Of The World
10. Bye Bye Blues
11. The World Is Waiting For The Sunrise
12. Voya Con Dios
13. Mockin’Bird Hill
14. I'm a Fool To Care
15. Tiger Rag
16. Peter Gunn
17. Rocking Is Our Business
18. Apache
19. Sleep Walk
20. New Orleans
21. Remember (Walking in the Sand)
22. Please Mr.Jailer
23. Casting My Spell On You
24. Twenty Flight Rock
25. The Girl Can't Help It
26. Rock Around The Clock
27. Shake, Rattle & Roll
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