北欧出身の鍵盤楽器奏者Lalle Larsson's Weaveworldの2nd
Musician●Lalle Larsson(keyboards)
Title●Infinity Of Worlds(2010年)
■メーカーサイトより購入
スウェーデン出身でジャズフュージョン界で活躍する鍵盤楽器奏者Lalle Larsson(ラレ・ラーション)による2010年の作品です。Lalle Larssonはやはり2010年に「Weaveworld」というアルバムをリリースしましたが、どうもプロジェクト化したようでこの作品では「Lalle Larsson's Weaveworld」名義になっています。参加メンバーはもはや盟友とも言えるオランダが生んだギターモンスターRichard Hallebeek(リチャード・ハレビーク)、第2のギタリストとしてStefan Rosqvist、Jonas Reingold(bass)、Michael Walle Wahlgen(drums)という前回と同じ構成です。
前作「Weaveworld」ではクラシックの要素をふんだんに導入したドラマチックな構成が実に印象的でした、この作品も基本的には同じトーンで踏襲されています。ただ印象としては楽曲自体がコンパクトにまとまったうえに、各パートの露出量が増えているためか、前作ほどのドラマ性というか盛り上がり方が薄まったように思えます。言い方を換えれば特にギターの登場が増えたので、バンドっぽくなりましたね。だから「Lalle Larsson's Weaveworld」なんでしょうか。
当欄の注目点としては相変わらずのRichard Hallebeekなのですが、少しばかり驚いたのがもう一人のギター奏者Stefan Rosqvistの重用ぶりと長足の進歩ぶりです。このStefan Rosqvistという人はおそらくかなりマイナーだと思われます。以前超マイナーレーベルLHRレコードから出ていたソロ作品があまりにも冗長な仕上がりだったので、個人的には完全にノーマークでした。ところがここではHallebeekに負けず劣らずの大活躍ぶりなのです。その証拠にオープニング曲はHallebeek抜きでRosqvist一人で担当することに。それがDTばりの格好良さなので驚いた次第です。
しかし、過剰にHallebeekを意識し過ぎているので、クレジットで確認しないと2人の区別がつかない結果に(笑)。頑張りは認めますが、もう少しばかり「個性」を出してほしかったわけです。
一方のエース格Hallebeekは相変わらずのHoldsworthyぶりを発揮していますが、流石の安定感です。間違いなくポストHoldsworth、ポストHendersonの最右翼だと思うのですが、いかんせん日本では知る人ぞ知るという立場に甘んじているのが不思議でなりません。
●Musicians
Lalle Larsson / keyboards
Richard Hallebeek / guitar
Stefan Rosqvist / guitar
Jonas Reingold / bass
Michael Walle Wahlgen / drums
●Numbers
1. A Demon's Kiss
2. Otherworldly
3. City Of Lost Souls
4. Beyond Shadows
5. Lemuria
6. Infinity Of World
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