Hellborgがメタル兄弟と共演した「E」
Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●E(1994年)
■Gemm.comより購入
北欧スウェーデンが生んだ超絶&変態ベースの使い手Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)が1994年にリリースしたソロアルバムです。アルバムごとに共演ミュージシャンが目まぐるしく変わるのがHellborgの特徴ですが、今回は同郷のAndrers Johansson&Jens Johansson兄弟と組んでいます。この兄弟は「元貴公子」イングヴェイ・マルムスティーンやアラン・ホールズワースとの共演でも有名ですね。
このトリオによってどんなサウンドが生まれるかが大変興味深いのですが、もはやジャズフュージョンというよりもハードコアなジャズファンクの様相を呈しています。
とにかく一切の妥協を許さないハードなインプロの応酬は、脳髄を断続的に痺れさせてくれますが、変拍子に次ぐ変拍子、目まぐるしく変化する曲調、そして容赦なく打ち込まれる超絶技巧の数々…と一切の「捨て曲」がないという凄まじい作品に仕上がっています。
もちろん、一般的にはなかなか受け入れがたい作風であることは確かなのですが。
#1 Dog Bar-B-Q
いきなりヒキツったようなHellborgのベースソロで始まる曲。ドラムがマシンガンのような連打で対抗し、オルガンもまた狂ったようにソロで応戦します。やや、落ち着いたと思わせて曲調が変わったと思ったら再び激しいインタープレイへ突入。いやはや、先が心配になるほどエネルギー全開です。
#2 JB
相当にファンキーな黒っぽい曲です。タイトでやたらと音数の多いドラムでスタート。満を持して入り込んでくるオルガンソロはジャズオルガンの名手、ジミー・スミスを北欧風に端正にした感じです。ベースはやや様子を伺う感じで。すが曲後半にさしかかる頃には案の定オルガンとの過激なインタープレイへと突入。
#4 Mouteadne
ドラムと絡むベース。オルガンと絡むベースのリフレインが実に印象的な曲。転調してブルース仕立てを思わせながら、再度激しいユニゾンへ。なんということをしてくれるのか、このトリオは!
#6 Moving
いきなりオルガンによる変拍子攻撃にさらされて悶絶死寸前に。ベースも負けじとゴリゴリと応戦します。途中からテンポアップしてからは凄まじいドラムとベースソロへ。何ともケタタマシイ曲ですが、終わるとなぜか爽快感を感じます。
#7 Sovjet
ラストはなぜか旧ソビエト連邦の国歌で。美しいベースラインでクールダウンと言いたいところですが、得体の知れない不気味さは幼少期に刷り込まれたソ連に対する印象もあって、とても安心して聴ける雰囲気ではありません。
というわけで終始して感じられる印象は「凶暴」「過激」「不気味」。もちろんプレイそのものは「超絶」。こんな作品なので取り扱いには十分に気をつけてください♪
●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Andrers Johansson / drums
Jens Johansson / organ
●Numbers
1. Dog Bar-B-Q
2. JB
3. Vilnius
4. Mouteadne
5. Kenneth
6. Moving
7. Sovjet
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