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2011年1月10日 (月)

往年のプログレファンは注目!Eddie JobsonのU-Z Project

R0010421
Musician●The U-Z Project
Title●Ultimate Zero Tour-Live(2010年)
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元King Crimson、元UKの鍵盤楽器奏者Eddie Jobson(エディ・ジョブソン)が率いる「Ultimate Zero Project」によるライブ音源です。アルバムタイトルにあるように「Ultimate Zero Tour」と銘打ったツアーのうちポーランド、ボストン、ロシアでのライブ音源が収録されています。2010年日本先行リリース。勉強不足だったのですが、2010年6月には来日もしていたのですね。参加メンバーはJohn Wetton、Tony Levin、Greg Howe、Trey Gunn、Ric Fierabracci、Simon Phillips、Marco Minnemannという錚々たる面子ばかり。このうちRic Fierabracciはあまり名前を知られていないかもしれませんが、Brett Garsedと行動を共にすることが多いベース奏者です。

内容はと言いますと曲目をご覧いただければ一目瞭然。King Crimson、UK、Brufordといった70年代のプログレグループの曲カバーです。私は知らなかったのですが、Jobsonは20年以上も音楽制作の現場から離れていたそうですが、2007年にUK結成30周年(この結成○周年という意味はよく理解できないのですが)を記念して結成されたUKの別動体グループ「UKZ」を結成し、第一線に復帰します。この「UKZ」にはAllan Holdsworthフォロワーの最右翼的存在、Alex Machacekが参加していたことで一部で話題になっていましたね。

で、当欄としての注目点はやはりギタリストなのですが、本来であればRobert Fripp、まあ10歩譲ってAllan Holdsworthが妥当なのでしょう。しかし、それは無理筋というもの。というわけで何でも器用にこなせるGreg Howeに落ち着いたようです。個人的にはAlex Machacekのほうが期待値込みで面白かったのにと思わないでもありませんが。ところでこの「Ultimate Zero Project」はツアーの度にメンバーが変わるそうです。流動的なメンバー配置はそれぞれが多忙を極める人ばかりという事情もあって避けられないことなのですが、昨年の来日時ではギターに両手タップの怪人T.J.HelmerichやBilly Sheehanが参加したとか。いや、そっちのメンバーも面白そうです。

Greg Howeはほとんどの曲に参加していますが、個人的に注目したいのがCD-1の#3「In The Dead Of Night」でのプレイ。言うまでもなくUKの代表曲ですが、「前任」のAllan Holdsworthのプレイに対してどのように対峙したかが興味の的です。それが、聴いて吃驚!意外にも崩してくることなくオリジナルに忠実なのです。もちろん細部ではGreg Howeらしさというか彼の癖が出てしまうのですが、あえてオリジナルに従うことで、彼なりのリスペクトぶりを示しています。

続くCD-1の#4はなんと「Starless」にもトライ。これも言うまでもなくKing Crimsonの名盤「Red」に収められた曲のカバーですが、これも何とかこなしています。まあ、Fripp卿とはプレイスタイル自体がまったく異なるのでお互いを比較することは無意味なのですが、これはこれで面白いと思います。

CD-2の#4「Awakening」だけはちょっと異質な選曲です。これはご存じJohn McLaughlin率いるマハヴィシュヌの1stに収録されていた曲ですね。何でもJobson本人が書いたライナーによれば生き残っている数少ない尊敬できる人に敬意を表してプレイしたとの。Trey Gunnのギターは若干もたれ気味になりますが、彼とて巨匠の偉大さをあらためて痛感したことでしょう。

というわけでCD2枚という圧倒的なボリュームは聴きどころ満載で、往年のプログレ好きには堪らない魅力がテンコ盛りです。同時代的に聴いてきたファンであれば、懐かしさも手伝って嬉しくなってしまいます。

しかし、あえて苦言を呈しますと音質にかなり問題あり、と指摘せざるを得ません。特に中低音部が脆弱でせっかくのJohn Wettonのベースも台無しに。また、共鳴音の処理もいい加減なので大音量で聴いているとだんだん辛くなってきます。昔ならいざ知らず、この技術が発達しまくった時代なのにどうしてこんな音を聴かなくてはいかないのだろうと、悲しくなってしまいました。

●Musicians
Eddie Jobson / keyboards,violin
John Wetton / vocal,bass
Tony Levin / stick
Greg Howe / guitar
Trey Gunn / touch guitar
Ric Fierabracci / bass
Simon Phillips / drums
Marco Minnemann / drums

●Numbers
[CD-1]
1.  Alaska
2.  Presto Vivace
3.  In The Dead Og Night
4.  Starless
5.  Zero 1
6.  Book Of Saturday
7.  Zero 2
8.  One More Red Nightmare
9.  Sahara Of Snow

[CD-2]
1.  Zero 3
2.  Red
3.  Zero 4
4.  Awakening
5.  Zero 5
6.  Carrying No Cross
7.  The Only Thing She Needs
8.  Nevermore
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