ジミヘンWoodstockライブ
Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Woodstock(1969年)
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実質わずか4年弱の活動歴にもかかわらず強烈な印象と後の音楽界に計りきれない影響を与えたJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)。その素晴らしい楽曲と斬新なギタープレイは多くのロックギタリストに影響を与えましたが、一方で派手で奇天烈極まるステージアクションから語られてしまうことも多いように思えます。そんな取り上げられ方で必ずと言っていいほど登場する映像が、67年のモンタレー・ポップ・フェスティバルでのギター炎上シーンと、69年にNYの郊外で行われたウッドストックでのライブ映像です。
フェスティバル最終日の明け方に登場したJimi Hendrixですが「星条旗よ永遠なれ」をほとんどフィードバックだけでプレイしてしまうという衝撃の映像には、確かに度肝を抜きました。先行きが見いだせないまま長引くベトナム戦争に対して厭戦ムードが若者の間で広がり、カウンター勢力としてのヒッピームーブメントが巻き起こり…というお決まりの枠の中で、最後のとどめとしてこのシーンが登場するのです。確かにそのとらえ方は一部では当たってはいると思いますし、当時のアメリカの世相を語るうえで象徴的な映像として使用されるのも仕方がないとは思います。しかし、それだけでジミヘンのすべてが理解できるかのような紹介方法にはいささか抵抗感を覚えます。ジミヘンが「星条旗よ永遠なれ」をプレイしたのは、何もこの日だけではありませんし、すべての楽曲に反戦メッセージを込めていたわけでもありません。英国のワイト島に行けば「God Save The Queen」をフィードバックでプレイしているのです。
なにやら妙な入り方をしてしまいましたが、一部の印象的なシーンや音源だけを強調して取り上げる送り手側の表現方法には大いに疑問を感じますし、一方でその表現に触れるだけで何だかわかったような気になってしまう受け手にも問題があるように思います。そんなことが当たり前にまかり通るようになると音楽に限らず、芸術全般がどんどん先細りになってしまうのではという個人的な見解です。ステレオタイプな予断や他人から与えられたフレームの中では、自由に音楽を楽しめないのではないでしょうか。
さて、このウッドストックでのジミヘンは実質2時間以上はステージに立っていたと言われています。したがって、このCDでも後年発売されたDVDでも「すべての音源・映像をカバー」しているとは言えません。おそらく完全版といっていいのは海賊盤のみということになりますが、それでも一部だけを取り出してジミヘン云々を語るよりも、遙かにマシだと考えます。
ところで、近いうちに「没後40年」を記念して(?)ウッドストック音源がリリースされるとのことですが、どんな内容なのでしょうか。まずはセットリストからチェックする必要がありそうです。
●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Billy Cox / bass,backing vocal
Mitch Mitchell / drums
Juma Sultan / percussion
Larry Lee / rhythm guitar
Jerry Velez / percussion
●Numbers
1. Introduction
2. Fire
3. Izabella
4. Hear My Train A Comin
5. Red House
6. Jam Back At The House
7. Voodoo Child (Slight Return) / Stepping Stone
8. Star Spangled Banner
9. Purple Haze
10. Woodstock Improvisation
11. Farewell
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