謎のイタリア出身テクニカル系ギタリストUmberto Fiorentino「Alice」
Musician●Umberto Fiorentino(guitar)
Title●Alice(2002年)
■HMVより購入
当欄でしつこくも登場するイタリア出身のテクニカル系ギタリストUmberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)。どうぞ、ご安心ください。これでたぶん最後だと思われます。手持ちの音源はこれで最後です。ほかに彼が参加しているセッションアルバムもあるのですが、機会を改めたく思います。こちらは2002年のリリース作品です。
そもそもFiorentinoはテクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworthのフォロワーとして存在を知ったのですが、実際に聴いてみるとその評価はかなり微妙です。というのも以前の記事でも触れましたが、アルバムごとに芸風が見事にまで変わるので、聴く立場として一定の評価を与えることにかなりの躊躇を感じるからです。これが同じイタリア人ギタリストNico Stufanoのように安定した芸風なら何とでも言えるのですが。こちらは一筋縄にはいきません。奇天烈さ加減だけで言えば、むしろ本家を上回っているのではないでしょうか。
この作品はどうやら自宅のスタジオでひとりで録音したものを編集したもののようです。先に発売された「Ulisse」などを聴くとプログレッシヴ・フュージョンという感じで一定していました、ここではさらにプログレ色が強い実験作という感じの仕上がりに。予定調和とは無縁の散文調のフレーズが無限地獄のように連なっています。いわゆる音が生み出す心地よさなどは一切無視したような実験的な作品です。
そんな意味ではとても万人向けのミュージシャンとは言えませんが、特にこの作品は異彩を放っています。というわけでFiorentinoお試し用としては上記の「Ulisse」がいいのではないでしょうか。
●Musician
Umberto Fiorentino / guitar, slide guitar, volume swells, guitar loop, sequencer programming, sampling effect,flangered percussions,drums loop,
●Numbers
1. Oh dear oh dear! I shall be late!
2. Keep your temper
3. No room! No room!
4. But who has won?
5. It must be a very pretty dance
6. Off with her head!
7. Important - unimportant
8. Silence in the court!
9. It's a cheshire cat
10. You are all pardoned
11. Who in the world am i?
12. Drink me
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