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2010年12月

2010年12月31日 (金)

欧州を代表する名セッションドラム奏者Andrea Marceiliの「Silent Will」

R0010310






Musician●Andrea Marceili(percussion)
Title●Silent Will(1990年)
■ディスクユニオンで購入

イタリア出身のドラム奏者で多くのセッション活動をこなしているAndrea Marcelli(アンドレア・マルセリ)による1stです。Andrea Marcelli(1962年生まれ)はいまでこそ、そこそこ名前が知られるようになりましたが、当時はまったくと言っていいほど無名の存在。そこで彼は自分で作った音源カセットをこれぞというミュージシャンに送りつけて、アルバム参加を募ったそうです。そんなこんなで集まったメンバーが何とまあ豪華なこと!Mike Stern、Bob Berg、John Patitucci、Wayne Shorter、Allan Holdsworthなどという綺羅星のごとく素晴らしい面子がズラリ。大金をはたいて集めたのではない、という点に夢がありますね。

当欄の目当てとしてはギタリスト中心になってしまうのですが、Mike Sternが8曲中5曲、Allan Holdsworthが3曲に参加しています。さらにはっきり言ってしまうとMike Sternにはあまり興味がないのでHoldsworthが参加した3曲のみに焦点を当てます。

#3  Final Project

サックスになんと元Weather ReportのWayne Shorterが参加しています。HoldsworthとShorterの共演は初めてではないでしょうか。もちろん同時刻の同じ場所に居合わせたのではなく、別録音だと思われます。
ベースはChick Coreaのエレクトリックバンドで一躍有名になった超絶技巧のJohn Patitucciが担当。
いきなりHoldsworthのウネウネが全開で、果たしてこれはHoldsworthのソロアルバムではないかと錯覚してしまいます。Shorterとの絡みらしいパートもあるにはありますが、どうも呉越同舟の感も拭えません。別録音疑惑がそう感じさせるのでしょう。

#5  Love Remembered
ここでもShorterとの夢の共演が聴かれます。Marcelliさんはドラムだけでなくシンセも操っています。Mitch Formanの何ともリリカルなピアノが印象的です。前半のやたらと長いソロパートをShorterが担当し、満を持して後半からHoldsworthが登場します。当欄が何回も指摘しているように、Holdsworthは自身ソロ作品よりも客演のときのほうが素晴らしいプレイをするケースが目立ちます。特に80年代後半からこの傾向が顕著になっています。
ここでも実に気持ちよさそうに弾きまくるソロワークが素晴らしく、ラテン調のメロディーに乗って自由自在にウネリまくるソロは90年代の彼のプレイの中でもベストテイクではないかと思います。彼がソロをとり始めるといったい誰の作品なのかを見失ってしまう点はいつものとおりです。アルバムの中で最も印象に残った作品です。

#8  Lights
Holdsworthは悪評プンプンの(?)Synthaxeをもって参加。結局はシンセの共食いなんですが、どうもその意図が解せないのです。曲としては実に爽やかで素敵なのですが、Holdsworthのソロワークが無しでは画竜点睛に欠くという感じではないでしょうか。

ついでに言いますと、このアルバムの続編とも言うべき「Oneness」という作品にもHoldsworthがゲスト参加しています。

●Musicians
Andrea Marcelli / drums,percussions,synthesizers
Mike Stern / guitar
Allan Holdsworth / guitar
Mitch Forman / piano
Bob Berg / tenor sax
Wayne Shorter / soprano sax
John Patitucci / bass
Alex Acuna / percussion

●Numbers
1.  Exit
2.  Silent Will
3.  Final Project
4.  Differnt Moments
5.  Love Remenbered
6.  Three Small Dreams
7.  Everday
8.  Lights
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2010年12月30日 (木)

元RCサクセションのギタリスト小川銀次ソロ3弾「Inner-Wind Ⅱ」

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Musician●小川銀次(guitar)
Title●Inner Wind Ⅱ(1993年)
■HMVで購入

日本を代表するフュージョン「クロスウインド」の創設者であり、元RCサクセションのギタリスト、小川銀次によるソロ3弾目です。前作「Inner-Wind Ⅰ」(1992年)からわずか半年後にリリースされていますが、おそらくとりためておいた音源をタイミングを図りながらリリースしたのでしょう。

前作ではクロスウインド時代にも通じるメルヘンチックでリリカルな一面を聴かせてくれましたが、本作では対照的にハード&ロック路線に転じています。いや、もう弾きまくること、弾きまくること!ギター小僧がそのまま大人になってしまった小川氏がケレン味もなく、まさに鬼神のごとく渾身のギターソロを炸裂させています。もちろん、小川氏ならではのギミックあふれる変態ギターも健在です。特にラスト「Harrison」は17分以上にもおよぶ大作ですが、8割方が凄まじいギターソロで埋め尽くされています。まさに窒息寸前のギターソロをご堪能あれ♪

ちなみにライナーに小川氏が影響を受けたミュージシャンが載ってましたので列挙します。Jimi Hendrix,Roy Buchanan,Django Reinhardt,John Coltrane…なるほどただ者ではありません。

●Musicians
Ginji Ogawa / guitars
Masayuki Koyama / bass
Takafumi Yamaguchi / drums

●Numbers
1.  Wall Part1~Part2
2.  人生はツナワタリ
3.  雨のやむ時
4.  ジャマイカン・ママ
5.  フレーム
6.  川は海に
7.  小高い丘でー休み
8.  Harrison
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2010年12月29日 (水)

超個性派ギタリストNguyen Leの1st「Maracles」

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Miracles(1990年)
■Amazon Franceより購入

両親がベトナム出身でフランスで生まれ育ったギタリスト、Nguyen Le(グエン・レ)が1990年に発表したソロ第1弾です。良質なコンテンポラリー系ジャズを送りだしているACTレコードからのリリース。参加メンバーはArt Lande(ピアノ)Marc Johnson(ベース)Peter Erskine(ドラム)という超豪華な布陣から考えてもNguyen Leに寄せられる大きな期待感を感じさせます。

エレキ&アコースティックギターとプログラミングを駆使して浮遊感あふれるフレーズを作り出すNguyen Leは、たとえればECMのJohn AbercrombieやBill Frisellあたりの系譜を汲む新感覚派のギタリストとして位置づけられるのではないかと思います。この作品でもECMを意識したかのような清涼感あふれるいわゆるコンテンポラリー系のサウンドを展開しています。一方で、アジアにルーツをもつNguyen Leならではのアジアンテイストなフレーズが随所に登場し、ジャズとの絶妙なマッチングのもと、すでに個性派ギタリストとしての片鱗を伺うことができます。

ソロデビュー作ということで何となく「手さぐり感」は確かにありますが、ここで手応えを得たNguyen Leは2nd「Zanzibar」で素晴らしいプレイを披露しています。長らく廃盤状態が続いていましたが、2005年にフランスで復刻。オリジナルでは未収録だった1曲が追加されています。

●Musicians
Nguyen Le / guitars,gt-synth,dan tranh,synth prog
Art Lande / piano
Marc Johnson / acoustic bass
Peter Erskine / drums and percussion

●Numbers
1.  Miracles
2.  Question Mark
3.  Willow
4.  The Odd Game
5.  Saari
6.  20 Fingers
7.  Cerf Volant
8.  Miss One
9.  Pacha
10. Haiku
11. Eyeland
12. Miss One* (bonus)
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2010年12月28日 (火)

Soft Machineの実質的ラストアルバム「Alive & Well」がボートラ付きで復刻

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Musician●Soft Machine
Title●Alive & Well;Recording In Paris(1977年)
■Amazonより購入

1960年代から活躍を続けてきたカンタベリー系ミュージックの大物「Soft Machine」は度重なるメンバーチェンジを行いグループ存続を図ってきましたが、ついにオリジナルメンバーが完全にいなくなった「Softs」(1976年)あたりからフュージョン色を強めます。このアルバムは「Softs」後にさらにメンバー交代があった直後のライブです。1977年7月7日から9日の3日間、パリの「Le Theatre Palace」での音源を収めたものです。

アルバム「7」(1973年)を最後にCBSレーベルから弱小レーベルHarvestに移籍したがために長い間廃盤状態にあった「Bundles」(1975年)、「Softs」(1976年)、そして本作が今年になって続々とリイシューされたことは大変な朗報で、ぜひともこの機会に全セット揃えたいものです。さて、「Bundles」「Softs」ではオリジナル音源をリマスターしたものでしたが、この作品は何と未発表音源をつけて2CDになっていることが大きなポイントです。オリジナル音源については以前の記事をご参照いただくとして、注目は何といっても未発表音源です。オリジナル盤に未収録だったライブ音源7曲とシングルカットされた「Soft Space」の編集バージョンとディスコバージョン(!)の2曲が追加されています。

では、そのなかから何曲かを。

#1  K's Riff
アルバム未収録曲。ギターのEtheridgeを全面に押し出した典型的なジャズロックです。オリジナル盤では薄らいでいたジャズロック色が存分に味わえます。EtheridgeとMarshallのタイトな掛け合いが実にスリリングです。

#2  The Nodder

オリジナル盤にも収録されていますが、こちらはかなり荒削りで野趣あふれる仕上がりに。完成度としてはオリジナルに譲りますが、こちらのバージョンのほうが生っぽくて好きです。

#3  Two Down

曲名っぽいのですが、実際はEtheridgeとMarshallとの壮絶なインタープレイ。人類の限界を超えているのではないかと思われるEtheridgeの弾丸フレーズが五臓六腑をえぐりにえぐります。

#4  The Sparaunce
こちらも未発表曲。ややダルな感じのジャズロックです。相変わらずEtheridgeのギターは冴えわたっています!

#5  Song Of Aeolus

アルバム「Softs」に収録されていた、若干メランコリックな曲。そういえばAllan HoldsworthとEtheridgeとの入れ替え時期に、Holdsworthがライブでプレイしていましたね。

#8  Organig Matter / One Over The Eight

Organig Matterという曲名がついていますが、実際はMarshallとJenkinsとの掛け合い。やたらと手数の多いMarshallのドラムにJenkinsがピコピコサウンドで絡んでいます。流れで「Softs」収録の「One Over The Eight」へと突入しますが、全員が一丸となって凄まじいインタープレイの応酬を展開。ライブのラストを飾るにはピッタリの選曲です。

#9   Soft Space Part One
#10  Soft Space Part Two

オリジナル盤ではラストを締めたJenkinsならではのテクノ。当欄としてはあまり食指が伸びないのですが、まあ別にバンドでなくてもシンセ1台あればあとはスタジオワークでできますよね。少なくてもそこにギターは不要です。この曲を聴くたびに、ほどなくバンドが空中分解してしまうことも不可避だったんだなと思います。

というわけで、当欄としてはラスト2曲を除き、今回発掘された未発表音源を大変興味深く聴きました。オリジナル盤に収録されなかった理由は定かではありませんが、おそらくJenkinsが気に食わなかったのでしょう。

●Musicians
John Marshall / drums,percussions
Karl Jenkins / piano,keyboards,synthesizer
John Etheridge / guitars
Rick Sanders / violin
Steve Cook / bass

●Nubmers
[CD 1]
1.   White Kite
2.   Eos
3.   Odds Bullets And Blades pt1
4.   Odds Bullets And Blades pt2
5.   Song Of The Sunbird
6.   Puffin'
7.   Huffin'
8.   Number Three
9.   The Nodder
10. Surrounding Silence
11. Soft Space

[CD 2]
1.   K's Riff
2.   The Nodder
3.   Two Down
4.   The Spraunce
5.   Song Of Aeolus
6.   Sideburn
7.   The Tale Of Taliesin
8.   Organig Matter / One Over The Eight
9.   Soft Space Part One (edited version)
10. Soft Space Part Two (disco version)
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2010年12月27日 (月)

変態&奇天烈系ギタリストRon Thalの2nd「Hermit」

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Musician●Ron Thal(guitar,vocals)
Title●Hermit(1996年)
■Gemm.comより入手

変態&奇天烈系ギタリストの最終兵器Ron Thal(=Bumblefoot、ロン・サール)の2ndです。1st「The Adventures of Bumblefoot」で我々の度肝を抜いてくれたのですが、間髪を入れずにリリースされたこの2ndでもいい意味で我々の期待を裏切ってくれました。というのも、オールインストで通した1stに対して、ここでは1曲を除いてすべての曲がボーカル入り。しかも、自らボーカルをとるという二重の驚きです。

最初の曲「Zero」は唯一のインストナンバーですが、曲調はいきなりダークでヘビーなリフで始まるブラックサバス風のハードロックです。何と10代の時に書いた曲だとか。おやおや、作風が変わったのかな、という感じでいきなり「裏切り一発」。以降、ツェッペリン風あり、ラップあり、アコースティックありと何でもありの世界へと突入していくので、結局はデビュー作でも感じられた彼独特の「おちょくり感覚」が全面にあふれることになります。ギタープレイヤーとしてはSteve Vaiあたりに通じるものをたぶんに感じさせますが、古くを辿ればFrank Zappaに行き着くわけで、当欄としては勝手に「生けるFrank Zappa」と勝手に呼んでいます。

ライナーによればRon Thalは自宅のスタジオでほとんどのパートを一人で作り上げてしまったということ。まさに「一人Zappa状態」ということで、その奇才ぶりがいかんなく発揮されている作品です。また、このように密室にこもって作品を作り上げる「引きこもり系ギタリスト」の先鞭をつけたとも言えるでしょう(ゲスト扱いのミュージシャンの音源は後からオーバーダブされたものです)。

●Musicians
Ron Thal / vocals,guitar,bass

Mike Meselsoln / drums
Daniel Alvaro/ sax
Suzanne Bass / cello

●Numbers
1.  Zero
2.  Hermit
3.  Fatback
4.  Freak
5.  Sweetmeat
6.  I Can't Play The Blues
7.  Gray
8.  Unsound
9.  Goodbye
10. Rowboat
11. Hangup
12. Every Time I Shake My Head (It's Like Christmas)
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2010年12月26日 (日)

知られざる超絶ギタリストNguyen Leがジミヘンに挑戦

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Celebrating Jimi Hendrix(2002年)
■Amazon Franceより購入

両親がベトナム出身でフランスで生まれ育ったギタリストNguyen Le(グエン・レ)が何とジミ・ヘンドリックスのナンバーに挑戦した異色の作品。2002年に良質なジャズアルバムを送り出すACTからリリースされています。メンバーは、女性パーカッション奏者Terri Lyne Carrington(パーカッション&ボーカル)など。

Nguyen Leは自らの民族的ルーツを大切にしながら、ジャズ、ロック、各地方の民族音楽などあらゆる音楽を吸収し、それを自分の音楽として完全に昇華させている異能のギタリストです。ここではタイトルが表現しているように、最もインスパイアされたジミ・ヘンドリックスのカバーに挑戦しています。とはいえ、単なる「トリビュート作品」にしないあたりがNguyen Leの凄いところ。外見上はジャズ的なアレンジに仕立てていますが、彼なりのアレンジが加わることによってまったく新しい楽曲として生まれ変わっています。パーカッション&ボーカルで好サポートするTerri Lyne Carringtonの存在も光っています。

●Musicians
Nguyen Le / guitars,guitar-synth,programmed synths
Michel Alibo / electric bass
Terri Lyne Carrington / drums,vocals (1, 4, 5, 6, 9)
Aida Khann / vocals
Corin Curschellas / vocals (3, 10)
Meshell Ndegeocello / electric bass
Karim Ziad / gumbri,north african percussions
Bojan Zulfikarpasic / acoustic piano fender rhodes piano

●Numbers
1.   1983
2.   Manic Depression
3.   Are You Experienced
4.   Purple Haze
5.   Burning of the Midnight Lamp
6.   If 6 was 9
7.   Voodoo Child
8.   South Saturn Delta
9.   Up from the Skies
10.  Third Stone from the Sun
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2010年12月25日 (土)

元RCの怪人ギタリスト、小川銀次のソロ「Inner Wind Ⅰ」

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Musician●小川銀次(guitar)
Title●Inner‐Wind Ⅰ(1991年)
■HMVで購入

元RCサクセション、元クロスウインドのギタリスト、小川銀次が1991年に発表したソロアルバム第2弾です。小川銀次といえばギターで虫、鳥、風、波の音などをエフェクターを駆使して再現するという奇天烈系のギタリストとして一部マニアでは有名な存在です。一時期、キング・クリムゾンに在籍したエイドリアン・ブリューが同様なテイストでのサウンド作りをしていましたが、おそらく日本では「変態サウンド」にかけては小川氏が第一人者でしょう。かといって徒に変態性を求めているのではなく、小川氏の追求する音楽はあくまでもピュアでエモーショナルなロックサウンドです。

この作品は小川氏が自分のスタジオで録音していた音源をまとめたようですが、全体的にはアコースティックを中心にしたリリカルで幻想的な曲が目立ちます。本来はエフェクターをギンギンに効かせたアクロバティックなプレイが持ち味だけに少し拍子抜けの感じが否めませんが、相変わらずギターで表現しえる限界まで挑戦した変態的音作りは健在です。続編「Inner-Wind II」では本来の豪快なプレイが聴かれますので、このIとIIとを合わせて聴き比べることによって、小川氏の「静」と「動」の両面に触れることができます。

ちなみに小川氏自身のHPからは、何と12枚ものCDをまとめた「大作」を入手することができます。こちらも自分のスタジオで録音したものを年度別にまとめたというもの。まとめ買いはどうもという人はバラ売りもしているようですから、興味のある方にはお勧めいたします。

最後に。クレジットがお茶目なのでそのまま記載しておきます。

ちなみに数少ない動画はこちらで。

●Musicians
Ginji Ogawa / guitars
Masayuki Koyama / bass
Takafumi Yamaguchi / drums
Takaharu / guts,fight
Hirokazu Saitoh / Lapis lazuly
Kei Noguchi / always smile

●Numbers
1.  インナー・ウィンド(セレクション)
2.  よみがえる神話
3.  遠い雲
4.  船出(アゲイン)
5.  ヴァリュアブル(ソロ・ヴァージョン)
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2010年12月24日 (金)

幻のRon Thal 1stが再発売されてました♪

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Musician●Ron Thal(guitar)
Title●The Adventures of Bumblefoot(1994年)
■Amazonより購入

以前の記事でお伝えした「変態&奇天烈系ギタリスト」のリーサルウェポン、Ron Thal(=Bumblefoot、ロン・サール)の1stが再発売されていました。リマスターされているということで当然のように入手。どうやら所属のシュラプネルレコードが再発売を何点かにかけているようです。これはありがたいですね。

内容に関しては前回記事をご覧いただくとして、肝心のリマスター効果ですが、これが実にバランス良く仕上がっていまして、思い切り音量を上げてRon Thalの奇天烈ワールドを堪能しています。旧盤が品薄のために1万円近くのプレミアがついているだけに、この価格で入手できるとは朗報と言えましょう。この盤を探していた方もこの機会にぜひ!

望むらくは同様に世界的に品薄状態にある2nd「Hermit」もこの勢いでリマスターしてくれると嬉しいのですが。

●Musicians
Ron Thal / bass,guitar,drum
Chris Piazza / slap bass
JB / timbales

●Numbers
1.  Bumblefoot
2.  Orf
3.  Scrapie
4.  Blue Tongue
5.  Limberneck
6.  Q Fever
7.  Strawberry/Footrot
8.  Ick
9.  Malignant Carbuncle
10. Rinderpest
11. Strangles
12. Fistulous Withers
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2010年12月23日 (木)

欧米のギタリストは真似できません。Nguyen Le「Million Waves」

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Million Waves(1995年)
■Amazonより購入

両親がベトナム人でフランス育ちというギタリスト、Nguyen Le(グエン・レ)による初期のソロアルバムです。1995年に良質のジャズアルバムを送り出すACTレーベルからリリースされています。参加メンバーはPat Methenyなどとの共演で知られる売れっ子ドラム奏者Danny GottliebDieter Ilg(ベース)というトリオ構成。

日本でのNguyen Leの知名度はあまり高くないと思われますが、フランスやイタリアを中心としたヨーロピアンジャズ界では大人気のギタリストで、ソロ活動のほなに多くのセッション活動をこなしていて、最近では映画音楽も手がけているようです。そのプレイスタイルは独特すぎるほど独特で、ジャズを基本としていながら、ロック、ベトナム民族音楽、北アフリカ門族音楽などの要素を貪欲に取り入れつつ、独自のスパイスを加味して、唯一無比の世界を作り上げています。ギタリストとしてのスタイルは、Scott HendersonやAllan Holdsworthなどのテクニカル系ギタリストからの大きな影響を受けつつ、Jimi Hendrixからも相当にインスパイアされています。先に触れた多層におよぶ音楽的要素と多くの引き出しを秘めたプレイスタイルとが渾然一体となって、まか不思議で万華鏡のようなサウンドが完成するのです。

そんなわけで実に多面的な魅力をもつプレイヤーですが、何よりも特徴的なのは絶妙なアーミングです。あまりにも華麗で繊細な味わいをもつアーミングは、達人HoldsworthやJeff Beckあたりとはまた違った魅力を秘めています。たとえが難しいのですが欧米的な発想では考えつかない、アジア的なアーミングとでもいいましょうか。オープニング曲「Mille Vagues」は韓国の民族音楽をヒントに作られた曲ですが、繊細で微妙なニュアンスを再現できるのは名ギタリスト多しといえ彼以外にはいないでしょう。

また、ジミヘンフリークぶりを存分に発揮しているのが「Little Wing」をカバー。ロックテイストを醸し出しながら、彼独自のアレンジを加えて名曲に新たな生命を吹き込んでいます。

ギタープレイヤーとして、さまざまな音楽的要素を圧倒的なテクニックで表現するととに、アジア人であるわれわれの心の奥底まで揺さぶるプレイヤーは、Nguyen Le以外に思いつきません。まさに「音の一人多国籍軍状態」を体現するこの素晴らしいギタリストですが、残念ながら日本では無名に近いというのが不思議でなりません。

●Musicians
Nguyen Le / guitar, guitar-synthesizer, e-bow
Dieter Ilg / acoustic bass, mouth jive
Danny Gottlieb / drums & percussion

●Numbers
1.   Mille Vagues
2.   Trilogy
3.   Be Good
4.   Mango Blues
5.   Butterflies & Zebras
6.   Little Wing
7.   El Saola
8.   Sledge
9.   Moonshine
10.  I Feel Good
R0010292

2010年12月22日 (水)

新進気鋭のテクニカル系ギタリストAndy Jamesの1st

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Musician●Andy James(guitar)
Title●Machine(2007年)
■CD Babyより購入

一時期ネット上で話題になっていたイギリス出身のテクニカル系ギタリストAndy James(アンディ・ジェームス)の1stです。どうやら最初は自主制作あつかいだったようですが、話題が話題を呼んで正式ルートに乗ったようです。ただし、送られてきたのはCD-Rではありますが(笑)。

作風はというとテクニカル系好きにとっては「ドンズバ」の全曲弾き倒し状態。当然、ボーカル抜きのオールインストですからギター好きにとってはたまらないでしょう。ちょうど同じイギリス人ギタリストGuthrie Govanに似ていますが、Govanほどの洒落っ気と色気は感じさせず、生真面目に音を紡いでいくというタイプ。また、時折、ネオクラシカルの要素が入り込むのでその手のHM好きのファンをも引きつける魅力があります。

また最近の潮流として、ほとんどのパートを自分自身で作り上げてしまう「引きこもり系ギタリスト」が増えていますが、案の上、このAndy Jamesもそれに当てはまります。タイトル曲「Machine」のドラムは明らかに打ち込みですね。予算がなくて、そして友達が少ないミュージシャンにとってはこの手の手法の出現はまさに福音でしょう。

とまあ手放しで誉めちぎりましたが、この手のギターインストアルバムは一部を除いて我が日本では異常なまでに冷遇されていて、なかなか話題にも上らないのも事実です。残念ながらこのAndy Jamesも生真面目すぎる作風と地味な外見もあって、埋もれてしまうのではないかと想像されます。ですから天の邪鬼な当欄としては、密かに応援するわけです。

●Musicians
Andy James / guitars
Bob Boldock / drums,drum-programming

●Numbers
1.  Machine
2.  Sevenfour
3.  Time Awakening
4.  Bella's Song
5.  Digital Scream
6.  Jump To Light Speed
7.  Universe
8.  Crimson Dawn
9.  Freefall
R0010305

2010年12月21日 (火)

変態トリオが全開!Hellborgの「Art Metal」

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Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●Art Metal(2007年)
■Amazonより購入

スウェーデン出身の超絶ベース奏者、Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)は2006年あたりから「フリーク・キッチン」で知られる同郷のテクニカル系ギタリスト、Mattias IA Eklund(マティアス・エクルンド)、そしてAllan Holdsworthなどとの共演で知られるAndres Johansson(drums)と組んで期間限定ユニット「Art Metal Trio」を結成しツアーを展開していました。彼らの記念すべきデビューアルバムがこの作品です。参加メンバーは上記3人に加え、鍵盤楽器にJens Johhanson、そしてShawn LaneとJonas HellborgによるDVD作品「Paris」で共演していたインド人打楽器奏者Selvaganeshという強力な布陣です。

基本的にはエルボーグ名義でリリースされた「Kali's Son」の延長線上にありますが、なんと言ってもエクルンドの加入の影響は大きく、テクニカルかつ変態フレーズ満載のエクルンドのギターソロと、エルボーグの超絶ベースとの緊張感あふれる壮絶なインタープレイは破壊力抜群です。特にオープニング曲「Muthucutpor」でのハイテンションで壮絶なバトルは鳥肌が立つほどです。ただアルバム全体としては途中でやや中だるみになる曲もあるのが、珠にキズかも(全曲がオープニング曲みたいな出来だったら、悶絶死は確実です)。エクルンドのトリッキーなソロは瞬間的には面白いのですが、アルバム全体の中ではだんだん慣れてきてしまうせいでしょうか? それだけ「変態道」は奥が深いのです。

●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Mattias IA Eklund / guitar
Andres Johansson / drums
Jens Johhanson / keyboards
Selvaganesh / percussions

●Numbers
1.  Muthucutpor
2.  Manirambha
3.  Nataraja
4.  Solitude
5.  The Three Princes Of Serendip
6.  Round Metal Hat
7.  Vyakhyan-kar
8.  Art Metal
R0010290

2010年12月20日 (月)

ベトナム系フランス人ギタリストNguyen Leの華麗なる超絶プレイ「Bakida」

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Musician●Nguyen Le(guitar)
Title●Bakida(2000年)
■Amazon Franceより購入

両親がベトナム人でフランスで生まれ育ったギタリストNguyen Le(グエン・レ)による2000年の作品です。良質の作品を数多く送り出すACTレーベルからリリースされています。当欄でもたびたび登場する異能のギタリストですがそのギタープレイは、一言で言って「一人多国籍軍状態」。基本的にはScott HendersonやAllan Holdsworthあたりのテクニカル系ギタリストの範疇に入りますが、ジャズフュージョンを基本に、ロック、各民族音楽などありとあらゆる音楽的要素を貪欲に取り込み、独自の世界観を作り上げています。また、フランスがかつてアルジェリアの宗主国だった関係で、北アフリカのマグレブ地方の民族音楽と西洋音楽とがミックスされた「ライ音楽」の要素もふんだんに取り入れています。したがって「これ!」という明確な旗色を掲げるというよりも、多くの音楽的要素が渾然一体となったカオスにも似た状態こそ、Nguyen Leの魅力です。

この作品ではギター、ベース、ドラムのトリオ構成を基本に、Chris Potter(サックス)、Jon Balke(ピアノ)などのさまざまなミュージシャン・楽器との「コラボレーション」の形をとっています。ゲストまで含めて国籍を見ると、フランス、ベトナム、スペイン、アルジェリア、イタリア、トルコ、ノルウェイ、アメリカとまさに「多国籍軍状態」。うっかりするとワールドミュージックにカテゴライズされてしまいますが、実はそんな生やさしいものではないと思います。

Nguyen Leというプレイヤーは決して弾き倒すタイプのギタリストではありませんが、時おり聴かせる狂気を帯びた強烈なアーミングと誰にも真似ることができないエスニカルなフレージングは、まさに「個性派ギタリスト」の面目躍如という感じです。たまに目にも止まらない速さで弾きまくるなど、ギターファンにとっては「魅力の宝庫」です。類似するタイプのギタリストが皆無なため、かえってセッションギタリストとしても重宝されるのも肯けます。アラン・ホールズワースの登場後、さまざまなフォロワーたちが出現し、かえって没個性的な印象を受けるテクニカルギター業界(?)ですが、この我が道を行くタイプのプレイヤーに注目していただきたいと思います。

試しにクレジットに出身国も併記してみました。

●Musicians
Nguyen Le / Vietnam/France / guitar,guitar-synthsizers
Renaud Garcia Fons / Spain/France / bass   
Tino di Geraldo / Spain / drums   

●The Guests Musicians
Carles Benavent / Spain / electric 5 string bass
Karim Ziad / Algeria / gumbri,karkabous,bendir, tarija,vocals
Hao Nhien / Vietnam / flutes, vocals
Paolo Fresu / Italy / trumpet,flugelhorn
Kudsi Erguner / Turkey / ney flute
Jon Balke / Norway / piano
Chris Potter / USA/ tenor saxophone
Illya Amar / France  / marimba,tuned gongs

●Numbers
1.    Dding Dek
2.    Madal
3.    Encanto
4.    Bakida
5.    Chinoir
6.    Noche y Luz
7.    Feel Feliz
8.    Heaven
9.    Lu
10.  Romanichel
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2010年12月19日 (日)

北欧の至宝「The 3rd And The Mortal」の4曲入りミニアルバム

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Musician●The 3rd And The Mortal
Title●Nightswan(1995年)
■Amazonより購入

たまに登場するゴシックメタルネタです。個人的な見解ですが、疲れ気味だとなぜだか聴きたくなる妙な魅力があるのです。ノルウェーが生んだゴシックメタルバンド「The 3rd And The Mortal」は活動歴が短かったということもありますが、その特異な存在感と奇天烈なサウンドで知る人ぞ知るというバンドです。今回ご紹介するのは1995年に発表された4曲入りミニアルバム。同年に発表された2ndフルレンス「Painting on Glass」に対して先行発売されています。

「Painting on Glass」を機に女性ボーカルがKari RueslattenからAnn-Marie Edvardsenへと交替していますが、このメンバーチェンジによる影響はサウンド面に大きな変化を与えています。メタル色は一挙薄まり、その代わりに浮遊感あふれる「癒しの空間」が目前に広がる不思議なサウンドを志向するようになりました。「癒し」と言っても一般的に連想されるECM的なものではありません。展開される音は静寂を保ちながらも、その水面下では狂気にも似た凄みをたたえているのです。目の前に広がる心地よさについつい聴き惚れていると、知らず知らずのうちに彼らの毒牙と術中にはまってしまうという恐ろしさ。いわば麻薬中毒のようにどんどん追い求めてしまうような「親不孝的な匂い」がプンプンとします。

サウンド的には前述「Painting on Glass」と同様のテイストですが、収録曲は重複していませんのでご安心を。特にマグマのように荒れ狂うイントロから一転して静寂で暗黒世界へと投げ入れてくれる#1「Neurosis」は珠玉の名曲だと思います。

●Musicians
Ann-Mari Edvardsen / vocals
Finn Olav Holte / guitars
Trond Engum / guitars
Geir Nilssen / guitars
Bernt Runberget / bass
Rune Hoemsnes / drums 

●Numbers
1.   Neurosis
2.   From The Depth Of Memories
3.   The Meadow
4.   Vavonia Part I
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2010年12月18日 (土)

80年型キンクリ第1弾「Discipline」

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Musician●King Crimson
Title●Discipline(1981年)
■ディスクユニオンで購入

1981年に発表された新生King Crimsonの第1作です。第2期Talking Headsでのプレイが冴え渡っていた奇才Adrian Belew(エイドリアン・ブリュー)を半ば強奪気味に迎え入れギタリストに迎え、ベースにはスキンヘッドのベース(スティック・ベース)の魔術師Tony Levin(トニー・レイヴン)を据えて、今までに聴かれなかった大変キッチュな音の世界を作り上げています。ドラムはお馴染みBill Bruford

まずは#1「Elephant Talk」ではいきな りBelewによる象の咆哮が炸裂します。Fripp卿がすべてのパートを仕切っていた従来型キンクリでは考えられなかったなので、いきなり腰を抜かすほどの驚きです。#2「Frame By Frame」ではグループお初の“男性ハーモニー”まで出てくる始末です。それにしてもBelewの曲がりくねったギターソロは完全に「変態の域」に達していますが、対するFripp卿のプレイは相変わらず冷徹、冷静で機械的ですらあります。この2人のまったくキャラが異なるギタリストが織りなす摩訶不思議な世界は、聴いているうちに妙なトランス状態へと導いていく静かなパワーを感じます。Levinが作り出すスティックによるフレーズも変態性を極め、実に怪しい世界が広がります。

「Discipline=鍛錬、訓練」と名づけられたこのアルバムがリリースされた当時、Fripp卿は「自ら鍛錬を続けることによって、より完成された音楽を作り出すことができる。私のこれまでのプレイは非常に雑で粗野だった。だから、今までの自分のプレイのすべてを捨て去ったうえで新たに鍛錬、訓練を続けながら自分の音楽を志向していくことになるであろう。だからアルバムのタイトルもDisciplineにした」という意味合いの発言をしていました。この発言がどこまで本気でどこまで冗談なのかは、発売後30年近く経ったいまでもわかりませんが、従来型キンクリのイメージを完全に打ち破ったのは事実です。あえて言えばラスト「Discipline」は若干70年代型キンクリの残滓を伺うことができるでしょう。最後の最後でほっとしたオールドファンもいたのではないでしょうか。

従来型キンクリのイメージを求めてこのアルバムに接した人は、強烈な拒否感を示したことも事実でしょう。そう感じさせた時点で、Fripp卿はきっとニヒルな笑みを浮かべたに違いません。個人的には永遠と続く無機質なアルペジオを弾くには、やはり日常の鍛錬、訓練が必要だなと感じましたが。

ところで、結成40周年記念盤ではボーナストラックとして「Matte Kudasai」の別バージョンが収録されています。個人的には「どっちでもいいや」という感じです。

●Musicians
Robert Fripp / guitars,devices
Adrian Belew / guitar,vocals
Tony Levin / stick,bass,support vocal
Bill Bruford / batterie

●Numbers
1.  Elephant Talk
2.  Frame by Frame
3.  Matte Kudasai
4.  Indiscipline
5.  The Hun Ginjeet
6.  The Sheltering Sky
7.  Discipline
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2010年12月17日 (金)

名セッションギタリストCarl Verheyenの1stソロ

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Musician●Carl Verheyen(guitar)
Title●No Borders(1987年)
■Gemm.comより購入

アメリカで活躍する名セッションギタリストCarl Verheyen(カール・ヴァーヘイエン)による1stソロです。Verheyenは「スーパー・トランプ」をはじめ夥しい数のセッション活動を行っていますが、驚くことにこれが初ソロ。1987年にリリースされています。

全体としては明快なハードフュージョンという感じの仕上がりで、特に第1曲目の「6.1」で聴かれる力強いカッティングと超絶技巧ソロは絶品です。この曲のためだけに購入しても惜しくはない名演です。とにかく文句なしにカッコいい!

やや蛇足的な情報ですが、このアルバムにはAllan Holdsworth(アラン・ホールズワース)が1曲だけゲスト参加しています。10曲目の「Gretchen's Theme」がそうですが、ギターシンセでこっそりお忍び参加という感じです。事前に情報を知らないとまったく気がつかないほど実に地味な客演です。Holdsworthがゲスト参加すると、作品全体の方向性まで変えてしまうほどアクの強いプレイをするのですが、御大にしては珍しく(?)主役を引き立てる役割に徹しています。

Carl VerheyenとHoldsworthの繋がりはどこから生まれたのかは定かではありませんが、以前、豪州出身のドラム奏者Chad Wackerman(チャド・ワッカーマン)のソロアルバムで同時共演こそ実現していませんが、作品の中で弾き分けた経緯があります。Wackermanが仲立ちした可能性もありますし、またLagatoレーベルからの流れかもしれませんね。そんな裏事情も気になりますが、珍しく一本気なフュージョンギターをご堪能あれ!

●Musicians
Carl Verheyen / guitars
Dave Marotta / bass,
John Ferroro / drums

Brad Cole / keyboards
Jim Cox / syntesizers,organ
Craig Copeland / vocals
Allan Holdsworth / synthaxe

●Numbers
1.  Big Shuffle
2.  6.1 (The Earthquake Song)
3.  Highland Shuffle
4.  Carol
5.  Conveyor Belt
6.  Adult Chords
7.  Power Tools
8.  Big Sur
9.  Wildflowers #2
10. Let's Ride
11. Gretchen's Theme
12. Tango
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2010年12月16日 (木)

変態ギタリストSteve Vaiの初ソロFlexable

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Musician●Steve Vai(guitar)
Title●Flexable(1984年)
■Amazonより購入

かつてFrank Zappaバンドでギタリストを務めた「変態ギタリスト」Steve Vai(スティーブ・ヴァイ)によるソロ第1弾です。1984年発表当時は、アナログ盤ミニアルバムでしたが、CD化にあたって「Leftovers」というタイトルのボーナストラックが4曲追加されて、全15曲構成になっています。ちなみに旧A面が「Flexサイド」、旧B面が「Ableサイド」として位置づけられています。アナログ盤がリリースされた当時はまさに前代未聞の変態ギタリストの登場ということで、マニア筋では異常なほどの高評価を得ていたことはまだ記憶に新しいところです。とにかく「変な曲」「変なギタープレイと超絶技巧」「予測不能な展開」という変態ギタリストにとっては欠かせない3大要素を完璧に備えたギタリストは、おそらくVaiが初めてだったのではないでしょうか。

1曲目の「Little Green Men」でのわけがわからないチャット、聴いたことのない変拍子、そしてどこから飛んで来るかがまったく予想できない変態フレーズの嵐、とどれをもっても新鮮な驚きの連続で、いま聴き直しても新鮮さは失われていません。

極めつけは「Salamanders In The Sun」で聴かれる国籍不明のうねるような変態ギターでしょう。これだけギターという楽器がもつ表現力を極限まで追究したプレイヤーは、Vai以降をしても数えるほどですし、いまなお第一線を張る限りない表現力には驚きの一語です。亡きZappaの遺志を正しく継承するとともに、ギターとしての表現力にあくなき探求心をもつ稀有なプレイヤーが作り上げた素晴らしいアルバムはいまなお輝きを失っていません。

●Musicians
Steve Vai / guitars,vocals,bass,synthesizer,drum-programming
Scott Collard / keyboard,synthesizer
Paul Lemcke / keys
Stuart Hamm / vocals,bass
Bob Harris / trumpet
Greg Degler / flute
Larry Crane / piccolo
and more ...

●Numbers
1.   Little Green Men
2.   Viv Woman
3.   Lovers Are Crazy
4.   Salamanders In The Sun
5.   The Boy/Girl Song
6.   The Attitude Song
7.   Call It Sleep
8.   Junkie
9.   Bill's Private Parts
10. Next Stop Earth
11. There's Something Dead In Here
12. Leftovers (Bonus Tracks): So Happy
13. Leftovers (Bonus Tracks): Bledsoe Bluvd
14. Leftovers (Bonus Tracks): Burnin' Down The Mountain
15. Leftovers (Bonus Tracks): Chronic Insomnia
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2010年12月15日 (水)

Brufordのメンバーと組んだ渡辺香津美の「Spice Of Life」

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Musician●渡辺香津美(guitar)
Title●Spice Of Life(1987年)
■HMVで購入

我らが渡辺香津美が1987年にBill Bruford(ビル・ブラフォード)、Jeff Berlin(ジェフ・バーリン)を迎えて録音された名作です。BrufordとBerlinといえばいうまでもなくジャズロックの「Bruford」のメンバーであり、Brufordが歩んできた華麗なキャリアについてはいまさら当欄で触れるまでもないでしょう。

このアルバムでの最大の注目点は「Bruford」時代のギタリストがAllan Holdsworthということで、渡辺香津美がどうやってこの2人に対峙するのかという点に尽きるでしょう。ややもすると「前任者」の影響を受けてしまうプレイヤーが見られるなかで、まったく新しい音楽を構築してしまうあたりに渡辺香津美の非凡な才能を感じさせます。当時囁かれた「Brufordの再来」という評価がまったくの見当違いで、3人の邂逅によって新たなフュージョンサウンドがここに誕生しています。

冒頭の「Melancho」はややプログレ風の曲でちょうどKing Crimsonが80年代に入って「Discipline」「Beat」で作り上げた雰囲気に似ています。まずは様子うかがいという感じでしょうか。2曲目「Hiper K」は実にユニークな曲。渡辺氏がYMO在籍時に得意としていた東洋風の展開とBrufordが生み出す明快なポリリズムとが妙なバランスでかみ合って大変面白い楽曲に仕上がっています。3曲目「City」は一転してハードな曲。途中、妙なアルペジオと絶妙なカッティングを織り交ぜながら、いよいよ渡辺氏の本領発揮です。ギターソロは何となくヴァン・ヘイレンっぽくて面白い。続くBerlinもBrufordのアルバムで聴かれたベースソロにも匹敵する素晴らしさ。何となくお囃子風なBrufordのサポートも実にユニークです。

適度な緊張感の中にも、各人がそれぞれの持ち味を十分すぎるほど発揮していて、まさに奇跡のようなバランス感覚のもとに出来上がっています。このアルバムの続編として、キーボードが加わった「The Spice of Life,Too」ですが、この作品ほどのパワーは感じられず、緊張感を欠いた冗漫な出来になってしまったことが残念です。奇跡を2度続けて起こすことは、いかに実力者をもってしても難しいということを痛感しました。

●Musicians
渡辺香津美 / guitar,guitar-synthesizer
Bill Bruford / drums,percussion
Jeff Berlin / bass

●Numbers
1.  Melancho
2.  Hiper K
3.  City
4.  Period
5.  UNT
6.  Na Starovia
7.  Lim-Poo
8.  J.F.K.
9.  Rage In
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2010年12月14日 (火)

超絶ギタリストShawn Laneが残した唯一のソロライブ音源

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Musician●Shawn Lane(guitar)
Title●Powers Of Ten ; Live !(1992年)
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2003年9月に40歳という若さで亡くなってしまったギターモンスターShawn Lane(ショーン・レーン)が自身のソロアルバム「Powers Of Ten」(1992年)のプロモーションのために行ったツアー音源を収めたものです。長い間廃盤状態が続いていましたが、日本盤限定のボーナストラックが1曲ついて再発売されています。

Shawn Laneといえば、北欧が生んだ超絶ベーシストJonas Hellborgとの一連の共演のほうが有名かと思われますし、その怪しすぎる風貌とあいまって目にも止まらぬ超絶技巧のイメージが強いかと思います。

ところが、自身名義の作品では、そんな怪しいイメージをから一転して、比較的聴きやすいサウンドを志向しているのでけっこう驚かされます。Hellborgとの共演音源では我だけが強い個性派ギタリストの雰囲気が濃厚ですが、ソロではバンド全体のアンサンブルを重視し、かつプレイヤーだけでなく優れたコンポーザー&アレンジャーぶりまで発揮しています。4曲目の「Black Market」は言うまでもなくWeather Reportの代表曲ですが、Laneなりの鮮やかなアレンジで曲に新たな生命を吹き込んでしまうあたりは、単なる「早弾きギタリスト」の枠に収まらない才能の広がりを感じさせます。もちろん、早弾きも健在で「Drum & Guitar Solo」で聴かれる火の出るようなインタープレイの連続は、ため息しか出てきません。完全に人類の限界を超えてしまっています。

1992年録音ということで音質的にはいまひとつの感はあります。また、残念なことに「Black Market」では録音状態に起因する若干の音飛びがあります。それらのことを差し引いても、Laneが生前残した唯一のソロライブとしての価値は十分すぎるほど。単なるギターモンスターとしてではなく、ギターアルバムとしても傑作だと思います。

それにしても、ショーンがまだ生きていたらどんな音を弾いてくれるのでしょうか。早すぎる死はとても残念でなりません。あらためて合掌。

●Musicians
Shawn Lane / guitar
Sean Rickman / drums
Barry Bays / bass
Doug Scarborough / keyboards
Todd Bobo / saxophones

●Numbers
1.   Introduction (I Think You Know Why You're Here?)
2.   Esperanto
3.   Gray Pianos Flying
4.   Black Market
5.   West Side Boogie
6.   Epilogue for Lisa
7.   Illusions
8.   Get You Back
9.   Not Again
10.  Drum & Guitar Solo
11.  Tri-Heaven
12.  Hardcase
13.  Drum Solo, Pt. 1
14.  Drum Solo, Pt. 2
15.  Tri 7/5
16.  Introduction of Musicians
17.  Rules of the Game
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2010年12月13日 (月)

ジミヘンフォロワーRobin Trowerの7th「Victims Of The Fury」

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Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Victims of the Fury(1980年)
■HMVで購入

ちょいちょいTrowerネタで恐縮です。元プロコルハルムのギタリストにしてジミヘンフォロワーの第一人者、Robin Trower(ロビン・トロワー)によるスタジオ盤7作目。1980年の作品です。5作目「In City Dreams」と「Caravan To Midnight」でベースを務めたRustee Allenが脱退し、James Dewer(ジェイムス・デュワー)がベースとボーカルを兼任するという初期のトリオ構成に戻っています。ドラムは継続してBill Lordan。

5作目「In City Dreams」、6作目「Caravan To Midnight」でポップ路線に転換したTrowerですが、やはりコアなファンにはいささか不評だったようで、この作品では本来のブルースサウンドへと原点回帰しています。Trowerのギターはいままでになくヘビーでうねりまくり、本来のポジションに戻ったDewerのボーカルも冴えに冴えわたっています。やはり前2作は無理していた部分が少なからずあったのでしょう。

アルバムタイトル曲の「Victims of the Fury」をはじめ、凶暴なソロが破壊的な魅力を振りまく「The Ring」「Into The Flame」など、まるで水を得た魚のように全曲でTrowerのギターが生き生きと躍動しています。「やはりこのトリオ構成に限る!」と溜飲を下げた傑作です。

全体的に実にヘヴィーなブルースナンバーの連続でかなりの聴き応えがあるのですが、ラスト「Fly Low」という曲は実にリリカルで美しいナンバー。最後になってしっかりとクールダウンしてくれる心憎い構成はわかっていてもため息が出るほどの素晴らしさです。

●Musicians
Robin Trower / guitar
James Dewer / bass,vocals
Bill Lordan / drums

●Numbers
1.   Jack And Jill
2.   Roads To Freedom
3.   Victims Of The Fury
4.   The Ring
5.   Only Time
6.   Into The Flame
7.   The Shout
8.   Madhouse
9.   Ready For The Talking
10. Fly Low
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2010年12月12日 (日)

Hellborg & Laneの超絶ライブ「Time Is The Enemy」

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Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●Time Is The Enemy(1996年)
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新生マハヴィシュヌ・オーケストラのベース奏者を務めた、スウェーデン出身のJanas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)が率いる超絶ユニットによるライブアルバムです。メンバーはメンフィスが生んだギターモンスターShawn Lane(ショーン・レーン)とドラムのJeff Sipe(ジェフ・サイプ)という最強の構成。1996年に複数の都市で行われたライブ音源を収めたものです。この3人が揃うと常に驚くべき圧倒的な演奏が聴かれるのですが、もちろんこの作品も大きく期待を上回る素晴らしい出来ばえです。

ギターのShawn Laneのプレイは恐らく人間の限界を超えているのではないかと思われるほどの超絶技巧の持ち主ですが、この人はいつになったら休むのだろうと思うほど、ちょっとした隙間を見つけてはフレーズの嵐を叩き込んできます。いつもなら圧倒的なギターに加えて例の「怪鳥音」のようなボーカルが聴かれるところですが、今回は怪鳥音を封印しギター1本で勝負しています。

もちろん、Shawn Laneのプレイを支えるHellborgとSipeの2人が作り出すうねるようなリズムもかなり強力です。残念ながらShawn Laneは2003年9月に40歳という若さで夭折してしまい、この超ド級トリオの演奏を聴くことは2度とかないませんが、ジャズロック史に永遠に残るであろう傑作であることは疑いありません。

この作品、長らく版元で絶版状態で入手困難でしたが、2005年にリマスタリングされて新ジャケットで発売されました。コアなジャズロックファンであるならば、これは必聴のライブ音源であることを力説しておきます。ギター好きも、変態ベース好きも、ドラム好きもすべてが満足できる作品にはそうそう出会えるものではありません。

●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Shawn Lane / guitar,voice
Jeff Sipe / drums

●Numbers
1.  Heritics
2.  Wherever You Walk
3.  Space Time Continuum
4.  The King's Letter
5.  Baura A Soldani
6.  Time Is The Enemy
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2010年12月11日 (土)

ジミヘンフォロワーRobin Trowerの4th「Long Misty Days」

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Musician●Robin Trower(guitar)
Title●Long Misty Days(1976年)
■HMVで購入

元プロコルハルムのギタリストにしてジミヘンフォロワーの第一人者、Robin Trower(ロビン・トロワー)が1976年にリリースしたスタジオ盤としては4作目です(途中にストックホルムでの「LIVE!」が入り込みます)。メンバーは前作「For Earth Below」から加入したBill Lordan(ドラム)と不動の相方James Dewar(ベース&ドラム)。

前作から基調作風であるブルースに加えてファンク色が加わりましたが、ここでは一転してポップ色が色濃い作風に変貌を遂げています。最も象徴的と言えるのがRスチュワートのヒット曲「Sailing」をカバーしている点でしょう。アルバムからシングルカットされた「Caledonia」もキャッチー&ポップで売れ線を狙った感がありありと伺えます。

Trower自身がマーケットを意識したかは分かりませんが、初期のアルバムよりも格段に聴きやすくなった反面、ジミヘンフォロワーとしての色合いは確実に薄まってしまいました。したがって、初期からのファンにとっては何とも複雑な印象を感じたことは否めません。作品自体、決して出来が悪いというわけではないのですが、今後の展開に一抹の不安を感じてしまうことも事実。「杞憂に終われば…」という不安が次作「In City Dreams」で悪いことに的中してしまうのです。

考えてみればこのアルバムがリリースされた1976年前後というのは、ロック界にとって実に中途半端な時期。HR界ではDeep Purpleが姿を消しつつあり、プログレ界でもCrimson解体の余波から雨後の竹の子のごとくバンドが生まれたり、人知れず姿を消したり。そうこうしているうちにパンクショックが勃発するわけですが、Trowerのようなオールドスタイルのロックにとっては逆風しか吹いていなかったはずです。作風、芸風のブレもいま考えてみると仕方がないことだったのかもしれません。

ネガティブな内容ばかり書き連ねましたが、カッティングが実に格好いい「Caledonia」やヘヴィー極まりないブルースナンバー「S.M.O.」など後世に残る名曲が放つ魅力は決して色褪せません。

●Musicians
Robin Trower / guitar
James Dewer / bass,vocals
Bill Lordan / drums

●Numbers
1.  Same
2.  Long Misty Days
3.  Hold Me
4.  Caledonia
5.  Pride
6.  Sailing
7.  S.M.O.
8.  I Can't Live Without You
9.  Messin The Blues
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2010年12月10日 (金)

JOHN McLAUGHLIN / TOKYO LIVE(1994年)

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Musician●John McLaughlin(guitar)
Title●The Free Spirits Tokyo Live(1994年)
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ジャスギター界の大御所、John McLaughlinが若き天才オルガン奏者Joey DeFrancescoと売れっ子ドラム奏者Dennis Chambersとトリオを組んでリリースした傑作ライブ音源です。1993年12月16日と18日、東京青山にある「ブルーノート東京」で行われたライブ音源が収められています。「The Free Spirits」と名づけられたユニットですが、パーマネントなバンドではなかったようです。何を隠そう、当欄はその場に居合わせるという僥倖に恵まれたのですが、いったいどちらの日に見に行ったかは記憶にありません。記録などは残しておくべきですね。反省。

さて、ライブ当日、ベースとキーボードレスのトリオ構成はどんなものものなのかと一抹の不安を感じていなかったと言えば嘘になります。しかし、それはまったくの杞憂に終わったことは言うまでもありません。McLaughlinが、DeFrancescoがそれぞれ低音部をカバーし合うことで音の厚みと奥行きが十分に感じられました。これは目の前で憧れのミュージシャンが存在していることでの「割り増し効果」なのかと思っていましたが、後日冷静になってこの音源を聴き直しても、やはり凄い!

というわけで、やはり冷静なレビューを書くのは個人的な思いが強くてなかなか難しいのですが、感心したのがデニチェンのドラム奏者としての幅の広さです。てっきりフュージョン限定の人なのかと先入観があったのですが、ストレートアヘッドなジャズフォーマットにも難なく対応できるあたり、やはり売れっ子たるゆえんなんだと妙な感心の仕方をしていました。

この音源には収録されていませんが、当日ラストはMcLaughlinとDeFrancescoのトランペットによる凄まじいインタープレイの応酬で締めくくられました。いやいや、実にありがたいものを見ることができました。

●Musicians
John McLaughlin / guitar
Joey DeFrancesco / organ,trumpet
Dennis Chambers / drums

●Numbers
1.  I Nite Stand
2.  Hijached
3.  When Love Is Far Away
4.  Little Miss Valley
5.  Juju At The Crossroads
6.  Vuhovar
7.  No Blues
8.  Mattinale
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2010年12月 9日 (木)

Hellborg & Laneによる超絶ライブ「Temporal Analogues of Paradise」

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Musician●Jonas Hellborg(bass)
Title●Temporal Analogues of Paradise(1995年)
■ディスクユニオンで購入

北欧スウェーデン出身の超絶ベース奏者Jonas Hellborg(ヨナス・エルボーグ)、米メンフィス出身のギターモンスターShawn Lane(ショーン・レーン)Jeff Sipe(ジェフ・サイプ)のトリオによる超絶技巧満載のライブアルバムです。名義はHellborgになっていますが、実質的にはHelllborgとLaneによる双頭ユニットの色合いが強いように思えます。つまりは、変態ベースとギターモンスターによる壮絶なバトルということに。1995年のストックホルムでのライブ音源を収めたものです。

Shawn Laneのギターの凄まじさに関しては今さらの感もありますが、例によって目にも止まらない音速フレーズが縦横無尽に飛びまくり、怪鳥音のような雄叫びは空を裂きます。もう、これだけでお腹が一杯なのですが、そこにHellborgの変態ベースが絡んできて壮絶な異種格闘技が繰り広げられます。どこから飛んでくるのかまるで予測不可能な音の洪水にただただ圧倒されるのみですが、それでいて一切の破綻がなくひとつの作品に仕上げてしまうのですから、奇跡のようなライブといっても過言ではありません。しかも30分強の2曲のみという荒業!

いつ終わるとも知れない3人のバトルを、しかもライブで聴ける僥倖は筆舌に尽くしがたい価値があります。ところが2003年9月にトリオの一角であるShawn Laneが40歳という若さで亡くなってしまい、もう永遠にこのトリオのバトルを耳にすることは叶わなくなりました。合掌。

このアルバムですが再発売の時に何ら変哲もないデザインに変わってしまいましたが、オリジナルデザインは北京天安門の前で毛沢東の肖像をバックに3人が仁王立ちになっているというもの。政治的な配慮で差し替わってしまったのでしょうか。そういえば、Hellborgはソロアルバムでこっそりとハーケンクロイツを風刺的に掲載しアルバムが回収騒ぎになるという「前科」がありますね。

ところで、Shawn Laneと同姓同名のミュージシャンがいますが、この人はトリオとは何の関わりもないカントリー歌手です。Shawn Laneで検索するとヒットしてきますが、くれぐれも間違って購入しないでくださいね。

●Musicians
Jonas Hellborg / bass
Shawn Lane / guitar,voice
Jeff Sipe / drums

●Numbers
1.  1st Movement
2.  2nd Movement
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2010年12月 8日 (水)

謎のイタリア出身テクニカル系ギタリストUmberto Fiorentino「Alice」

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Musician●Umberto Fiorentino(guitar)
Title●Alice(2002年)
■HMVより購入

当欄でしつこくも登場するイタリア出身のテクニカル系ギタリストUmberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)。どうぞ、ご安心ください。これでたぶん最後だと思われます。手持ちの音源はこれで最後です。ほかに彼が参加しているセッションアルバムもあるのですが、機会を改めたく思います。こちらは2002年のリリース作品です。

そもそもFiorentinoはテクニカル系ギタリストの大御所、Allan Holdsworthのフォロワーとして存在を知ったのですが、実際に聴いてみるとその評価はかなり微妙です。というのも以前の記事でも触れましたが、アルバムごとに芸風が見事にまで変わるので、聴く立場として一定の評価を与えることにかなりの躊躇を感じるからです。これが同じイタリア人ギタリストNico Stufanoのように安定した芸風なら何とでも言えるのですが。こちらは一筋縄にはいきません。奇天烈さ加減だけで言えば、むしろ本家を上回っているのではないでしょうか。

この作品はどうやら自宅のスタジオでひとりで録音したものを編集したもののようです。先に発売された「Ulisse」などを聴くとプログレッシヴ・フュージョンという感じで一定していました、ここではさらにプログレ色が強い実験作という感じの仕上がりに。予定調和とは無縁の散文調のフレーズが無限地獄のように連なっています。いわゆる音が生み出す心地よさなどは一切無視したような実験的な作品です。

そんな意味ではとても万人向けのミュージシャンとは言えませんが、特にこの作品は異彩を放っています。というわけでFiorentinoお試し用としては上記の「Ulisse」がいいのではないでしょうか。

●Musician
Umberto Fiorentino / guitar, slide guitar, volume swells, guitar loop, sequencer programming, sampling effect,flangered percussions,drums loop,

●Numbers
1.   Oh dear oh dear! I shall be late!
2.   Keep your temper
3.   No room! No room!
4.   But who has won?
5.   It must be a very pretty dance
6.   Off with her head!
7.   Important - unimportant
8.   Silence in the court!
9.   It's a cheshire cat
10.  You are all pardoned
11.  Who in the world am i?
12.  Drink me
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2010年12月 7日 (火)

ジミヘンフォロワーRobin Trowerの3rd「For Earth Below」

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Musician●Robin Trower(guitar)
Title●For Earth Below(1975年)
■Tower Recordで購入

元プロコルハルムのギタリストにしてジミヘンフォロワーの第一人者、Robin Trower(ロビン・トロワー)が1975年にリリースした3作目です。プロデュースは例によってプロコルハルム時代の盟友Matthew Fisherが担当しています。

ファーストセカンドでドラムを担当したReg IsadoreからBill Lordanにメンバーチェンジしています。ベース&ボーカルはもちろんJames Dewer。その影響でしょうか。全体にファンク色が加わり、Trowerのソロもより生き生きと縦横無尽に暴れまくっています。なかでも激しいリズムに合わせて必殺ワウワウギターが炸裂する「Confessin' Midnight」をはじめ、やはりファンキーな小曲「Alethea」など、いままであまり感じられなかった「凶暴性」が加わり、ジミヘンフォロワーというより、すでにトロワー独自の世界が完成しています。

とにかくギターがのたうち回るように、暴れまくっています。ある意味、このアルバムで頂点を極めたと言っても過言ではありません。70年代のロック好きにはぜひ聴いていただきたい名盤! ところでベース兼ボーカルのJames Dewerはボーカリストとしてもポール・ロジャースに匹敵するほどの実力者だと思うのですが、いかんせんフロントマンでないことの悲しさ。実力が不当なまでの過小評価されていることが残念です。

●Musicians
Robin Trower / guitar
James Dewer / bass,vocals
Bill Lordan / drums

●Numbers
1.  Shame The Devil
2.  It's Only Money
3.  Confessin' Midnight
4.  Fine Day
5.  Alethea
6.  A Tale Untold
7.  Gonna Be More Suspicious
8.  For Earth Below
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2010年12月 6日 (月)

優れもののライブ音源。ジミヘン「In The West」

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●In The West & Loose Ends
■Gemm.comより購入

不世出のロックギタリストJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)の死後、実に多くのライブ音源が発掘されましたが、これをCD誕生以前に限定すると、実際には数えるほどのライブ音源しか出回っていませんでした。有名どころでいえば「Band Of Gypsys」や「Isle Of Wight」あたりですが、今回ご紹介する「In The West」は各所で収録されたライブ音源を拾遺集的に収めたオニムバスアルバム。したがって、作品全体で何かを訴えるというよりも、バラエティに富んだ音源を楽しむということになります。それでも当時としては大変稀少価値があったのです。カップリングとして、未発表スタジオ音源を集めた「Loose Ends」がついてきました。何という脈略のない編集方針だなと訝ってみたら、案の定「ロシア盤」でした。

話を「In The West」に絞りましょう。

#2  Queen

ジミヘンが突然の死を迎えるわずか10数日前に行われた「ワイト島」(イギリス)でのロックフェスティバルの音源。「Good Save The Queen」、つまりはイギリス国歌をフィードバックだけで弾いています。ワイト島音源はCDにもDVDにもなっているので、多くの方がご存じと思いますが、ステージのオープニングとしては、ふさわしい選曲かと。特に「ウッドストック」での「星条旗よ永遠なれ」を意識したものではないでしょう。

#3  SGT.Peper's Lonely Hearts Club Band
同じく「ワイト島」でのライブ音源。曲はいうまでもなくレノン&マッカートニーの名曲です。意外とも思えますがジミヘンはボブ・ディランの「見張り塔からずっと」などカバーが好きなのです。

#4  Little Wing
初期ジミヘンの名曲。録音日などがまったく記載されていないのですが、おそらく「バークレー・コミュニケーション・センター」でのライブ音源かと思われます。ということは1968年の音源ということでしょう。

#5  Lover Man
こちらも初期の名曲。この曲にはクレジットが明記されています。「バークレー・コミュニケーション・センター」の音源。

#6  Johnny B. Goode
チャック・ベリーの代表曲。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマイケルJフォックスがヴァン・ヘイレン的に弾いてしまい、周囲を唖然とさせてしまったあの曲です。こちらも「バークレー・コミュニケーション・センター」のライブ音源。

#7  Blue Suede Shoes
カール・パーキンスの代表曲。ブルース風にアレンジして黒い魅力を振りまいています。こちらもバークレーでの音源ですね。

#8  Red House
初期の代表的ブルースナンバー。こちらはサンディエゴにあるスポーツアリーナでのライブ音源。「ワイト島」でも聴くことができますが、何だか苦しそうにプレイしていて辛いものがありました。サンディエゴバージョンのほうが、気合いが漲る入魂のプレイでお勧め。私はスタジオ盤を含めてもこの日の「Little Wing」がベストテイクだと思っています。

#9  Voodoo Chile
ジミヘン最後のスタジオ盤にして最高傑作「Electric Ladyland」に収録されていた名曲です。この曲はスタジオ盤では「Voodoo Chile」と「Voodoo Chile~Slight Return」の2バージョンがありましたが、これは「Slight Return」のほう。サンディエゴでの音源です。「Red House」でも触れましたがこの日のジミヘンはまさに絶好調で鬼神のごとく凄まじいフレーズを連発しています。この曲でも気合いが入りまくったソロを聴かせますが、偶発的とも思えるフィードバックやノイズも悉く決まりまくる奇跡のプレイの連続を前にして、いま聴いても鳥肌が立ちます。うっかりと「偶発的」と書きましたが、その実、本人はかなり計算して出しているはず。そうは思わせないのが、天才たる所以なのかといまさらながら思います。

最後に「Loose End」ですが、これこそ死者に鞭打つような愚かな商魂だと声を大にして言いたいです。スーパースターゆえにリリースを前提としていない音源が勝手に出回ることは仕方がないとしても、かなり低調と言わざるをえないセッション音源をほじくり返して商品化してしまうのはいかがなものかと。これが気合いが漲る優れた音源なら、当然話は違ってきますが。

●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Mitch Michell / drums
Billy Cox / bass on #1~#7
Noel Redding / bass on #8,#9

●Numbers
1.  Rap Intro
2. Queen
3.  SGT.Peper's Lonely Hearts Club Band
4.  Little Wing
5.  Lover Man
6.  Johnny B. Goode
7.  Blue Suede Shoes
8.  Red House
9.  Voodoo Chile
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2010年12月 5日 (日)

テクニカル系ドラム奏者Jeff Sipeのソロ作品

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Musician●Jeff Sipe(drums,cymbals,percussion)
Title●Art Of The Jam(2005年)
■Abstract Logixより購入

スウェーデン出身の超絶ベース奏者Jonas HellborgやギターモンスターShawn Laneとの共演で知られる超絶ドラム奏者、Jeff Sipe(ジェフ・サイプ)が中心になって作られたユニットによるライブ音源です。詳細な録音データが不明なのですが、グループとしてはどうやらパーマネントなものではなく一時的な集まりだったようです。

サウンド的にはJonas HellborgやShawn Laneとのトリオの時のように鬼気迫るものではなく、どちらかと言えばWeather Reportのような明るい作風です。ポリリズムも変拍子を多用することなく、どちらかと言えばカリプソ的で長閑な感じです。

この作品で面白いのがPaul Hansonという人が奏でるBassoonという楽器で、アフリカの民族楽器を思わせるような「モコモコサウンド」が何ともいえない妙味を醸し出しています。こんぽユニークな楽器の音源をお聞かせできればそのニュアンスが伝わるのですが、ちょうどMiles楽団でアイアート・モレイアが出していた「ピョコピョコ」「モコモコ」という奇天烈音源に通じるものがあります。ベースには盟友とも言えるJonas Hellborgが参加。2人の強い絆を感じさせます。

まあ、Bassoon以外にはこれと言って特筆するべきことがない(それを言ったら身も蓋もありませんが)作品ですが、Weather Reportファンならば結構楽しめるのではないでしょうか。

●Musicians
Jeff Sipe / drums,cymbals,percussion
Paul Hanson / bassoon
Johnny Neel / Keyboards,vocal
Shane Theriot / guitar
Derek Phillip Jones / bass,fretless bass
Count M'Butu / bass
Jonas Hellborg / bass
Oliver Wood / guitar
Jeff Coffin / sax

●Numbers
1.  Sliced Milk
2.  Friends Seen And Unseen
3.  Budda's Belly
4.  Arrival
5.  Life On Mars
6.  Mercury
7.  Landing
8.  Lunar Soul Food
9.  Saturday Night On Venus
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2010年12月 4日 (土)

ジミヘンのライブ最高傑作「Winterland」

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Winterland Night(1968年)
■Amazonより購入

不世出のロックギタリストJimi Hendrixの死後、数々の「未発表音源」がリリースされてきましたが、中でも最高傑作と言われているのがこの「Winterland Night」です。正確にいうとアナログ時代では「Live In Winterland」としてやはり名盤の名を博していましたが、CD復刻にあたって未発表音源が追加されタイトルも新たにリリースされています。さらに正確を期すると、92年の2回目のCD化でさらに3曲が追加されているようですが、今回紹介するのはそのリイシューということになっています。1968年10月にサンフランシスコで3日連続で行われたステージ音源をまとめたものです。

このライブ音源で特筆すべき点はいくつかありますが、何といっても「Experienced」のメンバーであるミッチ・ミッチェルとノエル・レディング以外のミュージシャンと同じステージに立っているということです。これはこれまで鉄壁を誇ってきた「Experienced体制」の崩壊を意味していると言えますし、ジミヘン自身の大きな変化とも言えます。「Experienced体制」の崩壊については、すでにスタジオ盤3作目の「Electric Ladyland」からスタートしているわけで、このライブでの決定的になったのでしょう。後期ジミヘン時代のスタートです。

ちなみにこの「Winterland」の「完全音源」は生産限定で6枚組のCDとしてリリースされています。私は残念ながら所有しておりませんが、「ジミヘンフリークの鉄人」を自認されている方はいかがでしょうか。ただし、音質、音のバランスともいまひとつという評価のようです。

そういえば今年は没後40年ということで、「未発表音源」がまたしてもリリースされるとの話。この原稿を書いている時点では未入手ですが、当然のように予約は入れております。レビューに関してはじっくり聴き込んだうえで当欄にてお伝えするつもりです。

●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,voocal
Mitch Mitchell / drums
Noel Redding / bass
Jack Casady / bass
Virgil Gonzales / flute
Herbie Rich / organ

●Numbers
[CD 1]
1.  Fire
2.  Manic Depression
3.  Sunshine Of Your Love
4.  Spanish Castle Magic
5.  Are You Experienced ?
6.  Voodoo Chile
7.  Like A Rolling Stone

[CD 2]
1.  Red House
2.  Killing Floor
3.  Tax Free
4.  Foxy Lady
5.  Hey Joe
6.  Purple Haze
7.  Wild Thing
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2010年12月 3日 (金)

Holdsworthyなギターが印象的「Lu 7」の3rd

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Musician●Lu 7
Title●Bonito(2010年)
■Amazonより購入

栗原務(guitar)と梅垣ルナ(keyboard)の2人が中心のフュージョンユニット「Lu 7」(エルユーセブン)による3rdアルバムがリリースされていたことの気がつき入手しましまた。確か前作から5年ぶりの新譜になるはずです。2人のほかのメンバーは岡田次郎(bass)と嶋村一徳(drums)という4人編成。

1st2ndとも梅垣ルナが作り出す幻想的なシンフォサウンドに合わせて栗原務によるAllan Holdsworthを強烈に意識したギタープレイがウネウネとのたうち回るというパターンで押し通してきましたが、3作目にして若干の方向転換が感じられます。「シンフォ+Holdsworthyギター」という基本構造は不変ですが、今回からいままでないがしろにされていた(?)リズム隊が大幅に前面に押し出されて、いわゆる「バンドっぽい音作り」へと変貌を遂げています。その意味では一般的に言えば聴きやすくなってとっつきやすくなっています。たとえとしてかなり古くて恐縮ですが、従来の2作がひたすら「幻想的」で押していたのに対して、今回からBrufordやUKに近いものを感じさせるようになりました。一方で「普通のバンドになってしまったなぁ」という一抹の寂しさに似た思いもありつつ。でも、全体に漂うダイナミズムは決して嫌いではありません。

ギターの栗原務の徹底したHoldsworthyぶりは相変わらずですが、曲によっては「ノーマルプレイ」にも対応することも可能なのですね。妙な新しい発見がありました。

●Musicians
栗原務 / guuitar
梅垣ルナ / keyboard
岡田次郎 / bass
嶋村一徳 / drums

●Numbers
1.    Bonito
2.    Nut Kicking Squirrel
3.    Tanzanite Ring
4.    Intelude #1
5.    Snowy Night
6.    Chocolate Sundae
7.    Requiem K.626 Lacrimosa
8.    Intelude #2
9.    砂の階段
10.  絡みゆく蔓
11.  Pole to winl
12.  Intelude #3
13.  Artemis
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2010年12月 2日 (木)

ジミヘンWoodstockライブ

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Musician●Jimi Hendrix(guitar)
Title●Woodstock(1969年)
■HMVで購入

実質わずか4年弱の活動歴にもかかわらず強烈な印象と後の音楽界に計りきれない影響を与えたJimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)。その素晴らしい楽曲と斬新なギタープレイは多くのロックギタリストに影響を与えましたが、一方で派手で奇天烈極まるステージアクションから語られてしまうことも多いように思えます。そんな取り上げられ方で必ずと言っていいほど登場する映像が、67年のモンタレー・ポップ・フェスティバルでのギター炎上シーンと、69年にNYの郊外で行われたウッドストックでのライブ映像です。

フェスティバル最終日の明け方に登場したJimi Hendrixですが「星条旗よ永遠なれ」をほとんどフィードバックだけでプレイしてしまうという衝撃の映像には、確かに度肝を抜きました。先行きが見いだせないまま長引くベトナム戦争に対して厭戦ムードが若者の間で広がり、カウンター勢力としてのヒッピームーブメントが巻き起こり…というお決まりの枠の中で、最後のとどめとしてこのシーンが登場するのです。確かにそのとらえ方は一部では当たってはいると思いますし、当時のアメリカの世相を語るうえで象徴的な映像として使用されるのも仕方がないとは思います。しかし、それだけでジミヘンのすべてが理解できるかのような紹介方法にはいささか抵抗感を覚えます。ジミヘンが「星条旗よ永遠なれ」をプレイしたのは、何もこの日だけではありませんし、すべての楽曲に反戦メッセージを込めていたわけでもありません。英国のワイト島に行けば「God Save The Queen」をフィードバックでプレイしているのです。

なにやら妙な入り方をしてしまいましたが、一部の印象的なシーンや音源だけを強調して取り上げる送り手側の表現方法には大いに疑問を感じますし、一方でその表現に触れるだけで何だかわかったような気になってしまう受け手にも問題があるように思います。そんなことが当たり前にまかり通るようになると音楽に限らず、芸術全般がどんどん先細りになってしまうのではという個人的な見解です。ステレオタイプな予断や他人から与えられたフレームの中では、自由に音楽を楽しめないのではないでしょうか。

さて、このウッドストックでのジミヘンは実質2時間以上はステージに立っていたと言われています。したがって、このCDでも後年発売されたDVDでも「すべての音源・映像をカバー」しているとは言えません。おそらく完全版といっていいのは海賊盤のみということになりますが、それでも一部だけを取り出してジミヘン云々を語るよりも、遙かにマシだと考えます。

ところで、近いうちに「没後40年」を記念して(?)ウッドストック音源がリリースされるとのことですが、どんな内容なのでしょうか。まずはセットリストからチェックする必要がありそうです。

●Musicians
Jimi Hendrix / guitar,vocal
Billy Cox / bass,backing vocal
Mitch Mitchell / drums
Juma Sultan / percussion
Larry Lee / rhythm guitar
Jerry Velez / percussion

●Numbers
1.  Introduction
2.  Fire
3.  Izabella
4.  Hear My Train A Comin
5.  Red House
6.  Jam Back At The House
7.  Voodoo Child (Slight Return) / Stepping Stone
8.  Star Spangled Banner
9.  Purple Haze
10. Woodstock Improvisation
11. Farewell
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2010年12月 1日 (水)

全盛期のFrank Gambaleのライブ音源

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Musician●Frank Gambale(guitar)
Title●Live!(1988年)
■ディスクユニオンで購入

Chick CoreaのElektric Bandは2人の素晴らしいギタリストを生み出しています。一人はのちに「Tribal Tech」を結成しトリッキー&ブルージーなギタープレイで独自の境地を拓くScott Hendersonと今回紹介するFrank Gambale(フランク・ギャンバレ)です。1958年にオーストラリアで生まれたGambaleはアメリカに渡りロスにあるギターの虎の穴「GIT」に入学。卒業後は、Allan Holdsworthとの共演で有名なJeff Berlinのソロ作品に参加したりしていました。そんなこんなでChick Coreaからお声がかかりそのままElektric Bandに加入します。まさにシンデレラボーイですね。ちなみにElektric Bandの初代ギタリストがScott Hendersonです。

この「Live!」はGambaleとしてはソロ3作目。1988年8月に有名なジャズスポット「Baked Poteto」で収録されています。プロデュースはあのMark Varney。先立ってMark Varneyが率いたいまはなき「Legato」レーベルからソロ2枚をリリースしていますが、何となく消化不良の感が否めませんでした。要はスタジオ盤だと何となくよそいきな感じがして、弾けたものが感じられなかったのです。ところが、この「Live!」ではまあ弾けていること!Gambaleの得意ワザで彼の代名詞とも言える「スウィープ奏法」(ピッキングで一つのフレーズを可能なかぎりワン・ストロークで弾くこと)も随所で炸裂しています。キーボードのケイ赤城も素晴らしいですね。

これは個人的な見立てですが、Gambaleがいちばん輝いていたのはこの「Live!」がリリースされた80年代後半から90年代前半にかけてで、それ以降はきっちりとした作風を確立することができずに若干迷走気味のように思えてなりません。デビュー当時のケレン味のない豪快なプレーを思い出してほしいと密かに願いはじめたから幾年か。というわけで、往年の超絶技巧が炸裂しまくるこの「Live!」をご堪能あれ!

●Musicians
Frank Gambale / guitar
Kei Akagi / keyboards
Steve Tavaglione / electric wind instrument and saxes
Steve Kershisnik / bass
Joe Heredio / drums

●Numbers
1.  Credit Reference Blues
2.  Fe Fi Fo Funk
3.  Spending Sunday With You
4.  A Touch Of Brazil
5.  Spike's Song
6.  The Natives Are Restless
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