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2010年12月15日 (水)

Brufordのメンバーと組んだ渡辺香津美の「Spice Of Life」

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Musician●渡辺香津美(guitar)
Title●Spice Of Life(1987年)
■HMVで購入

我らが渡辺香津美が1987年にBill Bruford(ビル・ブラフォード)、Jeff Berlin(ジェフ・バーリン)を迎えて録音された名作です。BrufordとBerlinといえばいうまでもなくジャズロックの「Bruford」のメンバーであり、Brufordが歩んできた華麗なキャリアについてはいまさら当欄で触れるまでもないでしょう。

このアルバムでの最大の注目点は「Bruford」時代のギタリストがAllan Holdsworthということで、渡辺香津美がどうやってこの2人に対峙するのかという点に尽きるでしょう。ややもすると「前任者」の影響を受けてしまうプレイヤーが見られるなかで、まったく新しい音楽を構築してしまうあたりに渡辺香津美の非凡な才能を感じさせます。当時囁かれた「Brufordの再来」という評価がまったくの見当違いで、3人の邂逅によって新たなフュージョンサウンドがここに誕生しています。

冒頭の「Melancho」はややプログレ風の曲でちょうどKing Crimsonが80年代に入って「Discipline」「Beat」で作り上げた雰囲気に似ています。まずは様子うかがいという感じでしょうか。2曲目「Hiper K」は実にユニークな曲。渡辺氏がYMO在籍時に得意としていた東洋風の展開とBrufordが生み出す明快なポリリズムとが妙なバランスでかみ合って大変面白い楽曲に仕上がっています。3曲目「City」は一転してハードな曲。途中、妙なアルペジオと絶妙なカッティングを織り交ぜながら、いよいよ渡辺氏の本領発揮です。ギターソロは何となくヴァン・ヘイレンっぽくて面白い。続くBerlinもBrufordのアルバムで聴かれたベースソロにも匹敵する素晴らしさ。何となくお囃子風なBrufordのサポートも実にユニークです。

適度な緊張感の中にも、各人がそれぞれの持ち味を十分すぎるほど発揮していて、まさに奇跡のようなバランス感覚のもとに出来上がっています。このアルバムの続編として、キーボードが加わった「The Spice of Life,Too」ですが、この作品ほどのパワーは感じられず、緊張感を欠いた冗漫な出来になってしまったことが残念です。奇跡を2度続けて起こすことは、いかに実力者をもってしても難しいということを痛感しました。

●Musicians
渡辺香津美 / guitar,guitar-synthesizer
Bill Bruford / drums,percussion
Jeff Berlin / bass

●Numbers
1.  Melancho
2.  Hiper K
3.  City
4.  Period
5.  UNT
6.  Na Starovia
7.  Lim-Poo
8.  J.F.K.
9.  Rage In
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ジャズギター」カテゴリの記事

コメント

Spice of Lifeは、入社同期の馬鹿上手アマドラマーさん(一時期バンドを一緒にやってました)が絶賛してました。

リハを重ねていない、荒々しさが素晴らしいそうです。

私は四半世紀よりずっと前の高校生時代にプログレバンドでギターを弾いてましたので、ブラッフォードは好きですね~

香津美さん、カシオペア&スクエアは、日本のジャズの健全な発展を阻害した3悪人?と私的にはとらえており、苦手なアーティストではありますが… (お好きな方も多いので、狂人のタワゴトと思ってご容赦いただければ幸いです。)

One For Allライブは唯一、リラックスして楽しんで聞けます。NYライブということから、選曲が国際標準?にならっているのが功を奏している気がします。

ではでは~

コメントありがとうございます。

記事をあげておいて矛盾したことを言いますが、香津美氏が一番輝いていたと思うのは、70年代後半くらいまでのソロ作品とTBMレーベル作品で、YMO参加以降は実はあまり食指が伸びません。まあ、この盤はBrufordとBerlinがいるということで例外的な扱いです(笑)。

と言っても秋にNKK-BSで放送された「東京ジャズ2010」は久しぶりに熱演が聴かれてなかなか良かったですよ。

スクエアとカシオペアについても同感です。学生時代はやたらとブームでしたが「これがフュージョンの代名詞」として語られるのは、ちょっと違うかなというのが正直なところです。


すみません。「NHK-BS」の間違いでした。
ハイビジョンでも放送されてましたね♪

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