イタリアのテクニカル系ギタリストUmberto Fiorentinoの1st
Musician●Umberto Fiorentino(guitar)
Title●Inside Colors(1988年)
■Gemm.comより購入
イタリア出身のテクニカル系ギタリスト、Umberto Fiorentino(ウンベルト・フィオレンティーノ)による1stアルバムです。相変わらず情報が極端に少ないため正体がよくわからないのですが、のちにAllan Holdsworthばりのプレイを聴かせはじめることから「Holdsworthy一家」の一員として紹介されることもありますが、私見ではたとえばNico StufanoのようなHoldsworthy原理主義者というほどではなく、適度に「らしさ」を醸し出す程度です。そんなことよりも、この人自身、作品をリリースするたびに、あるときはプログレ風、あるときは正統派ジャズ、あるときはアコギ中心とまったく異なる芸風で攻めてくるので、実際問題としてつかみどころがないのです。
そんなFiorentinoの記念すべきデビューアルバム(1988年)ですが、のちの「Ulisse」(1995年)や「Things To Come」(2002年)あたりの変態チックなギタープレイと比べると、かなりまともな内容になっています。サックスやキーボードなど多くの楽器とのコラボ中心なので、ギター弾きまくり状態を期待すると肩すかし気味です。それでもギターシンセから生み出されるフレーズの数々はかなり独特で、「変態テクニカル系」の片鱗は十分にうかがい知ることができます。Allan Holdsworthファンはもちろん、Nico Stufanoあたりに興味がある人にとっては、ちょっと手を出してみるのも一興かと。
●Musicians
Umberto Fiorentino / guitars,guitar-synthesizer
Stefano D'anna / sax
Stefano Sastro / keyboard
Luca Pirozzi / bass
Rober Gatto / drums
●Numbers
1. Black Panther
2. Lost In A Mirror
3. Inside Colors
4. Zone Di Confine
5. Half July
6. Gum To Gum
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コメント
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こんなギタリストがいたんですね。
早速以下の音源をGetしてしまいました(^ ^)y
Inside Colors - 1988 release (fusion with Holdsworth influences)
Ulisse - 1995 release (fusion with Holdsworth influences featurnig Vinnie Colaiuta on drums)
Things To Come - 2002 release (trio jazz)
Alice - 2003 release (bizzaro/creative/unique)
まだ、Things To Comeの一部しか聴けていませんが、素晴らしいです。
ちなみに、ドイツのギタートリオJazz Pistols - "Live" (2006)もゲットしてしまいました。
こちらも、ウェザーナンバーを3曲やっていて中々楽しめます。
漁盤の世界はほんとうに底なし沼の様ですねぇ~ (^ ^;
投稿: betta taro | 2010年11月 6日 (土) 22時42分
コメントありがとうございます。
Fiorentinoさんは昔、どこかのサイトで「Holdsworthフォロワー」として紹介されたいたので漁盤活動に勤しんでいました(笑)。
入手された音源で個人名義の作品はコンプリートされていると思われます。個人的にはThings To Comeが好みですが、変態さではAliceがいちばんですね。ただ「Holdsworthフォロワー」という括りは当たっていないと思います。
ほかに「Lingomania」とかいうフュージョンユニットにも何枚か音源を残していますが、こちらはけっこうまともなプレイです。
イタリア系の人たちは日本であまり知られていないケースが多いので、漁盤生活にも気合が入ります!
投稿: 奇天烈音楽士 | 2010年11月 7日 (日) 11時56分