おどろオドロしいRaoul Bjorkenheimのギター「Ritual」
Musician●Raoul Bjorkenheim(guitar)
Title●Ritual(1988年)
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フィンランド出身のフリー系&アヴァンギャルド系&爆裂系ギタリスト、Raoul Bjorkenheim(ラオル・ビョーケンヘイム)が率いるユニット「Krakatau」名義による1988年の作品です。例によってRaoul Bjorkenheimの知名度は我が日本では無名に近いと思いますので、若干の解説をと言たいのですが、いかんせん資料が少なすぎます。若い頃はECMなどの作品にも参加していましたが、完全フリーに転向してからは、爆裂系、北欧土着系、無国籍系と奇天烈な道を歩んでいます。音楽評の言葉を少しだけ借りますと「マイルズの電気音楽時代をギターで再現したら、それが北欧出身のミュージシャンで再現したらどうなのだろう。ギターでカオスの世界を表現できるのは彼だけ」とのこと。ECMで活躍というとMethenyのような透明感あふれるリリカルなプレイを想像しますが、まったく真逆のキャラです。ですから、そんなことは期待しないでください(笑)。
このアルバムは1988年の「Krakatau」名義による作品で、1996年に再発売されています。そこで新たに89年と90年のヘルシンキでのライブ音源が追加されているようです。彼らの音源で共通して感じられるのは「土着性」。しかも北欧的な土着性です。土着性に基づく音楽というと、真っ先に思い浮かぶのがフォークロア的な民族音楽ですが、この作品での土着性とはジャズという西欧的な概念に縛られることのない音楽的な自由性なのではないのかと思います。だからこそ、ワールドミュージックということなのかもしれませんが、一方でそのワールドミュージックという正体不明な枠組みをも拒否するかのごとく、野性味あふれる泥臭い音楽が展開されています。その意味では、とても狭い範囲で聴く者を選ぶ音楽ですね。別ユニットとしては「Scorch Trio」も違った意味で強力推薦です。
●Musicians
Raoul Bjorkenheim / guitar,talking drum,shekere,rebab
Jornma Tapio / alto sax,bass,flute,bones
Tapani Rinnie / tenor & baritone sax,wood flute
Sampo Lassila / bass
Heikki LeftyLehto / drums
Michael Lambert / drums
●Numbers
1. Foot Talk
2. La Lluana
3. Matinaal
4. Epilog
5. Go
6. Dog Honk
7. Ritual
8. What?
9. New Day
10. Ray
11. Bygones
12. Relentless
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