Mahogany Rushの出世作「Mahogany Rush IV」
Musician●Mahogany Rush
Title●Mahogany Rush IV(1976年)
■ディスクユニオンで購入
カナダ出身のジミヘンフォロワー、Frank Marinoが率いる「Mahogany Rush」による4枚目のアルバムです。1976年リリースですが、このアルバムからCBSレコードと契約を結んでいるので一躍メジャーデビューということになります。長らく廃盤状態が続いていましたが、リマスター化のうえ復刻されています。
Mohogany Rushと言えば1978年の初来日の印象が強烈に記憶に残っていますが、その2年前に発表されたこのアルバムがFrank Marinoのキャラクターを決定づけたと言っても過言ではありません。79年に発表された「Tales of The Unexpected」も甲乙つけがたいのですが、78年の「Live」とこの「Mahogany Rush IV」の2枚の作品を合わせて聴くことによってFrank Marinoのキャラクターの全貌が浮かび上がってくるはずです。また、メジャー以前のサウンドと決定的に違うのは、このアルバムから夥しい数のエフェクターを使い始めたことで、ハード&スペイシーサウンドが確立されました。また、シンセベースやメロトロンなども導入しています。
なんと言っても当時のライブのオープニング曲「The Answer」は初期の代表曲で、ハイテク&スペイシーサウンドという彼の奏法を決定づけたと言ってもいい傑作です。縦横無尽に暴れ回る彼のギタープレイはまさに圧巻です。もちろんジミヘンフリークぶりは他の追従を許してはいません。この作品が制作された当時、彼はなんと22歳!なんという成熟したプレイなのでしょう。しかし、若くして注目を浴びてしまったことは、その後の彼自身の迷走ぶりを見ると結果的には不幸なことだったのでしょう。
80年代に入って自身のドラッグ問題や作風への迷いなどから、Frank Marinoは失速していきます。フォロワーの宿命として、ある程度極めてしまうと、さて次の表現方法の壁にぶち当たることは当然と言えば当然。当時あれだけのギターフリークを熱狂させた彼のプレイが再び聴けることは感慨深いものがあります。若い世代にも一度は耳を傾けて欲しい70年代HRシーンを代表する名盤です。
●Musicians
Frank Marino / guitars,vocal,synth-bass,mellotron
Jim Ayaoub / drums,percussion
Paul Harwood / bass
●Numbers
1. I'm Going Away
2. Man At The Back Door
3. The Answer
4. Jive Baby
5. It's Begun To Rain
6. Dragonfly
7. Little Sexy Annie
8. Moonwalk
9. Ⅳ...(The Emperor)
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