Lifetimeの第2弾「Turn It Over」
Musician●Tony Williams(drums)
Title●Turn It Over(1970年)
■ディスクユニオンで購入
弱冠17歳でMiles楽団に加入した天才ドラマーTony Williams(トニー・ウィリアムス)が楽団脱退後に制作した「Emergency!」(1969年)に続くLifetime名義の第2弾です。なかなかCD化されずファンの間では「幻の名盤」になりつつあったのですが、数年前に待望のCD化がなされました。
さて、前作「Emergency!」でJohn McLaughlin、Larry Youngという変則トリオによって狂おしいまでのカオスの世界を構築したWilliamsですが、翌年70年に録音されたこの作品は前作の路線を引き続き継承しつつ、さらに暴力的な音に作り上げました。
ただひたすら打ち鳴らされるドラム、ディストーションが極限にまで利いたMcLaughlinの先鋭的なギター、そして今回から元CreamのJack Bluesが加わり、前にも増した混沌とした世界を作り出しています。Williamsによる怪鳥のようなオタケビはご愛嬌として、最後まで息をつかせぬ強烈なサウンドは、なるほど70年代ジャズロックの代表作と言われるだけあります。
ボーナストラックの「One Word」はMcLaughlinの作。自身のアルバムにも収められていますが、ギターが縦横無尽にのたうち回り、Williamsによる地響きのようなドラミングでとどめを刺されるというとんでもない曲。前作「Emergency!」もかなり体力を要するアルバムでしたが、このアルバムはそれ以上に聴く側に体力ばかりか気力を要求します。心して臨んでください。
●Musicians
John McLaughlin / guitar,vocals
Tony Williams / drums,vocals
Larry Young / organ
Jack Bruce / bass,lead vocal on One Word
●Numbers
1. To Whom It May Concern-Them
2. To Whom It May Concern-Us
3. This Night This Song
4. Big Nick
5. Right On
6. Once I Loved
7. Vuelto Abajo
8. A Famous Blues
9. Allah Be Praised
10. One Word
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